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巴達曼邁熟茶2010年 その4.

采茶 : 2010年4月
加工 : 2016年11月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+店長
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺

お茶の感想:
クエン酸でお茶が酸っぱくなる問題を考える。
渥堆発酵の主役の黒麹菌はクエン酸をつくる。
なので酸味がゼロという熟茶はありえない。
しかし、流通している熟茶はそれほど酸っぱくない。どちらかというと甘い印象がある。
どうやって酸っぱいのを抑えるのか?
ところで、泡盛のもろみは黒麹菌で醸されるが、酒は酸っぱくない。蒸留酒だから、蒸留するときにクエン酸は蒸発しないでもろみに残る。なのでもろみは酸っぱい。
熟茶づくりに蒸留という工程はないので、クエン酸を分離できない。酸味をどうにかして緩和するしかない。
このアプローチについて考えてみる。
まず、クエン酸を控えめにするよう黒麹菌の活動を抑制する手はあるだろうか。
例えば、加水の量を減らしたり、保温の温度を低めにしたり、好気性だから密封するなどして呼吸を制限したり。
これはありえないと思う。
とくに発酵開始数日内の段階では、他の雑菌を殺したり寄せ付けなくするために、黒麹菌の増殖が圧倒的多数でないといけない。
西双版納のような亜熱帯気候では雑菌の繁殖も早い。強力な免疫力を得ることが発酵食品づくりの第一歩である。
もしも黒麹菌がクエン酸をつくらなければ、乳酸など、他の免疫力を持たせる必要がある。たしかに、黒茶づくりには乳酸菌を利用するのもあるが、そうなると熟茶ではなくなる。亜熱帯地方の環境で育った黒麹菌でつくるからこそ、この地域の味といえる。
ただし、クエン酸を増やし続ける必要もない。
つぎに考えるのは、どの時点で発酵のブレーキをかけるかということ。
一般的に熟茶づくりの渥堆発酵の期間は1ヶ月から2ヶ月である。その間に、3回から5回ほど加水して撹拌する。最後に茶葉を乾燥させるまで、黒麹菌は繁殖しつづけるだろう。
ここで注目するべきは、茶葉の水分と温度と空気と、この3つの条件によって発酵の結果はずいぶん異なるということ。
11月21日の記事でも紹介したが、餅茶の中心の石ころのように硬いところ。500円玉くらいのサイズをそのまま発酵させている。
これが、実はあまり酸っぱくない。とても甘い。
茶頭
パラパラになった散茶は加水から数日後には乾燥するのに、この石ころ状の茶葉はまだ水分を持って柔らかい。水の逃げにくい構造であり、空気の入りにくい構造でもある。発酵中は水分のあるところほど発熱しやすくて温かい。でんぷん質を糖化させる酵素の作用が活性化しやすい環境になっている。
黒麹菌は空気に触れやすいところだけでクエン酸をつくりやすく、内側にはつくりにくいのかもしれない。しかし、糖化酵素もまた黒麹菌のつくったものである。
ということは、水分と通気を調整したら酸味のバランスを調整できるかもしれない。
実際に、2回目の加水ではそうしている。
大量の渥堆発酵では堆積した茶葉の中心部分にその環境がつくられる。原料の晒青毛茶を1メートルほど堆積する。水をかけてからは50センチほどに下がる。中心部から下のほうはかなりの圧力がかかって、茶葉と茶葉の隙間がつぶれて、空気が入りにくい。
布に包んだ7キロの小堆発酵でも、加水してから重しをするなどして圧力をかければ、石ころ状の茶葉の環境に近づけることができる。
1回目の加水と2回目の加水で、発酵の目的が変わっている。
泡茶
ラオスに壺に売られている固形の酒がある。
液体ではなく「餅麹」というカビだらけの硬いパンのようなものが壺に入っている。壺に水を注いで草みたいなので蓋をして、2日も待てば発酵して酒になる。
1回目の発酵が餅麹づくり。2回目の発酵が酒づくりとなっている。
餅麹づくりは主に麹菌の仕事。でんぷん質を糖化する酵素をつくる。この段階で酵母も増えている。
壺に水を入れてからは主に酵母の仕事。酵素がでんぷんを糖にして、酵母が糖をアルコールにして酒となる。
渥堆発酵はここまではっきり仕事が別れていないが、発酵には段階があるということ。
これを意識したら、1回目の加水と2回目の加水の目的はあきらかに異なる。
そして、2回目の加水後は頻繁に撹拌しないほうがよいことになる。撹拌するほどに茶葉から水分が蒸発して減り、新鮮な空気が入り込んで、糖分よりもクエン酸が盛んにつくられるだろう。酵母は二酸化炭素をつくるので、通気をしなければ渥堆発酵の茶葉のかたまりは酸素が少ない状態になる。
糖分を増やすことでクエン酸の酸っぱいのが緩和されて甘いお茶になる。
例えば、トマトソースをつくるときに長時間加熱するのは、クエン酸の酸っぱいのを抑えるためだが、砂糖をちょっと足すのも効果がある。これに似ているかもしれない。
葉底
ここまではよいが、もうひとつ新しい問題が出てくる。
それは酵母の作用について。
酵母は糖を分解してアルコールをつくったり乳酸菌を発生させたり、よい香りにつながる成分もつくる。アルコール発酵は空気のない状態で起こるはずだが、ミクロの世界では、茶葉に水を含んで空気のない部分もたくさんある。
しかし、酵母が活躍すると糖分は減る。せっかく甘くなってもまた元に戻る。
この間も、黒麹菌はでんぷん質を糖化する酵素をつくりつづけるだろうから、でんぷん質があるかぎり糖分は供給される。
供給が早いか消費が早いか。
このバランスも、茶葉の水分と温度と空気と3つの条件で調整できるのだろうか。
観察をつづける。

お茶の感想;
単独の渥堆発酵でちょうどよいバランスの風味に仕上げるのは、あんがい難しいのかもしれない。熟茶製品の多くがブレンドで仕上げられるのは、発酵が足りなかったり、行き過ぎたりするのを調整する目的もあるだろう。
単一の原料で単独の渥堆発酵。これで良いバランスに仕上げた『版納古樹熟餅2010年』はすごい。
職人が良かったのだ。

巴達曼邁熟茶2010年 その3.

