プーアール茶.com

温州人第五批熟茶2018年 その1.

采茶 : 2018年9月
加工 : 2018年9月・10月
茶葉 : タイ北部の古樹+雲南省臨滄市鎮康県果敢交界古樹
茶廠 : 農家+温州人
工程 : 熟茶
形状 : 餅茶
保存 : ミャンマー
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺・景徳鎮の茶杯・鉄瓶+炭火
晒干茶
餅面表
餅面裏
餅面拡大

お茶の感想:
温州人が持ってきた自作の熟茶のいくつかのサンプル茶葉の中で、微生物発酵がほぼ完成していているのは第五批の試作。
これを圧餅テストした。
原料の茶葉の7割はタイ北部の古樹のもので春のもの。これは”苦茶”と呼ばれていて、実際に苦いお茶。苦い成分が多いというのではなくてバランスが悪い。甘味・酸味・旨味などが少ないので苦味が際立つことになる。ただ、栄養は充実している様子なので微生物が好んでくれたら発酵は大丈夫だろう。
チェコ土の茶壺
茶葉を温めて乾かす
圧餅後、完全に乾くのには一週間かかるから待ちきれなくて茶壺に入れて温めて乾かす。
このとき『東莞人第一批熟茶2017年』にはかすかにアンモニア臭がしたが、この『温州人第五批熟茶2018年』はまったくしない。
乳酸菌っぽい香り。自分は子供の頃にお腹が弱くてビオフェルミンを飲んでいたが、その系統の整腸剤によくある香り。良い発酵ができた証拠じゃないかと思う。
一煎め
二煎め
八煎め
2杯3杯飲むと実際に腹がスーッと気持ちよくなる。
できたての熟茶はどれもそうだが、茶湯の口感がヌルっとしている。それが残らないのが上質。おそらく微生物のつくった様々な酵素が湯の中溶けて混ざって瞬間に分解されるのだろう。唾液の酵素もかかわっているかもしれない。口から蒸発するように消えて清潔感がある。
味は透明感あって甘い。苦茶を原料にしたとは思えないほど。
潤いのある喉ごし。圧餅の後、涼干・晒干の自然の熱でゆっくり乾燥。メーカーの熱風乾燥とは違う。たぶん熱風乾燥が市販の熟茶にありがちな喉をカラカラさせる”燥”の感覚につながる。
葉底
葉底拡大
葉底はまだ柔らかい。
この柔らかさは正常。できたてのときは微生物発酵の後期に活躍する枯草菌類による茶葉の分解がまだすすんでいない。
圧餅後も熟茶はまだ完成していない。
版納古樹熟餅2010年
葉底
上: 『版納古樹熟餅2010年』の葉底2010年7月撮影
下: 『版納古樹熟餅2010年』の葉底2018年9月撮影
何年もかけて茶葉を別モノにして栄養価を増してゆく。発酵の仕事は一時的なものではない。これを評価せずにできたての新しい熟茶を買い求めるなんてどうかしている。

ひとりごと:
微生物発酵後期に活躍する枯草菌類は熱に強いから、圧餅の蒸気で死んだりはしない。まだ生きている。
しかし、茶葉が乾燥した状態では増殖したり酵素を増産したりできないはずだ。
なので圧餅後の熟茶の茶葉の成分変化は、熟茶づくりの工程でできた大量の酵素によるものであり、後に増殖したり酵素を増産したりしたものではない・・・はず。というのが自分の主張だが、温州人は圧餅後の増殖や酵素の増産があると見ているらしい。
ここの意見が別れているが、もうすぐ解明できるだろう。

東莞人第一批熟茶2017年 その2.

采茶 : 2017年4月
加工 : 2017年11月・12月
茶葉 : ミャンマーシャン州 チャイントン
茶廠 : 東莞人
工程 : 熟茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺・景徳鎮の茶杯・鉄瓶+炭火
生の熟茶
生の熟茶

