プーアール茶.com

弯弓古樹青餅2014年 その5.

製造 : 2014年05月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)弯弓
茶廠 : 曼撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶崩し
保存 : アルミ茶缶密封
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水 
茶器 : マルちゃんの茶壺・清代の茶杯
弯弓古樹青餅2014年
弯弓古樹青餅2014年
弯弓古樹青餅2014年

お茶の感想:
およそ200年間も手付かずだった森の自然環境が崩れてゆく。
+【弯弓について考える】
「森を守るよい方法があればと思います。」
というお客様のコメントに、ふと気がついた。
やはり、森は守れないだろう。
もしも、お茶づくりで森が守れるとしたら、それは望んでいなかった人工的な結果になる。土地の所有という概念を利用したり、人の知識のほんの一部だけの自然をコントロールするだけで「有機栽培」・「自然栽培」と謳ってみたり。
それで騙せるのは人間の頭だけで、自然は騙せないだろう。自然の一部である人間の身体さえも。
茶葉の需要があるかぎり、森は後退をつづけて、お茶はある種の味を失ってゆく。クスリの役割をしなくなる。
歴史は繰り返され、いつかまた、人が森に近づかなくなる時代がくる。
そしてやっと元に戻る。
そういうものなのだ。
人間の思い通りにならないからこそ自然。
人間は神様を守る立場にはいない。
たとえ国が所有の権利を主張して、そこを立入禁止にしても、管理しきれないだろう。森は地球のものだから、地球に所属して生きるこの一帯の山岳民族は自由に出入りする権利がある。
今日のお茶。
+【弯弓古樹青餅2014年】
弯弓古樹青餅2014年
弯弓古樹青餅2014年
弯弓古樹青餅2014年
茶杯は清代の景徳鎮。
茶托は錫で同時代の中国のもの。
茶盤はヒバで水野さんの加工。
茶壺はチェコの土でマルちゃんの作。
お茶は漫撒山弯弓の森。

ひとりごと:
「外側に向いている意識を、内側に向けましょう。」
ヨガの言葉。
だんだん意識が自分の中に戻ってくる。
自分の声が自分に話しかける。
美味しいお茶ができるのは偶然で、不味いお茶ができるのは必然。
さあ、仕事しよ。

祈享易武青餅2014年 その6.

製造 : 2014年04月02日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山一扇磨
茶廠 : 上海廚華杯壷香貿易有限公司監製
工程 : 生茶のプーアール茶
形状 : 餅茶357gサイズ
保存 : 上海 紙包+竹皮+紙箱
茶水 : 京都御所周辺の地下水
茶器 : 小さめの蓋碗
祈享易武青餅2014年
祈享易武青餅2014年
祈享易武青餅2014年

