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巴達生態紅餅2019年・秋天 その1.

製造 : 2019年10月24日采茶
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山賀松寨小茶樹
茶廠 : 農家+店長ふじもと
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 乾倉
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 白磁の蓋碗 グラスの茶杯 銅瓶 電熱
巴達山
巴達山村
巴達山
茶地
采茶
茶樹
茶葉
持ち帰り
萎凋

お茶の感想:
タイのチェンラーイから西双版納に入ってしばらく天気が悪くて、回復を待ちつつ茶友らから情報をあつめたところ、昨年よりはましじゃないか・・・ということで、秋のお茶をつくってみる気になった。
ただ、他の産地にくらべると西双版納の秋の調子はいまいち。
気候のせいと、気候の育んだ茶樹の品種特性のせいと、つまり天然のものなので仕方がない。
ま、できたらラッキーくらいの気持ちでいる。
今年2019年の春は茶摘みからするお茶づくりをぜんぜんしなかったから、昨年の秋から1年ぶりに手を動かすことになる。
身体も感覚も鈍っている。
なのでウォーミングアップのつもりで、比較的安い鮮葉の手に入る巴達山に行った。
この季節の山はいい。
青い空、白い雲、澄みきった冷たい空気。
痛い痒い虫も少なくて快適。
今回はいつもの古茶樹ではなくて、低く剪定してある樹齢の若い茶樹。小茶樹とも台地茶とも呼ぶ。収穫がカンタンで生産量が多いから安くて、気楽である。
2016年の春にこの茶葉でつくった紅茶がなかなかよくて価格も手頃だった。それがちょうど売り切れて、他に気軽な価格の紅茶がなくなったので、ちょうどいいかもしれない。
茶摘みの人
鮮葉
帰り道
午後にあちこちの茶畑をめぐって茶摘みをしている人を探す。
探さなければならないくらい少ない。
海抜1800メートルほどの山頂付近にある賀松寨の茶畑は、西双版納ではかなり高地になり、気候が涼しくて、秋の終わりがやや早い。新芽・若葉が柔らかく摘み時になっているのが残り少なくて、村の人は采茶よりも他の作物の世話で忙しくなっている。
初日の10月23日に25キロほど。
翌日の10月24日に30キロほど。
鮮葉から水分が抜けると5分の1くらいになるから、5+6=11キロくらい。
たった11キロの製茶なのに、チカラを使い果たして、ウォーミングアップのつもりがオーバーワークになって、山から帰ってから2日間寝込んだ。
回復してすぐに圧餅を6キロ分したら、また疲れてダウン。
盲人按摩の老師に、背中や肩のあちこちのコリをほぐしてもらって、今やっとブログを書けるようになった。
山から降りてちょうど天気が悪くなったタイミングと重なったからよかっかたけれど、これが春の旬だったら大きなチャンスを逃すことになる。
こんなはずじゃなかったが、年齢による身体の変化のスピードに、トレーニングが追いつかずに現状維持すらできていないのだな。
あきらめも大事。あきらめのタイミングはもっと大事。現実をちゃんと見て、そろそろ作戦の立て直しのときだろうか。仕事とか人生とか。
揉捻機械
揉捻後
揉捻
揉捻は、機械で7割、残り3割を手で仕上げた。
だんだん圧力をかけていって茶葉の水分と栄養分を絞り出す。
機械揉捻は25分ほど。手揉みは農家の若者が半分手伝ってくれたけれど、それでも2時間ほどかかった。揉んでいる手の中で軽発酵がはじまるのがわかる。
機械で最後まですると、茶葉から水や栄養分が滲み出てくる感覚がつかめなくて、変化の過程を見失う。なのでどうしても手で仕上げる必要がある。
軽発酵
温度
晒干
晒干
パンニャ8歳
巴達山は夜が冷えるので渥堆の温度が上がらない。
渥堆時の温度を調整するにはなんらかの熱源を使うことになる。
