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祈享易武青餅2018年 その1.

製造 : 2018年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山一扇磨
茶廠 : 上海廚華杯壷香貿易有限公司監製
工程 : 生茶のプーアール茶
形状 : 餅茶357gサイズ
保存 : 上海密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興紅泥の茶壺・チェコ土の杯・鉄瓶+炭火
鉄瓶と炭火
鉄瓶

お茶の感想:
このお茶の2018年の春の新作。
+【祈享易武青餅2014年 その1.】
上海に立ち寄って老板にサンプルをちょっとだけもらってきた。
その場でも飲んだけれど、すばらしく良い出来だと思った。
農家から土地の権利を借り上げて、生産量を控えて茶葉の質を上げる。
ひと山まるごとの規模である。
森の木を切らない。茶樹の枝を剪定しない。土に鍬を入れない。冬に老葉の一部を落とす。春と秋の旬だけ采茶する。その場で製茶する。
漫撒山の国有林の森の中でこの理想を実現しているのはこのお茶だけ。
5年目となる2018年は森と茶樹をいたわる効果が明らかになっているはず。
茶葉
茶葉
写真ではその色の調子がわからないが、同じ漫撒山の刮風寨の標準と比べると白っぽい。
刮風寨の単樹2号に似た品種が多いということか。
+【刮風寨単樹2号2018年 その2.】
茶葉の色が色とりどりなのは萎凋が良いから。
これ以上萎凋したら乾燥しすぎて殺青が難しくなるというギリギリを攻めていて、茶葉に殺青の熱が入ってほんの数十秒間の40度から70度の温度帯で軽発酵の変化が起こったその色。
大きめの鉄鍋に6キロの鮮葉を一度に殺青するらしいが、萎凋で水分の少なくなった茶葉を焦がさずに炒るためには、この量でなければならないバランスだろう。
国有林の森の中にキャンプして製茶しているから、采茶してすぐ萎凋台で涼干される。殺青は萎凋の仕上がり次第、深夜であっても行われる。
お茶づくりの夢を叶えている。
しかし、国有林の中で製茶を今後も続けられるかどうか・・・、規制が年々厳しくなっているので森の中で火を起こしたり寝泊まりするのが許されなくなるかもしれない。鮮葉を村まで持ち帰ることになれば、その道のりは徒歩とバイクで1時間以上かかるので、刮風寨でわれわれがしているのと同じになる。
この萎凋の微妙な仕上がり具合を再現するのは難しい。
茶湯の色
お茶の味はこれにちょっと似ている。
+【刮風古樹青餅2018年・黄印】
刮風寨茶坪の中では珍しい小さめの茶葉の品種を選んだのと、殺青後の渥堆軽発酵が『祈享易武青餅2018年』の萎凋に似た効果を得ているのだろう。
似ていないところは、香りに気品のある感じと軽快な風味。
一扇磨の特徴である。
あと、揉捻をそれほどしっかりしていないところが似ていない。
揉捻をしっかりすると香りに甘味が加わるが悶々としてヌケが悪くなる。スカーっと晴れた空に吹くそよ風ではなくなる。
もともと一扇磨のお茶は漫撒山の中では甘さ控えめで軽快な苦味が持ち味なので、その個性を活かした製茶なのかもしれない。
茶湯の色4煎め
試しに4煎めに5分ほど抽出したら茶湯の色に赤味が出た。
この色の変化から見て殺青の火入れは浅めに仕上げてある。”生”が残っている。
圧餅の蒸しの火入れも控えめ。
祈享の圧餅は易武山のそこそこ大きな工房に依頼して行われているが、ゆるい圧延に仕上げるよう注文してあるから蒸し時間は短い。
この点で、自分の家の厨房で圧餅している『刮風古樹青餅2018年・黄印』との違いがある。
しかし、ここまで濃く抽出すると苦すぎてバランスが悪い。一扇磨のお茶だからこれでいい。
葉底
葉底を見てわかるように刮風寨のと比べて茎の部分が細い短い。
理屈からしても茎の部分にある糖質が少ないだろうから、味のバランスはやや苦いほうに傾くはず。
活かすも殺すもお茶を淹れる技術とセンスの問題。茶葉の個性の見極めが大事。
2017年から、易武山に倉庫を構えて長期熟成させているらしい。
温かい気候のほうが熟成に良いという考え方だが、自分はそれには否定的で、上海や日本のほうが良いと見ている。証明するために1筒7枚単位のこのお茶を買うのは高くつきすぎるから黙っておいた。
春の生産量は300キロほど。
単純計算して1日約20キロのペースでつくったらしい。この品質でこの生産量を実現しているのは、このお茶だけ。

ひとりごと:
宝物は水の流れで姿を現して水の流れで姿を消すのだ。
入手しておいたら良かったと後悔するかもしれないな。


茶想

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