プーアール茶.com

92紅帯青餅プーアル茶 その6.

製造 : 1992年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村古茶樹
茶廠 : 西双版納孟海茶廠(国営時代)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 香港ー広州ー上海 その後密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・鉄瓶・炭火
上から着火した炭
火が下に潜る
鉄瓶と瓶掛
温め

お茶の感想:
先日の『紅絲帯プーアル青餅96年』と『92紅帯青餅』を続けて飲んでみた。
+【紅絲帯プーアル青餅96年】
+【92紅帯青餅】
1996年のお茶と、1992年のお茶。
熟成は1996年の『紅絲帯プーアル青餅96年』のほうがすすんでいる。保存環境の違いもあるが、それよりも茶葉の性質の違いが大きく熟成のすすみ具合に影響していると思う。
”7542”の「紅絲帯プーアル青餅96年」と、”7532”の「92紅帯青餅」。
92紅帯青餅
茶葉の等級の違いが品番に現してあるが、これについて詳しく知りたければ過去のお茶のページからいくつかを参照してほしい。
+【過去に紹介したプーアル茶】
カンタンにういと4級と3級。7532のほうがより小さな新芽・若葉を多く配合してある。
どちらも国営時代の1970年代末頃から1990年代中頃までに出荷量の多いお茶だったが、もちろんその中にピンキリがあって、ある年のある出荷分だけ優れていて、それ以外のおそらく9割はたいしたことなかったはずだ。
その理由はカンタンで、産量の少ない早春の新芽・若葉が多く配合されるのは、そんなにたくさん作れないから。
餅面(餅茶の表面)から早春の新芽・若葉の上質を見分けるのはカンタン。
金芽と呼ぶ新芽が爪の先ほど細かいこと。若葉が黒々と深い色をしていること。
金芽と呼ぶ新芽が2センチ以上も大きく育っていて、若葉の色が薄く黒に深みが無いのは、早春のタイミングを外したものなのでたいしたものにはならない。春の産量の9割以上がそんな茶葉だから仕方がない。天候不順で美味しいお茶はできない年もあっただろう。
4級の”7542”は出荷量がとくに多いお茶だったが、その中で早春の新芽・若葉がたっぷり配合されたものは、ぱっと見て3級の”7532”との見分けがつかないくらい細かな茶葉だったから、4級の”7542”だから早春の純度が低いというわけではない。
金芽と呼ぶ新芽が爪の先ほど細かいこと。若葉が黒々と深い色をしていること。
茶葉
今、産地に入って茶摘みを経験してわかることは、これを採取するのは茶樹の手入れが必要であるということ。
このお茶で確認済み。
+【易武春風青餅2011年】
近年狙っている野生に近い状態で育つ茶樹では、このような茶葉を採取するのは難しい。野生に近くなるほど晩春に芽が出ることと、等級分けできるほどの産量が無いことで、まず不可能だろう。
茶樹に日当たりを良くして、台刈りや剪定で枝分かれを促して、新芽の数を増やさなければならない。しかも、乱獲して栄養が薄まると若葉の色は薄くなるから、せいぜい一年一采くらいに収穫を制限しなければならない。人為的な栽培となる。
このことから、昔と今とでは価値感というか、茶葉に求める理想が違うことに気がつく。
時代が違うのだな。
自然の恵みが無尽蔵だった時代。経済がまだ世界征服を果たしていなかった時代。お茶が男の嗜みだった時代。
時代背景をふまえて『紅絲帯プーアル青餅96年』と『92紅帯青餅』とを見ると、”7532”の『92紅帯青餅』のほうが男らしいお茶だと思う。
92紅帯青餅
92紅帯青餅
92紅帯青餅
茶気が強く、それに伴う苦味・渋味が効いていて辛口。ひとくちで目の前が別世界になる茶酔い。
その点で、”7542”の『紅絲帯プーアル青餅96年』は芳醇な甘さがあって美味しいが、その分だけパンチ力に欠ける。耐泡(煎が続く)が良いが、その分だけ未練が残って消えるはかなさに華がない。
お茶の茶気はお酒のアルコール度数と似ている。
強い酒を好まない女性が酒の嗜好を変えてゆくように、高級茶もまた強い茶気を好まない女性がお茶の嗜好を変えつつある。
高級茶をつくりたければ女性の意見を聞いちゃいけない。モテようという下心があってはいけない。
一般的に女性は茶葉にお金を使わない。道具や衣装など他人に見せるところにお金を使う。お茶の味わいと人の心の動きみたいな得体の知れない”美”に価値を認めないのだ。
「なぜもっと頑張らない?」「もっとこうしたら良いのに!」・・・と、当店の運営にアドバイスをくれる日本の友人たちに、ゴニャゴニャ言ってお茶を濁すばかりだけれど、たまにはスッキリ回答したい。

