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漫撒生態紅餅2014年 その2.

製造 : 2014年04月12日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山丁家老寨小茶樹および古茶樹
茶廠 : 漫撒山工房
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 手すき紙+竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
漫撒生態紅餅2014年
漫撒生態紅餅2014年

お茶の感想:
『漫撒生態紅餅2014年』(卸売部に出品中)は、
軽発酵と火入れについて自分なりに理想的に仕上がった紅茶だと思う。
農家といっしょに茶摘みをするところからはじまり、圧延して餅茶になるところまで、すべて手づくりで常温管理だから、その日の茶葉のコンディションや、その日の気候に左右される。見たり触ったり嗅いだりして変化を確かめつつ、なるべく思い通りになるよう調整するのは、原始的に見えるようで意外と高度な仕事かもしれない。
徹底的に晒干(天日干し)して、圧餅後も直射日光でバッチリ焼いた。
圧延加工の蒸気はいつもより薪一本分強めに火力を調整して、さらに15秒ほど長めに蒸している。
この紅茶づくりの手法では「鮮味」が残る。
鮮味とは、摘みたての新鮮な「生」の持つ刺激の味。シワシワと舌を痺れさせるような感覚。下手をすると喉に引っかかるので、火をしっかり入れて(熱を通して)鮮味を取り除くのが定石である。
ところが、鮮味もまた美味しさを構成する大切な要素になる。
火入れをしすぎて刺激がなくなると、まったく飲みごたえのない紅茶になる。喉にも多少は刺激がないと喉越しの余韻がなくなる。
今日は、西双版納の茶山の茶葉でつくられた紅茶4種を飲み比べた。
西双版納の紅茶飲み比べ
西双版納の紅茶飲み比べ
西双版納の紅茶飲み比べ
1. 易武古樹紅茶2013年
2. 南糯山生態紅茶2013年
3. 巴達古樹紅餅2010年紅茶
4. 漫撒生態紅餅2014年 このお茶
1番目(左)の『易武古樹紅茶2013年』は、あきらかに質の違う色になっているが、実はこれがもっとも一般的な手法でつくられた紅茶。晒干しないで機械乾燥で火入れしてある。
2番目の『南糯山生態紅茶2013年』は、晒干した毛茶を最後に機械乾燥して火入してある。
3番目の『巴達古樹紅餅2010年紅茶』は、晒干した毛茶を圧延加工するときの蒸気を最後の火入れとし、餅茶の乾燥は乾燥室の熱風であるが、この熱は「火入れ」というほどの高温ではないから、鮮味を左右するものではないと思われる。
4番目の『漫撒生態紅餅2014年』は、晒干した毛茶を圧延加工するときの蒸気を最後の火入れとし、餅茶の乾燥は涼干(陰干し)と晒干で仕上げてある。
とてもアバウトだが数字で火入れ度を表してみる。
『易武古樹紅茶2013年』=95%
『南糯山生態紅茶2013年』=50%
『巴達古樹紅餅2010年紅茶』=40%
『漫撒生態紅餅2014年』=30%
やはり鮮味に差がでていて、『易武古樹紅茶2013年』は口あたりまろやかで喉越しも軽い。職人の腕が良いのか、糖質の焦げたようなチョコレート風味は少しも感じられない。単独で飲むと良いのだが、こうして4つ並ぶと鮮味の残った紅茶に負けてしまう。ブワッと吹き上げるような香り、舌をヒリヒリさせながら沁み入るような味、おもわず「アッー」とため息を吐きたくなる喉越し。これらは鮮味の刺激と共にあるものらしい。
紅茶の採点基準をどこに置くかということになるが、西双版納の野性味を表現するのに鮮味はスパイスになると思う。
西双版納の紅茶飲み比べ
紅茶の評価はひとつ飲むごとに水を飲んでリセットする。
生茶のプーアル茶の試飲ではその必要がないのに、紅茶では水を挟まないと分かりにくくなる。鮮味で舌が痺れるので、どれも同じような味に感じてしまうからだろうか。
その他に感じたのは、『易武古樹紅茶2013年』と『漫撒生態紅餅2014年』は香りに似たところがある。『南糯山生態紅茶2013年』と『巴達古樹紅餅2010年紅茶』とは香りだけでなく味もよく似ている。これは孟臘県と孟海県、メコン川を境に東と西の茶の品種の違いだと思われる。
このお茶『漫撒生態紅餅2014年』は、この中ではもっとも軽発酵度を軽く仕上げてある。ちょっと白茶にも似た草っぽい感じの風味が涼しくて良いが、味に旨味があり、やや滋味深さに欠けるように思う。その点で『巴達古樹紅餅2010年紅茶』は軽発酵度が高いゆえのコクがありながら、味の透明度が高く、滋味深く、古茶樹の性質がしっかり現れている。また、その観点で見ると『南糯山生態紅茶2013年』は実にバランスよく出来たお茶だと思う。樹齢70年くらいだから西双版納では若いうちの茶樹になるが、透明感があり滋味深く、素材として申し分ない。軽発酵度や鮮味の調整もちょうど良い感じがするので、今後の手本にしたい。
一日かけてけっこうな量を飲んだが、紅茶は体への当たりがやさしく、生茶のようにフラフラになったりはしない。体に当たる成分は軽発酵度が高くなるほど和らぐようで、鮮味の刺激とは関係がないのだと思う。
とにかく、西双版納の紅茶は、雲南紅茶を代表する「滇紅」(デン紅)とはちょっと違う路線でゆきたいと思う。

ひとりごと:
ちょっと前に飲んだ酸っぱい熟茶。
+【中茶吉幸牌高級熟散茶00年】
中茶吉幸牌高級熟散茶00年プーアル茶
中茶吉幸牌高級熟散茶00年プーアル茶
前回は3月24日だったから、ステンレス缶に移してから1ヶ月以上経った。
14年間も密封保存されたから酸っぱくなったのではないか?と考えてみたが、今回淹れてみてもやはり酸っぱい。もう十分に空気に触れたはずだから、おそらくこれは密封保存の問題ではなく、元の茶葉が悪かったのだと思う。
あくまで推測だが、晒干ではなく機械乾燥した茶葉で渥堆発酵させたのではないだろうか。
ところで、
飲めない茶葉は布袋にでも入れて冷蔵庫に入れると強力な消臭剤となる。


茶想

試飲の記録です。

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