お茶の感想:
『東莞人第一批熟茶2017年』を圧餅テストする。
圧餅加工のために蒸して茶葉を柔らかくする熱で”火入れ”することになる。
圧餅しない散茶の熟茶、例えば『宮廷プーアール茶』にしても、散茶のまま熱風乾燥で”火入れ”されている。
火入れしないと温度や湿度に敏感すぎて保存が安定しないし、それ以前に”生”のままはそれほど美味しいと思えないし、熟茶らしい”温”の体感も少なくて、生茶のような”寒”が残っていたりする。
火入れしてこそ熟茶は完成する。
圧餅道具
散茶1キロ分を東莞人の茶友から買った。
原料の晒青毛茶の価格+30%を支払ったが、30%はほぼ微生物に喰われて減った分で、加工費などは一切加算されていない。
本音のところ、原価のもっと安い温州人の熟茶を圧餅テストしたかったが、まだミャンマーにて発酵途中。明日から涼干(陰干し)がはじまると聞いているので、最短でもあと3週間はかかる。
待っていられない。
というのも、すでに秋茶の旬になったが毎日長い雨が降ってどうしようもない。焦る気持ちを圧餅の重労働でいなそう。
茶葉を蒸す
茶葉を蒸す2
茶葉を蒸す3
圧餅の足
圧餅後
圧餅後
「第一批」だから、東莞人のはじめての熟茶づくりであり、微生物にとってもはじめての環境での仕事となる。明らかな失敗が無かっただけでも上出来。
できたては口に残るヌメリが気になったが、茶葉が乾燥し切った現在は気にならない。
自分は近所に住んでいるが、発酵の現場は見ていない。スマホの写真を見せてもらったり、途中経過の報告を聞いたりしただけ。衛生管理のために、東莞人ひとりだけが発酵部屋に入るようにしていたからだ。
温度・湿度を自動制御できる装置をつけたり、発酵の器と散水の器を分けたり、新しい工夫もあって理屈の上では間違いはなかったはず。
圧餅したてでまだ湿っているが、待ちきれなくて飲むことにした。東莞人を呼んでいっしょに飲んだ。
東莞人第一批熟茶2017年
泡茶
試飲
茶葉を乾燥させるためにチェコ土の茶壺に入れて鉄瓶の上で蒸した。
茶葉が温まってきたときに微かにアンモニア臭がした。普通に淹れていたらアンモニア臭はしないので偶然の発見。臭覚はほんの少しの成分でも嗅ぎ分けるチカラがある。
湯を注いで飲むときにはアンモニア臭は消えていたが、若干のヌメリがまた戻っている。
お茶の味にはまったく問題は見つからない。茶湯の色は濁っているができたての熟茶はこんなもの。味には透明感がある。香りのないコーヒーみたいな味。一般的な熟茶によくある土臭みはまったく無くて甘くて美味しい。
アンモニア臭は、微生物発酵のときに好気性細菌が呼吸困難になったときにつくるやつだと思う。散水の水が多すぎたり、微生物の発熱が高くなりすぎたり、茶葉を発酵させる器の通気が悪かったり、いろんなところに酸欠になる原因が考えられる。
ミャンマーに滞在中の温州人にSNSで意見を求めたら、原因は酸欠ではなくて周囲の環境の差が大きいと見ているらしい。たしかに、西双版納の景洪市の空気はミャンマーの山の中よりは乾燥していて気温も安定しない。空気中に飛び交う微生物にも違いがあるだろう。周囲の森林も水田もますます減ってきて、車が増えて排気ガスも多くなっている。
市内のマンションの一室で微生物発酵させるプロジェクトの雲行きが早くも怪しくなってきた。
葉底
葉底の柔らかさからしたら、微生物の活動によってできた酵素による成分変化の余地がまだまだありそう。圧餅後も数ヶ月間はお茶の味が大きく変わるだろう。酵素による成分変化が安定してきたら葉底はもっとシワシワパサパサになる。1年ほどかかる。『版納古樹熟餅2010年』のときもそうだった。

ひとりごと:
『温州人第五批熟茶2018年』を1枚だけついでに圧餅してみた。
東莞人と自分のもらっていたサンプルを合わせてたら200gあって、180gサイズの餅茶にできた。
温州人第五批熟茶2018年
温州人第五批熟茶2018年
左:温州人第五批熟茶2018年
右:東莞人第一批熟茶2017年
つぎの記事に書く。

東莞人第一批熟茶2017年 その1.

采茶 : 2017年4月
加工 : 2017年11月・12月
茶葉 : ミャンマーシャン州 チャイントン
茶廠 : 東莞人
工程 : 熟茶
形状 : 散茶(生)
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺・景徳鎮の茶杯・鉄瓶+炭火
東莞人第一批熟茶2017年