お茶の感想:
単樹のお茶、風道のお茶、陰涼のお茶、これらを味わうのはお菓子もお喋りも無いのが望ましい。
静かに味わう。
茶葉の様子を観察したり、お茶が注がれる水の音を聞いたり、淹れる人の呼吸を感じたり、道具や茶器の味わいを味わったり、部屋の空気や光にある今日の天気を想ったり、ほんの些細なそれだけのことがお茶の味と一体となって宇宙が広がり、芸術が生まれる。茶葉に記録された自然界のメッセージが身体に浸透して解読される。
甘いお菓子に出るお茶や、お喋りのお供になるお茶は、ハリウッド映画のようにガチャガチャ人の心をかきたてる。たまにはそんなのも良いけれど、しょっちゅうになったらどうだろ。
糖分を必要とする騒がしい心。
お喋りで発散したくなる糖分の満タンの身体。
もしも静かにするのが落ち着かなくて気持ち悪いとしたら、それは病気の一歩手前のサインと思ってみてはどうだろ。
自分のことを言うと、西双版納やタイのチェンコーンにいるときはいともカンタンに静かになれるのに、上海では難しい。ちょっと時間が空いても、静かにお茶するよりも、なにかもっと興奮を求めている。集中力に欠けている。
食べもののせいもあると思うので、次回はもっと気をつけたい。
とにかく、お茶の味を鑑賞する態度は、人の心を映す鏡になる。
うすうす自覚しているけれど、静かにお茶を飲んで味わうことの経験がつぎのお茶づくりにとても大事な工程となっている。
自分自身を整える。
まずはそれを意識することから。
つぎのお茶づくりは始まっている。
今日のお茶。
+【祈享易武青餅2014年】
祈享易武青餅2014年
祈享易武青餅2014年
祈享易武青餅2014年
祈享易武青餅2014年
上海で今年の2015年の春の作品を飲む機会があった。
作者は今年のほうが良いと言うけれど、ちょっと雨の味がしていた。今年の春の天気が影響している。鮮葉にも製茶にも保存にも。
今日、2014年のを改めて飲んでみると、やはり乾いた空気の軽快な味がする。製茶時の湿度も気温も比較的低かったことだろう。晒青毛茶が圧延されるまでの1ヶ月間は雨の少ない乾いた空気の中で保存されただろう。
どちらがどうと言うよりも、お茶の味や体感を通してそれぞれの美さを探る。
しっとり仕上がっている雨の味のお茶は、身体へのアタリがやさしかった。

ひとりごと:
雨の日の音楽。
+【Ambient Mix #2 Steve Gibbs】

漫撒三家青餅2014年・秋天 その3.

製造 : 2014年10月28日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山三家寨古茶樹
茶廠 : 易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 上海 密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : 小さめの蓋碗
漫撒三家青餅2014年・秋天
漫撒三家青餅2014年・秋天
漫撒三家青餅2014年・秋天

お茶の感想:
茶葉にはすべてが記憶されている。
天気の言葉。山の言葉。茶樹の言葉。製茶の言葉。熟成の言葉。
小さな茶葉のミクロの組織にすべてが織り込まれている。
お茶を淹れて飲むというだけで、どうやって解読するのか?
ひとことで言えば観察なのだ。
色、カタチ、質感、温度、香り、味、体の変化、気持ちの変化、などなど。
とくに湯を注いでからの茶葉の変化に注意。
わかりにくければ、別のお茶と比べてみる。
例えば春のお茶と秋のお茶。
今日はこのお茶でレクチャー。
『漫撒三家青餅2014年・秋天 』(卸売部に出品中)
漫撒三家青餅2014年・秋天
漫撒三家青餅2014年・秋天
漫撒三家青餅2014年・秋天
漫撒三家青餅2014年・秋天
わかるかな。

ひとりごと:
章老師の工作室
お茶を売るという仕事は、お茶をよく知っている人を対象にしてはいけないのだな。お茶をよく知らない人のほうがいろいろ買うし、たくさん買うから。
よく知っている人は、買うに値するお茶なんて世の中にほんの少ししか無い。
よく知らない人は、どんなお茶もそれぞれに美味しくて、どれを買おうか迷うくらいある。
だいたいにおいて前者が男性で、後者が女性なのだ。
生きている世界が違うのかな・・・。

易武単樹青餅2014年・秋天 その2.

製造 : 2014年04月12日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山老街古茶樹の単樹
茶廠 : 易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
易武単樹青餅2014年・秋天

