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茶教室・京都

大益大白菜班章青餅02年 その1.

製造 : 2002年
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県布朗山老班章晒青毛茶
茶廠 : 孟海茶廠 何兄弟官製
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 昆明乾倉紙包+竹皮包
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
大益大白菜班章青餅02年プーアル茶
大益大白菜班章青餅02年プーアル茶
大益大白菜班章青餅02年プーアル茶

お茶の感想:
マーケティングが巧妙で実力の伴わないお茶だと個人的に思う。大白菜のブランド。
大手メーカー大益の2002年の老班章の茶葉が原料で、著名な職人がつくったということになっている。
人気があるらしいのでちょっとだけ期待してみたが、ひと口飲んでガッカリした。
餅茶に鼻を近づけると蜜のような香りがする。湯を注いでもその香りが漂って、良さそうに思える。
飲んでみると欠陥と言えるほどのことはない。カビ臭いとか腐臭があるとか味がエグイとか。そういうことではない。
味に魅力がない。
ちょっと濃く淹れてみると、辛味が強くて、後口に嫌な苦味を残す。
大益大白菜班章青餅02年プーアル茶
熟成の環境が悪くて湿気たものだと思うが、市場に流通するのはこれが標準的な保存状態。
しかし、この味はいつかどこかで飲んだことがある・・・・そう思って一晩考えていたら思い出した。
手元に残しているサンプルの茶葉に、孟海県の熟茶づくりの渥堆発酵用の倉庫の片隅にしばらく置いていた無加水の晒青毛茶がある。それ。
大益大白菜班章青餅02年プーアル茶
大益大白菜班章青餅02年プーアル茶
左: 大益大白菜班章青餅02年
右: 無加水発酵の晒青毛茶
熟茶倉庫の無加水のは、論理的には間違っていないはずだが、結果はダメだった。
期待していた黒麹の発酵は起こっていない。ただ湿気ただけ。
湿気ていなければ大白菜はもうちょっとましかもしれない。しかし、湿気ていない大白菜は市場には無いだろうと推測する。
大益大白菜班章青餅02年プーアル茶
千年古樹プーアル瓜茶90年代
千年古樹プーアル瓜茶90年代
『千年古樹プーアル瓜茶90年代』。
卸売業者から送ってきた別のサンプルのお茶は金花カビ(お茶を美味しくする麹カビの一種)がついていた。香港倉庫らしい。
期待したが美味しくなかった。樟香とか参香とかいろいろ言われて、自分の舌を疑って何度も飲んでみたがダメだった。
美味しくないものを魅力的に表現しても無駄。

中茶牌7581雷射磚02年 その1.

製造 : 2002年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶(雲南省景谷地区)
茶廠 : 中国土産畜産雲南茶叶進出口公司
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 昆明ー上海 紙包密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 大きめの蓋碗
中茶牌7581雷射磚02年プーアル茶
中茶牌7581雷射磚02年プーアル茶

お茶の感想:
今日は熟茶。
『中茶牌7581雷射磚02年プーアル茶』。
熟茶もいろいろ。
このお茶は景谷地区の個性が出て、ちょっと苦い。熟成12年めになった今は”参味”と呼ぶ薬用人参のような香味があり、好きな人にはたまらない。嫌いな人もあるかもしれない。
熟成10年目くらいから出てくる”荷香”・”棗香”・”樟香”・”参香”・”沈香”などの個性には魅力がある。
熟成は見えないミクロの世界でいろんな現象が起こっているのだ。
熟茶は微生物発酵の黒茶。
微生物の生きているのは製造工程の発酵のときであって、製品化したときにはその活動は止まっている。加熱や乾燥で微生物はいったん死んでいる。
しかし、微生物が残した大量の酵素成分がまだ生きている。
酵素は生きものではなくてタンパク質の一種だから、「生きている」という表現は正確ではないかもしれないが、酵素成分がもたらす結果はまるで生きものの仕業のように思えるから、このように表現されるのだと思う。
発酵時に活躍する微生物は生きものなので「食べる」ことでエネルギーを摂取しているが、手も足も口もないから、酵素で茶葉の組織を溶かして細胞壁から吸収するしかない。そのために大量の酵素をつくって身の周りにばらまくが、これがどうやら食べるためだけに機能するのではないらしい。他の雑菌を寄せ付けない抗生物質をつくって自分だけのパラダイスにしたり、仲間になる別の微生物を養う栄養となったり、複合的に作用している。
酵素の働きは適度な水分や温度が必要で、まったくの乾燥状態ではほとんど機能しないらしい。しかし、茶葉の保存中にまったくの乾燥状態というのはまずありえない。ほんの少しでも空気中の水分を吸収したり吐き出したりしていて、これが酵素の働きになんらかの影響を与える。
だから保存環境によって熟成に様々な結果が得られる。
中茶牌7581雷射磚02年プーアル茶
このお茶『中茶牌7581雷射磚02年プーアル茶』は、昆明の”乾倉”と呼ばれる比較的乾燥した涼しい環境に置かれていた。これがもしも湿度も温度も高い香港や広東の倉庫に置かれていたら、ひと味ちがった風味になったと思う。自分の経験では、日本のように梅雨の季節の湿度と温度のあるところでは、もうちょっとしっとりした風味になる。
保存環境によって熟成に異なる結果を得られたら、ひとつのお茶からふたつの風味がつくれる。
オリジナルのお茶『版納古樹熟餅2010年』でこれから試そうと思っている。
90年代老茶のプーアル茶
さて、これから試飲。
1980年代から1990年代の老茶。
ビンテージ価値のある銘柄からちょっと外れたところの廉価品だから、その方面の鑑定はしない。茶葉をしっかり見て・触って・嗅いで・お茶にして飲んで、葉底(煎じた後の茶葉)の色・形状・質感を確かめて、そして試飲後の体感に注意する。

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茶想

試飲の記録です。
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