お茶の感想:
昨年の秋に広東の茶友が西双版納のマンションの一室で微生物発酵させた熟茶。
彼にとっては第一作めの熟茶。
広東省は広くて、いろんな地域のいろんな文化や生活習慣があるので、茶友の故郷は東莞市だから東莞人と呼ぶことにする。
東莞市は深センと広州の間にあって香港にもすぐに行ける地の利だから飲茶文化の真ん中にあるけれど、茶友の家庭はお婆ちゃんがシンガポールから帰ってきた華人だったせいか、朝はコーヒー夜は洋酒と洋式の嗜好で育ったので、お茶のことは詳しくない。西双版納に移住した2013年から勉強しはじめている。
中国人がみんなお茶に詳しいわけではないのだ。
とはいえ、実家には陶器の壺に30年モノの老茶があったり、20年モノの陳皮があったり、生活の中に老味が浸透しているから、舌や鼻の経験はある。
子供の頃は茘枝の栽培農家で、貧しくて、米も野菜も家庭菜園で育てるしかなく、水牛の世話をするのが日課だったらしく、なので古式の農業の経験が今のお茶づくりに生かされている。
ちなみに、茘枝もまた古樹の高幹(すらっと高く伸びた幹の樹)のが美味しいらしい。どの茶樹を選ぶと美味しいお茶ができるかという勘が働くので、これも役に立っている。
小学校卒業で働いて働いて小型トラック・中型トラック・大型トラックの運転手を経て、染料の工場やぬいぐるみ工場を経営して大陸のあちこちの都市に10箇所の工場を持って、42歳でサラッと引退。多少、ヤバイことをしていたのかもしれない。
西双版納に引っ越してきたすぐは何もすることが無いのでいつもイライラしていたが、5年目の今はもう西双版納の時間の流れに慣れて暇を楽しんでいる。もちろん、お茶づくりのときは忙しくしている。
さて、このお茶『東莞人第一批熟茶2017年』。
熟茶
原料の茶葉はなんと『曼晒古樹晒青茶2017年』(卸売部)
+【曼晒古樹青餅2017年 その1.】
采茶の日は1日か2日異なるかもしれないが、ほぼ同じ質のモノ。
高価すぎるからはじめての熟茶づくりにはもったいないと反対したが、自分や温州人の熟茶づくりから学んでいて、なんとなく自信があったらしい。10キロの少量だから彼にとっては失敗しても金銭的に痛くはないかもしれないが、この茶葉はなかなか出会えないクラスの美味しさだから精神的には痛い。
昨年末のこと、自分はタイのチェンコーンから西双版納に帰ってきて、その数日後に上海を経由して日本に一時帰国する直前に、このお茶を飲んだ。
1ヶ月ほどかけた微生物発酵の最後の散水を終えて6日目くらいだったので、まだ完成していない段階。
そのとき、実はあまり良い出来とは思えない味であった。なぜか舌にヌメリが残る。
「勉強会で使ってくれ」とサンプルを少し分けてくれたが、一度も飲まずに今に至っている。
この秋、西双版納に帰ってくるなりこのお茶を飲まされた。
これが、どういうわけか美味しくなっている。茶湯のヌメリはサラサラと消えて舌に残らず、清潔感がある。
最後の散水を終えてから30日間かけて涼干(陰干し)したらしい。やはりこの工程が大事なのだ。
しかし、まだ圧餅していない”生”の状態。
高温の蒸気で熱を通していないので、生の熟茶特有の香りがある。
われわれが”海鮮味”と呼んでいる干しエビみたいな香り。ちなみに中国語で”味”と表現するのは香りを意味することもある。
当店唯一のオリジナル熟茶『版納古樹熟餅2010年』の圧餅前の生の状態にも海鮮味があった。
渥堆発酵
「イカのワタのような香りがごく微かにあります。」と書いているのがそれ。
+【版納古樹熟餅2010年 その3】
自作の熟茶のうちの自分の失敗したいくつかや温州人の1批から6批、そしてこの『東莞人第一批熟茶2017年』にも、多かれ少なかれある。しかしこのお茶の海鮮味がこれまでに一番強い。
海鮮味の正体はある種のアミノ酸。
茶葉の植物性タンパク質が微生物によって分解されて、海鮮モノに多く含まれるアミノ酸に似たものがつくられるのだろう。
熟茶の味わいは出汁の旨味ということになる。
このアミノ酸は、どうやら高温に弱いらしく、圧餅のときの蒸気の熱で海鮮味の香りはほぼ消える。出汁の旨味は消えないので、香りの成分構造だけが変わるのかもしれない。
蒸し
大手メーカーの熟茶製品にも出荷直後の新しいうちはこの香りが少し残っていることがある。数年寝かせるとこれも消える。
試しに蒸してみた。
10分ほど蒸すと海鮮味はカカオ味となった。
チョコレートのような甘い香りが食欲をそそる。よだれが出てくる。
長年熟成させた茶葉のメイラード反応(常温の焦げと呼んでいる)にも共通したカカオ味が出るが、この香りもアミノ酸が焦げた反応によるものである。
泡茶
第3泡
濃い甘い熟茶。
自分の記憶でここまで強いカカオ味のあるのはこの熟茶。
+【天字沱茶90年代初期】
カカオを通り越してコーヒーみたいになっていた。
このお茶もカカオの香りが強かったと記憶している。
+【大益貢餅熟茶98年崩し】
旬の新芽・若葉の多い熟茶。
『東莞人第一批熟茶2017年』の葉底を見るとまだ緑色が多く残っている。
葉底
微生物発酵はそれほど深くない。
『温州人第六批熟茶2018年』の葉底と比べても浅めに仕上がっている。
ということは、海鮮味からカカオ味に変化したある種のアミノ酸は茶葉のもともと持っていた量によって強くなったり弱くなったりということかもしれない。旬の新芽・若葉が濃い『曼晒古樹晒青茶2017年』には最も多く含まれることになる。季節外れの安い茶葉には少ない。
高価な原料を使った効果がここに現れるということか。