采茶 : 2010年4月
加工 : 2016年11月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+店長
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺
巴達曼邁熟茶2010年茶葉

お茶の感想:
渥堆発酵に挑戦しはじめてから25日め。
電気カーペットで保温するようにしてから失敗がなくなった。
やはり極少量の渥堆発酵は全体の温度の変化が大きく、また急になりすぎる。大量の茶葉での渥堆発酵はその変化を緩和できるのだな。
加水の量が多すぎるのが原因と思っていたが、加水が多いと変化が大きくなって、結果的に温度調整が難しいのだ。
極少量の渥堆発酵「小渥発酵」と省略して呼ぶことにする。
温度管理と水分の調整が適切になってくると、小渥発酵のほうが発酵が早くすすむ。
主役の黒麹が繁殖してくると、はじめの2日目くらいまでは試飲しても味が変わっていないような、元の茶葉のままのような感じである。本当は甘味や旨味が少し増しているのだけれど、比べてみないとわからない程度。
これはすごいことなのだ。
なぜなら、水に濡れた茶葉が30度の気温で2日経っても変わっていないほうが異常だから。普通は腐るから。
この時点ですでに黒麹がすでに茶葉を支配している。
3日目くらいになってくると酸味が増してくる。酸っぱいお茶になる。これは黒麹のつくるクエン酸によるものと思われる。梅干しの酸っぱいのもクエン酸。この酸っぱさに似ている。黒麹はクエン酸で他の雑菌を寄せ付けずに自分だけのパラダイスをつくろうとしているらしい。
さて、この酸っぱいのが発酵の過程でどうやって酸っぱくなくなるのか?
ここがまだよくわからない。
他の黒茶で酸っぱいのはあっても、熟茶のプーアール茶に酸っぱいのはない。
泡茶
そう思っていたが違うらしい。
小渥発酵の途中の酸っぱいお茶を飲んだ後に『版納古樹熟餅2010年』を飲んでみると、酸っぱい成分の隠れているのがわかる。『7581荷香茶磚97年』などはもっとわかりやすく酸っぱい。
熟茶にはクエン酸が存在している。
食器やキッチンの油汚れが熟茶でサラッと流れるのは、クエン酸のせいだったのかな。
なぜ熟茶を酸っぱくないお茶だと感じるのか。
酸っぱいと感じさせないような成分構造に変わっているのか?
クエン酸が減少するような変化があったのか?
ま、おそらくその両方があって、最終的には甘いお茶になるのだろう。
クエン酸は重曹で中和するとか、130度以上の熱で分解するとか、酸っぱいのが減少する化学は知られているが、渥堆発酵の途中に重曹を加えるとか、130度の熱で加熱するというのは聞いたことがない。
(ただし、圧餅の蒸気の熱は、圧力がかかっているから130度に達しているかもしれない。)
渥堆発酵で起こっている自然の化学変化に、クエン酸の酸っぱさを緩和する作用があるのだと考えている。
実際に、小渥発酵の途中のを毎日試飲していると、ある日は酸っぱくて、ある日はそれほどでもない。酸っぱさに変化がある。
そして経験的に、小渥発酵の袋の中の茶葉をしっかり撹拌したときに、酸っぱさがやや緩和するのを知っている。袋の中心と外に近いほうでは水分や温度に差があり発酵状態が異なる。発酵でつくられた成分も異なるはず。
そうなると、小渥発酵で全体が均一化しやすいという問題は、やはり全体を大きな変化に晒すことで対応するしかないな。
葉底

ひとりごと:
渥堆発酵による熟茶づくりを経験することで、生茶の老茶を再現する技術が見つけられると考えている。
微生物発酵の「黒茶」としての生茶である。
すでに出品中の生茶はともかく、これから新しく出品する当店の生茶は、天日干し「緑茶」ではない。お客様が手元でカンタンに保存して年月が経つほどに魅力的な味わいになってゆく「越陳越香」の黒茶のプーアール茶である。
そうする。
渥堆発酵の発酵のある段階において、1950年代から1980年代の生茶の老茶にあった、あの香り・あの風味が一瞬顔を出すことがある。
どこかに似た変化が起こっているのだ。

張家湾古樹熟茶2016年 その2.

采茶 : 2016年10月
加工 : 2016年11月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)張家湾
茶廠 : 農家+店長
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺

お茶の感想:
もう一度失敗。
7キロの茶葉が土になる。
その後さらにもう一度8キロ失敗。
渥堆発酵失敗の茶葉1
渥堆発酵失敗の茶葉2
合計40キロを超えたかな・・・。
いずれも初回の加水が多すぎた。ある種の発酵臭を引きずっている。一般的な熟茶にはよくあるけれど、これを取り除くようにしたい。
写真で見てわかりにくいが、茶葉がヘタっている。
もっとピンとしなければならない。
渥堆発酵成功の茶葉
メモ的に要点を挙げる。
読者のための内容ではない。
自分のためと、いつか同じ失敗を経験することになった人のため。

加水が多すぎて茶葉が弾力を失うと、茶葉と茶葉との隙間がなくなり、好気性の黒麹菌は息苦しくなる。この状態での発熱は酵素反応による。
隙間がないと水分が蒸発しにくいため、高温が長時間続く事態となる。
これがある種の発酵臭を生む原因である。
通気が良くて熱がこもらず、黒麹菌が活発になっているときは、発酵臭は極めて少ない。

加水するのは主役である黒麹の繁殖を促すためである。
好気性の黒麹菌の菌糸が茶葉の内側の深くに潜り込んで欲しい。
そのために、茶葉の吸水性についてよく考える必要がある。

ところで、酒米は、精米での摩擦熱を数日間かけて冷まさないと、次の浸水の工程に移れない。水は温かいほうから冷たいほうへ逃げる性質があるので、米粒の中心部に熱がこもっていると、水が浸透しにくいのかもしれない。水が浸透しないと菌糸が入り込まないので、発酵による分解作用がすすまない。

茶葉はどうだろ。
雨の降らない季節でも青々と茂る常緑樹の葉は、水をカンタンに逃さない構造になっている。枝についているかぎり、強い太陽の光に焦がされても乾かないし枯れない。ミクロの世界では水道管が網の目に張り巡らされていることだろう。
製茶の段階では、いかに茶葉の内側の水を出し切るかが課題である。炒ったり揉んだり炙ったり干したり、すべての工程は茶葉の水分を意識している。
張家湾古樹熟茶2016年
熟茶の原料となる晒青毛茶は、緑茶や烏龍茶よりも火入れも揉捻も短時間で仕上げる。天日干しで乾かすので、茶葉の繊維の変質の少ない「生」のお茶である。
「生茶」とも呼ぶ。
吸水力は抜群。むしろ吸水しすぎるくらいだから、上の写真で見た失敗につながりやすい。

これをふまえて、まず第1回目の加水は茶葉の内側までしっかり水を浸透させるが、弾力を保って隙間をつくれるように加減する。
加水直後は弾力を保っていても、15分ほど経過すると水がなじんで弾力を失うことがある。たいがいそうなる。
あらかじめ乾いた茶葉を少し分けておいて、後から足して撹拌して調整するのがよい。乾いた茶葉が余分な水分を吸収してくれる。

7キロ以内の茶葉を布袋に包んで堆積させるが、堆積の厚さは茶葉の弾力に応じて10センチから20センチが適当である。
大量発酵においては50センチほどの高さに堆積させるが、条件がまったく異なるので、比べようがない。

