プーアール茶.com

丁家老寨青餅2012年 その17.

製造 : 2012年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 上海 紙包み 竹皮包み
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : 小さめの蓋碗

お茶の感想:
上海の友人の店でこの2つのお茶。
【易武古樹青餅2010年】
【丁家老寨青餅2012年 】
タイプの異なる栽培方法。
お茶の味にどんな違いが現れるのか、また、それぞれに適した泡茶方法はあるのか、そこを探ってみよう、としていたら、たまたまパッとひとりのお客様が入ってきた。
知らない顔で、常連様ではなかった。
それでもいっしょに飲むことになった。
生茶のプーアール茶のことはよく知っている様子で、あまり説明はいらない。30代後半くらいの女性で、この世代は老茶を知らないから新世代プーアール茶の勉強をしている。テレビ番組、雑誌、お店の試飲会、ネットの評論、いろいろ勉強の機会の多いのが新世代プーアール茶。
飲んでいて、渋味のあるのは良くないと言い出した。
丁家老寨青餅2012年
丁家老寨青餅2012年
ワインの教室でテイスティングの勉強もしていて、渋味のあるワインは高級ではなく、有名銘柄のは渋味がほとんど無いと言うのだ。
渋味にも上質があり、上には上がある。
ワインのことは知らないが、おそらく葡萄の樹だけでなく栽培や農地だけでなく周囲数キロメートルの自然環境まで、あるいは地球全体もが関係して渋味の上下をつくるだろう。
でも、ワインの教室ではそこはパスなのだろうな。
理解に時間のかかることは、教えるのが難しいから。
新世代プーアール茶の理解とちょっと似ていると思った。
理解を急ぐとお茶を味わえなくなる。
それはカンタンなこと。
カンタンなこともまた誰も教えない。教えても虚しいから。
ほんとうの勉強はどうしてもひとりで道をゆくことになる。みんながそうすることになる。

ひとりごと:
上海でスマートフォンを買った。
3日で大嫌いになった。
スマートフォン
さよなら。
昔のボタン式のに戻す。電話とショートメールしかできない。それで十分。
あるお客様から、中国でお茶をつくって売りたいなら、微信(中国のSNS)で情報を発信して、友達増やして、注文をとって、支払い・入金の機能をつかって・・・・と説得された。
「だから邪魔なんです・・・。」
と答えたら、すごく納得していた。

章朗古樹春天散茶2012年 その1.

製造 : 2012年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 袋密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋
章朗古樹春天散茶2012年プーアル茶

お茶の感想:
このお茶が美味しい。
今まさに花開いている感じがする。
『章朗古樹春天散茶2012年』(卸売部に出品中)
上海に立ち寄った際に長期保存中のこのお茶を試飲したら、目の覚めるような美味しさだったので再出品した。
蘭香がすばらしい。お茶というより花が薫る。
西双版納に残していたサンプルの茶葉も、今日飲んでみたら同じように開いた感じがする。
蓋碗の高速淹れがおすすめ。
章朗古樹春天散茶2012年プーアル茶
章朗古樹春天散茶2012年プーアル茶
散茶の茶葉はかさが大きいので、ちょっと多めに見えるくらいがちょうどよい。
サッと熱湯を通して一瞬で切ること。
蓋碗の中でじっくり煮出さないこと。
色が淡くても大丈夫。茶葉のチカラを信じるべし。
蓋碗という茶器は高速淹れを得意とする。
茶海(公道杯)があれば、茶湯をいっきに移すことができる。
章朗古樹春天散茶2012年プーアル茶
章朗古樹春天散茶2012年プーアル茶
一煎一煎が一番だしになる。
3煎めくらいから花の香が茶の香りに変わってゆく。その変化もまた味わい。
蓋碗の扱いに手が慣れない人は、ちょっと湯の温度を下げるとよいだろう。少々手間取っても濃くなりすぎることはない。
(蓋碗は指を火傷しないよう口の開いたカタチのを選ぶこと。)
茶海から茶杯にもすぐに注ぐべし。茶杯に入ってからもすぐに飲むべし。
温度が下がりやすい薄手の茶杯のほうが、熱くなりすぎなくてよいかもしれない。
いつまでも杯に茶を残しておくと新鮮味が落ちる。
章朗古樹春天散茶2012年プーアル茶
パッと淹れてサッと飲むべし。
茶葉に熱をこもらせないよう、一煎一煎茶葉をちょっと浮かせて熱の蒸気を逃すとよいだろう。
章朗古樹春天散茶2012年プーアル茶
あと2年も経って、さらに熟成変化がすすめば、違う淹れ方で別の魅力が引き出せるかもしれないけれど、今はこの高速淹れが一番と思う。