ひとりごと:
消えの美しさと余韻と、仕事もお茶の味のように美しくありたい。

昆明老方磚92年 その3.

製造 : 1992年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶
茶廠 : 昆明茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 方磚茶
保存 : 昆明乾倉 紙包み 
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : グラスポット
昆明老方磚92年プーアル茶

お茶の感想:
昨日の『広西六堡茶90年代』の体感に注目してみる。
2日にわたって朝から晩まで飲んでみたところ、お腹が減ったり、手足に血が巡って暖かくなったり、ゆったりとした酔い心地だったり、夜はぐっすり眠れたり、という点では似ているが、熟茶ほど身体に熱を持たないような気がする。
微生物発酵の黒茶なので、体を温めるのはもちろんだが、熟茶ほどオーバーヒートしない。涼しい性格なのだ。熟茶が「陽」とすると、昔の製法の六堡茶は「陰」だろうか。
熟茶の渥堆発酵のピーク時の茶葉の温度は50度に達する。微生物が活発になりエネルギーを燃焼して発熱する。この熱と水分と酵素の作用で茶葉の色は変色する。熟茶の新芽は黄金、若葉は橙色、老葉や茎は赤黒くなってゆく。ところが、『広西六堡茶90年代』の若葉はまだ緑を残している。熟茶ほどは変色していない。
中医学の「七情」の観点でこの違いに注目してみる。
茶葉の中のいろんな成分や微生物のつくる酵素との、相須(互いに協力)・相使(一方的に協力)・相殺(互いに毒性を消す)・相畏(一方的に毒性を消す)・相反(互いに有効性を消す)・相悪(一方的に有効性を消す)。
同じ黒茶であっても、発酵の加減によって身体に与える影響はそれぞれ異なる。味や香りだけでなく、性質の異なるお茶になる。
一般的には、黒茶・緑茶・烏龍茶・白茶・・・・と、おおまかな分類で身体に与える影響がどんなものか、薬効がどんなものかが語られている。
しかし、実際のところ黒茶ひとつとっても、そのうちの熟茶ひとつとってもバラエテイ―があるのだ。人の顔も性格もひとりひとりが異なるように。
お茶の性質を決めるのは発酵の加減だけではない。山の生態環境、土質、茶樹の健康、茶葉の素質、茶摘みのタイミング。製茶の工程では、例えば殺青の火加減や手加減によっても身体への影響は異なる結果が得られる。
そう言えば、高温炒りで手返しの早い殺青は、飲んだ人を「上火」させやすいと聞いたことがある。ゆっくりめに手返しするのは、飲む人への思いやりかもしれない。さらに、揉捻・晒干、烏龍茶なら焙煎の工程にも、風味だけではない薬効の性質を分けるなんらかの影響がある。製茶のプロセスの組み合わせにもまた、相須・相使・相殺・相畏・相反・相悪を考慮した知恵があるかもしれない。
昔のお茶にはこれらの知恵があったと見ている。そして、今そのほとんどが忘れられつつあると思う。
今日はこのお茶。
『昆明老方磚92年』(卸売部に出品中)
昆明老方磚92年プーアル茶
昆明老方磚92年プーアル茶
昆明老方磚92年プーアル茶
生茶の黒茶の体感は、熟茶の黒茶とは全く異なる。
どちらかというと『広西六堡茶90年代 』に似ている。
生茶の黒茶には「號級」や「印級」などの味を嗜む高級茶と、健康を維持する生活のお茶と、二つのタイプがあり、このお茶は後者のタイプ。
粗茶葉が使用され、無加水のゆっくりした微生物発酵が行われ、そして長年熟成される。このプロセスでなければ得られないなにかがあるのだろう。
熟茶の渥堆発酵の製法は、歴史ある生活のお茶だった生茶の黒茶と同じ効能を目指して、より安定生産・より大量生産するために開発されたはずだ。しかし、実際は性質の異なるお茶となっている。
昆明老方磚92年プーアル茶
昆明老方磚92年プーアル茶

ひとりごと:
明日から山へ上がる。
ブログの更新はしばらくお休み。

92紅帯青餅プーアル茶 その5.