7キロ以下の少量の堆積においては、熱がこもりにくく、温度が上がりにくいことがある。50度近い高温に近付くときの成分変化も必要であるとするなら、加熱して発熱を促すしかない。
いろいろ試したが、現在は電気カーペットを使っている。下から上へ熱が上がるので、底冷えしにくく管理しやすい。
ただし乾くのがやや早くなる。
保温・保湿のために、厚手の帆布の布生地の袋を用意した。現在のところ効果的である。

茶葉に水がなじんでいると、黒麹菌の菌糸が深く潜り込んで、発酵による変化が得られるが、数日くらいでは表面だけで内部にまで達しない。
内部に達しないまま2度めの加水をすると、茶葉の表面ばかりに変化が起きる。
菌糸が深く潜り込んだかどうか、これを確かめる方法がある。
泡茶3煎め・4煎めの味をみる。
1煎め・2煎めは茶葉の表面から成分が抽出されるが、3煎め・4煎めになると茶葉の内側の成分が出てくる。抽出時間も長くなる。
ここで、従来の茶葉にはなかった旨味や甘味が出てくるようになれば、菌糸の先端が茶葉の内側に達して、成分変化を促していることになる。
1煎め
2煎め
3煎め
(上から1煎・2煎・3煎。茶葉の表面から発酵がすすむのが、この色の出方でわかる。)
菌糸が茶葉の内側に潜り込むには、水分を保ちつつも表面はやや乾燥している期間が必要である。
水が茶葉の内側に逃げて、菌糸がそれを追いかけて深く潜り込む。ということかもしれない。
茶葉の内側の水分は、茎の部分を指でつまんで確かめる。内部に水分があると柔らかく曲がって、完全に乾くとポキっと折れる。
2度めの加水は、乾燥しきる一歩手前くらいまで待ってからでもよい。

2度めの加水の水の量は1度目の半分以下になる。茶葉の変質具合によっては3分の1でも十分。
ミクロの世界では菌糸が茶葉の繊維の水道管をあちこち破裂させているだろうと思うが、そのため吸水力も保水力もかなり弱っている。
もしもここで水の量を誤って多くすると、茶葉の内側に吸収されずに表面に滞留する。
表面にはたくさんの酵素がつくられており、水分を得ると1時間くらいで発熱するので、黒麹菌の活動が盛んになったように思えるが、そういうわけではない。
表面に水が滞留したときの酵素反応は発熱が過剰になりやすく、ある種の発酵臭が生じやすくなる。甘いような酸っぱいような、パンづくりの酵母を寝かすときのような香りで、そう悪くはないが、高温になると薬品っぽくなり、更に高温がつづくとアンモニアっぽくなる。これが乾燥すると一般的な熟茶によくある土っぽい香りとなる。
2度め以降の加水は、茶葉に水をゆっくりなじませる。茶葉の吸水性を確かめながら、一度に水を掛けずに何度かに分ける。しっかり撹拌する。
葉底

ここから先は発酵の設備についてのメモとなる。
渥堆発酵の部屋は太陽の熱の影響を受けにくい北向きがよい。西・南は昼と夜の温度差が大きくなるので適さない。
部屋の気温は25度くらい。湿度は50度以下くらい。
西双版納の冬の乾季の標準的な環境である。
空気はやや乾燥して、室温は茶葉よりやや低い温度。このほうが衛生的に管理しやすい。
茶葉から蒸発する水分が空気中に逃げやすく、茶葉を包んでいる布袋や竹籠が乾燥した状態を保つことができる。水と温度の性質を利用する。

茶葉の保温に箱は使わないほうがよい。
当初は保温性の高い木箱をつくる予定だったが、箱は通気に問題があり、内部の湿度が高くなりすぎる。湿度が高くなると雑菌が発生しやすい。
部屋の窓は開けて通気をするが、風が当たらないようにする。
夜の空気の冷える時間帯は窓を締める。

茶葉を包む布袋は薄いガーゼ生地にした。通気性がよくガスが溜まないので、好気性の微生物には良い。余分な水分や熱を逃す効果もある。
また、ガーゼ生地の小さな布袋(漢方薬を煮出すときに使われるやつ)は、種麹の培養に使える。それごと渥堆発酵中の大きな袋に入れておくと、適温・適湿で培養できる。外気に触れやすい外側に置くほうが黒麹菌には良いはず。

ガーゼ生地の布袋ごと茶葉を揺すったり揉んだりすることで、手を触れずに撹拌できる。数時間ごとに天地をひっくり返すと、茶葉の中の熱や水分が移動して、発酵を均一にできる。
発酵開始から10日目くらいになって乾燥していると胞子の飛散が多くなり、ガーゼ生地ごしでも飛び散るので、撹拌作業のときはマスクを着用する。
ちなみに、茶葉や布袋に手を触れるときは必ずアルコールで消毒している。
布袋のポジションは日に1度は交換する。
部屋に入るときは靴下は新しいのに履き替えるが、裸足でもよい。裸足は目に見えない小さな埃や温度や湿気に気付くことができる。そこから得られる情報は多い。
外出した服は空気中の雑菌がたくさん付着しているのですべて着替える。
部屋の床は掃き掃除はするが、濡れた布巾での拭き掃除はめったにしない。水気があると雑菌が繁殖するかもしれない。

これからの課題についてのメモ。
ひとつ問題は、大量の渥堆発酵とはかなり異なる環境になっていること。
お茶の味もすでに熟茶から外れて、別の黒茶になりかけている。
7キロ以下の少量渥堆発酵では布に包んだ茶葉をどうしても均一な環境に置いてしまう。大量の渥堆発酵で発生していた発酵ムラを再現できない。
発酵ムラ=雑味の元ではないかもしれない。中心部の過剰に加熱したところや、外側のカラカラに乾いたところや、被せられたシートの上部の蒸気で湿ったところなど、管理のゆき届かないそれらには良性の菌類による活動や、酵素反応の多様な結果があり、もしかしたら熟茶の美味しさを構成しているのかもしれない。
大量の渥堆発酵
実際に大量の渥堆発酵ではいろんなタイプの菌糸体を見る。黄色のチョークの粉、綿のような白いうぶ毛、蜘蛛の巣のようなのなど。
極少量発酵では白い綿や蜘蛛の巣は出現しない。
しかしこの方向でやってみようと思う。
袋の内側の環境に大きな差異がつくれないなら、日数をかけて袋全体に変化を与えるしかない。
この場合、全体の揺れにビビってはいけないのかもしれない。酸っぱくなったり、苦くなったり、発酵臭が出たり、そうした揺れが味の層をつくるってゆくのかもしれない。
観察を続ける。

ひとりごと:
空気のキレイな西双版納では洗濯物は天日干しに限るが、天日干しの場合、天気が悪かったり、風がなかったり、湿度が高かったり、温度が低かったり、洗濯物と洗濯物の間隔が狭すぎたり、いろんな理由で生乾き臭が発生する。これも微生物による仕業だよな。
微生物の知識はなくとも原因と結果の関係がわかっていたら、洗濯が上手な人になれる。
発酵のお茶づくりもそうだ。原因と結果をいろいろ経験して学ぶしかないのだ。

張家湾古樹熟茶2016年 その1.

