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倚邦単樹春の散茶2015年 その2.

製造 : 2015年03月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明倚邦山中葉種古樹
茶廠 : 曼撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海ステンレス茶缶
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : マルちゃんの片口と茶碗
倚邦単樹春の散茶2015年
倚邦単樹春の散茶2015年
倚邦単樹春の散茶2015年

お茶の感想:
台湾の「高山茶」が上手な宣伝によって人気が出て、海抜の高いところほど上等な風味があるような印象を与えたことが影響してか、西双版納のお茶にもそれを求めようとする声を聞くことがある。しかし、「高山」はどの地方にも通じる良さではない。
西双版納のお茶は海抜1300メートルから1700メートルくらいまでが良くて、それ以上になると風味が痩せる。単調になる。
これは茶樹の品種特性が関係している。
西双版納の原生の品種は基本的に寒さに弱い。海抜1800メートルを超えると気候が変わって、涼しく乾燥した環境になる。植物の種類が減る。昼夜の気温の変化が大きくなる。太陽の紫外線が強くなる。カンタンに言えば気持よく生きられる環境ではなくなる。
周囲の森林が濃く深く、多少涼しくても湿度・気温が一定に保たれた温暖な環境に気持ちよく育つ品種。おそらく湿度・気温の条件だけではなく、そこに生きる植物たち動物たち細菌たちとも共生の関係を築いて生きていることだろう。
そんな生態環境が西双版納の海抜1300メートルから1700メートルにできやすいというだけで、場所によっては例外もあるから、海抜何メートルという数字で茶の質の善し悪しが決められるものではないのだ。
森があってこそ気持ちよく生きられる茶樹。
茶樹が気持よく生きているかどうかは、お茶の味や飲んだ後の体感に現れる。その差は、ちゃんとしたサンプルで飲み比べたら誰にでも分かる。気持よく育った茶樹のお茶は、飲んでも気持ち良い。自然の法則は素直なのだ。
今日はこのお茶。
『倚邦単樹春の散茶2015年』。
倚邦単樹春の散茶2015年
生茶のプーアール茶という製法が生まれたとされる400年くらい昔の西双版納の貢茶創成期に、北の地方からの改良品種(おそらく烏龍茶の品種)を持って来たと思われる小葉種の茶樹が今もある。
なぜこの品種で烏龍茶をつくることにならなかったのか?
なぜ晒青毛茶(天日干しで仕上げる緑茶)を蒸して圧延する「青餅」というお茶が完成したのか?
ずっと不思議に思っていたが、今、森の環境に適応した品種のことを書いて、ふと閃いた。
先祖返りしたのじゃないだろうか。
茶樹の故郷である西双版納からラオスやミャンマーにかけての森から、種や苗が運ばれて、長い長い年月をかけて世代交代しながら、それぞれの地方の土質や気候や生態環境に適応した品種特性が形成されて、バラエティー豊かになっていった。とすると、逆もあるよな・・・。
茶樹が故郷の森に帰る。
たぶん台湾の高山茶も種を持ってきて蒔いておいて何世代かしたら、高山茶らしさは失って、森のお茶になっていることだろう。
倚邦単樹春の散茶2015年
倚邦単樹春の散茶2015年
マルちゃんの茶碗と上海の坊
マルちゃんの茶碗と上海の坊

ひとりごと:
良いお茶とはどんなお茶か。
売り手がそれを説明するとき、あるいは、買い手がそれを解釈するときに、わかりやすさに逃げる。
これは人間の弱みだと思う。
お茶づくりの現場、お茶を売る流通、お茶を淹れて飲む場面で、人間の弱みについて考えてみる機会がある。
倚邦単樹春の散茶2015年

一扇磨単樹B春の散茶2015年 その3.

