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巴達古樹紅餅2010年紅茶 その14.

製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : マグカップ
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶

お茶の感想:
固形の茶葉を崩すのは面倒かもしれないけれど、これに時間をかけて茶葉に触れてほしいと思う。指先の感触を記憶してほしい。
2週間分の茶葉を崩すのにかかる時間はほんの3分。道具を出したり片付けたりを含めても5分あればできる。
この習慣ができると、いろんなことが発見できて、よりお茶に親しくなれる。親しくなれたらお茶はもっと美味しく飲めるようになる。
デリケートなつくりの烏龍茶などは「指で触れないように」と教わることもあるみたいだが、プーアール茶は大丈夫。プーアール茶のようにつくったこの紅茶も大丈夫。
【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
手洗いをした後に乾いたタオルでしっかり水分をぬぐい取ったという前提で、指で触ったくらいで味がおかしくなるようなヤワなやつじゃない。
(※当店で販売用の「崩し」をつくるときには手袋をしています。)
指の記憶ができてくると、いろんな発見がある。この発見はとくに新しい発見ではないと思う。誰かが本に書いていたようなことや、お茶の先生が言っていたようなことを、もう一度なぞるだけかもしれない。けれどそれでよいのだ。他人にとって新しくなくても、自分にとって新しい発見となればよい。
知っているということよりも知るプロセスを体験すること。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
(マグカップにひとつまみの茶葉。そこに熱い湯を注ぐだけ。)
知識というのは、不特定多数の「みんな」を意識している。
いろんな状況に対応できる共通点を見つけ、より一般的に普遍的に、言葉にする段階で形を変えてしまっているところがある。
あらゆる紅茶に対応はできても、この手元の紅茶には対応できないこともある。個人にとって大事なのは、手元の紅茶が美味しく飲めるかどうかであって、他人の飲むあらゆる紅茶が美味しく飲めるかどうかではないから、ここに知識の限界がある。
この手元の紅茶と親しくなるプロセスを通して得られるのは、知識じゃなくて「勘」なのだ。勘をやしなうために、できるだけ茶葉を触るのだ。

ひとりごと:
春節の大みそかにダイ族の「年夜飯」に行ってきた。
西双版納のダイ族料理
西双版納のダイ族料理の味覚はひととおりの試したつもりでいたが、はじめて出会うのがあった。生の豚の血。
豚の血
今日殺した豚の血を塩と香草とスパイスで味付けしてある料理。プルンとしたゼリーのように固まっているが、口の中の熱で溶けて液体になる。これが美味かった。血なまぐさいのかと思っていたが、そんなことはなくてむしろ清淡な味わい。コンソメゼリーのような感じだろうか。舌触りや後味もサッパリしている。脂ぎった肉とは対照的な味覚だった。
自家製の米焼酎の肴にこればかり食べていたいと思ったけれど、慣れない珍味は少しにしておくのがコツ。
豚を絞める時にまたお邪魔したいと思う。

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その13.

製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー上海密封
茶水 : メコン川の水道水を浄水器と大甕で濾過 
茶器 : サーモス真空断熱マグ
チェンコーン
チェンコーン
チェンコーン