采茶 : 2016年10月
加工 : 2016年11月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)張家湾
茶廠 : 農家+店長
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺
張家湾古樹
張家湾中腹
張家湾茶樹

お茶の感想:
10月に張家湾を訪ねた。
丁家老寨からすぐ向かい側に見えている山なのに、まだ歩いたことがなかった。
古樹の数で言うと丁家老寨のほうが広範囲に多いが、張家湾にもある。ずいぶん昔に台刈りされた跡があり、大きな幹から分枝している茶樹は、清朝の頃に栄えたお茶どころのひとつだったことを表している。
漫撒山一帯では比較的海抜の高いところにあって香り高い。甘味が強いが、酸味もしっかりある。お茶の味もまた丁家老寨とよく似ている。
張家湾古茶樹園
張家湾古茶樹
張家湾古茶樹
卸売部には『張家湾森林春の散茶2015年』を出品している。
今年の秋は山を散策しただけで、結局お茶づくりはしなかったが、地元の製茶農家から晒青毛茶を少し仕入れた。
その中に、1本の茶樹からひとつのお茶をつくる単樹モノがあった。
ひとつの袋に300gから1200gほど入ったのが12種類ほどあっただろうか。現場ですべて試飲して、そのうち4種類を選んだ。
4種のうち1種だけ「紅叶」と呼ぶ、茶葉の先が赤い色した品種特性を持つのがあった。これは少しだけサンプルを残してあるので、別の機会に紹介したい。「紫叶」と呼ぶ紫色した茶葉のとよく似た風味である。
張家湾古茶樹試飲1
張家湾古茶樹試飲2
さて、この4種類4袋を混ぜ合わせてひとつにして渥堆発酵することにした。
4袋分でたった2キロしかない。
あまりに少量すぎるので適正温度が維持できない。
11月中頃から西双版納も急に冷えてきた。といっても、室内で昼間は24度くらい。夜は20度くらい。
人間からしたら温かいほうだが、黒麹菌からしたらちょっと寒い。寒いと動かなくなる。
西双版納の冬の空
冬の乾季なので雲が少ない。湿度40度から50度。西双版納にしては乾燥している。
いろいろ工夫してなるべく自然なカタチで、室温は25度、渥堆発酵の袋の中の茶葉は28度、このくらいをキープしている。
2キロの袋を、他の渥堆発酵中の温かく発熱している7キロの袋でサンドイッチすることにした。水分も供給されるから、適温・適湿が同時に得られる。
布とカゴ
(まだ部分的にしか見せない。技術が成熟していないから。)
いちばんぬくぬくと育っているのが、この2キロの茶葉『張家湾古樹熟茶2016年』ということになる。
しかし、ひとつ問題がある。
酸素が薄いということ。
黒麹菌は好気性微生物だから、息ができないと活動しない。
では、いったいどのくらいの通気性があれば気持ち良く活動してくれるのか?
大量の渥堆発酵では大きな倉庫に茶葉が山積みになって、保温のためのシートが一枚被せられるだけである。通気性は抜群に良いように見えるが、そうでもない。堆積された茶葉の大きな山の表面のところからせいぜい10センチくらいは通気性が良いだろうが、もっと内側の大部分は息苦しいのではないかと推測する。通勤ラッシュの山手線みたいなものか。人間は肺呼吸だから無理やり空気を吸って動くけれど、肺のない菌は動かなくなる。
このやや酸欠ぎみのところが、あんがいお茶を美味しくするのに重要ではないかと推測している。大量の渥堆発酵はむしろ通気が良すぎるくらいかもしれない。
大量渥堆発酵
大量渥堆発酵シート
通気が良いほど、茶葉の赤く変色するのが早い。2週間のうちに2回か3回加水するだけで色も味も熟した、みんなのイメージする熟茶になる。
水と酸素と茶葉の栄養とを大量に消費して熱を大量に発散する。この短期間の発酵では、お茶が強い陽性を持つことになると思う。
一般的な熟茶のプーアール茶は冬に飲むと身体が温まって気持ちよいが、夏に飲むと暑苦しい。他の黒茶にこれほど暑苦しいのは無い。
他の黒茶と熟茶の発酵の違いは、同じ微生物発酵であっても緩慢であるか急速であるか、発酵のすすめ方に違いがある。
(近年は熟茶製法がいろんな黒茶に取り入れられつつあるから、伝統的な製法においてはである。)
自分はあくまでも熟茶のプーアール茶をつくる。他の黒茶にするつもりはない。この方針に変わりはないが、陽性と陰性のバランスの良いお茶にしたい。夏に飲んでもあまり暑苦しくないお茶。
そういう熟茶は過去にあったのだ。
1970年代から1980年代までの熟茶は多くがそうだった。
1990年代の孟海茶商の製品『7572七子餅茶』あたりから陽性が強くなっている。その甘濃い味が市場にウケたことで、みんながその方向を追いかけて今に至っているのだと思う。
7581荷香茶磚97年
1980年代の製法が用いられた『7581荷香茶磚97年』(卸売部)
この熟茶は比較的涼しい体感である。
急速な発酵のスピードを落としてスローにさせる。
どんな方法があるか。
加水を少なめにすると発熱が少なくて黒麹菌の活動がスローになるが、この方法では黒麹菌にとって寒すぎる。保温すると茶葉の乾燥が早すぎる。また、茶葉の温度は変化が緩慢なので、急な対応ができない。
その点、通気を調整するやり方は、迅速かつ微調整が可能である・・・と思う。
加水を減らさずに発熱量をキープする。発熱は黒麹菌のつくった酵素の化学反応によるもので、菌の活動によるのではないから、渥堆発酵初期にしっかり黒麹菌を培養しておけば大丈夫。
通気の調整はこまめな撹拌によって行う。撹拌して内側の空気と外側の空気を交換する。その間隔を少しずつ変えてみる。
撹拌するときに微生物の微かな声を聞く。もちろん言葉はないが、色や香りや触感の変化など、なんらかのサインを出している。
張家湾古樹熟茶2016年泡茶1
張家湾古樹熟茶2016年泡茶2
張家湾古樹熟茶2016年泡茶3
『張家湾古樹熟茶2016年』
思った通りの味と香りと涼しい体感。
最初の加水から10日経つが、茶湯の色の明るさは緩慢な発酵を示している。
やや酸味が強く出ているが、張家湾のお茶はもともと酸味がある。
この調子で30日くらい経過してからの様子を見たい。
布袋
布袋の厚みが違うと通気性も違う。
いくつか厚みの違うのを試してみることにした。無漂白の布。
洗剤を使わずに2度洗いする。14枚洗うために洗濯機が24時間稼働している。

ひとりごと:
よく売れているお茶が正しいとは限らない。
よく売れている酒が美味しいとは限らない。

巴達曼邁熟茶2013年 その1.