製造 : 2015年03月20日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)一扇磨
茶廠 : 漫撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : マルちゃんの片口と湯飲み
一扇磨単樹B春の散茶2015年
マルちゃんの片口
マルちゃんの片口
器を温めるために湯飲み半分くらいの熱湯をつかう。これも飲む。

お茶の感想:
朝一番はこのお茶。
『一扇磨単樹B春の散茶2015年』。
一扇磨単樹B春の散茶2015年
片口は湯が冷めるのが早いので、ぬるいお茶が飲める。
一煎めはしっかり熱い湯で抽出して、それ以降は片口に茶湯を残したまま熱湯を足してゆくので、ややぬるめのお茶になる。
そのまま湯を足して足して、午前中いっぱいくらい飲めるが、出勤する人は保温ポットに入れ替えて持って行くと良いだろう。
ちょっと濃くして苦いくらいが、夏の暑いこの一時期は口に涼しい。
とくに生茶の新しいのは新鮮な風味があって、これを朝一番の口に含むと爽やかで、朝の光の輝きが増すように感じる。
この気持ちのよいひとときのためなら、ちょっと早起きしてみようかなという気にもなる。
一扇磨単樹B春の散茶2015年
一扇磨単樹B春の散茶2015年
眠りから覚めきらずにボーっとしている頭のまま、湯の中で茶葉が開いてゆく様子を眺める。
茶葉がじわじわ開くように、吸う息ごとに背骨の骨と骨のひとつひとつの隙間がじわじわと空いていって、吐く息ごとに大きな伸びを感じる。
お茶ヨガ。
一扇磨単樹B春の散茶2015年
お茶の酔いが回ってきたら身体じゅうに血が巡ってキビキビ動けるようになる。
自然とお腹が減ってくる。
食べたいから食べる。食べなきゃならないから食べる朝食ではない。
今日もパン。
上海のパン
しっかり発酵した酸っぱいやつだから、防腐剤が入っていなくても2日くらいはぜんぜん大丈夫。

ひとりごと:
氷や冷蔵庫で冷やした茶は飲まない。
身体に悪い。
この仕事をはじめて10年以上経って、冷たい飲み物が身体に悪いということを体感してわかって、
「冷たいお茶は身体に悪いです」
と、日本で冷たい飲み物を常に飲んでいる人達に言う。
みんな心の中で「うるさいな他人の好みだから放っとけ」と思っているだろう。
実際には、あなたの身体のことよりも、あなたのお腹の中の良性の微生物たちのことを心配しているので、あなたに嫌われても平気なのだ。

漫撒風道青餅2015年 その3.

製造 : 2015年3月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 漫撒山工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海 密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : 小さめの蓋碗

お茶の感想:
上海はこの数日ずっと雨。蒸し暑い。
じとっり汗が肌から離れない。
毎年この季節になるとお茶の売れ行きが悪くなる。当店だけじゃない。友人の小売店のある天山茶城も同じように客足が減る。
友人の店に足を運ぶと、やはりお客様がいなくて静か。
品茶
お茶を淹れる席に座って、店員の女の子に熟茶のレクチャーをしはじめたときに、バタバタ慌てた感じのお客様が入ってきた。
「お茶を淹れましょうか?」
と勧めたが、
「今日は忙しいから茶器を買ってすぐ帰る・・・。」
と遠慮された。
後から聞いたら茶葉を買う店は決めているらしい。およそ300店舗の集まる天山茶城にはそれぞれ専門店があって、岩茶ならここ、白茶ならここ、となじみの店が決まっている。プーアール茶の店はまだ見つけていなくて、期待していない様子。親戚に易武山のお茶マニアがいて、毎年産地に買いにゆくので、わざわざ買う必要がないと言う。
4煎めになった『版納古樹熟餅2010年』をひとくち飲んでもらった。
「新しい熟茶のようだがキレイな味わいで、奥行きもある。回甜もすばらしい。」
「この透明感はなぜ?」
と聞くので、
「旬の古茶樹から採取してます。 」
と答えた。
品茶のできるお客様だ。
お客さまは旦那さんに電話をかけて「帰りは遅くなるから・・・」みたいなことを上海語で話して、席に座ってじっくり飲む構えになった。(ちなみに上海は女性が男性のように働いて稼ぐので、家事は男性がしている家庭がよくある。)
品茶
「蒸し暑いので生茶にしましょう。」
まずは『易武古樹青餅2010年 』を淹れた。
淹れ方についていろいろ質問される。茶葉の性質の見方、茶葉の量、湯の温度、水の落とし方、などなど細かい。それをヒントにして、蓋碗で一煎ごとに淹れ方を変えてみる。その味の出方の違いを確かめるように飲む。
お客様は味を表現する言葉を豊富に持っている。お茶の味を通していろんなことが見えている。
こうなると生茶がだんぜん面白い。
「風の吹く山の斜面の5本か6本の古茶樹からつくった今年のお茶があります。」
お客様の好奇心が騒ぐ。
「お茶づくりをする人は、その違いをどうやって見つけるのか?」
と聞くので、
「それを見つけるために今年は風道と陰涼のお茶をつくってみたのです。」
と答える。
+【漫撒風道青餅2015年】
+【一扇磨陰涼散茶2015年】
この2つを淹れてみる。
品茶
蒸し暑かったせいか風のお茶が爽やか。
2gという少なめの茶葉。蓋碗を使ってちょっと温度を落とした湯でじわっと抽出した。7煎めになっても水質のキメ細かさを維持して印象が落ちない。そう。風のお茶は水質に密度があることが今日わかった。
陰涼のお茶は最後の粉々になった茶葉にもかかわらずひたすら柔らかい。柔らかいのにスキっと切れの良い甘味。清らかな舌触り。滑るようなのどごし。
風のお茶がパッと陽気な表現をするのに対して、陰涼のお茶はあくまでも静かにささやくような語り口。こちらから紹介しないまでも、お客様がそう表現した。
風のお茶を一枚お求めいただいた。
今後もお茶を買いたいからSNSで繋がりたいと言われたが、仕事の邪魔になるのでSNSはしないと答えると、とても納得されていた。