ひとりごと:
茶葉によってお茶の淹れ方を変えるのが良いと思う。
ひとつひとつの茶葉の性質を見て・触って・嗅いで理解する。
その話をして、北京の愛好家に実践して見せたはずなのに、
+【曼松古樹黄片小餅2014年 その3.】
北京に戻ったら周りの友人たちに感化されて、すべてのお茶について高温でじっくり煮出すほうが、あらゆる隠れた味が出てきて観察できるので良いと言いだしている。
茶商の品定めと、お茶を美味しく淹れるのとは違う。
わからないかなあ。
お茶を淹れる。お茶を飲む。
そこに独自の工夫や技術を見つけて、生活に馴染んだ自分たちのものにしてゆく。
産地と消費地とが離れていても喫茶文化は発祥しているのだ。

丁家老寨青餅2012年 その16.

製造 : 2012年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包み 竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗

お茶の感想:
今日はこのお茶の飲み比べ。
+【丁家老寨青餅2012年】
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
ステンレス茶缶のと、ダイ族の陶器の茶壺のと。
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
ステンレス茶缶のと、商品用の保存のと。
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
ダイゾクの陶器の茶壺のと、商品用の保存のと。
品茶は、一度飲んですぐにわかることと、何度も繰り返し飲んでやっとわかることと、いろんな観点があると思う。
じっくりやるしかない。
さて、前回に問題(臭いが移る)が発覚したダイ族の茶壺だが、この機会にもうひとつ別の問題を考えてみる。
湿気の問題。
見えない空気中の水が茶葉の熟成変化に影響する。
見えない水は茶葉の成分変化を促す。
「保存における最適な湿度は何%」と専門家は言うが、あまり頼りにならない。なぜなら、茶葉の水分量は空気中の湿度だけでは計りきれないから。空気中の見えない水の移動は、一日の気温の変化、保存の部屋の方角や位置、茶葉との温度差などに左右される。また、茶葉の物理的なところの、品種による繊維の性質、茶摘みのタイミング、製茶時の殺青・揉捻・軽発酵の具合、圧餅の緊密具合、などもまた茶葉の水分量とそれの及ぼす影響を左右する。なので空気中の湿度の数字はひとつの目安でしかない。
単純に茶葉の含む水分量を見るのなら、1枚(餅茶の標準で357g)の変動を0.0g単位で毎日記録するのがよいが、計量のたびに保存容器から出し入れするだけで正確なものではなくなる。
お茶の熟成の良し悪しは、結局は飲む人の感覚に頼る。
ひとつひとつのお茶についても異なる判定がある。
茶商は現物で証明するしかないから、手元のひとつひとつの茶葉と保存環境の特性に注目するのみ。したがって、共有できる知識は限られていると思う。
『丁家老寨青餅2012年』に限れば、当店の他のお茶に比べるとやや湿気に敏感だということがわかってきた。茶葉が水分を吸収しやすく吐き出しやすい。色の変化が早い。
思いがけない変化を避けるなら、なるべく乾燥状態を保ったほうが無難だと言える。
しかし、ほんとうにそうだろうか。
手元の保存で乾燥を保つことができる順は、
1.ステンレス茶缶 2.ダイ族の茶壺 3.商品用の保存
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