ひとりごと:
温州焼干海老(天然モノ)。
紹興酒15年モノ(自然発酵・自然醸造モノ)。
いずれも市場には売っていない個人のつくったもの。
茶友たちは酒を飲まないから、酒と肴はこっちに回ってくる。
温州焼海老
良い茶葉が手元にあると、中国では喰いぱぐれがないどころか、茶葉の質によっては中国全土からお金では買えない食品が集まってくる。相手もたぶん良い酒さえつくれば・・・と、同じことを思っているに違いない。等価交換。
茶葉を売って現金に交換することが最もバカらしい取引になる。
外から見えない内輪経済が世界中でこれから発展する。
不労所得を得る株主や、仕事のできないダメ社員たちや、年金生活で一日中テレビ見るだけの老人たちや、他人の労働の上前を撥ねる役人たちや、それに尻尾を振る政治家たち、この人たちに利益を分配してもなお安全で質の良い食べものが手に入るほどの余裕は、地球上の生態環境にはなくなっているのかもしれない。
自然環境が栄養を分けてくれるのは、古式の農業によると労働参加して自然環境にエネルギーを費やした人のみだろう。これも等価交換。
内輪の社会に参加したい個人がいたら、外では買えない上質の酒や食品やお茶の道具をつくって持ってくるべし。

温州人第六批熟茶2018年 その1.

采茶 : 2018年9月
加工 : 2018年9月・10月
茶葉 : 雲南省臨滄市鎮康県果敢交界古樹
茶廠 : 農家+温州人
工程 : 熟茶
形状 : 散茶
保存 : ミャンマー
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : チェコ土の茶壺・景徳鎮の茶杯・鉄瓶+炭火
西双版納
メコン川
西双版納
西双版納

お茶の感想:
西双版納の空港に着くなり茶友が「見せたいものがある」と言って、市内のとある高層マンションに連れてゆかれた。
300平米に4部屋くらいある高級住宅だが、住人はすでに引っ越して住んでおらず、据え付けの木製家具だけが残っている。
そのうちの一室に木工職人が銭湯の風呂くらいある木箱を2つ組み立てていた。
本格的に熟茶づくりをするための設備である。
西双版納に近いミャンマーで鉱山開発をしている温州人の茶友が先頭を切って独自の熟茶づくりをはじめたのが2016年の秋。
この記事に書いている。
+【版納古樹熟餅2010年 その32.】 
+【温州人の易武古樹熟茶 その1.】
それから2年。
温州人の熟茶はすでに第六批の微生物発酵がはじまっている。6回目の熟茶づくりになる。
ミャンマーの紛争地域なので現場に入れないが、ちょくちょく持ってくるサンプル茶葉は回を重ねるたびに良くなっている。温州人の創意工と、微生物の世代交代がすすんで発酵に熟練してきたことと、いい具合に成熟してきた。
ミャンマーの発酵
ミャンマーの発酵
毎回数十キロ以内の少渥発酵。
メーカーでは一般的に何トンもの茶葉を発酵させるので、数十キロで安定した結果を得ることができるのはちょっと特殊。原料の茶葉は少量ほど質の良いものになるので、これまでにはない質の熟茶ができる。はず。
この技術をそのまま西双版納に移植するプロジェクト。
昨年の秋に広東人の茶友が西双版納のマンションの一室で試みたが、狭い部屋では温度や湿度の管理が難しいということがわかった。茶友たちと議論を重ねた結果、大きな部屋と大きな木箱が要ることになった。
そこで地元の不動産王の茶友に相談したら、広い空き部屋を提供してくれることになった。乾燥した毛茶にして150キロまでなら余裕で醸すことができる。
中国の田舎の不動産は空き部屋だらけである。なのに不動産価格は高騰してどんどん新しい建物ができる泡末経済。遠慮なくタダで借りることにする。
さて、原料の茶葉をどうするか。
ミャンマーの茶葉、ラオスの茶葉、タイの茶葉、雲南省臨滄市の茶葉、いくつか候補が上がっている。いずれも古樹の茶葉が安く入手できる。地元の西双版納に候補がないのは価格が高すぎるから。熟茶づくりの茶葉はもともと西双版納よりもその周辺地域のほうが多いので、問題ないだろう。伝統に培われてきた知恵を見落とすことにはならないはずだ。
今日のお茶は温州人の第六批。
『温州人第六批熟茶2018年』仮名とする。
原料の茶葉はミャンマーの鉱山から雲南省に入って最も近い茶山が臨滄市鎮康県の”果敢交界”というところらしい。古茶樹がある。
中国語のサイトに紹介があった。
+【来自中国镇康县与缅甸果敢交界的古树普洱茶】
茶具
晒青毛茶
温州人が何度か通って機械を使わない手工の殺青(鉄鍋炒り)を農家に教えて、今年の9月中頃につくった晒青毛茶を90キロほど調達した。もともと茶葉の価格の安い茶山なので一般的には機械で殺生・揉捻をしているらしい。たくさんつくってたくさん売らないと農家は生活費も稼げない。手工でつくる非生産的な分は追加料金を払って補うが、それでも西双版納の有名でない茶山に比べて3分の1の価格。
もちろん直射日光による晒干で仕上げるようオーダーしてある。
雨季がまだ終わっていないので秋の旬とは言えないが、試作には十分。いい感じの熟茶ができることがわかったら春の旬を待てばよいのだ。
微生物発酵させる前の段階の晒青毛茶(生茶)のサンプルもくれたので、まずはそれを試してみる。
泡茶
葉底
煙草っぽいスモーキーな香りがあり苦底があり、アッサムっぽい雲南大葉種の田舎臭さが出ているが、だが栄養は充実している様子。
製茶は、焦げや生焼けがほとんどなく均一な火が通っていて、熟茶づくりに適していると思う。
微生物発酵途中の茶葉。まだ発酵前期である。
第六批熟茶
散水第一回目から2週間目。
もうあと1回の散水を最後にして30日くらいかけてゆっくり乾燥させる。
なので早熟であるし、圧延の蒸気も通っていないから菌類の生きている”生”の状態だし、いつも飲んでいる熟茶とはずいぶん異なる味であるが、生の試飲も回を重ねて慣れてきたから、ある程度良し悪しがわかる。
第六批熟茶一煎め
第六批熟茶三煎め
上: 1煎め
下: 3煎め
熟茶は一煎めの茶湯の色が赤味があって煎を重ねるほどに黄色っぽく明るくなるのが普通だが、これは逆で生茶のように煎を重ねると赤味が増す。まだつくられていない酵素類がたくさんあるのだろう。
微生物発酵の水分の多いときに発熱して高温になるのを防ぐ工夫が新しくて、比較的低温を保ちながらゆっくり発酵させてある。その効果が現れていて透明で潤いある水質に仕上がっている。
茶湯の色は生茶のように黄色いが、味は微生物発酵のもの。といっても熟茶にはぜんぜんなっていなくて酸っぱいヨーグルトな感じ。
微生物発酵は前期と後期で異なる微生物が異なる仕事をする。前期の主役の黒麹によってつくられたクエン酸がまだ多く残っているから酸っぱいのだ。後期の主役の枯草菌類がこの酸を分解するのだろうか。
第六批葉底
葉底には緑色が残っているが、この先の30日間のうちに一日一日熟れてゆき、仕上がりはもっと赤い黒い茶葉になると予測している。
圧餅したらどうなるのか、蒸気の熱とその後の乾燥の影響がどうなのか、保存のときの変化はどうなのか、この続きを見たいから、次回は圧餅テストをしてみる。

