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92紅帯青餅プーアル茶 その7.

製造 : 1992年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村古茶樹
茶廠 : 西双版納孟海茶廠(国営時代)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 香港ー広州ー上海 その後密封
茶水 : アサヒおいしい水富士山
茶器 : 宜興の茶壺(白泥)・鉄瓶・炭火

お茶の感想:
せっかく暇なので試飲会をしたいが、新型コロナウィルスに感染しても感染させても嫌だし、人が集まるのは難しい。
ひとりでヒソヒソ飲むのが当店のお茶だとしても、その対極があるからこそひとりの時間に深みがでてくるわけだし。
喫茶文化は都市の文化。
人の集まる都市に、お茶を飲む意味。
都市はいろんな人との出会いが多い。人と人が出会って化学反応みたいなのが起こって、新しい創造が生まれる。その興奮の酔いを醒ますお茶。
昔の中国の文人たちも、隠居と言いつつ都市の郊外くらいに距離を保って、友人たちが訪ねてくるのを待っていたような感じがある。例えば、西双版納ほど距離が遠いと誰も訪ねて来ないから、隠居プレイは成立しないのだ。
喧騒の中の孤独を味わう。
「東京の居酒屋は喧騒の中の孤独を楽しめ」と居酒屋の先生が教えてくれたが、お茶もまた孤独の味わいがなければ成立しないだろう。
ウィルス対策は、都市にいながら人に会わないようにしましょう・・・というのだから、あまりのあべこべに理解が追いつかない。
孤独の味が薄くならないかと心配。
BAR
さて、上海から茶友が来ていて、この状況で帰国することもできずに1ヶ月間ほど小さな宿に逗留している。
その宿のオーナーも上海人で、宿は茶友家族に貸切りだから、宿のBARカウンターを借りて内輪だけの試飲会をした。
炭炉も炭も鉄瓶も持ち込んで、環境は整った。
茶友は仕事でふだんからニューヨーク・パリを行き来しているから、新型コロナウィルスに対する覚悟というか、心構えというか、たぶん自分と温度差がなくて交流しやすい。
一日目は、紅茶・生茶・熟茶と、オリジナルのお茶を飲んで終わろうとしたら、最後に茶友が1995年の手持ちの生茶を試してほしいと言い出した。
困ったな・・・。
「ダメなやつだったらどうする?」
「正直に言えばいいさ。こっちは素人で間違って当たり前だし。」
人を見て大丈夫だと判断した。
大丈夫じゃないこともある。本当のことを言うと恨まれるから気をつけないと・・・。
で、その1995年のお茶はまあまあだった。つまりダメということだけれど、偽物や粗悪品というわけではなく、1995年くらいのはそんなものが多いということ。
鉄瓶
ちょっと勉強の機会になると思って、自分の手持ちの1990年代の2つで二日目の試飲会をした。試飲会というより勉強会。
この2つのお茶。
+【92紅帯青餅】
+【紅絲帯プーアル青餅96年】
餅茶に埋め込まれた赤いリボン"紅帯"が共通している。
茶友の1995年も”紅帯”のやつらしい。崩した茶葉だけを持ってきていたので紅帯の実物は見ていない。
『92紅帯青餅』は、”7532”の等級ブレンドがベース。
『紅絲帯プーアル青餅96年』は、”7542”の等級ブレンドがベース。
”小葉青餅”に分類される。
紅帯は”小葉青餅”のなかでも特別に小さな新芽・若葉の配合の多いもののはずだが、茶友の1995年のはもっと大きい等級のブレンドで、”7582”くらいの”大葉青餅”に相当した。
もしも転売価値を求めるならこの点でアウト。
自分で飲んで満足するならセーフ。
ただ、ビンテージモノは鑑定に面白さがあるから、「美味しけりゃいい」と言ってしまうとつまらない。
茶友の1995年のお茶の味は易武山地域の原料には違いないが、高級感がない。量産品の『老字号可以興茶磚80年代』にそっくり。
+【老字号可以興茶磚80年代 その4.】
勉強会
上等の味には旬の濃度が大事。
この数年の当店のオリジナルのお茶が、旬のほんの数日のタイミングで采茶していることからわかるように、春が春らしさを、秋が秋らしさを表現できるのは、炎の炎上する瞬間にシャッターを切るみたいなもの。毎日采茶して大量に茶葉を集める量産品では旬の濃度が上がらない。
旬の濃度は、茶葉の大きさでは見分けられない。旬のハズレの時期のほうが新芽の産量は多いのだから。外観で判断しにくいのだ。
どこで旬を見るかと言うと、口感と体感と触感。
まず口感。
上質なお茶は水質を変えると言うが、旬の濃いお茶は水に粘りを与える。
水質は、自分でお茶淹れをするとわかる。飲まずともわかる。
茶杯に注ぐとき、最後の一滴一滴のポトポトの粒に弾力がある。水面を弾んだり滑って転がったりする。
サッと一瞬だけ茶葉に湯を通すだけでも水は十分に粘りを持つ。
粘った水は舌や喉に甘く、お腹にやさしい。
『92紅帯青餅』が上だった。
つぎに体感。
小葉青餅は旬の新芽・若葉がウリなのだから茶気は強い。強いアルコールの酒みたいなもの。
飲み込んだお茶がいったん腹の底で暖かくなったら、あれよあれよという間に上がってきて頭を揺らす。蒸気機関車のようにポーッと気を吐きたくなる。
その酔い心地は強烈なのに柔らかい。という矛盾を解決した酔いであるべき。
『92紅帯青餅』が上だった。
最後に触感。
言うまでもなく、葉底を指で触ってみる。
フワフワ羽毛のように柔らかいながら弾力が生きているのが上等。
『92紅帯青餅』が上だった。
茶気
たぶん、『92紅帯青餅』と『紅絲帯プーアル青餅96年』と同時に飲み比べたのは初めて。
はじめから結果はわかっていながらも、実際に体験すると”分かる”ことに大きな感動があって、なかなかよい勉強会になったと思う。
今回は旬の濃度という観点で評価したが、熟成の観点では『紅絲帯プーアル青餅96年』のほうが上等。
旬を選ぶか熟成を選ぶか。
そこはビンテージを趣味にする個人の好みかな。

ひとりごと:
試飲会の会場はどこなと借りれるとして、集まる人をどう選ぶかが問題。
もしも感染したり感染させたりしたときに、本人はよくても、例えばその人の家族や職場に伝染したとなると、試飲会が原因となってしまう。なので本人の意志だけで来られては困る。
ただ、これからはそうなる。
コロナの問題が終わってから・・・なんていう時期はいつまで待っても来ないと見ている。また新しいウィルスが流行ることもあるだろうし。
どこでもいつでも感染したり感染させたりする。まれに死ぬ人がいる。
みんなの認識が変わるしかない。
そう。脳の中のスイッチが切り替わるだけ。世界を変えるのはそこだけ。
ただ、ひとりだけスイッチを変えてもダメなのだ。
みんなのスイッチが変わるまで待つしかない。
あと何年かかるのかな・・・。


茶想

試飲の記録です。

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