味の差は微妙だが、飲み比べるとよく分かる。
湿気を吸ったお茶は「香気」が弱る。ほんの微かに酸味が増す。
なので、いちばん香気の立つ1煎・2煎めの杯においてはステンレス茶缶のお茶が美味しい。
ところが、3煎・4煎になると香気の差はほとんどなくなる。お茶の美味しさを構成する主役が香気ではなくなるからだろう。5煎・6煎になると美味しさは逆転する。酸味の差もなくなる。
気のせいかと思って3度は飲み比べたが、同じ結果になる。
5煎めくらいから、ステンレス茶缶のはどことなく味が軽く上滑りして、喉越しはやや胸につかえるように感じる。ダイ族の茶壺や商品用の保存のお茶は味に厚みがあり、舌に馴染んで、喉の奥へスッと沈む。
この違いは「茶気」だろうと思う。
茶気の強いお茶はアルコール度数の高いお酒のように、ある種の強い辛味を持つ。ビールはゴクゴク飲めるけれどウオッカはゴクゴク飲めない。10年・20年熟成されたお茶は茶気が穏やかになって、味がまろやかで、喉越しがやわらかで、茶酔いのアタリもやさしい。
茶気の違いは製茶工程にも見つけることができる。
茶葉の持つ成分と水分を利用した軽発酵(酸化)を進めると、茶気は穏やかになる。同じ茶葉からつくった生茶よりも紅茶のほうが比較的身体へのアタリが穏やかなのはそのせいだと思う。酸味もまた生茶より紅茶のほうが強いのだが、旨味や甘味と渾然一体となっているのでそこから酸味だけを聞き分けるのは難しい。
湿度の高めの保存熟成においては、軽発酵のすすんだのと似たような結果が得られているのかもしれない。
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
「香気」にしても「茶気」にしても、ひとつやふたつの成分やその状態を特定して証明できるものではない。あくまで飲む人の感覚に頼った曖昧なものだが、曖昧なようでいて、実は厳密にいろんなパターンの無限の組み合わせがあるのだと思う。
やはり、お茶ごと保存環境ごとの個別の観察が必要となる。
『丁家老寨青餅2012年』に限って言えば、乾燥した保存状態ほど茶気は強く残る。もしも茶気を下げることを急ぐなら、ほどよく湿度のあるほうがよいだろう。しかし、湿気によって香気を弱らせても困る。
「茶気」と「香気」はどちらかを取ればどちらかを失う綱引きの関係にある。
さて、そこでちょっと考えてみる。
過去の老茶はどうだったのか?
+【早期紅印春尖散茶】
早期紅印春尖散茶
早期紅印春尖散茶
早期紅印春尖散茶
生茶のプーアール茶で、後発酵(倉庫での微生物発酵)のある老茶は、香気をすり替えることでこの問題を解決しているのではないだろうか。新茶の爽やかな香りとは全く異なる次元の「陳香」の魅力。比べようのない異質なもの。
その点で、後発酵(倉庫での微生物発酵)の無い老茶は、手元で熟成変化を追いかけてゆくと、どうしても出来たての新鮮な香りと比べてしまうので、たとえ果実や漢方薬を想わせる変化があったとしても、次元の違う異質なものとは捉えられず、劣化してゆく印象を拭えない。
烏龍茶の老茶は、保存期間中に焙煎という手を使うことがある。これはもしかしたら香りの質的変換を図って、劣化の印象を避ける効果があるのかもしれない。
新茶にしても老茶にしても、4煎めくらいから香気が下がる。
そこから先は別の味の魅力が美味しさをけん引する。このとき、老茶のほうがなぜ美味しいと感じるのか?
何煎も何煎もずっと飲んでいたくなるのは老茶(上質に限るが)。新茶にその魅力が薄いのはなぜか?
茶気だけのせいではないだろう。
これからじっくり探ってゆきたい。