ひとりごと:
現代の鉱山開発は土から金だのプラチナだのいろんな金属を分別しながら採集するので、土の成分分析をする技術がある。これで茶葉の成分分析をしているから、熟茶の微生物発酵がつくりだす良い成分と悪い成分を見分けることができる。健全な発酵ができているかどうかを人の感覚だけでなく科学的な観点で確かめられるのは安心できる。
温州人が試しにわれわれの今年の春の刮風寨の小茶樹と古茶樹の成分分析をしてみたら、古茶樹の茶葉には味にかかわるある成分がやや多いことがわかった。やや多いの”やや”のために価格差が5倍以上もする。そう思うとバカらしくなる。
もっともこれは味にかかわると認識できている成分にフォーカスした科学的な理解の仕方である。まだ認識できていない、それを説明する言葉すら定義されていない何らかの、人の感覚の森羅万象についてはいったん無視している。というか、無視できるのが人の脳の理解の仕方なのかもしれない。
ある成分が何だったのかは言わないことにしておく。

易昌號大漆樹圓茶04年 その10.

製造 : 2004年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の茶杯・鉄瓶+炭
サーモスのお茶

お茶の感想:
先日、それほどでもないと評価したこのお茶。
+【易昌號大漆樹圓茶04年 その9.】
サーモスの保温ポットに茶葉を入れて熱湯を注いで飲むと意外に良かった。
高温の湯でじっくり抽出すると、かすかに沈香が薫る。
吐く息の中にふわっと薫るお香のような高貴な香り。上等な老茶に共通するサインである。
メイラード反応(常温の焦げ)によるカカオ風味もちょっとある。
熱湯の熱がしっかり通ると、味や香りがひとつにまとまってむしろ透明感が増す。
前回、一煎めに”梅香”があったと書いているが、梅香はまさに熱が通っていない風味。一煎めにぬるい湯が茶葉に入り込むと、二煎めの熱い湯が茶葉に入り込む余地がない。三煎つづけても味はぬるい感じになってしまう。
茶葉を乾かす
茶葉を乾かす
水滴
淹れ方にちょっと問題があった。
過去にも同じ評価ミスをしている。
新茶ばかり続けて淹れているところに突然熟成した茶葉のを淹れると、抽出のタイミングが早めになって熟成の枯れた茶葉の成分がうまく出せない。意識して、煮えるのじゃないかと心配になるくらいじっくり抽出するべきだった。
濃くなりすぎて苦味やエグ味が強くならないように茶葉を少なめにしておく。
2煎で出し切る。
茶葉少なめ
このへんのコツは毎日老茶を飲んでいたら自然に身についているから問題にならないけれど、新茶・老茶が混ざると調整が難しい。
熟成50年モノくらいになると、なにも考えずにどう淹れても美味しくなる安定した状態であるが、20年モノくらいはまだ若い。このお茶は14年モノだから難しい年頃だった。
あらかじめ茶葉を熱して熱い湯で淹れた。茶壺も温めた。
茶壺を温める
注ぎ
茶湯の色
前回よりも茶湯の色が赤い。しっかり熱が通った色。
それでもやはり采茶のタイミングが遅いための渋味があるし、製茶の雑な仕事による粗い水質もある。
そういう欠点が欠点に見えなくなるような、脱皮して羽化するみたいな成長というか変化が、熟成のある時点で起こるのだろうか?
観察を続けてみる。
葉底