お茶の感想:
タイ東北部のメコン川の小さな町「チェンコーン」に通いだした頃は、ここには食べものの選択肢が狭いと思った。レストランは少ないし、各国料理なんてコンビニのファーストフードくらいしかない。こんなところに長く住めない。自分にとって美味しいものは重要。移動生活で外食が増えた今、お気に入りのレストランが近所に5軒くらいないと寂しい。そうなるとそこそこ大きな都市でないと住めないことになるが、西双版納は小さな町だけれど観光客が多いのでレストランが多い。他民族なので民族料理を巡るだけでバラエティーに富む。
チェンコーンでお気に入りのレストラン(といっても食堂のレベル)は川沿いの2軒と、カオソーイとう麵屋1軒だけ。それも特別楽しみにするほどの料理はない。過去に「齋」のことを書いた精進料理の食堂はすでに閉店した。
仕方なしに市場や道端で地元のおばあちゃんたちが売っているお惣菜を買うようになった。
事態は変わってきた。
いつのまにか川沿いのレストランへはたまにしか行かなくなって、朝と夕とおばあちゃんたちの売るお惣菜を物色するようになった。
言葉は通じないし、未だに売っているものの内容がほとんどわからない。それでも1つ150円以下のものしかないのだから順番に試している。辛いのは苦手なので「マイ・ペッ」(辛くない)と、化学調味料が嫌いなので「メイサイ・ポンシューロッ」(化学調味料無し)だけを覚えて伝えている。
チェンコーンの食事
チェンコーンのお惣菜
チェンコーンの自然の枝豆
チェンコーンの食事
チェンコーンのナマズの卵とじ
チェンコーンのソムタム
チェンコーンのみかん
はじめのうちは「焼き鳥」・「焼豚」・「キモ焼」・「焼き魚」みたいなガッツリ肉の多いおかずがメインだった。近ごろは逆になって、肉はあってもなくてもよい。穀物・野菜・キノコ・木の実・果物のお惣菜で満足するようになった。それらのほうがむしろ美味しいし、とくべつ肉を食べたい気がしないのだ。
穀物・野菜・木の実・果物は、肉と違ってゆっくり時間を掛けて食べる。ぽりぽりわしわしむしゃむしゃしているうちにどんどん味わい深くなる。この食べ方に気付くのに2年ほどかかった。穀物類は同じものを食べてもいつも異なる味わいがあって飽きない。古茶樹のお茶に似ている。
身体に滋養が満ち足りてくると肉を食べたい欲求が減る。
たぶんそういうことじゃないかと思う。
そうするとだ。
昔の仏教のお坊さんは肉を食べないことを我慢したのではない。栄養の上等なものから順番に選んでいって、肉類を切り捨てただけなのかもしれない。
都市生活をしていた時代の自分は、いつも滋養が不足していて身体が肉を欲しがったのかもしれない。
肥満になる人はある意味で身体に正直なので、滋養の欠乏を補うためによりたくさん食べているだけなのかもしれない。
やはり都市に流通する穀物には滋養が欠乏しているのかもしれない。
滋養の欠乏した穀物を流通させることで肉をたくさん売って、その家畜に食わせる飼料の販売で世界的に儲けているアメリカの会社があるのかもしれない。
稲作の文明から来た自分は今もなお穀物から栄養を摂るDNAが受け継がれているのかもしれない。
東京や上海に住んでいた頃、上等なものを食べに行くとなると肉や魚がメインだった。肉や魚でチカラをつけてバリバリ働くのが活気に満ちた生活だと思っていた。その時の僕の眼には「オーガニック」や「草木染め」を愛する人たちはどこか顔色が悪くて活気が無かった。
東京や上海の人たちから見たら、今の僕は顔色の悪い活気の無い人なのだろうか?
まあそれでもいい。
自然栽培のピーナッツ
今日はこのお茶。
【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
雨が降って寒くなったら、このお茶は甘くなる。

ひとりごと:
このどうにもならないような状況を変える第一歩はまず自分が変わることだと知った。
異質なモノを受け入れるところから理解がひろがる。異質な習慣、異質な文化、異質な世界。それを理解するとともに自分が変わってくる。変わらないまま知識だけが増えるということではないみたいだ。
食べものを変えて細胞を入れ変えてやる。
脳みそを新しくして生まれ変わってやる。
チェンコーンの雨
チェンコーンの雨
チェンコーンの雨
チェンコーンの雨

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その12.