ひとりごと:
茶商が熟成の味をどう解釈するかによってお茶の味は違う道を歩んでゆく。
まずは「香気」をどう解釈するか。
1.自然に逆らってでも、できるだけ新鮮を保つようにするか。
2.自然のままに落ちてゆく、その落ち方に美しさがあるかどうかを探るか。
3.それとも、もう一つの自然と言える微生物発酵で、次元の違うところへもってゆくか。
「火」をつかって香気を変えるという道は、プーアール茶の個性を潰すような気がするから、それはない。また、新鮮な風味を尊重するなら、1年か2年でお客様が飲み切る分だけ出品したほうがよいだろう。
残る二つの道を探る。
早期紅印春尖散茶
紅印は神がかりな美味しさ。

丁家老寨青餅2012年 その15.

製造 : 2012年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包み 竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗

お茶の感想:
サンプルの茶葉をいくつか入れているダイ族の壺が調子悪い。
先日の『漫撒古樹青餅2013年・黄印』につづいてこのお茶のサンプルも冴えない。
+【丁家老寨青餅2012年】
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
味がエグくて、香りも水質も落ちている。
腐敗ではないが、劣化した印象がある。
念の為にダイ族の壺には入れていないほうの『丁家老寨青餅2012年 』を飲んでみると問題がなかった。
やはりダイ族の壺の問題らしい。
経験から、こいういうときはまず晒干してみる。
餅茶の両面を1時間ずつくらい太陽光に晒す。その後涼干で数時間室内の乾燥したところに置く。
晒干するプーアール茶
これでかなり回復したので、2つの要因が考えられる。
1.他の臭いが移っていた。
2.湿気ていた。
どちらもお茶の味と水質に影響する。
この状態が長期間におよぶと回復できないが、ダイ族の壺はまだ使い始めて1年も経たない。
臭いを防ぎ、温度と湿度を安定させるために陶器の壺を試したはずなのに、なぜこうなったのか?
日本の窯元(オリジナルの熟成壺をつくってもらっている)に聞くと、こんな答えが帰ってきた。
まず、日本で高温で焼かれているもには、あまり聞かない問題ですね。窯を焼くときの燃料に重油をつかって、低い温度で燻しをかけていて、煤などが器物の土のなかに残っているのかもしれないですね。または、気化した燃料が染み込んでいる可能性もあると思います。
これが原因だったかもしれない。
壺が悪かったのか、それとも、質の悪い茶葉(業者からタダでもらったサンプルとか)いっしょに入れていたのが悪かったのか、あるいは両方だったのか。
茶葉は臭いを吸着する。
ほんのちょっとの臭いでも、長期間にわたると蓄積して増幅する。
このリカバリーに晒干が有効なのは、一時的に空気と茶葉に温度差ができて、茶葉の繊維が伸びたり縮んだりして(これを呼吸すると呼ぶ)、蓄積していた臭いの成分を吐き出すからだろう。
晒干の後に宜興の茶壺に移した。
それはさておき、
商品用に保存している『丁家老寨青餅2012年』。
このお茶の熟成はどうだろう?
問題があるなしのレベルではなくて、美味しくなっているか?というレベルで。
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
お茶の味の好ましい変化は「熟成」。
好ましくない変化は「劣化」や「腐敗」。
あくまで感覚的なもので、成分分析をしてなんらかの数値を比べるわけではない。
個人の感覚を頼ったあいまいな線引きになるが、実際のところは曖昧なところはすべてダメで、美味しさの圧倒的勝利にあるものだけが「熟成」という言葉に値する。体感の心地よさも美味しさのひとつとなる。
5年目だから(熟成年数が足りないから)まだ分からないとするのか、それとも、老茶の美味しさにちょっとでも共通したところがあるかどうかで判断するか。
はっきりしている。
老茶を知っている人からしたら熟成とは言えないレベルということ。
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
当店のオリジナルだけではない。ほとんど(自分の知る限り)すべての新しい生茶のプーアール茶が熟成に値する美味しさと体感の良さを得られていない。
老茶を知らない人には十分に「熟成」という言葉でお茶の味の変化が楽しめるだろう。プーアール茶業界全体は、もはや大きなマーケットになった老茶を知らない新しいお茶ファンだけにターゲットを絞っているが、老茶の味をちょっとでも知った者の本音で言うと、今の熟成ではダメ。
美味しいかと聞かれたら、良心的な人の心で「美味しい」と答えるだろう。一度は愛想で買うかもしれない。でも、二度目はない。お客様はいつも正直なのだ。もっと飲みたい、ずっと飲み続けたい、そう思えないかぎり同じお茶を続けて買うことはない。
やはり無加水状態の微生物発酵が欠かせない。
西双版納での倉庫熟成に、例えば金花のような無加水状態での微生物が自然発生するのを期待していたが、それは難しいと分かった。
5年かかった。
6年かかるよりはマシだったと考えて、次の手を打ちたい。
生茶のプーアール茶試飲
そのようなわけで、このお茶『丁家老寨青餅2012年』を含めてオリジナルの生茶の数種を出品保留にした。
これまでとは異なった熟成方法を探る。

ひとりごと:
5歳になった上海の坊に宜興の茶壺をプレゼント。
上海の坊
そういえば、この宜興茶壺も買ったその場でお茶を淹れてたらエグい味になった。
新品の茶壺は1時間ほど煮て「開壺」する。
今回は茶葉といっしょに煮た。その後の調子は良い。
上海の坊、本物の分かる人になれ。

巴達山曼邁寨の散茶2012年 その1.