采茶 : 2013年4月
加工 : 2016年11月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+店長
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺
巴達曼邁熟茶2013年

お茶の感想:
渥堆発酵の管理は、時計や温度計などの数値に頼らないで、なるべく身体で覚えるようにしている。
例えば、7キロの茶葉に対して初回の加水は1.75リットル。4分の1が一般的だとしよう。しかしそのつもりで水をかけてみると、ある種の茶葉はぜんぜん水が足りない様子だし、ある種の茶葉は水が多すぎる。茶葉によって吸水性や撥水性や、ちょっと時間が経つと蒸発する水の量など、いちいち差がある。そのときの気温や湿度も関係する。
だから固定された数値に頼るわけにはゆかない。
大量渥堆発酵のときは4分の1から3分の1の水が掛けられるが、茶葉からこぼれ落ちて床を濡らしていたりする。大手メーカーの職人からしたらそれは計算のうちに入っているが、7キロの少量渥堆発酵では水はすべて茶葉に吸収される。それは計算に入っていない。
だから先生の言うことを信用するわけにはゆかない。
メーカーの渥堆発酵
では、なにを基準にして水が多いとか少ないとかを自分で決めているのか?
無意識だったけれど、改めて考えてみると、やはり経験が頼りになっている。
まず、茶葉の水分量をみるのは、製茶でさんざん苦労してきたから、言うまでもなく手でわかる。
発酵の良し悪しについては、過去に食べた発酵食品の記憶とか、自分でつくってみた発酵食品の記憶とか、ある種の香りを鼻で嗅ぎ分けていたり、手触りの質感や温度に発酵状態がどんな段階にあるのかわかったりする。
具体的に思い出せないこともあるが、なんとなく嫌な感じとか、なんとなく良い感じとか、直観が働いている。
発酵食品
こういうの大事だ。
家庭の生活に発酵食品づくりがもっと根付くべきだ。
小さな実践で学べることにホンモノの文化があると思う。
ぬか漬けだけでなく味噌も醤油も酒も、そして黒茶も家庭でつくるようになったらよいのだ。
国の人が労働者の上前を撥ねるために規制などしてはいけない。
資本主義なメーカーが設備や技術を難しくして専門家ぶってはいけない。
そんなのは芝居文化だ。
日本酒はとっくに芝居文化になって、業者らが演技の巧さを競ったりしていないだろうか・・・しているよな。
発酵食品づくりは家庭にあるべき。
酒造りは、家では面倒であれば居酒屋にあるべき。
黒茶づくりも家でやればよいのだ。
そういうわけで7キロの極少量渥堆発酵は、家庭でもできるレベルの技術に落とし込みたい。
7キロくらいは(完成後は5キロくらいになるが)、半年で消費するよう各家庭がガブガブ飲むべき。そんなにたくさん飲まないというのなら、生活がすでに芝居になっている可能性がある。
当店の芝居がかったお茶を買って飲むしかないかもな・・・。
さて、今日のお茶は2013年の春につくった晒青毛茶が原料。
上海の友人のお店の倉庫に保存されていたのを西双版納に送り返した。
保存状態は良い。3年間の熟成によって(これには微生物は関与していない。成分の変化のみ。)春の棘味がいくぶんか穏やかになっているから、発酵のスタートはスムーズにゆくだろう。
最初の加水から7日目。
2回めの加水から48時経ったところ。
巴達曼邁熟茶2013年をチェコ土の茶則
巴達曼邁熟茶2013年をチェコ土の茶則のアップ
巴達曼邁熟茶2013年一煎め
巴達曼邁熟茶2013年一煎めアップ
3煎め。じっくり待つと茶湯は赤く変色する。
巴達曼邁熟茶2013年三煎め
この茶葉はまだ圧餅していない散茶であるから、繊維に弾力があり、茶葉と茶葉の隙間が大きい。ミクロの世界では茶葉の中の水道管が潰れていないところが多い。すなわち水の吸収が早い。どうしても水を多めにかけてしまいがちになるが、蒸発も早いので失敗しにくい。
茶葉は乾燥した状態でちょっと多めの8キロほどあったのだが、これがたっぷり水を含んで微生物発酵しはじめて24時間ほど経つと、中心部の発熱がすごいことになる。素手で触れるとアチッ!となる。
中心部をそのままにしておくと、最初はちょっと薬品っぽい香りが出てくる。麹発酵のゆきすぎに「セメダイン臭」と呼ぶのがあるそうだが、それに似ている。
さらにそのままにしておくと水分が蒸発して熱は下がってくるが、セメダインを通り越してアンモニア臭が出てくることがある。ひき割り納豆のちょっと古くなったのと似ている。
こうなるといけないので、セメダイン臭が出てきたらすぐに撹拌する。撹拌後も、茶葉に水分の多いうちは数時間も経たないうちに過剰に発熱するので、またすぐに撹拌して冷まさなければならない。
ゆっくり眠れなくなる。かわいいやつめ。
ただ、中心部の発熱が高温のうちは周囲の茶葉のコンディションは良い。乳酸飲料のような甘くてほんのり酸っぱい香りがしてくる。
黒麹菌はクエン酸をつくるそうだが、もしかしたら雑菌を殺すだけでなく、嫌な臭いの消臭にも効果があるのかもしれない。撹拌するとセメダイン臭がすぐに消える。
葉底
葉底にはまだ緑が残っている。
微生物発酵がうまくゆかないまま水分を多く持って時間が経つと、茎の部分から黒っぽく変色してくるが、これは全体的に均一な色を保っている。

ひとりごと:
京都の町はいつの時代から生活文化の芝居をしているのだろ。
芝居でも長年続けばそれなりの迫力がある。

巴達曼邁熟茶2010年 その2.

采茶 : 2010年4月
加工 : 2016年11月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+店長
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺
巴達純生青餅2011年7キロ
巴達純生青餅2011年泡茶
葉底