製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー上海密封
茶水 : メコン川の水道水を浄水器と大甕で濾過 
茶器 : サーモス真空断熱マグ
メコン川
メコン川

お茶の感想:
茶葉の長期保存は保温が大切。
冷えても温まってもいけない。
四季があるから夏は温まって冬は冷たくなる。これは仕方がない。
しかし朝晩の一日の気温と同じように変動してはいけない。人が住む部屋においては冷房・暖房の温度変化にもできるだけ影響されないほうがよい。
見えないけれど、茶葉が含んでいる微妙な水分が動いてしまうのだ。空気中の水分が茶葉の表面で結露することもある。
紙、布、木、陶器、など臭いが無くて保温性のある素材で包んだり囲ったりするのがよいと思う。空気が動くと気温の変化の影響を直接受けるから、蓋があって密封できる容器はその点で良い。
たぶんこれが当店の保存とお客様の手元の保存との違い。
プーアール茶の茶商は密室に大量の茶葉を置いている。その部屋自体が大きな入れモノみたいなもので、温度や湿度の変化を抑えている。一枚一枚で単独で保存しているのとはわけがちがうのだ。なので一枚一枚の場合は温度の変化を抑えられる、つまり保温できる入れモノがあったほうがよい。その答えのひとつとして陶器の壺を準備中だが、クラフト紙の封筒や厚手の布やお菓子の紙箱など、カンタンに餅茶ごと包み込めるものはいろいろあると思う。
さて、そうなると一枚の餅茶を崩し始めてからどうするのかが問題。やはりすぐに飲む少量分と、まだまだ先になる分とを分けることになるだろう。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
最近このアルミの茶缶をよく使う。軽くて旅に持って行くのも便利。
保温という観点では、ピッタリ蓋ができて匂いがないなら木箱でもよいかもしれない。ちょっと探してみようと思う。
それまではジップロックのようなチャックのあるプラスチックバッグをよく使っていたが、石油化学製品をなるべく避けたい気分なのだ。
旅のお茶はこれ。
【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
巴達古樹紅餅2010年紅茶
サーモスの保温マグを使う。タイではダメだが、中国の移動中ならいろんなところで無料の熱い湯が手に入る。カラッポの保温マグにあらかじめ適量の茶葉だけ入れておいたら、いつでもどこでも湯を注いだ瞬間に香り立つ。空港やバスターミナルでこれをやると周囲の人がキョロキョロしている。

ひとりごと:
野生の栗
トウモロコシ
小さく育つほうが良質の栄養のものだってある。
実は人間もそうかもしれない。
大きく育てるために薬漬けになった野菜・穀物・肉を食べている人たちの身体は無駄にデカイような気がする。

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その11.

製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー上海ー日本 紙包み+紙箱
茶水 : 紅河州の元江のミネラルウォーター
茶器 : 保温の水筒
紅河
紅河

お茶の感想:
紅河州を旅してきた。
雲南省の西南の地域で、ベトナムと国境を接している。
東シナ海から南シナ海への、海を渡る交易路がまだ明るくなかった時代、
赤土色をした「紅河」の流れに沿って山を下りベトナムのトンキン湾に出るルートが、南詔王国(8世紀半ばの雲南)をはじめとして、唐・宋・明の王朝にとって重要だったことがある。また、清代末期からは錫鉱山で栄えたこともある。
そして、西双版納のお茶を世界に知らしめる役割をした、愛尼族(アイニ族)・彝族(イ族)・漢族は、みんなここの山の峠をいくつも越えて南下してきた歴史がある。
紅河県
紅河
紅河
元陽
遺跡はカケラをひろうようにしか見れず、文献は交易を中心にまとめられているわけではなく、地図で見てもいまひとつピンとこなかったルートだけれど、実際に行ってみると、高く険しい山々と紅河の削った深い谷底が静かに物語る。
人がモノを運べる道は、傾斜のゆるやかな川沿いにしかなかった。
ここで東・西・南・北が交差した。
この地形と付き合い、生きることにすべてを懸けて闘った人々。
すごいものを見てきた。
元陽
巴達古樹紅餅2010年紅茶
旅にはこの紅茶。
【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
山の上から下まで5000段もある元陽の棚田を眺めていっぷく。

ひとりごと:
紅河県
紅河
お茶の来た道と、人の来た道。
知られざる物語りがたくさん埋もれていて、それを探してめぐるだけでも、人の短い一生ではほんの一部しか知ることができないだろう。
そう考えたら、お茶の過去を知っている人も、人の過去を知っている人も、いないことになる。

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その10.