製造 : 2012年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 袋密封
茶水 : 京都御所周辺地下水
茶器 : 小さめの蓋碗
喫茶室
巴達山曼邁寨の散茶2012年プーアル茶
巴達山曼邁寨の散茶2012年プーアル茶
巴達山曼邁寨の散茶2012年プーアル茶

お茶の感想:
過去に卸売部に出品していたお茶。
2010年このお茶と同じ、巴達山曼邁寨の古茶樹の茶葉。
【巴達古樹青餅2010年】
このお茶『巴達山曼邁寨の散茶2012年』も同じく早春に茶摘みをしているが、毎年の風味は異なる。
また、製茶の「殺青」・「揉捻」を機械で行っている。揉捻はゆるめに仕上がっており、そこが『巴達古樹青餅2010年』の人の手で強く揉捻したものとの差があると思う。
巴達山曼邁寨の散茶2012年プーアル茶
巴達山曼邁寨の散茶2012年プーアル茶
一煎めにキリッとした柑橘系の香り。味はやや硬いかと思ったので、2煎め・3煎・4煎・5煎・・・と時間を調整したり湯の温度を変えてみたりしたが、やはり自分の思うような「巴達山曼邁寨」の味にはならない。甘味が出にくいのでやや苦く感じる。これはこれでよいのかもしれないが、なぜだろう?と考えて、ふと気が付いた。
茶葉と水の相性。
巴達山の古茶樹の生茶は、京都御所周辺の地下水とあまり相性が良くないのかもしれない。あるいは、もっと湯の温度を下げてみるとか、茶葉を減らすとか、試してみる余地はある。

ひとりごと:
割烹料理
割烹料理
そういえば料理は色が大事だな。
美しいだけではなくて、鮮度とか、栄養とか、薬効とか、味わいとか、歯触りとか、そういうものも色から読み取っている。

丁家老寨青餅2012年 その13.

製造 : 2012年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包み 竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶

お茶の感想:
熟成壺の効果をみるためにこのお茶。
【丁家老寨青餅2012年】
壺に入れてから7カ月目となる。
この6カ月間は、いちども蓋を開けていない。
壺に入れてから2週間くらいのときに、茶にチョコレート香が加わった話を以前にしていた。
【漫撒古樹青餅2013年・黄印 その2.】
ところが、今回開けてみるとその特徴は目立たず、以前ほど薫らない。
餅茶の包みを開けても、とくべつ薫るということはなかった。
そして淹れてみた。
丁家老寨青餅2012年プーアル茶丁家老寨青餅2012年プーアル茶
湯を注いだ瞬間にふわっと薫る。
口に含むともっとふわっと薫る。
その香りはどこか焙煎っぽい方向のもので、熟成で「熟れた」感じの方向ではない。そこがこの熟成壺の特徴。火入れっぽい効果が得られて、キリッとするようなのだ。
大げさに言うなら、これまで飲んだ『丁家老寨青餅2012年』のなかでいちばん美味しいと思った。

ひとりごと:
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
このお茶は殺青のときの鉄鍋炒りで少々焦げたところがある。
崩した時に屑になる茶葉をいっしょに煎じると、このようにカスが多く出る。焦げの香りに嫌味がなければ、このようにカスの出るお茶のほうが香りの魅力があるように思う。
今年のテーマは「製茶」。
古茶樹は混生の品種。一本一本の茶樹が兄弟のように微妙に異なる。葉の形や大きさも成長のスピードもそろわないので、製茶の精度は落ちる。しかし、製茶の精度を上げるために人工的な栽培をして工業生産的に育てられたお茶よりも、魅力的な味だと自分は思う。西双版納のそれぞれの茶山の古樹の味。その魅力を引き出す製茶。このあたりを研究してみたい。

丁家老寨青餅2012年 その12.

製造 : 2012年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包み 竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶

お茶の感想:
舌が味を覚える。
この状態にもっていって試飲をしたほうがよいので、「生茶」は「生茶」、「熟茶」は「熟茶」、「新茶」は「新茶」、「老茶」は「老茶」と、集中して飲むことになる。
熟成の記録のためにまだ新しい生茶の試飲が続いたから辛かった。
同じ系統のこの3種。
【易武春風青餅2011年・熟成】
【易武古樹青餅2010年・熟成】
【丁家老寨青餅2012年・熟成】(今日のお茶)
味だけでなく体感も見たいし、一煎一煎の変化や、湯の温度や量の違いなど、あの手この手で淹れてみていろんな味の趣きを探るので、サイトに記録している試飲リポートはほんの一部なのだ。体がおかしくなるくらいたくさん飲む。頭は大丈夫だ。
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
(丁家老寨青餅2012年)
新しいお茶は茶酔いが強くて夜は眠れない。飲み過ぎると唇のふちが紫色になる。急に震えがくる。とくに早春の溌剌とした辛味成分(刺し味とも呼んでいる)の多いお茶は気をつけないといけない。ワインやお菓子を買い込んで持久戦をする。自分の体にはなぜか酒が有効で、とくにワインや日本酒を飲むと、お茶の味が嫌になりにくいのだ。体の震えもある程度防ぐことができる。
今日でいったん新茶の試飲は終わり。
明日から体にやさしい老茶の試飲に戻る。
茶商の飲み方は異常でお茶を楽しむ姿勢ではないから真似をしちゃいけない。
お茶にワイン

ひとりごと;
『丁家老寨青餅2012年』は美味しいけれど、現時点で価格差が1枚3000円あるなら『漫撒古樹青餅2013年・黄印』のほうがお得感があるかもしれない。
どちらも杯の中で、ちょっと冷めかけた時になにかが宿る。

弯弓の黄片の餅茶2012年 その1.

製造 : 2012年
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)弯弓
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶+微生物発酵
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめ蓋碗
弯弓の黄片の餅茶2012年プーアル茶

先日の老茶の連続試飲8種ほどだったかな?であらためて気付いたのだけれど、発酵にはいろんなタイプがある。
微生物が沸くように増殖して茶葉を焦がすかと思うくらい発熱するような激しい発酵もあれば、空気中の水分を得てほんの一時だけ活動した微生物が残した酵素で何年も掛けて成分変化が進むような発酵もある。
発酵の定義というのはけっこう広範囲で面白い。
昨日お客様からこのお茶について、
【易昌號大漆樹圓茶04年プーアル茶】
「月ごとに味がかわってきているのが面白いです。」
と報告をいただいてハッとした。
そういえばこのお茶もはじめの3年か4年は易武山の個人宅に置いてあった。茶葉に無加水状態の微生物発酵があって、その酵素が大量に残っているのかもしれない。今これが西双版納の手元にないので確かめられないが、ふとこのお茶『弯弓の黄片の餅茶2012年』があるのを思い出した。
瑶族の農家がプレゼントしてくれたのだった。
2012年のお茶だから、1年間は漫撒山(旧易武山)の隙間風吹く農家に置いてあったのだ。紙包みしかない状態で、夏の雨季には十分湿気て、微生物のアタックを受けているはず。実際にもらったときに表面にすこしだけ白カビがあるのを見つけていた。
2013年12月25日にこれを飲んでいる。
【漫撒茶山黄金葉熟餅05年 その2.】
しかしこのときは無加水の微生物発酵による風味を見つけていなかった。
理屈ではおかしい。ちょっとでもあるはず。
と思って今日の試飲。
弯弓の黄片の餅茶2012年プーアル茶
弯弓の黄片の餅茶2012年プーアル茶
紙包みを開けてびっくり。
ほんの20日くらいの間にずいぶん変色している。黒くなりつつある茶葉の黒さが増している。そしてこの変色は餅茶を崩して内側のほうの茶葉にも見られる。
そういえば昨年の夏にお客様からこんな質問を頂いた。
「餅茶の内部のほうは空気が通らないから熟成が遅いのですか?」
「いやそんなことはありません。けっこう均一に熟成しますよ。」
そんな会話をしたと思う。
下関茶廠の「鉄餅」と呼ばれるお茶がカチカチに圧延してあって熟成が遅い。そこから来ている話だろう。
そんなことを書いていた。
【早期藍印鉄餅50年代】
しかしその後、どうやらそうではないらしいとわかってきた。
おそらく鉄餅の熟成が遅いのは、原料の茶葉の性質と、圧延の蒸気で蒸らす時間が長いのと、圧延のチカラが特別強く加わるときに揉捻にも似た効果が得られるのと、水分が逃げにくい性質から乾燥室の温度が高めに設定されるためだ。
つまり、はじめから変化し難い性質に仕上がっているのであって、空気を通しにくい物理的特性から熟成が遅くなるのではない。
わかるかな・・・。
餅茶の中心のおへその部分はカチカチになりやすくて、熟成が遅くなるが、これも鉄餅の理屈と同じ。圧延のチカラの入り具合で、はじめから変化し難いように仕上がっているのだ。
見えない世界の話だが、空気中に漂っている微生物が着地して増殖してゆくのなら、餅茶の外側から順に内部に進むはずだから、内部の熟成は遅いのでは?
これも考えたが、ミクロの世界に生きている微生物からしたら、茶葉の繊維の管はトンネルのように大きいかもしれない。気温や湿度の安定しないトンネルの外側よりも内側へどんどん入って行ったほうが暮らしやすいし繁殖しやすい。
これを確かめようと上海にいたときに顕微鏡で見たことがあった。しかし見つからなかった。長期熟成中のお茶は、安い顕微鏡でも見つけやすい麹などの微生物はすべて枯れて死んでいる。安い顕微鏡では見えないミクロな酵素しか残らないのかもしれない。麹の枯れた死骸があるのではないのか?と思ったけれど、よく分からなかった。おそらく自らつくった酵素で分解されてしまうからだと推測する。人間で例えて言えば、自分のつくった胃液が自分を溶かしてしまうのだ。
ま、これはやがて学者が証明してくれるだろう。
ともかく、圧延がカチカチであろうがユルユルであろうが、餅茶の内部も外部もほぼ均一に熟成が進む。
弯弓の黄片の餅茶2012年 
弯弓の黄片の餅茶2012年プーアル茶
弯弓の黄片の餅茶2012年プーアル茶
さて、飲んでみたところ、2煎めくらいから易武山の老茶にある独特の蜂蜜味がした。これもたぶん無加水の微生物発酵と言えるお茶だ。

