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刮風生態紅餅2018年 その1.

製造 : 2018年4月7日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨小茶樹
茶廠 : 店長
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の杯・鉄瓶+炭火
鉄瓶
鉄瓶内側

お茶の感想:
この頃よく使っている鉄瓶は古物で、名が入っていなくて素性がはっきりしないが、どうやら量産の型モノではなく一点モノらしい。昔の釜師がつくったものかもしれない。
手に持った瞬間にわかる軽さ。薄いつくりである。鋳造のもので薄いのは技術的に難しいらしい。
軽いだけでなく水の調子も良い。
鉄瓶は新しいのと古いのと鉄の成分が異なるらしいが、現代の一点モノをつくる釜師の職人さんでさえ鉄の違いは謎だと言っている。
水の調子が良いのは鉄の成分だけが原因とは限らない。湯を沸かすことの科学には、形状や厚みの違いだけでなく、鋳物をつくる技術からなるミクロの組織構造も関係しているだろう。ミクロの世界に手の仕事が形状記憶されている。
鉄瓶のような古い時代のものはたいがい、現代の人は知らないことを昔の人は知っている。
お茶もまた古い時代のもので、昔の人のほうが知っているにちがいない。
刮風生態紅餅2018年
今年のオリジナルのお茶は自分ひとりで圧餅するようになった。
これは言わば一点モノのお茶づくり・・・のつもりである。
茶葉を摘むところから圧餅が仕上がるまでの変化を、つじつまの合うように調整する。手や目や耳や鼻の感覚に従う。
自然が偉大すぎてコントロールしきれないのが西双版納のお茶で、ぜったい自分の思うようにはゆかないけれど、調整しようという意思があるかないかの違いは大きい。茶葉のミクロの組織構造にその意思が形状記憶されるはずだから。
鉄瓶の優れたものの良さはすぐに分かるものではない。使い込んでいるうちにジワジワ発見が増えてゆくだろう。今まさにそれをしている。
お茶もそうで、出来てから何年か試飲を重ねて隠れたところを発見してゆく。
刮風生態紅餅2018年
+【刮風生態紅餅2018年】
今年2018年の刮風寨小樹のお茶は生茶も紅茶も辛い。
このことはすでに何人かのお客様も指摘していて、この辛さについての解釈を試みているところ。
痺れるような辛さが漫撒山の森の古茶樹には少なからずあるのだが、今回の辛さは痺れる”麻”というよりはピリピリする唐辛子の”辣”に近い。30分ほど経つうちに”麻”に変化して舌に痺れの余韻が残る。
なぜかわからないが、これが良い具合に現れるときとそうでないときがある。
先日の9月2日の勉強会ではこの”辣”が喉の奥までも刺激して、気持ちよく飲めないくらいだった。
上海の勉強会のために残していたサンプルの一枚を、友人がハンドキャリーで届けてくれて、飛行機で着いて2日後の試飲だったので、荒れていたのだと思う。輸送の振動や気圧の変化や磁場の変化や、いろんなことが茶葉をイライラさせる。
何度もこんなことを経験しているのでぜんぜん慌てないが、勉強会の参加者はドキドキしたかもしれない。
茶壺
茶湯の色
熟成壺で5日間寝かせた今日はいい感じ。
”辣”は舌だけに留まってそれほど喉を刺激しない。
辛さが落ち着くと、お茶の味の透明度に吸い込まれる。
これまでのオリジナルの紅茶との違いは、茶葉一枚一枚の軽発酵度がより均一に仕上げられたこと。
漫撒山の原生の大葉種の血の濃い茶葉は、カタチや大きさの複雑さゆえに軽発酵のムラができやすい。それがかえって魅力を醸し出しているのかもしれないが、もっと均一な軽発酵度に仕上がったのがどんなのかを知りたかった。
今回は製茶時の天候不順も手伝ってくれて、予想を遥かに上回る均一な仕上がり。
自分で圧餅したことでさらに均一になって、これまでの紅茶とは明らかに異なる。
茶湯の色
葉底
紅茶の味はする。それ以外のものはなにも無い。
ひとことで言うと味がない。いや、無い味である。
舌に痺れる辛味が、もっといろんな味が存在していたことを想像させる。

ひとりごと:
宜興の茶壺
茶壺
ちょっと小さめの古い時代の宜興の茶壺。
土は良くて水を甘くするけれど、蓋がユルユルで困った。


茶想

試飲の記録です。

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