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下関銷法沱茶90年代 その5.

製造 : 1998年頃
茶葉 : 雲南省臨滄茶区大葉種喬木晒青茶
茶廠 : 下関茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 沱茶
保存 : 香港ー広州ー上海 紙包みのまま
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
茶器 : チェコの陶芸作家マルちゃんの茶壺
下関銷法沱茶90年代
下関銷法沱茶90年代プーアル茶

お茶の感想:
今日はこのお茶。
+【下関銷法沱茶90年代】
先日お茶会でこのお茶を出した。
美味しい。
広州での倉庫熟成の期間に差があり、お茶会で出したのは右の白っぽいほう。
下関銷法沱茶90年代プーアル茶
今日飲んだのは、左の倉庫熟成の浅いほう。
どちらかというと、倉庫熟成の深いほうが美味しいと思う。
このお茶には芯があるので、湿度高めの倉庫熟成でヘタったりはしない。
清らかな透明感は、新芽・若葉の配合率によるもの。
スカッと爽やかな風味は、殺青の焦がしによるもの。
トロンとまろやかな舌触りは、しっかり発酵した大葉と茎によるもの。
消えの良い甘味は古茶樹かそれに相当する生態茶樹によるもの。
バランスがとても良くて、熟茶にしてはあっさりし過ぎかと思える味が、飲みごたえのある濃厚な印象になっている。
下関銷法沱茶90年代プーアル茶
晒青毛茶の製茶の仕上げ方に臨滄茶区の特徴が出ていると思う。
大手メーカー下関茶廠のお茶は、1950年代の一部の高級品を除いて、ほとんどが地元に近い臨滄市や普耳市の茶葉を原料とする。この地域は、四川やチベットの高原の遊牧民などに向けた生活のための黒茶およびその原料となる天日干し緑茶づくりから始まり、清代の貢茶づくりが西双版納で流行した時代はその模倣品づくり、1950年代から2000年頃の国営時代は内陸向けの生活のプーアール茶や緑茶づくり、そして雲南紅茶を代表するデン紅茶、などなど、時代によっていろんなお茶をつくってきた。
比較的大量生産の製品となることが多いのでメーカーが主導で製茶を行う。山岳地帯に住む農家に晒青毛茶をつくらせる場合も、どのように茶摘みをしてどのように製茶を仕上げるのかを細かく注文する。
自由化されている現在は農家が勝手に製茶して勝手に売ることができるから、よく売れる生茶のプーアール茶の原料を主につくっているが、国営時代は物々交換するでもなければ流通は決まっているので、農家はメーカーからの注文を待つしかない。
下関銷法沱茶90年代プーアル茶
その時代にメーカーがどのような注文をしたのかは不明であるが、このお茶『下関銷法沱茶90年代』について言えるのは、殺青の火入れが強すぎて生茶の原料には向いていないということ。下関茶廠の昔の生茶には煙味が強くエグいのもあるけれど、もしかしたら、はじめから熟茶をつくるための晒青毛茶をつくらせていた可能性がある。
現在はこれが意外と難しい。
農家にしても、メーカーにしても、茶商にしても、比較的高値で売れる生茶のプーアール茶にして売りたいので、とりあえずは生茶向けに晒青毛茶を仕上げる。その場合、熟茶にするには殺青不十分になりやすい。熟茶づくりは渥堆発酵(加水による微生物発酵)の工程があり、水をかけてすぐにヘタってしまうような浅い火入れではダメだから、それが理由で近年の熟茶の味にシマリがないのかもしれない。
下関銷法沱茶90年代プーアル茶
渥堆発酵(加水による微生物発酵)をする前に、メーカーの設備で晒青毛茶を焙煎する工程があるのかもしれないが、それでも、晒青毛茶の殺青(鉄鍋で炒る)の段階でしっかり火を通すのと、後から再度火を通すのと、出来上がったお茶の風味は異なる。
あくまでも推測であるが、民営化後の近年の下関茶廠の熟茶に爽やかさと濃厚な舌触りのバランスのとれた熟茶が見つけにくいのは、製茶が変化したことによるのではないかと考えてみた。

ひとりごと:
熟茶は微生物という見えない神の意志が関わる。


茶想

試飲の記録です。

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