お茶の感想:
渥堆発酵にまた失敗。
7キロ分の茶葉を土にした。
原料は『巴達純生青餅2011年』(未出品)。
巴達山曼邁寨の古茶樹の2011年の春の采茶で、殺青の火入れを浅くして半生に仕上げた。長期熟成にどんな効果があるのかを確かめるのが目的だったが、5年めの熟成になってもパッとしないので、熟茶にしてみた。
失敗の原因は原料にあったのではない。加水が多すぎたのだと思う。
途中までうまくいっていたが、6日目になって、一般的によくある熟茶の土っぽい風味が出てきた。
発酵中の茶葉が少しずつ乾燥してゆくと同時に熱が下がってくる、水分が多く残ったまま冷たくなる部分に望ましくない変化が現れる。
あともう少し温度を高く保っていれば。
あともう少し茶葉が乾燥していれば。
ま、後からならなんとでも言える。
せっかく独自製法を試しているので、一般的によくある熟茶とはひと味もふた味も違うものにしたい。
渥堆発酵の倉庫
熟茶づくりの要の微生物発酵は「渥堆発酵」という名の通り、茶葉を堆積して行う。
一般的には1000キロ以上もの大量の茶葉を集めるが、近年は竹籠で囲う技術が普及して、数十キロの単位でもいける。
更にそれを改良して7キロという極少量を試みている。
7キロでなくても、2キロでも10キロでもよいのだが、いろいろ試したところ、手元の道具や設備では7キロが適量である。
少量の茶葉で大量の渥堆発酵と同じ状態にいかに近づけるかが課題。
大量の茶葉を堆積させて水を掛けると、もっとも水が集まりやすく、熱がこもる中心部から発熱してくる。48時間後には60度に達することもある。
この中心部の熱と、熱による蒸気の発生とを利用して、微生物発酵に適した環境を周囲の茶葉に与える。
このため、茶葉の量が多いほど長期間(数日間)にわたって熱と蒸気を維持できるというわけだ。28度くらいの比較的高温を好む黒麹菌の活動が持続しやすくなる。
中心部の発熱している茶葉は捨て駒というか、周囲の茶葉の犠牲になっていると考えられる。なぜなら黒麹菌は50度以上では生きて活動できないからだ。
数日ごとにかき混ぜることで選手交代する。外側と内側の茶葉が入れ替わる。これを何度か繰り返して、微生物発酵による成果を均一化させる。
同じく、黒茶(微生物発酵のお茶)の「広西六堡茶の」現在の製法には、熟茶の渥堆発酵を応用して生コンミキサー車のような大きなドラムをゆっくり回転せながら均一に発酵させる技術がある。水分も温度もムラができない。
しかし、この結果がたいして魅力のある美味しさにつながっていない。
市場の流通量からみても熟茶が圧勝ということは、発酵ムラとも言える中心部の熱や外側の乾燥したところなど、環境に多様性があってこそ魅力ある風味が醸し出されるということかもしれない。
これを前提にして極少量発酵の技術を探る。
7キロの茶葉でも中心部と外側の発酵ムラはできる。
しかし、大量発酵ほどは大きな差はない。そこが良いと思っている。
大量発酵では細部の管理が雑になる。水分の多すぎるところ。乾燥しすぎるところ。熱がありすぎるところ。冷たくなりすぎるところ。空気に触れにくいところ。触れすぎるところ。これら、ゆきすぎるところに雑味が発生する。
例えば茶頭。
茶頭
茶頭は、茶葉が粘着して石ころのような塊になってしまった部分である。水分が多く高温になる中心部にできやすい。数年前に流行ったが、実はこの塊の中は空気の好きな黒麹菌が活動しない。熟茶らしくない味が宿ることになる。実際に『版納古樹熟餅2010年』の茶頭は味が薄かった。
+【版納古樹熟餅2010年 その5】
では、なぜ茶頭が美味しいという話が広まったかというと、数年前までメーカーは売れない茶頭をたくさんかかえて保存していたからだ。メーカーの高温多湿の倉庫で比較的乾燥したところを好む金花(麹の一種)などによって後発酵(二次発酵)が起こって美味しくなったのだろう。老茶頭には確かに特別な風味があった。
+【醸香老茶頭散茶90年代】
さて、今日のお茶は『巴達曼邁熟茶2010年』(仮名)。この茶頭、ではなくて、餅茶を崩したときに硬すぎてどうしても崩せない真ん中の部分。
茶頭
500円玉くらいの大きさ。
いっしょに渥堆発酵している。7キロの中には約18枚分の18個はある。
茶頭崩したところ
茶針で2つに割ってみると、内側の茶葉に麹の胞子は現れていない。変色もしていない。水分を吸収してちょっと柔らかくなっている。空気の入る隙間がない。水分がこもって発熱していた。酵素によって澱粉質が糖化しているはずだ。茶頭に近い状態になっている。
茶頭の茶湯
湯を注いだときにちょっと酒粕のような香り。酵母が糖をアルコール発酵させたのかもしれない。安モノの熟茶にこの香りはよくある。
葉底の色ムラ
葉底の色にムラがある。外側と内側の色の違い。
渥堆発酵の散茶
散茶の泡茶
散茶のと比べると、茶湯の色からしても発酵の結果が異なるのがわかる。
酒粕臭はまったくない。
極少量発酵では、こまめに撹拌して茶葉の粘着を防ぐので、茶頭はできない。布でくるんでいるので局所的に冷たくなりすぎたり、乾燥しすぎることもない。
では、なぜ今回失敗したかというと、局所的なムラはなくても全体的に偏りやすいということ。
全体が水を含みすぎる。全体が熱くなりすぎる。冷たくなりすぎる。乾きすぎる・・・など。大量の茶葉を堆積した状態に比べると、変化の波が大きすぎる。
さて、そこで考えついたのが「連続発酵」という方法。
発酵スタートの時差のある布袋2つをピッタリくっつけて、熱交換や水分交換をさせる。これによって大量の茶葉を堆積したのと似たような環境がつくれる・・・はず。

ひとりごと:
この仕事は研究成果を美味しいお茶で証明するしかない。
それしかない。
望むところだ。
当店のお茶を飲まずにブログを見て知識を得る人は、研究成果を得ていないことに気がついていないのだ。

巴達曼邁熟茶2010年 その1.

采茶 : 2010年4月
加工 : 2016年11月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+店長
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
西双版納の乾季の空
捨てた茶葉

