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茶教室・京都

南糯山生態紅茶2013年 その3.

製造 : 2013年05月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山多衣寨
茶廠 : 農家
工程 : 紅茶
形状 : 散茶
保存 : 袋密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : コーヒー用のグラスポット350cc
南糯山
南糯山

お茶の感想:
西双版納はまだ乾季で、晴れの日が続いている。
茶摘みは3月になってから。
まだちょっと日数があるので、足腰のトレーニングを兼ねて南糯山を歩いてきた。
景洪市から車で1時間なので日帰りできる。
観光茶山として発展する兆しがある。

春節のゴルデンウィークで賑わっていた。
賑わうと言ってもそこは辺境地。中国国内の旅行スタイルもだんだん変わってきて自家用車で好きなところへ行く家族が増えているが、他の景勝地に比べたら人は少なく、気持ちよく過ごせる。
西双版納は工業の無い地域だから空気はキレイだが、それでも町は車の排気ガスや建設の埃などで空気が悪い。山に来ると空気が美味しい。
南糯山は愛尼族(アイニ族)の村が8つほどある。各村に人口が分散しているので、山のあちこちをめぐる山道が充実している。山歩きを楽しむにはちょうど良い。
南糯山ジャイアンツ
南糯山ジャイアンツ
ところどころに巨木が残っているのも南糯山の魅力のひとつ。
昔は、巨木には必ずと言ってよいほど豹が住んでいたらしい。
山の上のほうほど森林が濃くて散策が楽しい。
南糯山
南糯山
茶樹は太い幹が左右に分かれてうねっているのが特徴。
まるで盆栽を大きくしたような。
これは昔から人が茶葉を採取したり、ときには台刈りで背が高くなりすぎないようにしたり、手入れをしてきたからこうなる。
樹齢数百年の茶樹だから、数百年のお茶づくりが続いていたということ。
しかし、現代のプーアール茶に向けた新芽・若葉のお茶がつくられたのは1980年頃から。それ以前は大きく育った茶葉を採取して、チベットなど遊牧民の生活のお茶となる原料をつくっていた。
高級茶づくりをしてきた歴史はない。
南糯山の古茶樹
南糯山の古茶樹
南糯山の古茶樹
南糯山の古茶樹
茶樹に登ったら罰金です
(”茶樹に登ったら罰金です”と書いてある)
幹が分かれないで一本だけ上へ伸びる茶樹は、遠い昔に誰も手入れしなかったためで、ある意味で野生茶だが、そういうのは美味しく飲めないことが多い。近年はそんな茶樹まで采茶されるが、昔の人が飲まなかったお茶は飲まないほうがよいと個人的には思う。
今日のお茶は『南糯山生態紅茶2013年』。
南糯山の茶葉は生茶よりも紅茶に向いている。
甘味にしても苦味にしても消えの早いほうが上等だが、南糯山のは残る。
”苦底”が強いのが特徴で、舌に苦味が残るので、甘いお菓子には合う。
紅茶にすると軽発酵の効果で苦底が少なくなって飲みやすい。
南糯山生態紅茶2013年
南糯山生態紅茶2013年
この『南糯山生態紅茶2013年』は春の二番摘み。
パッと見て新芽がやや大きいのは一番摘みではない。
早春の新芽は小さく細いので、見た目が悪いから、売れにくい。
二番摘みの5月頃は気温がやや上がってきてよく育つので、新芽が目立ってキレイ。一番摘みに比べると茶気も香気も落ちるが、味・見た目・価格のバランスがよいので、いちばんよく売れる。

南糯山の入り口の露店。
南糯山物産展
南糯山物産展
ここでいつも天然の果物の乾物を買う。
ひとつの山にいろんな産物のできるのは生態環境のよい証。
南糯山の乾物
帰ってからさらにちょっと天日干しするのが長期保存のコツ。

易武古樹紅茶2013年 その1.

