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刮風古樹青餅2020年 その1.

製造 : 2020年5月3日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨茶王樹
茶廠 : 農家と茶友
采茶 : 5月2日・3日
工程 : 生茶
形状 : 餅茶200gサイズ
数量 : 10枚
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の茶杯・鉄瓶・炭火
餅面

お茶の感想:
旬に”この日”というタイミングがあると思っている。
1年365日のうちの1日。
茶葉の緑。
山の風。
春の匂い。
太陽の光線。
緑の炎が燃え上がるような”この日”。
この日は毎年異なる。
星のめぐり。
天気と水のめぐり。
新芽・若葉の育ち。
2018年の春は、そのタイミングを捉えた手応えと興奮と、お茶のページに書いた。
+【刮風古樹青餅2018年・黄印】
2019年の春は、自分は山に行かなかったので茶友らの話しによると、干ばつのために”この日”がつかみにくく、曖昧な日が2週間も続いたらしい。
2020年の春は、星のめぐりのせいか新芽の出るのが遅くて、刮風寨茶王樹は5月の一週目となった。西双版納の暦ではすでに夏の雨季に入る。
昨年からつづく干ばつで雨が少なかったのは良かったが、気温が上昇しているので、茶葉の成長にも製茶の仕上がりにも影響するだろう。
茶友らのはっきり言わない(言いたくない)話から推測するに、早春の味というよりは晩春の味に傾いた感じ。
餅麺
内飛
潮州の若い茶友が茶王樹のお茶をつくってくれた。
内飛に5月3日と書かれているのは采茶の日付である。
もう一日分(5月2日か4日のどちらか)を合わせて3キロちょっとの晒青毛茶ができ、そのうち2キロ分を買い取って圧延してもらった。
刮風寨の農家に采茶を任せて、製茶は茶友が横で見ていただけなので、100%信用できるわけではないが、この数年ずっと追いかけてきたお茶だから飲めばわかるはず。
もちろん薪火殺青。手工揉捻。直晒太陽干一天。製茶の手抜きはないはず。
もっとも、2日で3キロちょっとの生産量に機械を使う余地はない。手のほうが効率よい。
ちょっと緊張する。
どんなことがあってもお金は戻らない。
悪いところがあったら、そのまま若い茶友に伝えないといけない。
茶友に騙すつもりはなくても、農家に騙されたことに気付いていないかもしれない。
でも、こうしたストレスが多いほど良いお茶に近づいていると考えたほうがよい。
餅面の感じはまあまあ。
茶葉の曲線に現れている繊維の柔らかさ。崩そうとした指に跳ね返ってくる弾力。餅面の色の具合とかすかな光沢。
晩春からスタートした采茶にしては上出来だと思う。
2018年4月末に采茶されたこのお茶に色の具合が似ている。
+【刮風古樹青餅2018年・晩春 その1.】
餅面
2018年4月11日・13日に采茶の、早春と言える黄印はこんな感じ。
餅面
2020年のは早春と晩春の中間くらいかな・・・。
崩し
圧延はゆるめ。餅形の厚みがある。
このほうが崩すときに茶葉のカタチを壊さない。透明感のある森のお茶にはこういう圧延具合がよいかもしれない。
ただ、早春のもっと柔らかい新芽・若葉だったら、もっと粘着力があるので、意図せずともしっかり圧延されて、崩すのがカンタンではないだろう。
さて、
一煎め。
一煎
刮風寨茶王樹の味に違いなく、古樹の滋味もしっかりしている。
ちゃんと大きな古樹が選ばれたと思う。
茶坪は大きな古樹しかないところだから間違いないが、茶王樹には若い小さな茶樹もたくさんあるので混采される危険がある。鮮葉のときは見分けられるが、晒青毛茶になると見分けるのは難しく、お茶の味で判断するしかない。
古樹味が確認できたので、ひと安心。
味はちょっと薄い。
漫撒山のお茶なのでもともと薄い(淡い)が、影の濃さ、水質の密度、姿の見えない気配から感じられる存在感が足りない。
晩春の采茶なので仕方がないのかもしれない。
二煎め。
二
やや渋味・辛味が出る。
喉に”燥”な辛い刺激が残る。
熱が通るほどに強く出てくるはずなので、三煎・四煎をすすめて熱を加えていったが、あまり強くならないので大丈夫。消えが早くて涼しくて、嫌味はない。
この辛味も晩春の味で、仕方がないのかもしれない。
煎はつづく。水質が落ちない。茶葉の栄養が充実しているのは確か。
美味しいお茶である。
本物にはちがいない。
でも、普通。
葉底
やや殺青の火入れが甘いのや、揉捻がゆるいのは、刮風寨の瑶族の特徴。やや草っぽい田舎風味になる。
揉捻をしっかりしたら、”燥”の辛味はまろやかに仕上がっただろう。甘味が出て、かすかな色気が漂って、文化の薫りをまとう味になっただろう。
若い茶友は、ふじもとの言う通りに仕事をしたのだ。
今年の春の難しいタイミングの中でちゃんと”この日”を選んだ。
今年の春に彼は茶王樹のお茶を全部で18キロ仕入れたということなので、その中では最高の2キロかもしれない。
「美味しいお茶をありがとう!」と、感謝するべきか。
経済発展してから育ったヤワイ世代なので、そう言うほうがもっとやる気が出るのかも。
いや、やっぱりちがうな。
「普通のお茶つくりやがって、眠い仕事してんじゃねーよ!」だな。
ほんまに。

ひとりごと:
もうひとつ。
若い茶友のつくった国有林のお茶がある。
同じく旧六大茶山であるが、漫撒山とは別の山々である象明の蛮磚国有林。
そっちは本人と農家とが協力して殺青と揉捻をしたらしい。ちゃんと手を動かしているお茶。
後日試飲する。


茶想

試飲の記録です。

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