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刮風古樹青餅2018年・黄印 その4.

製造 : 2018年4月11日・13日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨茶坪
茶廠 : 農家と店長と茶友たち
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の茶杯・鉄瓶・炭火
炭団
鉄瓶

お茶の感想:
熟成具合を確かめるのと、
+【刮風古樹青餅2018年・黄印】
先日の『祈享易武青餅2018年』と比べるのと。
+【祈享易武青餅2018年 その1.】
美味しさを比べるのには無理がある。
黄印は一天一采の1日だけの采茶に対して、祈享は3週間で21日分の茶葉が混ぜてある。原料の質に差があるから、そこは今回考えないでおく。
熟成壺
餅面表
餅面裏
注目するのは、製茶の違い。
黄印の製茶は、揉捻をしっかりしている。一晩渥堆発酵させている。水分を多く含んだまま晒干している。圧餅の蒸し時間が長い。石型で圧す時間が長い。
祈享の製茶はその逆をゆく。
一見、軽発酵度の調整に違いがあるように見えるが、祈享もあんがいしっかり軽発酵させてあるから、たぶんそこが狙いじゃないのだな。
祈享の茶葉は軽い。
黄印の茶葉は重い。
茶葉の形状や繊維の状態の差が体積の差となって、指でつまんだときの重さの感覚に現れる。
そこにおのおのの理想がありそう。
あくまで推測だが、祈享は白茶づくりに良いイメージを持っている。
揉捻なしの萎凋だけで仕上げる白茶づくりには、人の手が加わる工程が少ないほうが良いというある種の美学が伺える。
祈享の老板がそう話していたわけではないけれど、いろんな話をする中でなんとなくそういう価値観を感じる。
人の手を加えないということ。その観点からしたら、黄印は揉捻や圧餅に手が加わり過ぎているように見えるかもしれない。
ところで、白茶は淹れる技術に風味が大きく揺れるお茶。
白茶の葉底
写真:白牡丹生態茶2014年
あんがい淹れるのが難しい。
【白牡丹生態茶2014年 その5.】
祈享の生茶を老板が淹れると、かなり多めの茶葉(体積が大きいので多く見えるが重量はそれほどでもないかもしれない)をちょっと大きめな茶壺か蓋碗に入れて、熱湯を注ぐけれどサッと湯を切るように淹れる。
黄印は、少なめの(少なめに見える)茶葉をやや小さめの茶壺でじっくり蒸らすように淹れる。
黄色印
黄印のこの淹れ方で祈享を淹れると難しい。
ちょうどよい濃さにしようとしたら、抽出時間のタイミングは秒単位で変わる。
ピタッと決まったな!と満足できる煎は、5煎に1煎あったら良いほう。つまり5煎か6煎の一回の泡茶で、「うぁー美味しい!」と思えるのは1煎だけである。あとの煎は苦かったり酸っぱかったり薄かったりでバランスが悪い。バランスが良いとスカッと抜けが良くて爽やかだけれど、バランスが悪いとトゲトゲしかったり濁ったり物足りなかったりする。
泡茶に夢中になっている腕自慢の人は楽しいけれど・・・。
ところが、茶葉を多くして湯をサッと切る淹れ方にしたら何煎も安定した美味しさになる。ただし10煎以上飲める濃さが続くので、そのくらいガブガブ飲む覚悟というか、そのくらい何煎も飲むシチュエーション向きだということになる。
黄印は味の出方がおっとりしていて、その点でおひとり様向けに、ひとり静かに少量を飲んで満足できるようにできている。
どちらも、漫撒山のお茶の魅力の「無い味」を求めているとしたら、味の隠し方に美意識の違いがある。
黄印
祈享はキリッとした味なので、口に含んでから喉に流し込む時間が短い。
キラッと光る一瞬に幻を見たような見なかったような気になる。
黄印はぼんやりした味なので、口に含んでから舌にゆらゆらさせたい時間が長い。
あるのかないのかわからない味を探しているうちに寝むってしまって夢が続きを見ている感じ。
葉底
お茶をつくっているときにここまで意識しているわけではない。
例えば、揉捻をするときになってなんとなくの直感が”適度”を決めているのだが、そのなんとなくの直感の背後では、無意識が自分の奥深くに潜んだ美意識を引っ張り出してくる作業があるのだろうと思う。
祈享の老板と会話をしても、こうした内容は一切出てこない。
自分のことが自分でもよくわからないままつくっているから。お互いに。
そして、つくったモノに知られざる自分が見えるカタチになって現れる。
モノづくりは面白いなあ。

ひとりごと:
わからないままつくるべし。


茶想

試飲の記録です。

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