そこまでしなくていいかな・・・軽発酵が浅くてもいいかな・・・と考えているので自然に任せる。
天日干しで仕上げる紅茶は太陽の熱で軽発酵がいくらかすすむので、布でくるむ渥堆の軽発酵はちょっと浅めに仕上がっても大丈夫。ちなみに紅茶の軽発酵は33度くらいがよいと聞いているが、天日干しの茶葉は水分をたくさん持つはじめの2時間ほど、ちょうどそのくらいの温度に上がっている。
軽発酵が浅いと鮮味が強い。
鮮味は、花屋さんのツンとしたあの香りに似ている。いい香りであるが、なのになぜ鮮味を嫌うかというと、体感にも刺激が強いからだろう。実際に舌にピリッと辛い。香りは性質を表すサインである。例えば、この場合の鮮味は胃を削るとか、長い経験に基づいた茶の性質の判断材料になっている。
軽発酵を深く仕上げると鮮味は消えてドライフラワーのような穏やかな香りになり、おそらく体感も穏やかになっている。
この紅茶は圧餅して完成する。
圧餅加工の高温の蒸気によっても軽発酵がいくらかすすみ、鮮味が抑えられる。
完成してからさらに何年か保存熟成して、さらにまろやかになればよいと考えているので、製茶の時点ではカンペキを求めない。
10月23日と24日と、萎凋や渥堆の時間が異なり、仕上がり具合も異なった。
これは2つに分けたいと思う。
今のところ出来の良いのは24日のほうなので、出品するなら24日のほうかなと思う。
毛茶
圧餅道具
石磨
足
圧餅布
餅面
餅面
結着が弱くて表面の茶葉がポロポロ落ちる。圧餅の蒸し時間が足りないせいだが、茶醤の少ない秋の茶葉であることと、軽発酵がすすんでいることと、もともと粘着力が弱いから仕方がない。
でも、やはり下手くそだな。餅形も悪い。
次回はもうちょっとうまくできるだろう。
圧餅にも技術があるので、よい練習になった。
高価な茶葉で練習したくないからな。20倍近い差があるし。
ポロポロ落ちて失う茶葉の分を予測して3g プラスの183gで圧餅してある。落ちた茶葉を差し引いてほぼ180gの当店規定のサイズで出品できるはず。
圧餅を完成して、圧餅前の散茶と比べてみた。
泡茶前
泡茶
茶湯の色
はそこ
左:圧餅
右:散茶
圧餅には揉捻と似た効果がある。それが見た目にもわかりやすいカタチで現れている。
圧餅のはローズのような香り。散茶はラベンダーのような香り。このラベンダーの香りが巴達山の紅茶の鮮味の特徴である。
飲み比べると、圧餅のは口当たりまろやかだが酸味が出ている。散茶はピリッと辛味があるが酸味が少ない。その分甘く感じる。
この味のバランスだと散茶のほうが美味しく感じる。
しかしその差は2煎めくらいまでで、3・4・5煎とすすめるほどに差がなくなる。
注ぐ湯の熱が茶葉を変えてゆき、味が接近してくる。
酸味を欠点とした上で、3煎めくらいから気にならなくなる原因が熱による変化だとしたら、常温保存の長い長い時間をかけた微熱によっても、酸味が消えてゆく変化があるのかもしれない。
実際に、保存熟成1年後くらいから圧餅の紅茶はいいバランスの味わいになる。
圧餅と散茶との小さな差に注目するとそういうことになるが、もっと大きなところから見たらこのお茶は渋い。ちょっとバランスが悪いくらい渋い。これまでの紅茶のなかでいちばん渋いかもしれない。
渋いのは原料の茶葉の質によるものだから、今回は仕方がない。
お金を出して買う人に評価されたくないから、これは物々交換で取引するかな。渋味もまた美味しいと思える人と。

ひとりごと:
巴達山に滞在中、北京の茶友が来て試験的に新しいアイデアのお茶づくりをした。
新芽だけでつくる紅茶。
選別
新芽
たいへんな作業量。
自分の価値観ではぜったいにやらない手法。
他人のだからいいか・・・と考えて手伝ってみた。
これが、ぜんぜん渋くならないのだな。新芽は渋味を持たないから。
別の記事で紹介しようと思う。


茶想

試飲の記録です。

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