製造 : 1992年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村古茶樹
茶廠 : 西双版納孟海茶廠(国営時代)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 香港ー広州ー上海 紙包+竹包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
92紅帯青餅プーアル茶
92紅帯青餅プーアル茶

お茶の感想:
昨日、広東人の茶飲み友達と飲んでみて、
「ああ、やっぱり本物」と思った。
寸分の狂いもない、正確な老茶。
もう一度ひとりで飲んでみる。
+【92紅帯青餅プーアル茶】
92紅帯青餅プーアル茶
92紅帯青餅プーアル茶
1980年代までのお茶しか本物はまず見つからないが、1992年のお茶が熟成を経てそこへ行き着いたのは希望の光。手元のお茶のいくつかも期待できる。
ちょっと熟成がすすんでいて、最初の3煎くらいは1980年代の「7532七子餅茶」(小葉青餅系統)の梅香が薫った。
老茶の香りには「梅香」とか「樟香」とか、その他にもいろいろあるけれど、梅に似ているとか樟木に似ているというよりは、その逆で、ある銘茶の優れた香りに付けられた名が「梅香」であり「樟香」であって、その香りの系統と同じかどうかが問題であって、本物の梅の花に似た香りかというと、ちょっと違うと思う。
後口に残る香りには「陳皮」と、それに似たミントの涼しさがある。
十数年モノの陳皮
(十数年モノの陳皮。価格は茶葉と互角。)
広東人が思い出したようにこんな話をした。
親戚の子供がオーストラリアに留学していて、たまに飛行機で帰ってくる。長旅の疲れと酔いとで頭痛に苦しんでいるけれど、そのときだけ伯母さんが老茶を出す。陳皮の香りのする1970年代のプーアール茶。それを飲んだらケロッと治る。
あの陳皮の香りは、漢方薬の材料を入れておくタンスの引き出しに入っていたからだと思っていたが、今日のこれを飲んだら、お茶そのものの香りだったかもしれない。
92紅帯青餅プーアル茶
92紅帯青餅プーアル茶
92紅帯青餅プーアル茶
最近お茶の勉強を始めた広東人は、ひとつひとつ確かめるように飲む。
味の透明感、喉越しの清潔さは古茶樹を表している。
茶気・香気・水の密度は早春を表している。
小さな新芽・若葉がメインで、やや苦い渋い。ちょっと濃くしたらグッと苦い。けれど、耐えられるのは、シュワシュワと軽快に弾けて消えて、舌に残らないから。生態環境の良い茶樹。
何煎めかで現れる心地よい煙味。ちょっと墨汁っぽい。これが息を吸ったり吐いたりするたびに喉の奥のほうをスースーと気持よく刺激する。
苦味と煙味はちょっと炒りすぎのものかと思っていたが、水平鍋の火味かもしれない。
92紅帯青餅プーアル茶
葉底はキレイ。湿倉による茎の部分の黒い変色は見られない。
昨日は20煎くらい飲んだだろうか。(今日はこれから夜にかけてじっくり飲む。)
老茶はおおまかに三部構成になっていて、味の印象が途中で変わってくるから、飽きずにいくらでも煎を重ねられる。また、上の話のように、ある種の覚醒作用も手伝って、もっと飲みたくさせるのだろう。新茶ならあれもこれもいろいろ試したくなるが、老茶はこれひとつで十分。他の味に邪魔されたくないとさえ思える。
このお茶の価格は1980年代の小葉青餅に似ている割には低価格に留まっている。
つくられた数量が少なかったのかもしれない。流通量が少ないと知られる機会も少ない。
(流通量が多いのは、二批モノやニセモノなど、なにかと問題もある。)
92紅帯青餅プーアル茶
92紅帯青餅プーアル茶

ひとりごと:
ちょっとメモ的に。
前回の試飲では、小葉種の倚邦山の古茶樹かと思ったが、今回飲んだ感じでは、後味にピリピリする辛味がやはり易武山のものと思う。易武山でこの小さな茶葉を一定量揃えるとなると、台刈りで背丈を短くした茶樹でないと難しいが、それとも、1990年代初期のことなので労働力をいとわない仕事をしたのだろうか?
いずれにしても、このクラスのお茶をつくれるようにならないと、現地でお茶づくりに関わる立場を維持できなくなる・・・。

92紅帯青餅プーアル茶 その4.

