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困鹿山単樹の散茶2016年 その1.

製造 : 2016年04月
茶葉 : 雲南省プーアール市困鹿山
茶廠 : 困鹿山の農家
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納 陶器の壺
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺+鉄瓶+炭火
上海の朝
上海の夕方

お茶の感想:
炭火で沸かす湯の効果は大きくて、ガスや電気コンロと比べたらその差は誰でもわかる。
けれど、実際に試して確かめる人は少ないだろう。
勉強会で実証して見せても、明日から炭火を使おうとする人は少ないだろう。
火が危険だとか、一酸化炭素中毒が怖いとか、面倒だとか、時間がかかるとか、マイナスイメージをふくらませて使わないで済まそうとするだろう。でも実際はコツを掴めばそれほど危険でもないし不便でもない。上質な炭さえ手に入れば室内でニオイが気になることもない。白い灰が飛び散って部屋を汚すかもしれないけれど、灰には洗剤みたいな効果があるので、掃除をしたらむしろキレイになる。
炭火
お茶の味と薬効はリンクしているから、炭火で淹れた味が違うということは身体への効果も異なるはず。同じ茶葉・同じ水・同じ茶器を用いても火の性質が違うだけで異なる結果を得ている。
そこまで言っても、炭火にする人は少ないだろう。
そんな現実を考えると、ちょっとガッカリする。
炭炉上海にて
上質なプーアール茶を求めて、山の生態環境に注目したり、茶樹の健康に注意したり、薪火の殺青や手もみの揉捻にこだわったり、星のめぐりや太陽や風に翻弄されたり、ひとつひとつの大事なことが、みんなにとってはそれほど大事じゃないらしい。現場で一喜一憂している自分がアホみたいだ。
さて、この市場環境の中で、トップクラスの上質なお茶は姿を隠すようになってきている。
もともと量が少ないから、ほんとうに好きな人といっしょに飲める時間を共有するときだけに茶葉を消費したい。
たぶん、ワインの世界でもそうなっているように、お茶もそうなっている。
そういうお茶は、山が深いとか、森の影に隠れた茶樹で新芽・若葉がちょっとしか出ないとか、この何年か一度も采茶(茶摘み)されていないとか、山に入って采茶のタイミングが合うことが奇跡だとか、出会うだけでも運がいるし、つくるのは苦労する。苦労しすぎると商品にできなくなる。
『困鹿山単樹の散茶2016年』はそんな茶葉。
西双版納の茶商友達がほんの一握り、20gほど分けてくれた。
困鹿山単樹の散茶2016年
上海で古い茶友らと飲む機会があった。
困鹿山は西双版納の北の清朝1800年代の貢献茶ブームのときに易武山の品種が持ち込まれて植えられたので、甘いお茶。茶文化のお茶で、生活のお茶ではない。
困鹿山には樹高3メートルほどの古茶樹はたくさんあって、そのクラスのは何度か飲んだことがあった。美味しいお茶だった。「単樹」は10メートルを超える茶樹が選ばれる。単樹のお茶づくりは、周囲の生態環境、茶樹の健康、品種の見極め、茶摘みのタイミング、そんな総合的な理想が求められる。少ない単樹からさらに理想の1本が選ばれるわけだから、価格もそれなりになる。安い価格の単樹も流通しているが、それはつまりいろいろ理想的ではないからだ。
最近ではこれがベスト。
『刮風寨単樹小餅2016年 その1.』
この『困鹿山単樹の散茶2016年』はそれに並ぶか、さらに超えるレベルだと思う。
困鹿山単樹の散茶2016年
単樹の上質なお茶には共通して、森の日陰に育った涼しさと透明な甘さがある。
いちばんわかりやすいお茶の味の特徴は、渋味に嫌な刺激が一切無いこと。
いちばんわかりやすい体感の特徴は、首から背中から腰のあたりまでの筋肉がゆるんでリラックスできること。
口が喜ぶ。身体が喜ぶ。いつまでも飲み続けていたくなる。10煎を超えて茶の色が出なくなっても離れがたい。
遠い昔に人間がお茶の葉を飲みものにしたときの、初対面の印象ってこんなのだったと想像する。
茶樹の栽培に人の手が入って、茶樹が人を嫌って性質を変えて、お茶の味や体感が悪くなるのをなんとかお茶づくりの技術でカバーしようとして、製茶が高度になってゆく。烏龍茶なんかは300年くらいそういう流れでお茶づくりが成熟してきたのだろうか。
ご苦労さんと思う。

ひとりごと:
この『困鹿山単樹の散茶2016年』は陶器の壺で熟成されていた。
プーアール土のヤカン
写真は同じ土で焼かれたヤカン。
粗い土で柔らかくて、水漏れするので、糯米を炊いて水漏れを止めてから使う。これをつくる村では昔からそうしてきたらしい。
水漏れするくらいだから湿気もとおす。西双版納の湿気のために、たった1年で中の茶葉の色は紅茶のように赤黒くなっているが、湿気た嫌な臭いや味はしない。うまい具合に熟成味が醸されている。老茶のように”温”の性質で、飲んでからしばらくして身体がポカポカ暖かい。ちょっと肌寒くなりかけた上海で飲むのにちょうどよかった。
生茶は熟成10年めくらいまではどうしても”寒”の性質が強いので、たった1年でトラブル無しに性質を変えられるならこの陶器はすばらしい。
茶葉の成分に独特のものがあってたまたまこうなっただけかもしれないので、もうちょっとこの陶器を使った熟成茶葉のサンプルを集めてみる。


茶想

試飲の記録です。

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