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温州人第四批熟茶2017年 その1.

采茶 : 2014年秋・2015年春
加工 : 2017年9月・10月
茶葉 : 易武山落水洞古樹秋茶+老曼峨古樹春茶
茶廠 : 農家+温州人
工程 : 熟茶
形状 : 散茶
保存 : ミャンマー
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 宜興の茶壺・グラスの茶杯・鉄瓶+炭火
第4批熟茶
茶葉

お茶の感想:
昨年の秋にミャンマーで微生物発酵された熟茶。
木箱と布袋の新製法で温州人の茶友が醸している。
木箱発酵は温州人の茶友が早くはじめて、一歩も二歩も進んでいて、最新のはすでに7批までできている。
この製法を東莞人の茶友がわれわれの地元の西双版納でも再現しようとして、版納の不動産王の茶友も巻き込んで、設備を整えて茶葉を手配してすでに2批めの発酵が終盤にかかっている。
しかし、自分なりに考えた結果、「このやり方はダメだろな」と否定しだしたから、茶友たちに冷水を浴びせたカタチになった。「新製法でイケる!」と言い出したのは自分だったから、無責任かもしれない。
当然の結果として今はひとり孤立している。
ま、よくある展開なのだ。
ひとりぼっちは慣れている。
新製法の木箱発酵
温度と湿度のセンサー
新しい試みの過程で、小さな間違いに気付きだして、大きな方向転換では済まない、もっと根本のところからやり直さなければならないことになる。どんな方面の仕事にも共通してあることだろ。
投資で言うところの”損切り”というやつだ。
決断を遅らせるほどに負債がふくらんでゆくが、心理的には方向転換だけで済ませたい気持ちが強くなってゆく。
この2週間の間に、温習人の茶友とだけはSNSを通じて討論が続いていた。
実は彼も経験を通して同じ間違いに気付いていたのだ。
合計したらすでに200キロを超えている新製法の熟茶を捨てなければならなくなる可能性をチラチラ見ながら、間違いを認めるのは勇気がいる。
間違いに気づいてそれをどう修正するか。
この瞬間の決断と深い考察が、将来の仕事の結果を天と地に分ける。
鉄瓶と茶壺
さて、今回試飲する『温州人第四批熟茶2017年』だが、すでに7批までできているのにわざわざ1年前の4批を試飲するのは、散茶のまま1年間熟成させたことによる変化が大きくて、その風味にいろんなヒントが隠れているからだ。
温めて水気を切る
散茶を自然乾燥させて保存しているので水分が多く残っている。生茶ならもしかしたら緑黴が発生してダメになるのに、熟茶はまったく平気なのは麹菌のつくった天然の防腐剤が効いているせいかもしれない。
生茶と熟茶の黴
以前に紹介したことがあるが、タイのチェンコーンのメコン川沿いの定宿に、お菓子の紙箱に入れて保存していた生茶と熟茶。冬は西双版納よりも気温が低くて湿度が高い。半年ほどで生茶には緑黴がびっしり。熟茶は変わりなし。飲んでみても味に悪いところほとんどなし。

一煎め
湯をかけた葉底から甘いバニラの香り。
茶湯はビオフェルミンのような整腸剤の香り。
味はお汁粉の小豆風味。とろんと甘くて、舌触りはサラッとしていて消えが早い。清潔感がある。
食品衛生のための成分分析をいずれしなければならないが、その前に、味や香りに違和感がないかどうかを見るのが大事。舌や鼻のセンサーは敏感だし、”美味しいお茶”は舌や鼻が決めるから。
成分分析の結果が安全でも不味いお茶はたくさん流通している。
(毎回の発酵ごとに成分検査して証明証をもらっているはずはないと見ている。)
3煎め
4煎め
3煎め4煎めをじっくり抽出して濃くしてみた。
味や香りに問題はないが、このときの茶湯の色はちょっと黒すぎる。
温習人はこれで良いと言うが、自分はそうは思わない。
湯をはって鉄瓶の上に
蒸し煮
さらにじっくり抽出するために茶壺に湯をはって鉄瓶の上で蒸す。
7煎め
7煎め。茶湯の色が明るくなって、このときの風味にちょっと違和感がある。
自分なりにわかりやすいように名付けると”カラスミ味”。あのボラの卵巣を塩漬けしたやつのタンパク質の風味にある独特なやつ。
この風味が最新の『温州人第六批熟茶2018年』にもっと強く現れたのだ。
原因はわかっているが、別の記事に書くことにする。
カラスミ味のあるのは最初のほうの煎の葉底に”糠味”が同時に現れる。ぬか漬けの臭味に似ている。
6批にはこのカラスミ味と糠味が両方はっきりと現れているが、この4批には糠味はまったくない。バニラのような甘い風味になっている。
糠味は酵母が糖質をアルコールにするときに発生するもので、アルコールは蒸発するから、4批の1年間の保存の間に蒸発したというのが温州人の見解。
どうなのかな。
葉底
葉底
葉底に色のむらを見つけた。
揉捻でよじれた柔らかい茶葉を破らないようにそっと開くと、内側のほうの色が緑っぽくて、発酵がしっかりできていない色が残っている。
微生物発酵の加水や温度や湿度や通気や時間の加減などを調整して、微妙なバランス点を探る試みをしてきたわけだ。
だが、それは考え方として根本的に間違っていた。

ひとりごと:
微生物が特定の成分を目的にした薬品をつくのではなくて、食品をつくるということ。そのすべてを人の身体が取り入れるということ。
発酵食品とはなにか。
やっと入り口に立てたかもしれない。


茶想

試飲の記録です。

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