巴達古樹紅餅2010年紅茶
製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー上海ー日本 紙包み+紙箱
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
茶器 : 小さめの蓋碗

お茶の感想:
やっぱり家でお茶する。
集中力が高まっている夜は、お茶にしないともったいない。
さっきの『丁家老寨青餅2012年』の、杯の中でメラメラ燃える透明な炎が気になる。
あれはなにだろう?
その火の味は、熱い湯でないとメラメラしなかった。冷めると消える。消えたら茶湯から魂が抜けたようになる。魂が抜けたら、お茶の味が濃く感じられた。
湯の温度だけの問題だろうか?
そうすると、熱い湯で淹れたら紅茶でもメラメラするのだろうか?
【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
紅茶にはなかった。
かなり熱めの湯で2煎め・3煎めを試しても同じこと。
生茶とこの紅茶の製法のいちばん大きな違いは「殺青」。
そうすると、あれはやはり殺青の焦げからくるものだろうか。
しかし、殺青は、強くするほど露骨な焦げ味を産んでしまう。焦げをつくらないで熱を通すなら、殺青とは別に、乾いた火で焙煎するしかない。烏龍茶の製法になる。

ひとりごと:
杯の中でメラメラ燃える透明な炎は、湯に宿る魂であって、茶の味や香りというのではないような気がする。
烏龍茶
茶人の人の台湾烏龍茶の強い焙煎の一杯を飲んだ時、
渡された杯の指先に、「ブーン」という低い音を感じたように錯覚した。
口に近づけると、見えない透明な炎があるような気がした。
烏龍茶の世界には、まだ僕の知らないお茶の味がある。

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その9.


製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー上海ー日本 紙包み+紙箱
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
グラスポット200ccサイズでじんわり

お茶の感想:
ひとりで飲み切る分量。
この紅茶をどう淹れるのがよいか?というのを試した。
【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
200ccのグラスポット。2.5g弱の茶葉。
沸きたての湯を180ccくらい注ぐ。
3煎くらいで淹れ切るつもり。
グラスポットで抽出して、程良いタイミングで茶海に移す。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
いろいろ試したところ、
「小さめの蓋碗」+「ぬるめの湯」でもこの紅茶なら香りが引き出せることがわかった。しかし、やや酸味が立つ。やはり蓋碗に比べると湯の多めに入るポットのほうが温度が保たれて甘味が抽出しやすい。
1煎めは、ゆっくり。
茶葉が開くのにちょっと時間がかかる。湯が澄んだ山吹色になったところで茶海に注ぎ切る。(上の写真は煮出しすぎの色。まろやかなので、これでも美味しく飲めるがもったいない。)
2煎めは、さっと。
茶葉が開いてきているので色の出が早い。やはり山吹色くらいの頃合い。
3煎めは、じんわり。
山吹色になるのにちょっと時間がかかる。
4煎めは、好き好き。
味わいは薄れても穀物系のふくよかな甘味があり、霞のかかったような香りはむしろ強く出て楽しめる。
飲んで、酔って、覚醒して、浸る。
身体の中の潮の満ち引きを楽しむのに最短で30分。
途中で分断するような茶菓子なしでお願いします。
携帯電話はオフにしておいてください。

ひとりごと:
鯖寿司の店のこの居心地。
いず重

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その8.