お茶の感想:
このお茶は180gサイズの餅茶。
6枚つくって5枚を出品し、すぐに完売した。
+【易武単樹青餅2014年・秋天】
易武単樹青餅2014年・秋天
易武単樹青餅2014年・秋天
秋の茶葉にしてこの水質。
すばらしく健康な育ちを感じさせる。
昨年から追いかけている森の深いところで育った茶樹ではないが、味にはそれに近い雰囲気が現れている。
長年人の手の加わった農地であっても、自然栽培を徹底して、采茶のタイミングをちゃんと計って、茶樹をいたわる摘み方を管理すると、数年でここまで回復するのだから、植物の生命力はすごい。
この茶樹を管理するのは易武山の製茶業者で、経営的にも成功していて、希望の光が見える。
このクラスのお茶にもっとファンを増やして、自然破壊を促進する中途半端な高級茶の需要にブレーキを掛けたい。
易武単樹青餅2014年・秋天
こういうお茶は表に流通しない裏アイテムだった。
易武山の製茶業者から老舗の小売店にちょっとずつ。小売店から常連のお客様にちょっとずつ。少なすぎて商売にならないから、また、その違いのわかるお客様も少ないから、どうしてもそうなる。
けれど、これからはもっと積極的に表に流通させるべきだと思う。少ないながらも、なんとか少しずつ生産量を増やして、小売店はファンを増やす努力をして、ちょっとは稼げるアイテムに育てるのだ。
お茶づくりの現場では、付き合いのある農家からまずこれをやってもらいたいと思っている。品質を無視してたくさんつくるしか脳のない農家の経営を変えたい。
漫撒山丁家老寨の単樹
この写真は、漫撒山丁家老寨を歩いて歩いて、農地の隅っこに見つけた野放しの一本。今春はタイミングが悪く、采茶の直前に雨が降って逃した。秋にもう一度チャンスを伺いたい。

ひとりごと:
このクラスの茶葉にもっと集中したい。
ひいては、店の運営に関わるあらゆる経費や雑務を見直したいと考えている。
具体的には、この夏くらいに上海事務所の荷造り・発送業務を休止する方向で調整するつもり。
例えば、年に何度かだけ注文と発送をするとか。

革登単樹秋天散茶2014年 その3.

製造 : 2014年11月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明革登山大葉種古樹・単樹 
茶廠 : 革登山農家
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海 密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
革登山春天散茶2015年プーアル茶
革登山春天散茶2015年プーアル茶
革登山春天散茶2015年プーアル茶
革登山春天散茶2015年プーアル茶
革登山春天散茶2015年プーアル茶

お茶の感想:
2015年春の革登山は空振りに終わった。
出品なし。
+【革登山春天散茶2015年 その1.】
今日は昨年の秋のお茶と春のお茶の飲み比べ。
革登単樹秋天散茶2014年と革登山春天散茶2015年
革登単樹秋天散茶2014年と革登山春天散茶2015年
革登単樹秋天散茶2014年と革登山春天散茶2015年
革登単樹秋天散茶2014年と革登山春天散茶2015年
革登単樹秋天散茶2014年と革登山春天散茶2015年
革登単樹秋天散茶2014年と革登山春天散茶2015年
左: 革登単樹秋天散茶2014年
右: 革登山春天散茶2015年
水質の滑らかさ柔らかさでは春茶。
しかし、香りは秋茶。お色気ムンムンな感じ。
茶摘みのタイミングが良かったのだと思う。

ひとりごと:
今年の春のお茶の出品を待ってくださっているお客様へ報告すると、現時点では生茶4種と紅茶3種。そのうち生茶2種と紅茶2種は希少なタイプ。
生茶はもう1種か2種増やしたいので交渉中。
店長自らつくった生茶「風の道」のはお蔵入りにしたい。

倚邦古樹青餅2014年・明後 その8.

製造 : 2014年05月15日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明倚邦山小葉種古樹
茶廠 : 曼撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納景洪市 紫砂陶器の茶缶
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
倚邦古樹青餅2014年・明後プーアル茶
倚邦古樹青餅2014年・明後プーアル茶

