プーアール茶.com

美しい味

同興號後期圓茶70年代プーアル茶


メコン川の町にきて、散歩中に見つけたゲストハウスのテラスからゆったりカーブする大河の流れを見ながら、辛い酸っぱい甘い風味の豚肉と青パパイヤのサラダを肴にビールを飲んでいたら、初老のアメリカ人が話しかけてきた。後でわかったことだがそのゲストハウスをタイ人の女性といっしょに切り盛りしている主人らしい。
「さっき彼女から聞いたんだけどね、あなたは雲南省でお茶つくってるんだって?」
「そうです。」
「それで、まあ、聞いてもらえるかなと思って話すんだけど、嘘のような話なんだけど。」
「はい。どうぞ。」
「友達に70歳になるイギリス人がいてね。彼の親父は100歳を超えるのにピンピンしていて、たしかある地方で長寿ナンバーワンだって新聞にも載っているんだよ。それでそのイギリス人がお茶マニアでね、長寿の秘密はお茶にあるって言うんだ。」
「そうかもしれません。」
「それでイギリス人は毎年のように雲南の山奥の民族の土地に入ってね、そこには樹齢が数百年の茶樹があるんだって。山の人に茶葉を分けてもらうんだよ。」
「まさにそれと同じことを私もしています。」
「そうなの?ほんとうなんだね数百年の茶樹があるってのは。それは人の背よりも高くて木登りして摘むって言うよ。」
「まさにそのとおりです。」
「それで、ここから先が眉唾ものなんだけどね、嘘だと思ってもいいんだ、彼が勝手に言ってることだから。そのお茶をね、20年も30年も倉で寝かしてから飲むんだって。そんなの腐ってるよね。土になってるはずだよ。」
「まさにそれが私の扱っているお茶です。」
「えっ、ってことは、ほんとうにそんなお茶があるの?」
「はい、あります。雲南省ではなくて広州や香港が長期熟成の本場で、私の所蔵のお茶でも1950年代のがあります。それは香港の倉から出てきたものです。」
「それでそのお茶の味は本当に良いの?」
「・・・・・良いと言うか、良いとか悪いとかじゃなくて、美しいというやつでしょ。」
「美しい、お茶の味が。とても東洋的だよねそれ。美しいかどうかはどうやってわかるの??」
「そんなこと、飲んでみてあなたの心に聞けばよいでしょ。」


茶想

試飲の記録です。

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