製造 : 1992年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村古茶樹
茶廠 : 西双版納孟海茶廠(国営時代)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 香港ー広州ー上海 紙包+竹包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗

お茶の感想:
60歳くらいの年寄りに西双版納の昔話をしてもらうと、
(このくらいの歳の人から高等教育を受けた人が少数ながらいて、やっと聞き取れる普通語を話してくれる。)
この地域はかつてほんとうに文明から隔絶された桃源郷だったことがわかる。
もちろん見たことのない景色だけれど、ここに来てからチラッとだけでも印象に残る景色の断片をつなぎあわせて想像して楽しんでいる。
霧のかかる山々。谷に広がる棚田。川の流れに水浴びをするダイ族の女性たち。水牛と遊ぶ子どもたち。木造高床式住居の瓦屋根が並ぶ村々。そしていたるところに熱帯雨林の高くそびえる木々と圧倒的な緑。
西双版納
今や別荘や高層マンションの建設ラッシュとなって、みんなが車に乗るようになって、ガスと埃と喧騒だらけの景洪の町の大通りは、50年前は市役所の車が一台か二台か通るくらいだったというから、子どもたちはそこいらじゅうを走り回っていたことだろう。
町から歩いて5分で畑と田んぼになって、15分で巨大な木々に覆われた熱帯雨林となって、そこには無数のカニが住んでいたらしい。
人々の原始的な生活とともにお茶づくりもまた原始的だったわけだけれど、ほんの少しの例外、高級茶づくりという仕事があった。
うっすらとしか覚えていないが、1950年代の「紅印」の当時の価格は地元の人件費の5ヶ月分に相当する・・・と、年寄りの話を聞きながら頭のなかで計算したことがある。例えば、現在の人件費が1ヶ月2500元だとすると、5ヶ月分は12500元。日本円で20万4千円くらいになる。
1枚357gの新茶にして20万円は、業者の眼から見て実力の伴うお茶は現在には無い。
92紅帯青餅プーアル茶
92紅帯青餅プーアル茶
92紅帯青餅プーアル茶
+【92紅帯青餅プーアル茶】
1992年のこのお茶はそこまで高級とは言えないが、高級茶をつくろうとした痕跡がある。
現在これと同じ仕事をしたら、1枚6万円は下らないだろうと思うが、実際的に考えてみたらそもそも同じ仕事のできる技術や経験のある職人がいない。
昔は、茶山への道は悪く、農家に設備も技術もなかった。
どうやってその山に入るのか?
どんな茶樹の茶葉を収穫するのか?
どんな摘み方にするのか?
どうやって新鮮を保ったまま持ち帰るのか?
どこで製茶をするのか?
どんな製茶をするのか?
そして、
どこにお金と時間をかけるのか?
今、自分はちょっとだけわかる。
この土地で高級茶をつくるとはそういうこと。
どこで手を抜くのか?
どこにお金と時間を掛けないのか?
そんな「経済」は関与しないのが高級茶というやつだから、たぶん高等教育を受けた人には難しい仕事だろう。

ひとりごと:
『倚邦古樹青餅2014年』。
今年の春のお茶のひとつ。
森のなかに野生化して育つ「単株」と呼ぶ一本か二本の品種の同じ茶樹から採取した茶葉。
92紅帯青餅プーアル茶
倚邦古樹青餅2014年
『92紅帯青餅』にちょっと似ていると思った。

昆明老方磚92年 その2.