お茶の感想:
倚邦のお茶は誰にもわかりやすい美味しさ。
+【倚邦古茶樹 写真】
今日はこのお茶。
『倚邦古樹青餅2014年・明後』(卸売部に出品中)。
そろそろ春のお茶づくりの作戦を立てたい。
春と秋を比べた。
倚邦古樹青餅2014年・明後と倚邦古樹青餅2014年・秋天
倚邦古樹青餅2014年・明後と倚邦古樹青餅2014年・秋天
倚邦古樹青餅2014年・明後と倚邦古樹青餅2014年・秋天
倚邦古樹青餅2014年・明後と倚邦古樹青餅2014年・秋天
倚邦古樹青餅2014年・明後と倚邦古樹青餅2014年・秋天
倚邦古樹青餅2014年・明後と倚邦古樹青餅2014年・秋天
左: 倚邦古樹青餅2014年・明後
右: 倚邦古樹青餅2014年・秋天
春のお茶は、舌にまろやか。味はしっかり。水質が緊密で、香気が立ち、茶気の見えないエネルギーの炎がメラメラしている。
秋のお茶は、舌にほどよい刺激。味はしっかり。水質に粒子の質感があり、香気が穏やかで、茶気のチカラが抜けている。
秋のお茶で十分だよな・・・。

ひとりごと:
茶気の強い新しい生茶が、上海では飲まれなくなってきている。
茶気が嫌われている。
もっとわかりやすく言うと、生茶のプーアール茶が売れていない。
この事実をしっかり受け止めたい。

弯弓古樹青餅2014年 その4.

製造 : 2014年05月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)弯弓
茶廠 : 曼撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包+陶器の茶缶
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
弯弓古樹青餅2014年と祈享易武青餅2014年

お茶の感想:
このお茶と、
+【弯弓古樹青餅2014年】
このお茶と、
+【祈享易武青餅2014年】
飲み比べ。
弯弓古樹青餅2014年と祈享易武青餅2014年
左: 弯弓古樹青餅2014年
右: 祈享易武青餅2014年
同じ3.2gを計量したが「弯弓」のほうが小さく「祈享」のほうが大きい。
その理由は後に葉底を確かめる時にわかる。
鼻を近付けると、「弯弓」は圧餅後に太陽光で乾燥させているので、太陽で焦げた臭いがある。田舎臭いというか、素朴というか、ちょっと野暮ったい香り。「祈享」は50度以下の温風乾燥で、爽やかな緑茶っぽい香り。
弯弓古樹青餅2014年と祈享易武青餅2014年
弯弓古樹青餅2014年と祈享易武青餅2014年
弯弓古樹青餅2014年と祈享易武青餅2014年
弯弓古樹青餅2014年と祈享易武青餅2014年
弯弓古樹青餅2014年と祈享易武青餅2014年
弯弓古樹青餅2014年と祈享易武青餅2014年
茶湯の色は「祈享」のほうがやや緑を残して明るい。
水質のキメ細かさは「弯弓」。
舌触りと喉越しがやわらかく、上質のオリーブ油のように滑る。「祈享」もかなり良いが、比べると若干キメが粗い。