巴達古樹紅餅2010年紅茶
製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー上海ー日本 紙包み+紙箱
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
小さめの白磁の茶壷にゆるめの湯。

お茶の感想:
えらいこっちゃ。
今日からいつもの茶器を変える。湯の温度も変える。
小さめの蓋碗にする。85度くらいの湯にする。
このブログでしている「試飲」は、いつもの大きめの白磁の蓋碗と沸きたての熱い湯がベースとなって、ある意味で「採点基準」・「評価基準」を自分の中につくっていた。
実際、大きめの蓋碗と熱い湯は理にかなっている。
  • 雲南大葉種の大きめの茶葉の納まりがよい。
  • 大きめの茶器に合う茶葉の量+湯の量は質のブレを軽減する。
  • 良いも悪いも抽出する熱い湯は味を見やすい。

蓋碗
このベースを変えると、お茶の味が変わり、評価が変わるから怖いわけだ。自分の言ったことを否定したり、お茶の味の評価システムをまた一から組み上げることになる。
東方美人
事の発端は『東方美人』だった。
昨日の茶席の、隣の部屋を横眼でちらちら見ていたら、小さな青磁の茶壺と小さな杯、そしてアルコールランプのとろ火で保温するぬるめの湯、この組み合わせで茶師の人が台湾のお茶を淹れていた。
『東方美人』が茶譜に出ていた。
青茶(烏龍茶)の一種であるが、このお茶『巴達古樹紅餅2010年紅茶』『紫・むらさき秋天紅茶2011年』に製法の共通点がある。台湾のお客様から『巴達古樹紅餅2010年紅茶』にいただいた感想に、『東方美人』との比較が書いてあったのはそのため。
『東方美人』はウンカと呼ぶ虫が茶葉をかじって香りが変わる・・・という謂われがあるが、巴達山の古茶樹にもウンカはよく見る。逆にウンカの居ないことなんてありえない生態環境なので、その効果に気付くことはないだろう。
ちょっと比べてみようじゃないかと思い立って、茶師の人にお願いした。
しかし、茶器は小さく湯はゆるい。このお茶のポテンシャルを引き出すのは無理だろうと思ったが、あっさり美味しくなった。それどころか明らかに優れている。優劣をつけるのはアレだが、香りも旨味も喉越しも輝きがちがうのだからわかりやすい。
こりゃいかん。
すぐにこのお茶もあのお茶も試してくださいとお願いした。
紫・むらさき秋天紅茶2011年
易武古樹青餅2010年プーアル茶
ちゃんと香りが出て、ちゃんと味わえるという点で、大きめの蓋碗と熱い湯で淹れたときとなんらかわらない。
「ちょっと傾けてもらえますか?」とお願いして長めに煎じてもらっても、ちゃんと隠れていたところが出てくる。白磁の茶壷かもな・・・という一点の謎は残るが、少ない茶葉とぬるい湯でちゃんと試飲できるということが証明されてしまった。
しばらくこの組み合わせでやるしかない。

ひとりごと:
小さな蓋碗は、茶師の使っていた茶壺と容量がまったく同じ。
酒猪口
小さめの茶杯がないので、酒猪口をつかう。

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その7.

巴達古樹紅餅2010年紅茶
製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー上海ー日本 紙包み+紙箱
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
グラスポット500ml+地下水でつくったアイス

お茶の感想:
茶席だった。
(参加者のみなさま暑いなかありがとうございました。)
最初に出した紅茶+アイス。
【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
これがいちばん光った。
砂漠を歩いてきたひとのコップ一杯の水となった。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
「銘柄や年代はあとから伝えますので、茶葉だけを見て好きなのをふたつ選んでください。それにあわせて私がひとつ選びます。」というシステムにした。
これは失敗だった。
やはり天気や時間や相手を見てお茶を選ぶべき。お茶選びにも美意識がいる。

ひとりごと:
茶席
キレイにつくるのはつくり手のエゴだ。
お客様と話をしてますます確信した。
ここでも話していたし、
【版納古樹熟餅2010年 その3.】
ここでも似た話をしていたけれど、
【漫撒古樹青餅2013年・青印 その3.】
キレイにつくることと美味しいこととはなんら関係がない。
お茶だけじゃない。
キレイにつくることが正しい。キレイにつくるのは上等。こうしたつくり手や売り手の傲慢がどれだけ魅力のある味覚を世の中から消してきたことだろう。その傲慢に気付かずに、良かれと思ってやっている。そのほうが楽だからだ。自分を疑うのはしんどい。

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その6.