製造 : 1992年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶
茶廠 : 昆明茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 方磚茶
保存 : 昆明乾倉 紙包み 
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : グラスポット
昆明老方磚92年プーアル茶
昆明老方磚92年プーアル茶
昆明老方磚92年プーアル茶
昆明老方磚92年と雅安蔵茶金尖芽細08年

お茶の感想:
『昆明老方磚92年』 (卸売部に出品)
もう一度このお茶と飲み比べ。
【雅安蔵茶金尖芽細08年 その1.】
昆明老方磚92年と雅安蔵茶金尖芽細08年
昆明老方磚92年と雅安蔵茶金尖芽細08年
昆明老方磚92年と雅安蔵茶金尖芽細08年
昆明老方磚92年と雅安蔵茶金尖芽細08年
左: 昆明老方磚92年
右: 雅安蔵茶金尖芽細08年
やっぱり良く似ている。兄弟のようなお茶。じっくり抽出するとにじみ出てくる旨味・甘味・香り。腹の底がポカポカ温まるような体感までもそっくり。
ちがいは『昆明老方磚92年』のお香のような芳香。熟成22年の時間の仕事。

ひとりごと:
熟茶の飲み方で紹介したヤカンで煮出すのがよいと思う。
【熟茶にヤカン・プーアル茶の淹れ方】
煮出して飲むプーアル茶

昆明老方磚92年 その1.

製造 : 1992年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶
茶廠 : 昆明茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 方磚茶
保存 : 昆明乾倉 紙包み 
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 大きめの蓋碗・グラスポット
昆明老方磚92年プーアル茶
昆明老方磚92年プーアル茶
昆明老方磚92年プーアル茶
昆明老方磚92年プーアル茶

お茶の感想:
1990年代の老茶のサンプルを試していたら、ひとつ酸っぱいお茶があった。
通常ならダメと判断するが、その酸っぱさに覚えがあった。
四川省の蔵茶と同じ。
【雅安蔵茶金尖芽細08年 その1.】
風味が似ているだけではなく、湯を注いでからの色の出方も似ている。
プーアール茶のようにさっと湯を切って淹れると、やはり酸っぱい。乳酸発酵が関係した味だ。
昆明老方磚92年プーアル茶
しかしこれは、雲南省の昆明茶廠がつくったお茶。だからプーアル茶。
微生物発酵の「黒茶」である。
微生物発酵しているのに「熟茶」と分類しないのは、「渥堆発酵」という熟茶づくり固有のプロセスを経た味がしないからだ。それよりもむしろ年代モノの生茶に近い味。
このタイプのお茶はぐっと熱を通したほうが旨味が出る。おおきめのポットにたっぷり熱い湯を注ぐ。
昆明老方磚92年プーアル茶
しみじみした旨味がある。
雲南省の「昆明茶廠」は藏茶をつくっていたのだ。
四川省の「雅安茶廠」だけが藏茶の製法を知っていたのではない。門外不出ではなかったのだ。
雲南省にいつの時代から藏茶づくりがあったのか?このへんが気になるけれど、自分が注目するのは、「昆明茶廠」は藏茶の製法を知っていたこと。知っていても、藏茶の製法とは異なる「生茶」と「熟茶」をつくる道を選んだこと。そこが面白い。
味の違い、体感の違い、薬効の違い、そしてそれを求める市場の違い。つまり人々の生活習慣の違い?
そのあたりが四川省の黒茶と、雲南省の黒茶を分けたのだろう。
いつの時代かわからないけれど、
「なぜそうしたのですか?」
と、ターニングポイントにいた職人に直接インタビューしたい。
今日はこの2つの黒茶を飲み比べる。
「蔵茶」の「黒茶」と、「生茶」の「黒茶」。
昆明老方磚92年プーアル茶と沈香黄片老茶磚80年代プーアル茶
昆明老方磚92年プーアル茶と沈香黄片老茶磚80年代プーアル茶
昆明老方磚92年プーアル茶と沈香黄片老茶磚80年代プーアル茶
昆明老方磚92年プーアル茶と沈香黄片老茶磚80年代プーアル茶
昆明老方磚92年プーアル茶と沈香黄片老茶磚80年代プーアル茶
左: 昆明老方磚92年
右: 沈香黄片老茶磚80年代 (卸売部に出品)
面白い!
この味覚の世界。深い!深すぎる!
この違いは飲んだ人だけがわかるお楽しみとさせていただく。

ひとりごと:
「いやー、プーアール茶ドットコムの仕事はやっぱり面白いねー。」

92紅帯青餅プーアル茶 その3.