お茶の感想:
熟茶づくりの渥堆発酵をスタートして14日め。
寝不足と筋肉痛に耐えながら、ひとりで黙々と作業している。
こういうの嫌いじゃない。
ひとりがよい。
他人の意見はまったく聞きたくない。
わからないことは、茶葉や微生物に直接聞いてやる。
お茶づくりは可能性の追求。
先人や教科書の言うことが間違っているかもしれないし、われわれの解釈に誤解があるかもしれない。
その時・その場所・そのモノの条件がひとつでも違えば、同じ結果にはならないかもしれないし、成功したようで実はそうじゃないかもしれないし、失敗したようで実はそうじゃないかもしれない。
他人を疑う。自分を疑う。
もうひとつの可能性を試してみる。
それで、やはり4回ほど失敗して合計28キロ分の茶葉をアパートの庭の土にした。
捨てた茶葉1
捨てた茶葉2
捨てた茶葉3
ミミズが喜んでいる。
失敗の原因は、茶葉に掛ける水の加減が分からないからだ。
春の茶葉、秋の茶葉、孟海県の茶葉、孟臘県の茶葉、散茶、圧延の餅茶を崩した散茶、それぞれの吸水性にあわせて適量の水をなじませるが、その加減がまだよくわからない。
渥堆発酵
渥堆発酵
茶葉に水を掛けてから黒麹菌が繁殖して活発になるまでのおよそ24時間。この時間がいちばん危ない。もしも黒麹菌が繁殖しなければ別の雑菌が繁殖するが、その前に、茶葉が酸化して酸っぱくなってダメになる。緑茶が紅茶みたいな色になる。
どうやら、黒麹菌は水に濡れた茶葉の酸化を止めるらしい。どういう仕組みで止めているかはまだよくわからない。
黒麹菌
手漉き紙についた黒麹菌。その名の通り黒い色素をもつ。
失敗と成功
失敗が左で、成功が右。わずかな色の違いがわかるかな。
幸いなことにこの結果に中間はない。
成功か失敗か、黒か白か。茶葉が緑を保ったまま甘くなるか、赤く変色して酸っぱくなるか。
はっきりしていてわかりやすいから、顕微鏡を覗いたり、検査局にサンプルを持ち込んだりする必要はない。見たり、嗅いだり、触ったりするだけでわかるから、どんどん試して分水嶺を見つければよいのだ。
版納古樹熟餅2010年
熟茶づくりの教科書は、自分にとっては『版納古樹熟餅2010年』がすべてである。種となる麹はこれを培養している。
6年の間、これより美味しい熟茶は見つからない。なので、なるべく近づけたらよいが、700キロもの晒青毛茶で行った渥堆発酵を、これからは7キロの少量で行う。
ここ数年の産地の変化、時代の変化により、上質な茶葉を大量に集められなくなった。
そのため、当店では2010年以降に美味しい熟茶が出品できていない。
7キロという少量での渥堆発酵が成功すれば問題は解決する。
日本人的に、もっと清潔に・もっと細かく・もっと動的に発酵の手伝いをしている。風邪で熱を出した子供を徹夜で看病する親のようなもので、油断ならない。不眠不休で活動する微生物に付き添って、自分が先に倒れないようにしないと。
西双版納の人にそういうキメ細かな気質はない。東南アジアらしい粘り弱さでいい加減な仕事している・・・ように見える。
しかし、これを軽く見てはいけない。
渥堆発酵で活躍する微生物たちにとっては、そのいい加減な仕事によってできる隙間が、むしろ好環境をつくりだしたり、その逆で厳しい環境を与えたりして、間接的な作用があって、結果的に美味しいお茶になっているのかもしれない。
あらゆる可能性を考えながら観察する。
巴達古樹熟散茶2010年
現在4種類の晒青毛茶を渥堆発酵しているが、今のところいちばん個性的な変化を見せているのはこれ。
『巴達曼邁熟茶2010年』(仮名)
曼邁はmanmai と読む。
2010年。そう、6年前につくった生茶のプーアール茶『巴達古樹青餅2010年』を崩して原料にしている。
巴達古樹青餅2010年
巴達古樹青餅2010年崩し
早春の新芽・若葉の棘味を黒麹菌は嫌うが、6年の熟成によってちょっと和らいでいる。この熟成に微生物発酵は関わっていない。成分変化のみだと思われる。
泡茶
渥堆発酵9日目。
加水2回めから24時間経過している。
まだ水分の多いときで熱を持っている。袋の中心あたりは50度を超えるが、1日に2回か3回はかき混ぜて熱を逃がしている。5日に1度ほどかき混ぜる以前のやり方とはかなり違う。
熱を持たないように、はじめから水を少なめにしたらよいのではないか・・・と思うかもしれないが、それは違う。わざと水を多くしているのだ。その理屈を話すと長いので別の機会にしたいが、ちょっといい感じの薬味が加わる効果を見つけている。
渥堆発酵の熟茶
渥堆発酵の熟茶
渥堆発酵中の茶湯は濁る。
味はスッキリ透明。お茶のお茶たる味は濃い。苦味は軽い。そして甘い。
『巴達古樹青餅2010年』の渋味は良いスパイスになって、ミントのような涼しさが口に残る。
まるでクラフトビールのような色だが、味もまたクラフトビールのよう。濃厚な味わいにして爽やか。原料の茶葉の持っていた陳皮のような香りも加わる。
葉底
この段階でも十分美味しいが、まだもっと深く発酵させる。加水4回めくらいが目標。
次回の勉強会は「お茶の微生物発酵」をテーマにしたい。
徹夜でやれるほど話すことがたくさんある。

ひとりごと:
ところで、『版納古樹熟餅2010年』を淹れるとき、
洗茶をしないでサッと湯をくぐらせるように抽出したとき、
版納古樹熟餅2010年
かすかな薄い色にもかかわらず、驚くほど甘くなっている。
湯が酵素の働きを促して甘味成分を瞬時に作り出しているからではないだろうか。
酵素は、例えば洗剤で知られているように、水分と温度を得ると瞬時に効力を発揮するものがある。
『版納古樹熟餅2010年』の茶葉の表面には、見えないけれど大量の酵素が残っている。

茶学 人を見ない

他人のことが気になるような、
暇な人の趣味になってはいけない。
お茶を淹れると、人それぞれの味が出てくる。
個性があって、まるで人格が映し出されるように見える。
しかし、そのときに人を見てはいけない。
人を見るのは茶学の目的ではない。
一杯ごとのお茶の味から、その原因となった技術や物理を探る。
それだけに集中する。
もしもお茶の味に人格が出るとしても、そこからなにかを学べるのは自分で気付くときだけ。
こういう話をあえてするのは、どうやら暇な人が多いということ。
自分を見る機会をお茶に求めるよりも、他人を見る機会を見つけてしまう人が多いということ。
お茶のワナだ。
誰もがカンタンにはまってしまう。
そうはさせまいと自分に言い聞かせよう。
茶学人を見ない

巴達生態紅餅2016年 その1.

製造 : 2016年3月28日采茶
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山賀松寨小茶樹
茶廠 : 農家+店長ふじもと
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 景徳鎮の茶壺とチェコ土の茶壺
倚邦の雲海上
倚邦の雲海中
倚邦の雲海下