巴達古樹紅餅2010年紅茶
製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー上海ー日本 紙包み+紙箱
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
ボダムのグラスポット600ml+市販のアイス

お茶の感想:
蒸し暑いところを汗をかきかきお茶会に足を運ばれて、
喉が渇いたところに熱いプーアール茶。それは無茶だ。
というわけで、紅茶+アイスをはじめに出そうかと思う。
【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
自分はめったに冷たいお茶を飲まなくなったのだけれど、大きめのポットに熱湯で煮出しぎみに淹れたときのこの紅茶のラベンダーのような香りが、アイスにしたらどうなるのか?というのが気になる。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
熱いお茶ほど香りはふくらまない。けれど、冷たい渋味がなんともサッパリ。鼻に抜けるミントな香りにも清涼感がある。これで大丈夫と思う。

ひとりごと:
お茶会準備。
お茶会準備
「ふだんはどんなお茶飲まれているのですか?」
このブログを見てのとおりで、ふだんから自分のところのお茶を試して、茶山や農地の特性を見つけたり、製法と味の関係を見つけたり、熟成のすすみ具合をみたりして、それだけでお腹たぷたぷになっている。低血糖をおこしてふらふらなこともよくある。
繊細なところに気付くためにはもっと短い期間に同じお茶を反復して飲んだほうがよくて、そうなると今あるお茶の数だけでもいっぱいっぱいで、これ以上増やせない。
季節になって西双版納のアパートに待機して、たとえば数日後に南糯山へ行くとしたら、その数日間は手元にある南糯山のサンプル茶葉を片っぱしから飲んで、農地の違い・古茶樹と茶畑の違い・季節の違い・製茶の違いなどなどを知り、農家に行ってぱっと飲んだらぱっとわかるようにしておく。そうしないとヘンなお茶をつかむ。
だから僕は、「あの山のこのお茶」だとか「あの年代のこの銘柄」だとか部分的なところでかなりエキスパートになっていると思うが、プーアール茶全般についてなにかを語れるような立場ではないのだ。
お茶会大丈夫かな・・・。

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その5.

巴達古樹紅餅2010年紅茶
製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 日本 紙包み+紙箱
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
ボダムのグラスポット1000ml

お茶の感想:
それならば、
もっと大きなグラスポットならどうか?
耐泡(煎がつづく)なんて考えないで、一発で煮出すよう茶葉を少なめにする。
ポットをしっかり温めておいてたっぷりの湯を注ぐ。
蒸らし時間に5分ほどかかっただろうか。それでも湯は冷めない。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
こうなると精彩に欠く。
味はぜんぶある。香りもある。
しかし、なぜか風味が弾まない。
おそらく煮出しすぎ。
350〜600mlサイズのグラスポットで3回くらいで抽出する湯の量と茶葉の量、そして蒸らし時間。これがこのお茶にとってのベストバランスということになるだろう。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
このお茶は巴達山曼邁寨の古茶樹。
およそ400年前に布朗族が新しい村「曼邁寨」をつくったときに森に茶果(種)を植えて増やしたと推測している。茶花が咲いて種を宿すたびに曼邁寨の森に適応して進化(変化)を遂げてきた茶樹は、西双版納の布朗族のかかわる他の茶山の中ではやや小さめの新芽・若葉を産む。それでも、例えば雲南紅茶でいちばん有名な「デン紅」の鳳山茶区の茶葉よりも大きいし、太いし、厚い。
単純に形状だけみても、品種の個性が泡茶に調整を求める。
さらに、揉捻、発酵度、圧延具合によっても抽出スピードはちがってくるから、古茶樹でつくられたお茶はひとつひとつに淹れ方がある。
それを不便と思うか、面白いと思うかによって、お茶は異なる姿を現す。

ひとりごと:
割烹と酒
日本酒と割烹
酒も異なる姿を現す。


茶想

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