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弯弓単樹B春の散茶2015年 その2.

製造 : 2015年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)弯弓
茶廠 : 曼撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 紙包+陶器の茶缶
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の小さな茶壺
弯弓単樹B
弯弓単樹B

お茶の感想:
『弯弓単樹B春の散茶2015年』(卸売部)は、
過去の記事で品種の特性のことを話している。
現在、熟成2年目になろうとしているが、ようやく姿を現しはじめた味がある。
濃いめに淹れたのを口に含むと、渋味・苦味が溶けながら香りに変わってゆく。
甘い香りにつられて唾液が出るが、舌はそれほどの甘さを見つけられない。ちょっとしたトリックが生じて、あれ?となるところが面白い。
消えの早い渋味・苦味の正体が、香りの元になる成分であることが感じられる。
チェコ土の小さな茶壺
お茶を淹れる過程で水と熱に化学反応する成分の中には、香りの成分もある。香りの成分が鼻に届いてようやく薫るのだが、それまでにちょっとしたタイムラグがあるので、茶壺や茶杯からはそれほど薫らなかったのに、口の中で薫りだす。
外からは薫らないで内から薫る。内香(nei xiang)と呼ぶ。
口の中では唾液もこの化学反応に関わっているはず。舌の上で苦いと感じた成分が唾液に溶けて香りとなる。
内香が上等。
西双版納の旧六大茶山の漫撒山は、茶葉の大きく育つ原生種に内香がある。
同じ旧六大茶山でも、倚邦山や革登山の小葉種(明朝1600年代後半に西双版納へ逆輸入された品種かもしれない)の古樹は、香りがはっきりしているので内香とは言えない。
太陽光をたくさん浴びる茶葉に内香は少ない。森の中の日陰の茶葉に多い。さらに、森の緑の密集した湿度も内香の成分構成に関係していると思われる。
茶樹の健康と森の健康と、それを飲む人の健康と、みんなつながっている。
弯弓単樹B春の散茶2015年
昔の人は、お茶の香りからなんらかの薬効成分を聞き分けていたようだが、香りの感じ方から今日の身体のコンディションを診ることもできただろう。唾液の酵素反応が香りを変化させる。鼻の感度が体調によって異なる。
茶酔いの体感にも様々なパターンがある。
漫撒山の内香のお茶はおっとりした茶酔いで長い余韻が続く。背中の筋がゆるんで、お腹の底のあたりがぼんやり温かい。全体的には涼しくて、一気に上気して汗が噴き出るようなことにはならない。かすかに、息をするごとに頭が横に流れるような目眩を感じる。なんとなく眠たくて、パチっと目の冴えるような覚醒の酔いではない。しかし、体調が傾いているときにはまた違った反応が出るだろう。
自然現象を観察する。
外にも内にも、いろんなサインが出ている。
そう言えば、高級茶と価格の関係について、チェコの茶商はこんなことを言った。
「美味しいお茶のちょっとの差には、大きな価格差がある。」
美味しさを追いかけるあまり、やたら高いお茶を売ることにならないよう心掛けているらしい。
チェコでダージリンの試飲
ちょうどダージリンのサンプルを試飲しているときだった。
生理的欲求を満足させるという観点からしたら、たしかにそうだろう。
しかし、中国の高級茶は美味しさだけに価値がついているのではない。上に紹介したような、自然環境の健康がお茶の味に現れているもの。自然を尊重する農法、樹齢数百年のような茶樹の特殊な育ち、人の手垢のつかない製茶方法、それと味や体感との関係。茶葉に宿る確かな情報にも価値が付いている。
自然の教科書なのだ。体験できる教科書。
ちょっとの差に現れている大きな差を見つけられたほうが価値がある。
葉底

ひとりごと:
コストパフォーマンスの良いお茶は、美味しさだけに注目することで見えてくる価値だな。


茶想

試飲の記録です。

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