ひとりごと:
今回の2ヶ月間の上海滞在中に、勉強会や試飲会をしたいと思って、会場も探して、いくつか候補を見つけていたが、結局しないままになった。
お客様のレベルを揃えて集める手段が見つからない。
知識も経験もバラバラなお客様を対象にすると、みんなに満足のゆく結果を望みながら、誰ひとり満足させられない結果となるのが見えている。
お客様のレベルがバラつくと雑談が増えて、核心に触れることができなくなる。多くのお客様が、茶葉よりもお茶づくりをする自分に興味がある。日本人が西双版納でお茶をつくっている。日本のモノづくりの評価が高まっている中国で、それはちょっと面白い構図である。しかしこれはオマケの魅力であって、茶葉そのものの魅力ではない。茶葉に注目を集めるためには、自分は出ないほうがよいのか・・・。
いろいろ課題を増やした上海滞在だった。

一扇磨単樹B春の散茶2015年 その2.

製造 : 2015年03月20日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)一扇磨
茶廠 : 漫撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : 小さめの蓋碗
一扇磨単樹B春の散茶2015年

お茶の感想:
「広東省東莞の熟成倉庫のお茶の価格が暴落しているらしいが、雲南の産地には影響はあるか?」
上海の銀行のお客さまからの質問。
個人的にはただのお茶好きだが、投資の仕事でちょっと話題になったので関心があるらしい。
東莞の倉庫は3年ほど前にテレビで盛んに紹介されたほど巨大で、ものすごい量のプーアール茶を囲っている。大手メーカーの「大益」や「下関」それにつづく中堅メーカーの銘柄が中心だろう。業界一番の生産量を誇る「大益」ブランドの一部の銘柄の価格が高値をキープしていたのは、東莞の倉庫の買い占めが影響しているだろう。
ダムが決壊する。
メーカーが民営化した2004年前後から現在までのお茶が値崩れして大量に流通する。でも、もうそんな「生産的」なお茶が嫌いになった人が多いということ。
「産地にはなにの影響もない。」
と答えておいた。
今日のお茶『一扇磨単樹B春の散茶2015年』。
一扇磨単樹B春の散茶2015年
一扇磨単樹B春の散茶2015年
一扇磨のお茶は今年も高い。
もしも価格が下がったら、森に入って採りにゆく人がいなくなる。それだけのこと。カラクリのない経済なのだ。

ひとりごと:
ほとんどの人が、自分の仕事や趣味の分野において「良いこと」をしたいと願っているだろう。けれど「良いこと」の解釈やそれを行う手段が、道から外れていないかどうか、ときにはちょっと間違ったり失敗したり自分自身を疑ったりしながら根気よく学ぶ必要がある。すべては刻々と変化しているから、昨日まで正しかったことが、今日から正しくなくなることを心配する必要がある。
上海は今、ものすごい勢いでその過程を経験していると思う。
産地の崩壊をまねいたのは消費地の無知。
産地の回復を支えるのは消費地の英知。
何かの縁で出会った責任を、果たすしかないのだな。

漫撒風道青餅2015年 その2.