製造 : 2013年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山古樹
茶廠 : ?
工程 : 紅茶
形状 : 散茶
保存 : 袋密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
雨

お茶の感想:
雨の3日目。
そういえば、
知り合いの茶荘に古樹の紅茶をむちゃくちゃ高い価格で売っていた。
それを思い出して、ちょっとだけサンプルをいただいて試飲してみる。
袋の底のほうの屑になった茶葉なので、形は崩れて粉も混ざるが、考えて淹れれば問題ないだろう。
易武古樹紅茶2013年 
易武古樹紅茶2013年 
易武古樹紅茶2013年
舌触りがトロンとしてスルッと喉へ流れた。
やはり良いお茶は液体の質を変えるみたいだ。水の粒子がそろうと言うか、キメ細かくなると言うか、そんな感じ。
香りにそれほど特別なものはないけれど、全体のバランスがよくて、まとまっている。
易武古樹紅茶2013年
この紅茶がむちゃくちゃ高い理由は、むちゃくちゃ美味しいからだった。
以上。

ひとりごと:
むかしむかし、
このあたりにいたタイ族の王様が、ある日こう言った。
「あの象たちを乗り物にしてみようか。」
誰も考えてもみなかったことで、みんなをワクワクさせた。
どうやって象を馴らすのか?どんな座席をつくればよいのか?
わからないけれど、やってみよう。
そうやって新しい仕事がはじまった。
エレファントビレッジ
写真: タイ・チェンラーイのエレファント・ビレッジ
昨日の記事を書いてわかったけれど、
やっぱり当店のお金の力が弱っている。
現場での影響力が落ちている。
山へ行ってもあまり歓迎されなくなってきている。
細かなことにこだわりだしている。
認めたくないけれど、負け犬の兆候が現れている。
2010年にはじめて出品したオリジナルのお茶は、
「さあ、みんなですごいことをやるぜ!」
と、農家や村人をワクワクさせた。仕事に活気があった。お金に力があった。
ところが、昨年・今年をふりかえると、細かな要求ばかり増えてしんどいだけになっている。
良いお茶ができるかどうかはまた別問題だけれど、みんなをワクワクさせていない。人は誰でも面白い仕事がしたい。面白い仕事から生まれたものが欲しい。その魅力が、お茶に新しい美味しさをもたらす。
お金の力を10倍にするアイデアを出せる人が世の中にはいる。
だからお金が少ないなんていうのは言い訳になる。
ここにきて挫折感。
ま、それが自覚できただけでも一歩前進だ。
任天堂の山内会長が亡くなった。
過去にゲームの会社に勤めたことがあったので、山内会長の仕事を知る機会があった。
あの人は王様だったので、みんなをわくわくさせ続けた。

南糯山生態紅茶2013年 その2.

製造 : 2013年05月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山多衣寨
茶廠 : 農家
工程 : 紅茶
形状 : 散茶
保存 : 袋密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
マンゴージュース
マンゴージュース

お茶の感想:
朝一番のジュースはマンゴー。
「不放糖・不放氷塊」で濃厚。
さて、もういちどこのお茶の試飲。
南糯山生態紅茶2013年
南糯山生態紅茶2013年
南糯山生態紅茶2013年
南糯山生態紅茶2013年
うーん・・・見事だ。
今までに見た南糯山の紅茶ではこれが一番。
南糯山生態紅茶2013年
袋の表面に白毛の粉がこびりついている。そういう品種なのだろう。茶畑なので品種が単一にそろっている。
早速レストランの老板娘に値段を聞きに行った。
ところが、なかなか言わないので嫌な予感。
自分では決められないからと言って、南糯山で仕事中の旦那さんに電話をしてもらったら、予想していた価格の3倍だった。
うーん・・・無い話か。
しかし、わからなくはない。
この人たちは勝負をかけたのだ。
南糯山の茶葉の価格が過去最高値をつけた今年に、借金をして、山頂付近の森林のある農地をドーンといった。
このお茶はその農地にある台地茶(茶畑)のものだけれど、後に森林の中に手付つかずの古茶樹が100本見つかったというから、いずれ見に行こうと思う。その古茶樹でのお茶づくりは来年からで、準備のために山の製茶場をつくる作業に追われて、旦那さんは町に帰って来ないらしい。製茶場をつくるお金も借金にちがいない。
南糯山の餅茶
旦那さんの昨年つくった餅茶。
かなり尖った発想がある。たぶんこの人はお茶に詳しい。
うーん・・・やっぱり縁も大事か。
良いお茶はいつも高くて、高いなーと思ったものほど、後から考えたら安かったということが多い。

