易武春風青餅2011年 その18.
製造 : 2011年12月(采茶3月)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯 鉄瓶+炭火
お茶の感想:
ひきつづき火入れの二次加工について。
これすごく大事なことなので、同じようなことを何度も繰り返す。
二次加工の目的は、身体に優しいお茶をつくること。
これが一番大事。
味や香りを変えるのはその副作用みたいなもので、ちょっと湿気た茶葉を復活させることもできるが、今後は正常な生茶も火入れを試すつもり。
昔の人は”身体へのなじみ”を評価していた。
お茶だけでなく、あらゆる食べもの飲みものについて。
例えば、新酒(悪い例にして申し訳ないが)。
秋が深まって、早くも新米でつくった日本酒が出てくるが、こういうのはなるべく避けたい。
”生原酒”とか”しぼりたて”とかは新鮮な成分の刺激が強すぎる。
寒い。胸が焼ける。飲んだ後に身体が重くなる。
この症状に気付いていない人も多いと思う。
あるいは気付いているから、熟成酒がひそかに流行りだしているのかもしれない。
新鮮な味や香りは華やかでウケが良いから流通するけれど、ほんらい評価するべき身体へのなじみを無視している。
”生”な栄養は豊富で、成分表にしたら一見価値があるように見えてしまう。
しかし、どんな栄養があれど、身体になじまなければまったく意味がない。それどころか毒にさえなる。
茶葉も新鮮はよくない。
新茶市!はウケがよくて売れる。
味や香りが華やかで説得力がある。
しかし、身体へのなじみの観点で評価したら、このようなお茶は避けるべき。
お茶会などでその時限りならよいけれど、家で毎日飲むお茶にはならない。
熟成が必要なのはプーアール茶の生茶だけではない。
ほんとうはどんな種類の茶葉でも一年以上寝かしたほうが身体にやさしい。
昔は日本の緑茶も一年以上寝かしてから販売していたらしい。だから日本には茶箱がある。家庭で一年分の茶葉を貯蔵しておくにはそこそこのサイズの入れ物が要る。
中国のおじいちゃんおばあちゃんは、まだこのことをやかましく言う人もいるが、若い人には伝わらない。
人づてよりもネット検索やSNSの評価。裏でお金のかかっている情報にチカラがある。
”新しい”ほうが売れる。
生茶のプーアール茶の製法は火入れが浅い。
しかし、昔は産地で微生物発酵していたので、長期保存に強かった。
近年(1990年代から)の生茶は、微生物発酵しない緑茶のままで流通している。
詳しくはこちら。
+【通信講座#001 生茶はなぜ黒茶だったのか】
これが問題。
緑茶の生茶は保存が難しい。
微生物のつくった酵素成分は茶葉を劣化から守るが、緑茶の生茶はノーガード。
20年も30年も熟成させて美味しさを保つのは難しい。
中国には熟成茶専門の倉庫業者もいて、いろんな試みをしているが、いまのところこれといった成果は上がっていない。
風味を保つのが難しいだけでなく、身体へのなじみが良くなる”熟した”状態に変化するのも遅い。
例えば、うちのオリジナルの生茶は2010年からあるが、もうすでに熟成13年目になるのに、まだ”寒い”、”辛い”。
夏に飲むならよいが、冬には飲めない。
蒸して火入れする二次加工は、これを解決すると思う。
”寒”を”温”に変えるとまではゆかないが、10年分くらいの熟成変化とおなじ効果を得られている。
この成果は大きい。
生茶は蒸して乾かしてから飲む。
こういう二次加工がこれから普及してゆくはず。
身体になじみのよいお茶は毎日でも飲むようになるし、消費が早いし、リピート購入もするから、長い目で見たらみんなに良い結果となるはず。
1970年代に発明された熟茶が中国の茶葉市場で大ヒット商品になったように、生茶の二次加工がこれから流行る。
たぶん。
新しいお茶をつくることよりも二次加工で身体に優しいお茶をつくる手段を見つけることが今は大事。
この問題を解決できないままに、新しいお茶をどんどんつくっても・・・という感じ。
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯 鉄瓶+炭火
