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紅河秋天晒青茶2014年 その1.

製造 : 2014年10月
茶葉 : 雲南省紅河州古茶樹
茶廠 : 哈尼族(ハニ族)の農家+漫撒山工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 大きめの蓋碗
紅河秋天晒青茶2014年プーアル茶
紅河秋天晒青茶2014年プーアル茶

お茶の感想:
漫撒山の茶商を訪ねると、
晒青毛茶の黄片を取り除く作業中だった。
この茶葉は紅河州の古茶樹のもの。
漫撒山のある西双版納州のものではない。
紅河秋天晒青茶2014年プーアル茶
現在のプーアール茶は、かつて西双版納のメコン川から東側の旧六大茶山でつくられたお茶の製法を受け継いでいる。
このタイプのプーアール茶は現在は雲南省南部全域に産地が広がっているが、昔は旧六大茶山以外の雲南省南部では緑茶や紅茶、そしてもっとも多かったのが番茶のような粗い茶葉を採取してつくる晒青茶(天日干しの緑茶)だった。そしてこれを原料にして無加水状態での微生物発酵を経て黒茶がつくられた。
知り合いの紅河州のハニ族のお茶職人は子供の頃にその工程を見たことがあるそうだ。
話はこうだ。春の成長した茶葉を茎の部分から折り取るようにして摘んで、茹でるか蒸すかで殺青する。鉄鍋で炒る現代のプーアール茶の製法では、大きく育った粗葉や茎に火が通らないからだ。それを天日干しで乾燥させて晒青茶となる。これを発酵させるのは洞窟。狭い洞窟に棚がつくってあって、竹籠に詰めた晒青茶をそこへ積み上げ、地面に水を張って、布で洞窟の入り口にフタをする。1ヶ月か2ヶ月で赤黒く変色した茶葉となる。これを再度天日干しして出来上がり。
この原料はおそらく当時の国営メーカー「昆明茶廠」などに運ばれて、レンガ型の圧延茶に加工され、ミャンマーやチベットやネパールやインド北部などへ販売されていたのだろう。西南シルクロード「茶馬古道」のお茶。現在は姿を消しつつある。これもプーアール茶の一種と言えなくはないが、あまりに違いが大きいので分けたほうがよいと思う。
中国茶の種類がバラエティー豊かなのは、個性の強い原生品種の種類が多いこと。そして品種の特性や地域の環境にあわせて、お茶づくりがそれぞれに進化したことによる。
このことを尊重したい。
プーアール茶が売れるからといって、他のお茶をつくっていた産地の茶葉までプーアール茶にしてしまうのは、惜しい気がする。
紅河秋天晒青茶2014年プーアル茶
紅河秋天晒青茶2014年プーアル茶
さて、今回プーアール茶の原料となってしまった紅河州の古茶樹の茶葉。
すでに西双版納の有名茶山並の値段が付いているが、それなりに美味しい。
「高級茶になりうるか?」
漫撒山の茶商の知りたいのはそこだ。市場がこのお茶を求めて競るようになると、もしかしたら臨滄地区の「冰島」や「昔帰」のように新しい高級茶となるかもしれない。(ちなみに「冰島」の価格高騰は温州の不動産投資集団が仕掛けたのであって正常な市場価格とは言えない。)
茶湯の色が青い。
秋の茶葉にしてはよく薫る。
このことだけでも西双版納のお茶と違う。茶気・香気・味・喉越しと、部分的に見ると高得点。製茶がまずいのは、いずれ解決できること。
西双版納の今年の秋のサンプルはまだ手元に少ないが、先日入手した「蛮磚山」の古茶樹の晒青茶と比べることにした。蛮磚山は西双版納の旧六大茶山のひとつ。象明区域にある。
紅河秋天晒青茶2014年プーアル茶と蛮磚秋天晒青茶2014年プーアル茶
紅河秋天晒青茶2014年プーアル茶と蛮磚秋天晒青茶2014年プーアル茶
紅河秋天晒青茶2014年プーアル茶と蛮磚秋天晒青茶2014年プーアル茶
左: 紅河秋天晒青茶2014年(紅河州)
右: 蛮磚秋天晒青茶2014年(西双版納州)
茶の品種が異なるので葉の形や大きさが異なるが、コンディションという観点では紅河州のほうが優れている。紅河州は雨が少ないらしく秋の旬らしさが出ている。西双版納は今年は10月になってもまだ雨が多く秋の旬には至らない。
しかし、もともと山の自然環境も異なる。紅河州の山は水が少なく、西双版納の山は水が多い。それぞれの環境に適応して、茶樹は世代交代するごとに進化して、品種の特性を備えている。
味や香りの伝わり方も異なる。
紅河州のは舌の先に甘味を感じさせ後に残る。
西双版納のは舌の奥から喉にかけて甘味を感じさせて消える。
紅河州のは温香で外香。熱湯に香りが立ち、外から鼻に薫る。
西双版納のは涼香で内香。冷めてゆくうちに香り、吐く息に薫る。
どちらが美味しいか?
多数決をとったら紅河州のが美味しいことになるかもしれない。
世界中の多くのお茶どころがこのタイプが多くて、それぞれに上等があり、慣れているお茶ファンも多いだろう。
西双版納のお茶は上等になるほど味が隠れるので、美味しさを評価するのは学習が必要かもしれない。
しかし、当店の追いかけているのは西双版納のお茶。
多数決の経済ではない高級茶なのだ。

ひとりごと:
『紅河秋天晒青茶2014年』を仕入れるかどうか迷っているうちに売り切れた。
今から考えたらそれでよかった。
他人のお茶に構っている暇はない。
自分のお茶に集中すること。


茶想

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