ひとりごと:
ホットマネー。
熱いお金。
実体経済からかけ離れて行き場を失った巨額の資金が世界中の為替や株や土地を動かす。その流れの枝分かれした先端がこの地域に流れ込んでいる。
西双版納
西双版納
西双版納の歴史をふりかえると、茶交易の全盛期だった清代の中期にも熱いお金が流れ込んだ形跡がある。しかしそれは茶葉だけが主役だった。
現在は、ゴムの樹・サトウキビ・トロピカルフルーツ・牧場・農地・別荘・リゾート・ゴルフ場・麻薬と、なんでもあり。その上、昆明からシンガポールまで縦断する高速鉄道の計画があって、長期的な変化が予想される。
当店は熱いお金とは縁がないけれど、お茶の買い付けの現場ではカチ合って火花を散らすことがある。
負けたらアカン。でもガマン。
先に火を噴いたら自分のお金が熱いお金に化けてしまう。
それに、残念ながら多勢に無勢。
少ないお金では大量のお金に太刀打ちできない。
今年の春に大量に流入した熱いお金が、古茶樹の原料価格を高騰させた。
ここは守りに入ったほうがよいと思って、準備していた現金の多くを中国株に回して、物価上昇による資金の目減りを防いだ。
うまくいったように見えたけれど、ふりかえってみると、守りよりも攻めの人たちに軍配が上がった。
熱いお金を追い風にして、高い茶葉を大量に仕入れた人や、農地(70年の借地権)を買った人のほうが、ずっと飛躍的な成長を遂げた。
来年も再来年もまだこの状況が続きそうな気がする。
お金の力が弱ると現場での力を失う。力を失うと良いお茶ができなくなる。
困ったなあ・・・・。
大国が紙幣を刷り続けるように、山の造幣局は茶葉を産出し続ける。
紙か、茶葉か。
熱いお金か、熱い茶葉か。
ほんとうの対決はここにある。

南糯山生態紅茶2013年 その1.

製造 : 2013年05月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山多衣寨
茶廠 : 農家
工程 : 紅茶
形状 : 散茶
保存 : 袋密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : カフェの大きなポット

お茶の感想:
ひさしぶりに腕のいい料理。
炒空心菜。
魔芋焼猪手(こんにゃくと豚足の炒め煮)。
西双版納のレストラン
西双版納のレストラン
西双版納のレストラン
空心菜の火の通り具合がカンペキのシャキシャキのムラなし。
春になったらいっしょに山へ行って茶葉を炒ってくれないかな・・・・。
こんにゃくは、田舎のおばあちゃんがコンニャク芋から手づくりするのと味が似ている。見た目も食感もちょっと似ている豚足のゼラチン部分が歯ごたえの面白みをつくる。
「不放味精・鶏精・辛子小放。」
(化学調味料は入れない。唐辛子は少なめ。)
厨師は僕の顔を見ただけで復唱してくれる。
西双版納のレストラン
菊花泡酒
西双版納の猫
美味いものを食べると運が向いてくる。
老板娘が自家製菊花泡酒をおごってくれて、さらに南糯山の紅茶を一缶くれた。
台地茶(畝づくりの茶畑お若い茶樹)の農地を買って、完全無肥料・無農薬で育てて、その茶葉でつくったらしい。
このレストランはなにかと自家製をするのが好きで、有機栽培の葡萄を大甕に醸してつくったワインも、地元の味覚に合わせて砂糖を加えていたものの、なかなかの出来だった。食事のときの無料のお茶も他のレストランとはちがうレベルのが出てくる。
いつものカフェでポットを借りてその紅茶を淹れてみた。
南糯山生態紅茶2013年
ツヤツヤでトロッと甘い。かなり高いクオリティー・・・。
ちょっと詳しく調べてみることにする。

ひとりごと:
西双版納の旧六大茶山の忘れられた奥地へ行ってみたい。
ところが、雨で足止め。
西双版納の雨
道が悪いそうなので、どうしても2日間ほど晴れてほしい。
帰りに道がなくなっているという事態は避けたい。ほうぼう電話をして道の状況を聞こうとしたが、人づてに連絡のとれたその山の近くの村人ですら、もう1年も通っていないという。川にかかる橋がどうこう言っていた。
旧六大茶山のいくつかは明代から清代の頃に栄えた茶山で、その当時は山奥に村があって人々がお茶づくりをしていたのだが、インドの紅茶が中国茶の需要を奪った清代後期に村が廃れて、その後は人里離れた山奥となっている。野生化した大きな茶樹が森の中に生きている。現在はバイクがあるから、もよりの村から日帰りで旬の茶葉を採集しに行ける。そういう農家に知り合いがいないので、道がわからない。
いちかばちか車で行ってみて、ダメなら出直してバイクでアタックする。この計画をドライバーの友人と相談。
血が騒ぐ。
梨のジュース
梨
「今日一番の果物は?」
と聞いてつくってもらうジュースは「梨」だった。
「不放糖・不放氷塊。」
(砂糖も氷も入れない果汁100%。)
店の女の子が僕の顔を見ただけで復唱してくれる。

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茶想

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