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孟庫戎氏宮廷小熟餅05年 その4.

製造 : 2005年
茶葉 : 雲南省臨滄市双江県孟庫大雪山茶区晒青毛茶
茶廠 : 双江孟庫戎氏茶叶有限公司
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 小餅茶145g
保存 : 昆明−上海ー西双版納 紙包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 宜孝の茶壺・グラスの茶杯・鉄瓶+炭火
茶壺を蒸して温める

お茶の感想:
茶友たちが試みているオリジナルの熟茶づくりで問題としている”糠味”と”カラスミ味”。中国語で”味”は香りのことも含み、この場合はどちらかというと香りのこと。
お茶を淹れて出てくる”糠味”と”カラスミ味”は時間差がある。同時には出てこない。
糠味ははじめの3煎めくらいまで。後の煎は弱くなる。
カラスミ味は茶壺でじっくり蒸らして、5煎めくらいから後の葉底に強く出てきて、茶湯にもその香りがある。上の写真のように鉄瓶の上に乗せて蒸して加熱するとより出やすくなる。
1-4煎めくらいは別の香りが蓋をして出てこないのか、それとも熱が通ってから出てくるのか、よくわからない。
よくわからないけれど”カラスミ味”は厄介なやつであると感じている。
温州人にこの報告をして1週間経つ。
今朝、ミャンマーからのSNSでの報告では早速対策をはじめているらしい。
現在渥堆発酵進行中の7批(7番目の作)は、布袋の底の方の呼吸困難になっているであろう茶葉3分の1ほどを分離したらしい。
7批熟茶
7批
この茶葉、捨てることになるのかな・・・・。
新しく渥堆発酵をはじめて数日の8批は、はじめから布袋を取り除いて通気のよい竹籠だけにしたらしい。
8批熟茶
ちなみに下の写真は布袋があったときのもの。内側に綿の布。外側には麻の布が貼ってある。
布袋
ということは、やはり温州人も通気の問題と考えているのだろう。「二酸化炭素が蓋をして呼吸困難になる・・・」みたいなことを中国語で言っているが、意味は同じだ。
それともうひとつ結露の問題がある。
茶葉が水を含んで微生物発酵がはじまると発熱して蒸気が出る。茶葉だけでなく微生物発酵モノはだいたい熱が出て蒸気が発生するだろう。空気中の水分はより冷たいところに移動する。設備や道具の表面に結露する。
結露した小さな水玉に雑菌が増殖する。
人間の目には小さく見えても細菌にとっては湖くらいたっぷり水があるのだろう。すぐに乾けばよいけれど、乾かないで1日も2日も水が留まると雑菌が増殖するのに十分な時間を与えてしまう。
結露しない工夫も大事だけれど、もっともカンタンで有効なのは設備や道具をなるべく簡素にすることだろう。
この問題についてはまだ温州人の改善案が出ていないけれど、たぶん自然にそうなってゆくと思う。
これらの結果が出るのは2週間から1ヶ月かかる。
さて、今日の試飲はかつて糠味のあったお茶。
孟庫戎氏宮廷小熟餅05年
+【孟庫戎氏宮廷小熟餅05年 その1.】
その1.の文章で”味噌っぽい香り”と書いているのが糠味のこと。
2013年9月13日の記事だが、この時点ですでに糠味は消えていたらしい。2005年の生産だから2013年ではすでに8年経っている。今日はさらに5年後の試飲となる。
糠味ですぐに思い出した熟茶は、茶葉同士が粘着して小石のような塊をつくった”茶頭”だったが、このお茶は”宮廷”と謳っているくらいなので小さな新芽・若葉で構成されている。
餅面表
餅面裏
餅面の表はたしかに新芽・若葉が多く見えるが、よく見ると粉砕されて細かくなった茶葉のほうが多い。裏面はとくにそれが多い。
あー!そうか。
これ、茶頭を粉砕して粉々にしていっしょにして圧餅したのだな。糠味はやはり茶頭の味だったのだ。
茶頭
写真は『版納古樹熟餅2010年』の茶頭。
熟茶の渥堆発酵は、山にした茶葉の上のほうの乾燥した部分と、底のほうの湿った部分と、2層を意図してつくらないとうまくゆかないのではないか?という考察を前回の記事でしていた。
+【温州人第六批熟茶2018年 その3.】
見た目にましな餅茶にしようとしたら、篩いにかけて茶頭を取り除くのが一般的。
篩がけ
写真は篩がけの機械。
糠味が目立っていたということは加水の量が比較的多くて茶頭がたくさんできていたはず。
そうすると、茶頭を取り除くと生産量はかなり減ったはず。
しかし茶頭を粉砕していっしょに混ぜて圧餅したら、生産量を増やしてコストを下げることができる。
なかなか良いアイデアだと思う。
現在は茶頭にも人気があるが、昔の茶頭は”余りモノ”と認識されていて、なかなか売れなかったから。
泡茶
意識して飲んでみると、糠味とは言えないけれど、確かにその足跡のようなものがほんのり薫る。13年間の熟成で陳化して出てきたお香のような香りと混ざって良いバランスだと思う。
粉砕してあるから1煎めからドバっと濃い色が出てくるが透明度は高い。味も濁りがない。
味はちょっと酸味が立つけれど甘味も強いからバランスがとれている。
葉底
熟茶はもともと生活のお茶。
食卓に出すのならすぐに美味しく飲めるほうが良い。
広東や香港の飲茶レストランの出てくる熟茶にはピッタリだが、このくらい美味しいお茶を出す余裕は、現在のレストランにはないかもな。

ひとりごと:
わかるかな、この違い。
緑黴の落花生
落花生
上のやつは緑黴が発生している。
匂いはかすかに黴臭くて味はちょっと苦い。何粒かうっかり食べてしまったが、ま、大丈夫だ。
版納の茶友が袋いっぱい1キロほどプレゼントしてくれたが、3分の1ほど緑黴が発生していた。問題がなければ生のまま食べられるやつで、美味しいのだが・・・。
悪いけれどすぐに捨てた。
茶葉を置いている近くに黴の発生源を置いておくことはできないから。
気候の温かい地域だから細菌たちも心地よく繁殖できて、種類も多くて生存競争も激しくて、それだから熟茶の発酵で活躍する黒麹菌はクエン酸のような強力な免疫力を備える。敵を毒殺するわけだ。まさに生物兵器。
発酵食品の地域的な特性を忘れて人間が勝手にいじったりしたら、ヤラれてしまうぞ。


茶想

試飲の記録です。

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