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版納古樹熟餅2010年 その39.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 通気・密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 白磁の蓋碗・グラス杯・鉄瓶+炭火
竹皮の籠
内側布袋
宮廷プーアル熟散茶03年

お茶の感想:
熟茶は微生物発酵でつくられた大量の酵素による成分変化がすすむから、長期保存の味の変化は生茶よりも大きく現れるはず。
その変化は保存の環境に影響されるから、同じ茶葉でも2箇所の異なる環境に置けば2つの味になる。
もちろん常温保存だから、日本でも上海でも西双版納でも季節や天気の変化の影響は多少なりとも受ける。それぞれの環境でそれぞれの味になれば良いと思うので、そこは気にしない。
それよりも、今回注目するのは保存の入れ物をどうするか、通気をどのくらいに制限するかという問題。
遮光して保温性があって(温度をなるべく安定させて)乾燥を保つのは基本中の基本だが、ある程度の通気があったほうが良いのを経験していて、さらに、熟茶はしっとりした感じの空気が良いという例もいくつか見ている。というか味わっている。
”ある程度”の通気とはどの程度なのか?
曖昧だよな。
曖昧でも大丈夫。むしろ曖昧な解釈をしたほうが面白いというのが今日の話題。
上の写真の竹で編んだ籠に入っているのは、『宮廷プーアル熟散茶03年』(卸売部)の西双版納熟成。
最近密封保存をやめて通気の良いカタチにした。
密封保存は、食品用の大きなプラスチックバッグに7キロの散茶を入れてダンボール箱に入れて封をしていた。年に一度ほど開けて少しだけ茶葉を取って試飲しているので、完全な密封とは言えない。
そもそも、茶葉なんてミクロの繊維の毛細血管に空気も水分も持っているのだから、完全密封なんてできっこない。それを前提に話をする。
例えば、お菓子の缶に保存したのを紹介したことがあるが、年に一度でも開封したときに空気が入れ替わるだけで十分な通気を与えると考えている。酵素反応による茶葉の成分変化にとっては。
竹皮包
紙包+竹皮包+ダンボール箱、あるいは、紙包+麻布袋包+ダンボール箱、これがこのお茶の西双版納熟成。
+【版納古樹熟餅2010年】
茶葉倉庫にしているアパートの一室は窓を締めて遮光して、ドアの隙間を専用のテープで埋めて、湿度50%から65%くらいに保つようにしている。ダンボール箱ごと部屋という入れ物に入っている状態。
中国でプーアール茶を売る店にゆくと、店の棚に紙包みのままの餅茶や磚茶や沱茶が並べてあるけれど、これは通気がありすぎてダメ。外の匂いを吸ってしまうし、温度や湿度の大きな変化に晒される。間接的にも日光や照明が当たって表面を焦がしている。買うときは倉庫のダンボール箱の中にあるのを出してもらうとよいだろう。
真空パック
3日前に倉庫を整理していたら、食品用真空パック機でパックしたのが一枚見つかった。
茶葉の隙間や繊維の管の空気があるので真空とは言えないが、袋の内側の空気が少ないと空輸のときの温度や気圧の変化の影響を受けにくいから良いと考えている。到着してからなるべく早めにパックを開封して通気のある入れ物に移すのだが、この一枚はパックしたまま郵送するのを忘れて放置していた。たぶん1年から1年半ほど。はっきり覚えていない・・・。
版納古樹熟餅2010年
開封して、外の空気を吸わせて今日が3日目。
紙包+麻布袋包+ダンボール箱で通気を許していたのと比べる。
実は、開封した初日に飲み比べたときは味の差がはっきりしていたが、3日目の今日はそれほどでもなくなったので、慌てて記録する。
この違いが、”ある程度”の通気を”どの程度”と考えるかの参考になると思う。
同じ茶葉、同じ水、同じ茶器、同じ保存場所。なので通気の条件の違いが浮き彫りになるはず。茶葉の重量はきっちり計って4.2グラムずつ。餅茶の崩す部分もほぼ同じところ(円盤型の外側や内側で茶葉のコンディションがやや違うから)にした。
一煎め
二煎め
4煎め
6煎め
左: 通気
右: 密封
左: 葉底から立つ香りが強い。
右: 葉底から立つ香りが弱い。
左: ビールのキメ細かい泡のような軽やかな舌触り。
右: 泡のないビールのようなちょっと重たい舌触り。
左: 香りが麹っぽい(ビオフェルミンっぽい)。
右: 香りが花っぽい。後にお香っぽく変化。
カンタンに言えば通気のお茶は甘くてとろんとしていて、密封のお茶は甘くない分やや酸っぱくてサラッとしている。
煎を重ねるほどにこの差がなくなっていって、5煎めにもなるとかなり集中して味見しないとわからなくなった。
密封を解いた茶葉がたった3日間で微生物が増殖するような温度・湿気の高いところに置いていないから、やはりこの2つの差が縮んだのは酵素反応だろうなと思う。
密封を解いた茶葉が外の新しい空気に触れて、なんらかの反応をすすめたのだ。
葉底
左: 通気
右: 密封
葉底に差は無い。
よくある勘違いで、茶葉に微生物が生きていると解釈していて、それなら密封して放置すると窒息して、一方は生きた微生物が茶葉の分解・消化吸収をすすめて、この2つの差は1年の間にもっと大きくなるはずだ。

ひとりごと:
ただ、そうとも言い切れない結果がある。
重量の違い
西双版納の通気を許した熟成の一枚。
2010年に圧餅後1ヶ月ほどして計ったときには396g。
2018年の本日計ったら372.5g。
24gほど減っている。
熟成の変化で繊維質が変わって水分を含むチカラがなくなって軽くなるのだが、24gの差は大きすぎるだろ。
やっぱり喰われているのかな・・・。


茶想

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