ひとりごと:
脱皮して羽化するみたいな・・・。
自分のことを振り返ると、上海に移住して2年めや雲南に移住して3年めはそんな大きな変化があったように思う。
移住で環境が変わって生き方も変えないと生きてゆけないから脱皮するしかなくなる。
そろそろ移住なのかな。

勉強会・上海 神韻 10月2日・3日

単樹1号

選ばれた山。
選ばれた茶樹。
選ばれた采茶日。
選ばれた技術。
恵まれた運。
お茶の聖地で理想を叶えた単樹1号と2号の神韻を味わいます。

単樹2号

日時:
上海 10月3日 午後2時から4時頃まで 終了
上海 10月3日 午前10時から12時まで 終了
上海 10月2日 午後2時から4時頃まで 終了
京都 8月25日土曜 午後5時から8時頃まで 終了
京都 8月18日土曜 午後5時半から8時半頃まで 終了

場所:
上海 天山茶城 1階のお店
中山西路520号天山茶城1252 云元谷 
玉屏南路側の天山茶城正門から入ってまっすぐ35メートルほど進んだ右側の店。

お代:
ひとり 550人民元 (現金をご用意ください)

茶単:
刮風寨単樹1号2018年
刮風寨単樹2号2018年

予約:
+【店長にメール】
参加希望日時をメールにてお知らせください。

注意:
お茶をたくさん飲むので空腹はお腹に負担がかかります。なにかお腹に入れておいてください。

大益沱茶05年 その1.

製造 : 2005年9月
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶孟海茶区ブレンド
茶廠 : 孟海茶廠民営化後
工程 : 生茶のプーアール茶
形状 : 沱茶100g
保存 : お菓子の缶
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯・鉄瓶+炭火
お菓子の缶で熟成した茶葉
生産日付
大益沱茶05年プーアル茶

お茶の感想:
前回につづいてお菓子の缶に8年間眠っていたお茶。
+【大益沱茶05年プーアル茶】
生茶のプーアール茶。
ひとことで言うと安モノのお茶だけれど、美味しければよいだろ。
国営の孟海茶廠が民営化されるときに準備されたのが”大益”ブランドで、これまでは開放されていなかった中国大陸の市場に向けて大衆化した製品を供給することになったから、当然それまでの産地では足りないので新興産地の茶葉が使われている。
茶湯の色
正直に言って不味い。
雑味やアク味が邪魔するためにゴクッと強制的に飲み込まないと口から消えない。舌にはシワシワ渋味が残って消えない。
8年間も忘れたまま熟成していて、もうちょっとなんとかなっているかと思ったけれど・・・。
葉底
原料の茶葉の質は悪くない。
製茶が悪い。圧延加工が悪い。
製茶は焦がしているし、圧延の蒸しすぎた煮え味もある。
しかし、2005年ならこれでも標準的な大手メーカーの品質。
製茶はダメでも茶葉の質が良いから煎はつづく。
5煎めくらいから甘味と蜂蜜のような香りが出てくる。焦げの煙たさがスパイスになって、煙草吸う人がこの味を好む傾向がある。
西双版納の南糯山とか布朗山とか巴達山とかそのあたりのお茶に似ている。
ふと思いついてこのお茶。
+【南糯古樹青餅2010年】
原料の茶葉は似ているはず。
南糯山古樹青餅2010年
南糯山古樹青餅2010年
残念ながらこれも不味い。
製法の問題はそれほど見つからない。でも同じような不味さがある。やはり品種特性が生茶に向いていないのだろう。
西双版納の実生(花が咲いて実が成るところから苗が育つ)の古茶樹は、人間の兄弟がそれぞれ異なる外見や性格になるようにバラエティー豊かになって、クローン栽培のような単一化はできないが、茶山を選ぶことでざっくりと同じグループを選べる。
生茶に向いている茶山。向かない茶山。
2013年くらいにそのことに気付いて、軽発酵をすすめた製法を『南糯蜜蘭青餅2013年』で試したけれど、結局それが最後のあがきだった。

ひとりごと:
南糯山が生茶をつくりだしたのは1980年代のこと。それ以前の数十年は緑茶と紅茶。もっと昔は微生物発酵させる黒茶の原料を提供していたはずだ。
大陸での需要に求められて、現在は生茶づくりの歴史がない茶山の茶葉で大量に生茶がつくられているけれど、いずれ淘汰される。はず。
南糯山の茶葉は紅茶や熟茶にしたほうがだんぜん美味しいから。

7592七子餅茶1999年 その1.