製造 : 2015年3月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 漫撒山工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海 密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : 小さめの蓋碗
上海の茶室
上海の茶室

お茶の感想:
この先どういう方法でお茶を売ってゆこうか?
上海での流通手段もいったん白紙に戻したいと考えている。
友人の小売店ではよく売れている。
取り扱いたい店はもっと増えそうな気配。
なのになんとなく気がすすまない。
自前で場所を借りて売るという手はあるか?
費用はどのくらい掛かるか、品茶の設備、お客様の便利、いろいろ可能性を探ってみる。それでもピンとこない。
なにをするにしても高くつく上海。
消費に積極的というか焦っているようにさえ見えるお客様たち。
そういうふうに見える今の自分には、節約の美徳をカッコよく見せる売り方のアイデアがない。美しくない。贅肉が多い。賢そうじゃない。今中国でよく売れている自家用車のような感じ。
高級茶をつくりたいけれど、土豪(株や土地でバブって消費は旺盛だけれど、教養や文化は追いついていない。)に好かれるお茶にはしない。また、お客様を土豪にしてしまう構造をつくらない。
お茶をつくって売るだけ。
それだけのようで、それだけじゃないのだ。
いろんなお茶にいろんな価値があり、それぞれにふさわしい舞台がある。どんなお茶をつくるかによって流通を選び、お客様の態度を選び、お茶を飲む場をつくり、いろんなカタチで人の縁を結ぶ。お茶は人をつくる。
生きている間にお茶をつくれる回数は限られているから、本望じゃないお茶に関わる暇はない。
4月に決断してから8月に上海の業務の片付けを終える。
この4ヶ月間の仕事は、なにかを止めたり削ったり処分したり観察したり試してみたり、まったく生産性がないのだけれど、とても大事なことをしている。
もうちょっと早く着手できたかもしれないけれど、これ以上先延ばししなかった。それだけで十分。
今日はこのお茶。
+【漫撒風道青餅2015年】
丁家老寨青餅2015年 漫撒風道青餅2015年
丁家老寨青餅2015年 漫撒風道青餅2015年
漫撒風道青餅2015年
漫撒風道青餅2015年
漫撒風道青餅2015年
左: 丁家老寨青餅2015年
右: 漫撒風道青餅2015年

ひとりごと:
節約の美徳は古い農業の道徳から来ている。
経済的なプレッシャーが生活を圧迫して生じるのではないと思う。
人の生活態度がお茶の味をどう変えてきたのか、どこでどう関係しているのか、人の健康とお茶の健康はひとつであることをちゃんと説明してゆきたい。
お茶も人も地球の子供。

漫撒風道青餅2015年 その1.

製造 : 2015年3月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 漫撒山工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海 密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : 小さめの蓋碗
漫撒風道青餅2015年
漫撒風道青餅2015年
漫撒風道青餅2015年

お茶の感想:
風の味のお茶。
+【漫撒風道青餅2015年】
漫撒風道青餅2015年
漫撒風道青餅2015年
漫撒風道青餅2015年
漫撒風道青餅2015年
満足している。
風の道に出会ったのは僕の運命。
それに従う仕事ができるなら、余計なものは捨てられる。
漫撒風道青餅2015年

ひとりごと:
チェコの陶芸作家のマルちゃんに報告したいなあ。
2015年の春、風をつかまえてやったぞ。

一扇磨単樹A春の散茶2015年 その3.

製造 : 2015年03月20日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)一扇磨
茶廠 : 漫撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : 小さめの蓋碗
一扇磨単樹A春の散茶2015年

お茶の感想:
美味しいお茶は手が動いて何杯でも飲む。
一扇磨単樹A春の散茶2015年
一扇磨単樹A春の散茶2015年
一扇磨単樹A春の散茶2015年
止まらなくなる。
止まらなくなるお茶かどうかが試飲の時にわかったら、美味しいお茶の中でもとびきり美味しいお茶だけ揃えて売ることができるけれど、いや、それを言うなら采茶の前にどの茶樹がとびきり美味しいのかわかれば、とびきり美味しいお茶だけつくれるからもっと良いけれど、
一扇磨単樹A春の散茶2015年
単樹はもうわかっているのだな。

ひとりごと:
6月の曲。
+【Clammbon - Re-Folklore You Tube】
あっとー少しでーっと。

丁家老寨青餅2015年 その1.