製茶の精度は「祈享」。
味も香りも清くて涼しい。
「弯弓」は花のような甘い香りが出るが、これは製茶の粗からきたオマケみたいなものであると、この2つの飲み比べてわかる。「祈享」の香りは花のような変化はなく、実直な緑茶っぽい香り。それもほんの少し静かに漂うだけで、まったく主張しない。緑茶っぽく仕上がった生茶にありがちな、糖質の焦げた香りも無い。
甘い香りのしないほうが、スッと口になじむような気がする。
易武山の生茶の上等にあるとされる「蘭香」は、弯弓の甘い香りそのものであるが、しかし、烏龍茶でも緑茶でもない生茶のプーアール茶ならではの美学を追求すると、甘い香りは無くてもよいかもしれない。
単独で飲むと「弯弓」に魅力を感じて、口数の少ない「祈享」にはちょっと物足りなさを感じるだろう。しかし、こうして2つを飲み比べると、甘い香りは口に溶ける親和性の邪魔をするような気がする。最近ちょこっと話題にしている消えの早さに欠ける。
上善如水は「祈享」に分がある。
耐泡(煎が続く)はほぼ同じ。味はどちらも6煎くらいで下り坂になるが、水質と香りはどちらも10煎以上いける。
弯弓古樹青餅2014年と祈享易武青餅2014年
弯弓古樹青餅2014年と祈享易武青餅2014年
左: 弯弓古樹青餅2014年
右: 祈享易武青餅2014年
葉底(煎じた後の茶葉)は「弯弓」が厚く「祈享」は薄い。
ピンセットと指で茶葉を広げるときに、「弯弓」はそうカンタンに破れないが、「祈享」は気をつけないと破れる。
「祈享」は圧餅をゆるく仕上げてあるので、茶葉と茶葉の隙間が大きい。崩した茶葉の体積が大きいのはそのせい。
圧延をゆるくするのは、おそらく蒸し時間を短くしたいからだろう。茶葉の成分の持つ粘着力を引き出せないので、自ずと圧延がゆるくなる。味に透明感を出す秘密がここにひとつある。
餅茶になってからの空気の通りが良いので乾燥が早いため蒸れない。逆に言えばこの蒸れが「弯弓」の甘い香りにつながっていたと言える。ただ、空気の通りの良い餅茶は長期保存に影響すると思うが、まだ1年足らずなので差がわからない。
グラムあたりの価格はほぼ同じ。
(茶葉の質の良し悪しは価格が正確に物語る。)
この『弯弓古樹青餅2014年』の原料の茶葉は、弯弓の中では香りの強いほうだった。単樹の個性が出ている。今思い出してみると、サンプルで集めていた中にはもっと静かなのがあった。なので、もしかしたら弯弓の茶葉でも「祈享」のような静かな語り口のお茶がつくれるかもしれない。しかし、山深い弯弓に製茶場を建てない限り、これ以上製茶の精度を高めるのは難しいだろう。弯弓から徒歩とバイクで鮮葉を持ち帰るのに2時間半はかかる。その間の袋の中で望まない変化が起こる。
この変化を嫌うお茶づくりは、少なくとも過去60年ほどの間にはされていない。その点で「祈享」は新しい試みのある、未知の部分の多い高級茶と言える。
体感の変化の差は、2つの飲み比べではわからないから、別の機会に1つずつ飲んで確かめたい。