製造 : 1999年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶孟海茶区ブレンド9級
茶廠 : 孟海茶廠(国営時代)
工程 : 熟茶のプーアール茶
形状 : 餅茶357gサイズ
保存 : お菓子の缶
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興白泥の茶壺・チェコ土の茶杯・鉄瓶+炭火
お菓子の缶の熟成茶
お菓子の缶

お茶の感想:
お菓子の缶に入れたまま押入れに仕舞って忘れていたお茶。
上海から西双版納に引っ越すときに売り切れたはずだが、おそらく円盤型が崩れて売ることができないようなアウトレットを手元に残したのだ。ということは、8年間は忘れていたことになる。
4種あるが、このお茶から飲んでみる。
+【7592七子餅茶1999年】
7592七子餅茶
7592七子餅茶
1999年の熟茶で、9級をメインに構成した粗茶葉が使われている。
微生物は粗い茶葉や茎のでんぷん質を好むので、この手の茶葉は散水してからの発酵の立ち上がりが早くて、茶葉が水を含むことで余計な変化の起こる期間が短くて、雑菌が入って腐敗するリスクも少なくて、それがサラッとした味わいになって現れるが、その一方で微生物が活発になりやすく高温になりすぎて、茶葉が焼けるというか煮える。
まさにそういうふうに仕上がっている。
泡茶
喉にイガっとくる刺激があるのは、茶葉の質や製茶や発酵工程の仕事荒さが影響している。
1999年あたりは産地のお茶づくりが荒れていた時期なので、こんなものだろうと思う。刺激はやがてスースーとクールミントに変わるので、悪いこともない。
熟成による変化で気品が備わって、バラの花やお香のような香りがチラチラと薫る。これにはちょっと期待。このまま純化してゆくと上等になるだろう。
体感は穏やかでゆったり。
粗茶葉の栄養で手足の先の指先の毛細血管までもが開いて血が巡って身体のチカラが抜けてゆったりするが、旬の茶葉ではないため茶気が弱く、脳を揺らすような茶酔いの快楽はない。
茶湯の色
いい具合にチカラの抜けたお茶。
普段飲みにして疲れないお茶。
ちなみに、中国のネットショップを検索すると、同じ1999年の7592は一枚1980元(現在レート32500円くらい)で出品されていた。
ま、そんなものか。
お菓子の缶はしっかり密封できるので、茶葉が湿っていないかぎり乾燥気味に保存できる。失敗はまずない。入手しやすいので長期保存の容器としておすすめ。気温の変化の影響を受けやすいので、安定したところに置けばよい。押し入れは良いが、建物によっては陽の当たる側の壁だったり、湿気の溜まりやすい位置だったりすることもあるので、その点は考慮しなければならない。
熟成のコツは、忘れてしまうこと。

ひとりごと:
味を忘れないうちにこの熟茶を飲んだ。
+【版納古樹熟餅2010年】
版納古樹熟餅2010年
泡茶
これだけを飲むと熟成を経た透明感が際立つが、『7592七子餅茶』の後に飲むとそれほどでもないと感じる。10年の差がある。
茶葉の素質の良さや茶気の充実ぶりは圧勝かもしれないが、濃いし、辛いし、ピチピチしていて若いというかまだ青いのだな。
枯れの味わいは年月にしか出せないということか。

刮風古樹青餅2018年・黄印 その3.

製造 : 2018年4月11日・13日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨茶坪
茶廠 : 農家と店長と茶友たち
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・チェコ土の茶杯・鉄瓶・炭火
薪ストーブ
お茶淹れ

