鳳凰蜜蘭香2021年 その1.
製造 : 2021年春
茶葉 : 広東省潮安県鳳凰鎮烏崠山
茶廠 :
工程 : 烏龍茶 蜜蘭香
形状 : 散茶
保存 : 真空パック 3g
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯 鉄瓶・炭火
お茶の感想:
LEAFMANIAさんから2年前に頂いた烏龍茶を密封袋のまま手元で寝かせていた。
最近試みている生茶のプーアール茶を蒸して乾かす二次加工について、なにかヒントがあるかと思って飲んでみた。
メモしておきたいと思う。
”蜜蘭香”と”黄梔香”のふたつ。
黄梔香のほうがおそらく高級茶葉。
丁寧な仕事がお茶の味の清らかさに現れていてすばらしい。
これは蜜蘭香にも黄梔香にも共通するが、飲んだときの体感は、プーアール茶の生茶なら熟成10年以上に相当するほど落ち着いていた。
焙煎による火入れの効果は、飲んでいて疲れないこと。
黄梔香のほうは3gをひとりで飲んだ。さすがに3gは多いので何煎もつづけて飲むと身体に”寒”を感じたが、もしこれが生茶だったら10年熟成くらいでは3gも飲むともっと寒くて、途中でギブアップするだろう。
試しに、蒸して二次加工した後の”易武春風青餅2011年”を次の日に飲み比べてみたが、それでもまだこっちのほうが寒が強い。
寒いか温かいか、これとは別に、茶気のめぐり方の違いに気がついた。
烏龍茶のふたつは、上半身の胸から上にばかり茶気のめぐりが集中している。
生茶のプーアール茶(古樹のもの)は山にもよるが、もうちょっと全体的に茶気がめぐる感じになる。
これがちょっと不思議だったが、”蜜蘭香”のほうの葉底を見てみると納得できるところがある。
お茶の味から想像していたよりもずっと緑茶っぽい色。
茶気のめぐり方はこの軽発酵度のものかもしれない。
この蜜蘭香については生茶のプーアール茶よりももっと緑茶寄りに見える。
烏龍茶は中発酵と教科書に定義されているが発酵度の幅は大きい。
葉底のところどころ部分的に赤っぽく変色しているのは”揺青”による効果。
揺青は製茶工程の茶葉がまだ”生”の状態のときに行われる。
竹で編んだザルに茶葉をのせて揺すって揺すって茶葉の表面に微妙な傷をつける。これによって茶葉はある種の成分変化を起こす。
この成分変化は、茶葉が虫に齧られたときに防御のために虫にとって嫌な成分を生成することによる。傷ができたところから電気信号が茶葉全体にめぐり、何らかの反応で新しい成分がつくられる。虫にとっては毒であるが、人間にとっては毒にも薬にもなり、そして烏龍茶の独特の魅力的な香りをつくる。
揺青は、その傷口が赤っぽく変色するので軽発酵をすすめる技術かと思っていたが、これは間違い。
葉底の全体的な緑色からもわかるように、むしろ軽発酵をすすめないまま甘い香りをつくるための技術といえる。
烏龍茶はあくまでも香りが主役。お茶の味は主張しないほうがバランスがよい。
生茶のような製茶をするとお茶の味が濃くなる。
殺青後の水分を残したまま翌日天日干ししたり、圧延加工に石型でユサユサ圧しながら揺すったり。意図して軽発酵をすすめると味が前面に出やすい。
烏龍茶の二次加工の火入れは”蒸し”ではなくて”焙煎”。乾いた茶葉のままで火入れする。
もしもこれが蒸して火入れをすると、茶葉に入った水と熱が軽発酵をすすめてしまう。もしかしたら魅力的な風味がそこで失われる。
乾いたままの茶葉を焙煎するほうが技術的に難しいし、また熱効率も悪いのだが、そういうことじゃないかと思う。
茶葉 : 広東省潮安県鳳凰鎮烏崠山
茶廠 :
工程 : 烏龍茶 蜜蘭香
形状 : 散茶
保存 : 真空パック 3g
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 中国宜興土の茶壺・チェコ土の茶杯 鉄瓶・炭火
お茶の感想:
LEAFMANIAさんから2年前に頂いた烏龍茶を密封袋のまま手元で寝かせていた。
最近試みている生茶のプーアール茶を蒸して乾かす二次加工について、なにかヒントがあるかと思って飲んでみた。
メモしておきたいと思う。
”蜜蘭香”と”黄梔香”のふたつ。
黄梔香のほうがおそらく高級茶葉。
丁寧な仕事がお茶の味の清らかさに現れていてすばらしい。
これは蜜蘭香にも黄梔香にも共通するが、飲んだときの体感は、プーアール茶の生茶なら熟成10年以上に相当するほど落ち着いていた。
焙煎による火入れの効果は、飲んでいて疲れないこと。
黄梔香のほうは3gをひとりで飲んだ。さすがに3gは多いので何煎もつづけて飲むと身体に”寒”を感じたが、もしこれが生茶だったら10年熟成くらいでは3gも飲むともっと寒くて、途中でギブアップするだろう。
試しに、蒸して二次加工した後の”易武春風青餅2011年”を次の日に飲み比べてみたが、それでもまだこっちのほうが寒が強い。
寒いか温かいか、これとは別に、茶気のめぐり方の違いに気がついた。
烏龍茶のふたつは、上半身の胸から上にばかり茶気のめぐりが集中している。
生茶のプーアール茶(古樹のもの)は山にもよるが、もうちょっと全体的に茶気がめぐる感じになる。
これがちょっと不思議だったが、”蜜蘭香”のほうの葉底を見てみると納得できるところがある。
お茶の味から想像していたよりもずっと緑茶っぽい色。
茶気のめぐり方はこの軽発酵度のものかもしれない。
この蜜蘭香については生茶のプーアール茶よりももっと緑茶寄りに見える。
烏龍茶は中発酵と教科書に定義されているが発酵度の幅は大きい。
葉底のところどころ部分的に赤っぽく変色しているのは”揺青”による効果。
揺青は製茶工程の茶葉がまだ”生”の状態のときに行われる。
竹で編んだザルに茶葉をのせて揺すって揺すって茶葉の表面に微妙な傷をつける。これによって茶葉はある種の成分変化を起こす。
この成分変化は、茶葉が虫に齧られたときに防御のために虫にとって嫌な成分を生成することによる。傷ができたところから電気信号が茶葉全体にめぐり、何らかの反応で新しい成分がつくられる。虫にとっては毒であるが、人間にとっては毒にも薬にもなり、そして烏龍茶の独特の魅力的な香りをつくる。
揺青は、その傷口が赤っぽく変色するので軽発酵をすすめる技術かと思っていたが、これは間違い。
葉底の全体的な緑色からもわかるように、むしろ軽発酵をすすめないまま甘い香りをつくるための技術といえる。
烏龍茶はあくまでも香りが主役。お茶の味は主張しないほうがバランスがよい。
生茶のような製茶をするとお茶の味が濃くなる。
殺青後の水分を残したまま翌日天日干ししたり、圧延加工に石型でユサユサ圧しながら揺すったり。意図して軽発酵をすすめると味が前面に出やすい。
烏龍茶の二次加工の火入れは”蒸し”ではなくて”焙煎”。乾いた茶葉のままで火入れする。
もしもこれが蒸して火入れをすると、茶葉に入った水と熱が軽発酵をすすめてしまう。もしかしたら魅力的な風味がそこで失われる。
乾いたままの茶葉を焙煎するほうが技術的に難しいし、また熱効率も悪いのだが、そういうことじゃないかと思う。