ひとりごと:
白磁の蓋碗
白磁の茶器。
清潔感があって美しい。

祈享易武青餅2014年 その4.

製造 : 2014年04月02日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山一扇磨
茶廠 : 上海廚華杯壷香貿易有限公司監製
工程 : 生茶のプーアール茶
形状 : 餅茶357gサイズ
保存 : 上海 紙包+竹皮+紙箱
茶水 : 京都御所周辺の地下水
茶器 : 小さめの蓋碗

お茶の感想:
上海でいろんなお茶ファンと交流した。
その中に、烏龍茶づくりの経験の深い老師がひとり居て、このお茶を飲んでもらった。
+【祈享易武青餅2014年 その1.】
当店の『郷古樹青餅2014年』と、2つを同時に飲み比べてもらった。
+【瑶郷古樹青餅2014年】
祈享易武青餅2014年プーアル茶
同じ地域の古茶樹の生茶のプーアール茶で、2014年の春摘み。
そう言うだけで、それ以外に説明はしなかった。
はじめの1煎・2煎は、『瑶郷古樹青餅2014年』の製茶の良さを褒めていた老師だが、3煎めくらいから『祈享易武青餅2014年』の茶葉の育ちのことを言い出す。
最後にこう言った。
「このお茶とこうして比べて飲んだら、どれも勝てないだろう。」
サラッと言ったのだけれど、聞き逃さなかった。
自分もこの飲み比べでそう思った。
3煎め・4煎めと、どんどんその差が広がってゆくように感じる。
『祈享易武青餅2014年』のほうがより野性的に育った茶葉のように感じる。
『瑶郷古樹青餅2014年』の山は見ていないが、その近くまで足を運んでいるし、お茶の味から山の環境や茶樹の状態が想像できる。
山の環境にそれほど大きな差は無いはず。
しかし、栽培の手入れの厳密さという点で、ラオスの瑶族のは甘いだろうことが、これもラオスと中国を行き来している瑶族たちとの交流や、その仕事を見ている経験から想像がつく。
『祈享易武青餅2014年』のほうが老叶子(成長した大きな葉)を落として「熟した枝」をつくる仕事をしっかりしているはずだ。
栽培に人の手を加えいるという観点では、ラオスのお茶よりも人工的なのに、なぜこのほうが野性的なお茶の味の魅力を残しているのか?
そこが今回の注目するところ。
このように推測してみた。
野生に育った茶樹は、茶摘みをした瞬間から体質を変えてゆく。進化の始まりということもできる。お茶が売れると、また次の季節も茶葉が摘まれる。どんなに人里離れた深い森であっても、茶葉が摘まれると、実際には野生茶樹ではなくなってゆくのだ。
ひとつが変わると全てが変わる。
茶樹という生きものの体の仕組みというか、システムというか、サイクルというか、そういうふうにできているのではないだろうか。
この変化がさらに進むのを止める。あるいは、あまり変化しなかったかのように錯覚させる。それが「熟した枝」の栽培技術なのかもしれない。
熟した枝についてはこのページを参考。
+【漫撒古樹青餅2013年プーアル茶 その2】
中途半端ではダメなのだろう。
一度でも摘んだかぎりは、元に戻るよりも、盆栽の手入れのように徹底的にやったほうが、より自然な状態を維持することができる。
この仕組を見つけた瑶族の観察眼はすばらしい。けれど、仕事として続ける持続力が瑶族にはない。
移動の民が稲作で定住化してゆく。
この変化もまた「ひとつが変わると全てが変わる」という仕組みで、あらゆることを変えていったのかもしれない。衣・食・住も、道徳・思想・宗教も、あらゆることが違ってくる。しかし、移住にしても定住にしても、自然とともに生きるという姿勢は同じなのだ。
まだ推測の域を出ないが、たぶんそうだ。
今年の春にはこのことを確かめる機会があると思う。

ひとりごと:
上海に滞在中も「ひとつが変わると全てが変わる」だった。
上海のお茶ファンたちは忙しくて、スマートフォンを片手にしながらお茶を飲む。心ここにあらず。
でも、お茶を楽しむという姿勢は同じ。
自分もまたなにかと忙しく感じていて、ブログの記事を書いたりヨガをしたり読書をしたりのいつもの習慣が持続できなかった。
でも、お茶を楽しむという姿勢は同じ。
いろいろ学んだから、ちょっとずつシェアしたいと思う。

祈享易武青餅2014年 その3.

製造 : 2014年04月02日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山一扇磨
茶廠 : 上海廚華杯壷香貿易有限公司監製
工程 : 生茶のプーアール茶
形状 : 餅茶357gサイズ
保存 : 上海 紙包+竹皮+紙箱
茶水 : 京都御所周辺の地下水
茶器 : 小さめの蓋碗
庭