ひとりごと:
発酵学といえば「小泉武夫」先生。
この先生の本は何冊か読んだけれど、ぜんぜん難しいことを書かないのだ。
それどころか、あの発酵食品の味わいはこうで・・・みたいな、グルメ本になっている。それなら小説家が書いたほうが面白いのだから、学者らしくもっと専門的な解説(そんな本もあるのだろうけれど)をしたらいいのにと思ったことがある。
今この先生のしていることがちょっとわかる。
発酵の成果をいかに活用するかが大事なのであって、発酵の仕組みをいくら解明したところで、その成果がみんなの生活に活かせないのならなにもならない。
美味しい発酵食品をみんなに「美味しいよ!」と伝える。
それを食べて味覚を覚えて、健康を維持できる人がひとりでも増える。
これ以上に大事な仕事ってないと思う。

益木堂那カ古樹純料茶12年 その1.

製造 : 2012年3月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県孟宗山那カ寨古茶樹小葉種
茶廠 : 農家+益木堂
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー上海 密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
西双版納
西双版納
西双版納
西双版納
西双版納
西双版納古茶樹
西双版納古茶樹
西双版納古茶樹
西双版納古茶樹
西双版納古茶樹
西双版納

お茶の感想:
「那カ山」に行こうとしたのだった。
遠すぎて道が悪すぎて途中で断念した。
地図では近くに見えたし、バイクでしか登れないようなガタガタの坂道があるとは書いていなかった。
「那カ」には小葉種の古茶樹がある。上の写真に写っている茶樹は那カにゆく途中の山のもので、そこもやはり小葉種が多かった。
フワッと茶の香りの薫る小葉種のお茶。半発酵に仕上げると果実香をともなって華やかになる。わかりやすい美味しさで、近年プーアール茶の生茶を飲み始めた初心者にはこちらのほうがウケがよい。
当店のオリジナルのお茶は雲南大葉種のなかでも葉の大きく育つ原生の品種のものが多くて、それはどちらかというと香りが弱くて一見おっとりした風味で、しかも苦味・渋みはしっかりしているほうだから、慣れないことには美味しさがわかりにくいと言える。
西双版納にある樹齢200年を超える古茶樹で小葉種の多い地域は、孟臘県では旧六大茶山の象明茶区。今年9月に訪問した「革登山」はそのうちのひとつ。
【革登山 古茶樹】
そして、孟海県では「那カ山」。
「那カ山」のお茶は2010年のを卸売部に出品中だが、本日の試飲するのは同メーカーの2012年の品。
益木堂那カ古樹純料茶12年プーアル茶
益木堂那カ古樹純料茶12年プーアル茶
益木堂那カ古樹純料茶12年プーアル茶
益木堂那カ古樹純料茶12年プーアル茶
益木堂那カ古樹純料茶12年プーアル茶
お茶の故郷の雲南省南部から北へ、そして世界中へと茶の栽培が広がってゆく過程で、寒さに強い小葉種のほうが優勢になる。今や世界中の人のほとんどが小葉種の味に慣れている。自分が飲んでみても小葉種のほうが風味が濃くてわかりやすい気がする。この2012年のは仕入れないけれど、2010年のに次いで良かった。
しかしそれが分かっていながら、なぜかこれを求める気にならない。革登山にしても那カ山の道中の山にしても、農家の人たちがタダでくれてやるサンプルの晒青毛茶すら持ち帰っていないのだ。
なにかを専門にやるということは、なにかひとつに愛情を注ぐということで、どちらかを贔屓にするということで、公正な立場で涼しい顔をして良し悪しを選べる人になることではないのだ。