お茶の感想:
ひきつづき火入れの二次加工について。
これすごく大事なことなので、同じようなことを何度も繰り返す。
二次加工の目的は、身体に優しいお茶をつくること。
これが一番大事。
味や香りを変えるのはその副作用みたいなもので、ちょっと湿気た茶葉を復活させることもできるが、今後は正常な生茶も火入れを試すつもり。
昔の人は”身体へのなじみ”を評価していた。
お茶だけでなく、あらゆる食べもの飲みものについて。
例えば、新酒(悪い例にして申し訳ないが)。
秋が深まって、早くも新米でつくった日本酒が出てくるが、こういうのはなるべく避けたい。
”生原酒”とか”しぼりたて”とかは新鮮な成分の刺激が強すぎる。
寒い。胸が焼ける。飲んだ後に身体が重くなる。
この症状に気付いていない人も多いと思う。
あるいは気付いているから、熟成酒がひそかに流行りだしているのかもしれない。
新鮮な味や香りは華やかでウケが良いから流通するけれど、ほんらい評価するべき身体へのなじみを無視している。
”生”な栄養は豊富で、成分表にしたら一見価値があるように見えてしまう。
しかし、どんな栄養があれど、身体になじまなければまったく意味がない。それどころか毒にさえなる。
茶葉も新鮮はよくない。
新茶市!はウケがよくて売れる。
味や香りが華やかで説得力がある。
しかし、身体へのなじみの観点で評価したら、このようなお茶は避けるべき。
お茶会などでその時限りならよいけれど、家で毎日飲むお茶にはならない。
熟成が必要なのはプーアール茶の生茶だけではない。
ほんとうはどんな種類の茶葉でも一年以上寝かしたほうが身体にやさしい。
昔は日本の緑茶も一年以上寝かしてから販売していたらしい。だから日本には茶箱がある。家庭で一年分の茶葉を貯蔵しておくにはそこそこのサイズの入れ物が要る。
中国のおじいちゃんおばあちゃんは、まだこのことをやかましく言う人もいるが、若い人には伝わらない。
人づてよりもネット検索やSNSの評価。裏でお金のかかっている情報にチカラがある。
”新しい”ほうが売れる。
生茶のプーアール茶の製法は火入れが浅い。
しかし、昔は産地で微生物発酵していたので、長期保存に強かった。
近年(1990年代から)の生茶は、微生物発酵しない緑茶のままで流通している。
詳しくはこちら。
+【通信講座#001 生茶はなぜ黒茶だったのか】
これが問題。
緑茶の生茶は保存が難しい。
微生物のつくった酵素成分は茶葉を劣化から守るが、緑茶の生茶はノーガード。
20年も30年も熟成させて美味しさを保つのは難しい。
中国には熟成茶専門の倉庫業者もいて、いろんな試みをしているが、いまのところこれといった成果は上がっていない。
風味を保つのが難しいだけでなく、身体へのなじみが良くなる”熟した”状態に変化するのも遅い。
例えば、うちのオリジナルの生茶は2010年からあるが、もうすでに熟成13年目になるのに、まだ”寒い”、”辛い”。
夏に飲むならよいが、冬には飲めない。
蒸して火入れする二次加工は、これを解決すると思う。
”寒”を”温”に変えるとまではゆかないが、10年分くらいの熟成変化とおなじ効果を得られている。
この成果は大きい。
生茶は蒸して乾かしてから飲む。
こういう二次加工がこれから普及してゆくはず。
身体になじみのよいお茶は毎日でも飲むようになるし、消費が早いし、リピート購入もするから、長い目で見たらみんなに良い結果となるはず。
1970年代に発明された熟茶が中国の茶葉市場で大ヒット商品になったように、生茶の二次加工がこれから流行る。
たぶん。
新しいお茶をつくることよりも二次加工で身体に優しいお茶をつくる手段を見つけることが今は大事。
この問題を解決できないままに、新しいお茶をどんどんつくっても・・・という感じ。
- 2023.12.02 Saturday
- プーアール茶2011年
- 12:25
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- by ふじもと