お茶の感想:
2017年1月のこと。
チェコの冬の薪ストーブで沸かした湯で、マルちゃんとお茶淹れ比べをしたとき、ヤカンの湯がグツグツ沸騰するちょっと手前の湯でお茶を淹れたら締まりのない味になった。
その時のお茶は紅茶の『巴達生態紅餅2016年』。
雲南紅茶
マルちゃんは、グツグツ沸騰してからの湯を使うべきだと主張する。
もしも少しぬるめの湯にしたいならグツグツ沸騰させてから茶海に移すなり、ヤカンのまま冷ますなりしたらよい。
例えば、沸騰していない湯の温度が97度で沸騰したのが98度で、そのほんの1度の温度差がもたらす差ではない。もっと大きな差がお茶の味に現れる。
沸騰した湯にしかない熱の振動があるらしい。
そう解釈している。
その振動があるかないかが問題。
刮風古樹青餅2018年・黄印
茶器と茶葉
2018年の黄印の圧餅の工程の”蒸し”をテストした茶葉。
+【刮風古樹青餅2018年・黄印】
蒸して涼干・晒干して、蒸し時間をどのくらいにするのかの参考にした。
餅茶180gサイズなので、1枚分に満たない端数の100gほどが散茶で余って、それを蒸した。
同じ蒸し器の熱量で180gと100gとでは、単純に考えると1.8:1.0の蒸し時間で熱の通りは等しいはず。
3分半蒸して×1.8倍したら6.3分。6分18秒が180gサイズの餅茶の場合に等しい蒸し時間となる。
最終的には6分40秒蒸すことにした。
けっこう近い数値に勘が働いたのは、その前に小樹の茶葉でもっとたくさん蒸しテストをしていたから。餅茶の180gで4分くらいのもあれば9分くらいのもある。
鉄瓶と炭
沸騰する湯
泡茶
葉底
蒸しによる”蒸し味”が目立つのはほんの1ヶ月間ほどで、5ヶ月経った今となってはどのくらい蒸したのかをお茶の味から推測することが難しくなった。さすがに4分と9分には差があるが、5分と6分の差はわからない。
いや、違う。
こういうのは例えば7分13秒で茶葉の温度があるところに達して、そこで急速な変化が起こるというようなものだろうから、5分と6分の差はどうでもよいのかもしれない。
そうすると微調整なんてのはたいした効果を得ない。急速な変化が起こる温度なり時間なりのポイントを知って、そこを超えるか超えないかの判断が大事になる。
もしも急速な変化の起こるのがほんの数秒間のことなら、その中間で止めることはまず無理だろう。
グツグツ沸騰した湯なのかそうでないのかの差と似ている。
ということを最近になって気付いたので、今後の参考のために記事にしておく。

ひとりごと:
殺青の鉄鍋炒りの時間もそうかもしれないな。

倚邦古樹青餅2014年・秋天 その4.

製造 : 2014年10月28日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明倚邦山小葉種古樹
茶廠 : 易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 木製の茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯・鉄瓶+炭火
倚邦古樹青餅2014年・秋天
倚邦古樹青餅2014年・秋天
倚邦古樹青餅2014年・秋天

お茶の感想:
この茶葉、思っていたよりも良いかもしれない。
できた当初に気になっていた渋味が落ち着いてまろやかになっている。
『倚邦古樹青餅2014年・秋天』(卸売部)
温める
注ぎ
注ぎ
茶湯の色
透明感があり、後を引く苦味が軽快で心地よい。
シンプルな味で、熟成4年目の安定した今となっては何度飲んでも新しい発見は少ないだろう。あまり膨らんだり開いたりしない味わいに華は無いかもしれないが、飽きが来ない。倚邦の村から離れた国有林の茶樹に品種のバラエティーが少ないことによると推測する。
このお茶の茶地は村から1時間半も歩く森の中にある。
倚邦山のような歴史のある茶山は、村の周辺ほど品種のバラエティーが多い。茶樹を選ばないで混采すると、いろんな個性の茶樹のいろんな味が混ざることになる。
易武山の麻黒や落水洞周辺、漫撒山の丁家老寨や張家湾周辺もそういう傾向がある。
かつて明代から清代にかけての貢茶づくりにおいて、品種の栽培実験が村の周囲で行われたせいかもしれない。
村から離れたところは、原生種が群生しているか、それとも清朝の貢茶の需要があった時代に新しい茶地として開拓され茶果(種)が持ち込まれて栽培されたので、そのとき母樹となった品種が選ばれていたら村の周辺よりも混生状態にはなりにくい。ミツバチが花粉を運んでくるにしても、遠く離れているため他所の血が混ざりにくいわけだ。
茶湯
葉底
昇りもしない沈みもしない、宙に浮く感じの秋の茶葉の体感。
生茶のわりに身体が温まる。
小葉種なりのやや強いアタックがあり、どっと汗が出てきた後に涼しくなって長袖を着たが、早春のお茶ほど寒くはならない。
ところで、このお茶は木の茶箱(内側トタン板貼り)に入れて熟成させることにした。
茶箱熟成
茶箱
生茶の餅茶数種をギッシリ詰めて18キロはある。
茶葉がたくさん集まると、お互いに湿気を調整したりして良い影響を与える。
陶器の壺熟成とはまた違う変化があるかもしれない。

ひとりごと:
苦味が甘味を誘う。
チェコ土の徳利
香取90
酒湯
寺田本家の香取90。9月9日の蔵出しのを入手した。
利き酒のような味の上等は知らない。
体感の良さと素朴な味わいでこの酒を選んでいる。熱燗ならではの大きな波に揺られて眠くなる。


茶想

試飲の記録です。

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