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巴達曼邁熟茶2013年 その3.

采茶 : 2013年4月
加工 : 2016年11月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+店長
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺
巴達曼邁熟茶2013年

お茶の感想:
渥堆発酵の管理は、時計や温度計などの数値に頼らないで、なるべく身体で覚えるようにしている。
例えば、7キロの茶葉に対して初回の加水は1.75リットル。4分の1が一般的だとしよう。しかしそのつもりで水をかけてみると、ある種の茶葉はぜんぜん水が足りない様子だし、ある種の茶葉は水が多すぎる。茶葉によって吸水性や撥水性や、ちょっと時間が経つと蒸発する水の量など、いちいち差がある。そのときの気温や湿度も関係する。
だから固定された数値に頼るわけにはゆかない。
大量渥堆発酵のときは4分の1から3分の1の水が掛けられるが、茶葉からこぼれ落ちて床を濡らしていたりする。大手メーカーの職人からしたらそれは計算のうちに入っているが、7キロの少量渥堆発酵では水はすべて茶葉に吸収される。それは計算に入っていない。
だから先生の言うことを信用するわけにはゆかない。
メーカーの渥堆発酵
では、なにを基準にして水が多いとか少ないとかを自分で決めているのか?
無意識だったけれど、改めて考えてみると、やはり経験が頼りになっている。
まず、茶葉の水分量をみるのは、製茶でさんざん苦労してきたから、言うまでもなく手でわかる。
発酵の良し悪しについては、過去に食べた発酵食品の記憶とか、自分でつくってみた発酵食品の記憶とか、ある種の香りを鼻で嗅ぎ分けていたり、手触りの質感や温度に発酵状態がどんな段階にあるのかわかったりする。
具体的に思い出せないこともあるが、なんとなく嫌な感じとか、なんとなく良い感じとか、直観が働いている。
発酵食品
こういうの大事だ。
家庭の生活に発酵食品づくりがもっと根付くべきだ。
小さな実践で学べることにホンモノの文化があると思う。
ぬか漬けだけでなく味噌も醤油も酒も、そして黒茶も家庭でつくるようになったらよいのだ。
国の人が労働者の上前を撥ねるために規制などしてはいけない。
資本主義なメーカーが設備や技術を難しくして専門家ぶってはいけない。
そんなのは芝居文化だ。
日本酒はとっくに芝居文化になって、業者らが演技の巧さを競ったりしていないだろうか・・・しているよな。
発酵食品づくりは家庭にあるべき。
酒造りは、家では面倒であれば居酒屋にあるべき。
黒茶づくりも家でやればよいのだ。
そういうわけで7キロの極少量渥堆発酵は、家庭でもできるレベルの技術に落とし込みたい。
7キロくらいは(完成後は5キロくらいになるが)、半年で消費するよう各家庭がガブガブ飲むべき。そんなにたくさん飲まないというのなら、生活がすでに芝居になっている可能性がある。
当店の芝居がかったお茶を買って飲むしかないかもな・・・。
さて、今日のお茶は2013年の春につくった晒青毛茶が原料。
上海の友人のお店の倉庫に保存されていたのを西双版納に送り返した。
保存状態は良い。3年間の熟成によって(これには微生物は関与していない。成分の変化のみ。)春の棘味がいくぶんか穏やかになっているから、発酵のスタートはスムーズにゆくだろう。
最初の加水から7日目。
2回めの加水から48時経ったところ。
巴達曼邁熟茶2013年をチェコ土の茶則
巴達曼邁熟茶2013年をチェコ土の茶則のアップ
巴達曼邁熟茶2013年一煎め
巴達曼邁熟茶2013年一煎めアップ
3煎め。じっくり待つと茶湯は赤く変色する。
巴達曼邁熟茶2013年三煎め
この茶葉はまだ圧餅していない散茶であるから、繊維に弾力があり、茶葉と茶葉の隙間が大きい。ミクロの世界では茶葉の中の水道管が潰れていないところが多い。すなわち水の吸収が早い。どうしても水を多めにかけてしまいがちになるが、蒸発も早いので失敗しにくい。
茶葉は乾燥した状態でちょっと多めの8キロほどあったのだが、これがたっぷり水を含んで微生物発酵しはじめて24時間ほど経つと、中心部の発熱がすごいことになる。素手で触れるとアチッ!となる。
中心部をそのままにしておくと、最初はちょっと薬品っぽい香りが出てくる。麹発酵のゆきすぎに「セメダイン臭」と呼ぶのがあるそうだが、それに似ている。
さらにそのままにしておくと水分が蒸発して熱は下がってくるが、セメダインを通り越してアンモニア臭が出てくることがある。ひき割り納豆のちょっと古くなったのと似ている。
こうなるといけないので、セメダイン臭が出てきたらすぐに撹拌する。撹拌後も、茶葉に水分の多いうちは数時間も経たないうちに過剰に発熱するので、またすぐに撹拌して冷まさなければならない。
ゆっくり眠れなくなる。かわいいやつめ。
ただ、中心部の発熱が高温のうちは周囲の茶葉のコンディションは良い。乳酸飲料のような甘くてほんのり酸っぱい香りがしてくる。
黒麹菌はクエン酸をつくるそうだが、もしかしたら雑菌を殺すだけでなく、嫌な臭いの消臭にも効果があるのかもしれない。撹拌するとセメダイン臭がすぐに消える。
葉底
葉底にはまだ緑が残っている。
微生物発酵がうまくゆかないまま水分を多く持って時間が経つと、茎の部分から黒っぽく変色してくるが、これは全体的に均一な色を保っている。

ひとりごと:
京都の町はいつの時代から生活文化の芝居をしているのだろ。
芝居でも長年続けばそれなりの迫力がある。


茶想

試飲の記録です。

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