お茶の感想:
易武山の甘いお茶。
ときどきこう表現しているが、実は正しくないかもしれない。
なぜなら、現代の人に「甘い」という言葉から連想されるのは、糖分由来の甘味だから。
甘味にもいろいろある。
易武山のお茶のように、ほんとうは無いのに在ると錯覚して、脳が無意識に美化した甘味を投影してしまう場合は、それと同じ甘味を現世に見つけるのは難しいだろう。
昔の職人は、文字や数字にそれほど頼ってはいなかったから、無いはずの甘味を在ると認めて、大事にしたことだろう。
見えない神様・仏様を祀るのと似ているだろうか。
現代の職人は、場合によっては大学で勉強したりして、成分分析の結果、アミノ酸や糖度の高いお茶をつくりかねない。
いや、つくったのだ。
茶の栽培の歴史は、品種改良の歴史でもある。長い長い年月をかけて、人の嗜好に合うような茶樹を選び、結果的に茶樹の体質を変えてきたのだ。
人の嗜好もまた、思想・哲学・宗教・人生観・世界観とともに変わってきている。
感覚でしか捉えられないもの。
見えないものを認めるチカラ。
言葉や数字でまだ証明されていないことについては、昔の人のほうが感性豊かに楽しめたに違いない。
今日はこのお茶。
+【祈享易武青餅2014年 その1.】
祈享易武青餅2014年プーアル茶
味も香りもあるのだけれど、あえて味も香りも無いと表現するのは、現代の人を意識しているからだろう。「昔の人の味覚を対象にしたお茶づくり」と言いながら、そういう自分も立ち位置を変えるのには時間がかかる。
ちなみに、どのくらい昔の人がターゲットかというと、江戸時代(1603年ー1868年)。
まずは落語を聞くところから始めたい。江戸時代の人々が活き活きと描かれている落語。熊さんハっつあんの美味しいと感じるお茶の味。

ひとりごと:
当店のお茶会では資料を出さない。
資料に書いたことだけがチカラを持つから。
資料を出すとお客様はそれで勉強した気になれるから。
学習して記憶して、テストに合格する。
時間をかけてお金をかけて、それに見合うなにかを得て帰る。
我々はそういうことに慣れている。
専門用語を交えた言葉で他人に説明できたり、どこの学校を出てなにかの資格があるというのは便利だけれど、それって学問じゃない。
プーアール茶ドットコムお茶会
日置桜
思想・哲学・宗教・人生観・世界観。
すべてがお茶の味をつくるのだ。

易武荒野青餅2014年・秋天 その3.

製造 : 2014年10月28日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山老街野放古茶樹
茶廠 : 易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納―上海
茶水 : 京都御所周辺の地下水
茶器 : 小さめの蓋碗

お茶の感想:
秋のお茶の味わい。
やっぱりある。
ゆっくり沈んでゆくような茶気。
甘味・旨味のうっすらノッた豊潤な味。
舌に溶けるやわらかな渋味・苦味。
冬の身体に湯の熱とともに沁みてゆく。
『易武荒野青餅2014年・秋天』(卸売部に出品中)
易武荒野青餅2014年・秋天プーアル茶
前回のお茶会に、夫婦で来られたお客様に、今年の春の生茶と秋の生茶の順番に出してみたら、秋のお茶にホッとするものがあり、「あぁー」と小さなため息が漏れた。
中国茶は淹れる側もいっしょに飲んで味わう。
同じ味わいを味わう。
同じ景色を見るように、お茶の味にシンクロする瞬間にはいつも心が温がまる。
そんなときには、「味は個人によって感じ方が異なる・・・」みたいな冷め方はしないし、重箱の隅をつつくような排他的な鑑定もしない。
茶商としての立場からは、飲む人を満足させたいとか、感動させたいとか、びっくりさせたいとか、そういう欲があるけれど、商人として成熟してゆくと、人の心をみだりに刺激しないやさしさを大事にできるのかもしれない。
ちゃんとしたお茶なら、別に、美味しい!と言われなくてもよいし、お茶のことをよく知っている人と思われなくてもよいのだ。
秋のお茶はそんなお茶。

ひとりごと:
たぶんそれは家庭の味に似ている。
チェコのクリスマスの手づくりパン「ヴァーノッチカ」もそんな味だった。
ヴァーノッチカ
おばあちゃんから伝わるレシピ。家によって少しずつ違うらしいけれど、おそらくこのパンにはまだ美味しすぎない美徳が守られているような気がする。
私が!私が!と自己主張の強いコマーシャルフードやコマーシャルドリンクはあっちへ行け。


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