92紅帯青餅プーアル茶
製造 : 1992年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村古茶樹
茶廠 : 西双版納孟海茶廠(国営時代)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 香港ー広州ー上海 紙包+竹包み
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
蓋碗できっちり淹れる。

お茶の感想:
上手に熟成された老茶には共通してナッツの香りやチョコレートの香りがある。
20年モノのこのお茶にもそれがある。
新茶のまだ1年か2年くらいまでにはなかったはずの香り。
例えば、パンの表面の焦げなど、食品に焦げが発生するのを「メイラード反応」と呼ぶらしいが、ナッツの香りやチョコレートの香りはその反応によるものかもしれない。常温でも何年かかけてこの反応が得られるのだろうか。
そうだとすると、褐色に変色した茶葉の成分には抗酸化作用のある「メラノイジン」が生成されていることになるので、ある時点からの熟成変化は劣化を感じさせないことになる。またその成分には癌の抑制作用まで発見されているらしいので、「老茶には薬効がある」といううわさは出まかせのものではなかったのかもしれない。
易武山のお茶は他の茶山にくらべて変色が早い。
もしかしたら昔の人はこのことに気付いて易武山のお茶だけを長期保存の対象にしたのだろうか?
また、この理屈で言えば、お茶が出来てからなるべく早めに変色させて抗酸化作用を得たほうが良いことになるから、湿度の高い倉に入れたのはそのためだったのだろうか?
老茶の熟成技術はあんがい奥深いのだ。

ひとりごと:
92紅帯青餅プーアル茶
そんなこと研究されるまでもなく人は味で知っているのかもしれないけれど・・・。

92紅帯青餅プーアル茶 その2.

92紅帯青餅プーアル茶
製造 : 1992年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村古茶樹
茶廠 : 西双版納孟海茶廠(国営時代)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 香港ー広州ー上海 紙包+竹包み
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
蓋碗できっちり淹れる。(右のほうのお茶)

お茶の感想:
茗荷、山椒、芹(セリ)、三つ葉 。
独特の芳香をもつ薬味がこのお茶に効いている。
今年の『易武山落水洞の散茶』の香りにちょっと似ているような気がする。
1992年は、西双版納ではまだ国営の孟海茶廠しか餅茶の製造ができないことになっていたから、孟海茶廠の名前で出品という形になるが、茶商が原料の茶葉を集めて圧延加工を依頼したオリジナル品がボツボツ出てきた時期なので、おそらくそのひとつなのだろう。早春の一芽二葉くらいの若くてまだ小さな茶葉だけを摘む仕事は、メーカーの定番品ではぜったいにしないコストの掛け方。
説明文をいまいちど読み返してみると、香港の茶商がヨーロッパ向けに売るつもりだったのかもしれないが、情勢が変わったのか、当時プーアール茶が流行していた台湾へと流れている。
ヨーロッパ人に紅茶扱いされてポットで煮出して飲まれてはこのお茶の個性は光らないから、蓋碗で飲まれる地域へ流れて良かった。

ひとりごと:
僕は老茶のベタなファンでもある。
92紅帯青餅プーアル茶

92紅帯青餅プーアル茶 その1.

92紅帯青餅プーアル茶
製造 : 1992年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村古茶樹
茶廠 : 西双版納孟海茶廠(国営時代)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 香港ー広州ー上海 紙包+竹包み
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
蓋碗できっちり淹れる。

お茶の感想:
ワインがわからなくなったらボルドーに戻る。
プーアール茶がわからなくなったら国営時代の茶号の青餅(生茶)に戻る。
と、言えるのかな。
(ちなみにこのお茶には茶号がついていないが「7532」がベースの特別バージョンになる。)
湯を注いだ瞬間に「茶気」があふれだす。
蓋碗から昇る香りには、一瞬で引き込んで巻きこんでどこかへ連れて行ってしまう力がある。
冷静さを失って客観的な評価なんてできないのだけれど、ひと息ついて、冷めた眼で見ても、焦げはあるし煙燻香はあるし、けっしてキレイにはつくられていない。
しかし、そんな部分的なところなんて意味が無いのだ。
完成しているものにおいてはすべての部分がそのままで美しくて愛しい。
【92紅帯青餅プーアル茶】

ひとりごと:
92紅帯青餅プーアル茶
お菓子もいらない、酒もいらない、しばらくひとりにさせてくれ、という感じ。

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