ひとりごと:
西双版納
西双版納
西双版納
西双版納
那カ山をあきらめた帰り道に、ドライバーをしてくれた南糯山の友人が、がっかりしている僕を見て可哀そうに思ったのか、通りかかった孟海県のダイ族の有名店の串焼きをおごってくれた。この地域ではここのが美味しいという評判が景洪市に住む自分にも聞こえていた。
その美味しさたるや涙がちょちょ切れそうなほどだった。その店の老板がすすめてくれた自家製の米焼酎で酔っぱらって忘れそうになっていたので、今思い出してここに記録しておく。あの店の鶏と豚の腸は景洪市のとはひとケタ違う美味しさだった。

丁家老寨青餅2012年 その11.

製造 : 2012年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包み 竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
丁家老寨青餅2012年プーアル茶

『丁家老寨青餅2012年』は「隠」の味?
先日の試飲でそれが気になったので、今日は餅茶を崩してみた。
【丁家老寨青餅2012年プーアル茶】
やはり同じ。
香りが立たない。味がしない。
でも、ここで焦ってはいけない。
いつものように淡々と淹れる。
香りは、蓋碗の蓋の裏にある。飲み干した杯の底にある。吐く息にずっとある。
味はちょっとの間をおいて、冷めてゆく湯の中に沸いて出てくる。口の中であふれる。
このことを知らないで、香りと味を立てようと頑張ると、濃くなりすぎてエグ味が出て台無しにする。
もしも、飲む人が気付きそうになかったら、隠れた香りと味を探してみるよう伝えて、集中してもらわなければならない。
いちど見つけたらカンタンで、次からはすぐに見つかる。身体が有ると知っているから、粘り強く探し出してくれる。
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
丁家老寨青餅2012年プーアル茶
『丁家老寨青餅2012年』にはこの傾向が強いが、易武山の古樹のお茶には多かれ少なかれ「隠」の味がある。なんらかの成分が香りや味を一瞬にして隠す。あるはずの香りや味を探して、軽く脳がゆれる。そこに生まれる空白こそが、易武山が世界のお茶好きに知られる導火線になったと思う。
しかし、この味覚に出会えない人もたくさん居ると思う。

ひとりごと:
上海で「臭豆腐」の味を知った時に同じような体験をした。
はじめの3回はほんとうに我慢して口に運んだ。どうにもこうにも腐敗臭だし、味もイカレている。珍味系のものは好きで日本では鮒鮓も好物だから、わからないはずがないと思っていた。
あんがいその「知っているつもり」が邪魔をしたかもしれない。
臭豆腐
わかったのは4回目。
ウソだろ?と思うくらい美味しかった。
次の日からいろんなレストランや屋台で毎日のように食べた。確かめるように食べた。しかし、いったん知ってしまうと、芳しさと旨さだけが感じられて、腐敗臭もイカレた味も消えてなくなる。
ふりかえってみると、自分に「知っているつもり」がなかったら、1回目から美味しく食べられたかもしれない。
いったいどれだけ多くの人が「知っているつもり」のために新しい味に出合えないでいることだろう。老茶の美味しさもそうだし、当店のお茶もそうなのかと思うとゾッとする。
しかし、まあ、いいかと思う。
もしかしたら臭豆腐を3回目であきらめて、「あんなものは美味しくない」と吹聴したかもしれない。けれど、自分には4回目があった。それは実力ではなくて偶然。「運」というか「縁」だった。


茶想

試飲の記録です。

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