お茶の感想:
今年の秋茶は不作。
西双版納のどこの茶山でも新芽・若葉が少ない。
春から夏にかけてずっと雨が多かったし、気温もそこそこ高かったし、育ちがよくなる条件が揃っていたように見えたけれど、星のめぐりのような見えないチカラのほうが大きかった。
茶葉の育ちが悪いと、香りも味も良い。
ヘンな話だがそういうものなのだ。
育ちの良いたくさんの茶葉で栄養を分けてしまうと一枚の分は薄まる。
何年ぶりかで味の乗った秋茶をつくるチャンスだったが、天気がそれを許さなかった。
例年なら乾季となる11月なっても雲が多い。3日に一度は雨が降っている。晴れても雲が多いので、天日干しのお茶はダメになる。
天日干し
夏からなんとなく予感していて、
「秋はどうするのですか?」
と聞かれても、
「ま、様子見ですね。」
みたいなことを言っていたと思う。
なぜ予感していたのか自分でもよくわからない。
星のめぐりが作用しているのだろうか。
お茶をつくらないとなると一箇所に留まる必要がないので、あちこちの茶山を歩くチャンスとなった。10日間ほどいくつかの茶山を訪ねて、つぎの春に備えた。
漫撒山のなじみの農家がつくっていた晒青毛茶を4キロほど仕入れたので、これは後に餅茶にして出品する。180gサイズの小餅茶で20枚。
景洪の雨
景洪の虹
この3日間雨が降り続いている。
北京の愛好家が持ってきた景徳鎮の作家につくってもらった茶壺を試すことにした。
こう書くといかにも暇を持て余しているように見えるが、実はこの秋から熟茶の渥堆発酵にふたたび挑戦していて、寝る間を惜しんで働いている。というか、微生物に働かされている。奴らは寝ないのだな。
お茶の仕事は重労働。
熱をもった筋肉が腫れた腕。寝不足でボーっとした頭。
お茶の味の囁きを聞くなんてことのできる状態じゃないが、これがリアルなお茶屋さんの仕事である。美味しいお茶をつくるのは知識や感性よりも根性や体力である。
さて、茶器によってお茶の味は変わるという話。
湯の熱の伝わり方に音の響きのような違いがあり、それがお茶の味を変える。
景徳鎮の青磁の茶壺とチェコ土の茶壺
指で弾くとチン!と鳴る青磁の薄くてカタイ質感は見ただけでわかる。
チェコ土の陶器の茶壺と比べる。
青磁の茶壺
チェコ土の茶壺
青磁の茶壺のほうがちょっとだけ重いが、容量は150ccで、チェコ土の茶壺は100cc。1.5倍の差があるので青磁のほうが薄造りである。手に持ったときに軽く感じる。
お茶は『巴達生態紅餅2016年』(卸売部)
巴達生態紅餅2016年
3.5gずつ。
早春の新芽・若葉でつくられたこのお茶は熱に敏感で、茶器を試すのにちょうどよい。とくに香りの立ち方にいろんな表情を見せてくれる。
青磁の茶壺
青磁の茶壺一煎め
チェコ土の茶壺一煎め
1煎めから茶湯の色に違いがある。
5煎くらいまで飲んでみたが、1煎めの違いが最後まで続いた。
青磁の茶壺は保温力はないかもしれないが、熱を反射する瞬発力みたいなものがあるのだな。
香りの立つスピードの早さと、摘みたての野の花のような新鮮で涼しい刺激のある感じが、この紅茶の性質をストレートに表している。
チェコ土のは、マルちゃん作の茶壺の中では薄造りなほうだが、柔らかい土の温かい感じは熱の伝わり方にも現れている。
1煎めは湯を注いでから10秒以内という短時間で抽出しているが、それでもこの違いが現れるのは、やはり保温力というよりも熱の反射の違いが大きいような気がする。
新芽・若葉にゆっくり熱を伝えると煮えてしまう。このお茶の場合は苦味や酸味が出る。
チェコ土の茶壺はもっと抽出時間を短くするべきなのかもしれないが、そうすると香りが立たない。たった10秒の抽出でも香りには熟れた甘味があって、これはこれで良いかもしれないが、青磁に比べるとおっとりしすぎている。
葉底青磁とチェコ土
葉底(煎じた後の茶葉)。
チェコ土のほうがしっかり茶葉が広がっていて、変色していて、触ると柔らかい。熱のしっかり通った結果が出ている。煮えているとも言える。
熱をしっかり通すほどに滋味深い味が出てくるという、古茶樹のような性質の茶葉ではない。熱の瞬発力で美味しいところだけサッと流し取るような感じが良いと思う。

ひとりごと:
空の光
秋の収穫
すすき
秋の収穫
農家はお茶が忙しくなくても、米とかトウモロコシとか、生活のための収穫に忙しい。
今年は自家製白酒の良い原料ができそうだな。

版納古樹熟餅2010年 その35.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : ステンレス茶缶
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 景徳鎮の白磁の蓋碗大・小
白磁の蓋碗大・小上から
白磁の蓋碗大・小底から
白磁の蓋碗大・小碗

お茶の感想:
手元の蓋碗の大小2種を比べる。
水を満タンにして小は90cc大は140cc。
蓋碗の碗だけの重量は小は63g大は79g。その差16gしかない。
蓋碗の大きさに対して「小」のほうはやや厚みがあり「大」のほうはやや薄づくりというバランスだが、大小にかかわらず同じ厚さでつくられてこうなったという見方が正しいと思う。手づくりだから個体差はある。
今日もこのお茶。
+【版納古樹熟餅2010年】
版納古樹熟餅2010年
3.6g。
蓋腕小
蓋碗大
ほぼ同量の湯を注ぐことにする。
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
淹れてみると、蓋碗大のほうは黒っぽい。
最初の煎から最後の煎(7煎くらい)までずっとこのような色の差がある。
蓋碗大の味は良い。口当たりがまろやかで、味に深みがある。甘味もある。
蓋碗小は口当たりがちょっとピリ辛い。味は軽くて深みがない。甘味も少ない。
香りの立ち方は似ているが、蓋碗大のほうが香りにも深みがある。
湯の温度に差があるのか?
ヤカンの湯は97度
沸き立ての湯。海抜600メートルくらいの西双版納では97度。
蓋碗に注ぐと90度くらいに下がる。
蓋碗大・小湯の温度
蓋碗大・小湯の温度
蓋碗に注ぐ湯の量は大・小ともに70ccくらいにそろえている。誤差はある。
結論から言うと、湯の温度の変化に蓋碗大・小の差はほとんどない。
注ぎたては同じ温度。
2分半ほど待っても、その差は1度ほどしかない。
保温力の差はほとんどないと言える。
北京の愛好家の蓋碗も測ってみた。
これは手元の蓋碗大と比べると少し保温力がある。
といっても、2分半蒸らしてからの温度差は1.5度ほど。
この微妙な温度差がお茶の味の差になっているとは思えない。
北京の愛好家の蓋碗
湯を注いですぐに茶湯の色の差が現れるのだから、茶葉の成分の抽出に、温度以外のなにかが大きく影響しているのだ。
「浸透圧」というのがある。例えば、シチューの具を煮込むときに塩を最後に加えるのは浸透圧を考慮しているから。最初に塩を加えて煮ると、肉は水分が抜けてワシワシになってしまう。塩分濃度の差が浸透圧を発生させるわけだが、こういうふうな目に見えない複雑なことが、茶葉と湯と茶器のあいだに起こっているのだろう。
感覚的に理解したいな。
形とか色とか手触りとか、指で弾いたときの音とか、手に取ったときのぬくもりとか、重さとか。
パッと直感でわかるようになりたい。

ひとりごと;
今日はこのお茶の整理。
『沈香黄片老茶磚80年代』(卸売部に出品)
沈香黄片老茶磚80年代
沈香黄片老茶磚80年代
いい顔しているよな。
そういえば、茶葉は感覚的にわかることがある。
茶器も経験を積めばわかるようになるだろ。


茶想

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