製造 : 2015年3月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 漫撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海 密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : 小さめの蓋碗
丁家老寨青餅2015年
丁家老寨青餅2015年

お茶の感想:
早春のお茶は「烈」ですね。
と、上海のお客様はひと言で表現した。
このお茶『丁家老寨青餅2015年』と、『漫撒生態紅餅2015年』を飲んでのこと。
どちらも早春のまだ雨の降らないうちの乾いた空気が山を支配していたときの采茶。ヒリヒリ痺れるような「麻」の味は、乾いた空気と太陽に焦げるような肌触りを思い出させる。
茶葉の成長のみならず、製茶の工程においても乾いた空気は茶葉になにかを残しているだろう。
「雨の後につくったお茶をブレンドしたほうが良かったのではないですか?」
上海のお客様は製茶のこともよく知っている。
そのとおりだ。
雨の前のお茶の性質が「陽」としたら、雨の後は「陰」の性質を持って、バランスをとるだろう。
でも今回は混ぜなかった。
ひとつの正解をつくり手がポンと出すより、飲む人がふたつの異なる正解を見つける機会のあるお茶。つくり手の自分ですら、まだ答えを探している途中のお茶。
丁家老寨青餅2015年
丁家老寨青餅2015年
天気のこと、自然環境のこと、山のこと、茶樹のこと、そしてそれに関わる人のこと。ひとつひとつがお茶の味につながっている。 そこを確かめてゆきたい。

ひとりごと:
昨年は「山頭茶」という言葉が流行った。
生茶のプーアール茶は各山ごとのお茶の味の個性を表現しやすい。
大手から中小のメーカーまでもがこぞってこれに挑戦した。
しかし、結果はどうだろう。
知人のメーカーの旧六大茶山シリーズを試飲する機会があったが、ちなみにそのメーカーは本気で純料茶(各山のホンモノの古茶樹の茶葉)を集めていることをウリにしているが、試飲してほんとうに山の個性が表現できていると感じられたお茶は2つだけ。2つあればまだ良いほうで、6つとも個性のないメーカーのお茶もあると聞く。
山頭茶は雑誌社とメーカー各社が仕掛けた「炒做」(宣伝のためにあることないことでっち上げる。)だった。
ひとつの山、山の一部の斜面、一本の茶樹。一枚の茶葉。理解するには時間がかかる。
成果を焦るとお茶の味わいがわからなくなる。

一扇磨単樹A春の散茶2015年 その2.

製造 : 2015年03月20日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)一扇磨
茶廠 : 漫撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : 小さめの蓋碗

お茶の感想:
濃いとか淡いとか、甘いとか苦いとか、厚みがあるとかサッパリしているとか、なにがしの香りがするとか、涼しいとか暖かいとか・・・。
このような肉体的な味覚からちょっと離れた、人の感情に働きかけるなんらかの印象がお茶の味わいにはある。
味の風景。
味の韵。
というやつ。
風景を見て感じるなにか。音楽を聞いて感じるなにか。
同じように、味わいに心がゆれる。
お茶の美味しさを求めると、ここが大事になってくる。
しかし、お茶は植物。
自然のものだからなにかを表現しようとか、伝えようという意志はまったくない。例えば、ある種の美味しいお茶は肉体的欲求をくすぐる雑音が多くて、ささやくような旋律が聞き取りにくい、ということもあるだろう。
だから、製茶でお茶の味を調整するのは、ほとんどの場合が引き算になる。いや、余計な足し算が発生しないように細心の注意を払うと言ったほうが近いだろう。
高級なお茶ほど味の淡い傾向にあるのは、そういうことだろう。
銘茶は美人だからつくれるものではないというのも、そういうことだろう。
西双版納は茶の栽培の歴史が古いから、古茶樹は実生(種から育った)品種の混生状態にある。歴史が古いほど品種特性のバラエティーに富む。極端な例では、ある農地の斜面に苦い茶と甘い茶が共存する。それがひとつのお茶になる。
だから、単樹のお茶(一本の茶樹だけを選んでつくるお茶)はそこを解決する。
一本の茶樹の個性に注目することができたら、山の斜面の土質や、茶樹を取り巻く空気、山の環境の個性が見えやすくなる。はず。
一扇磨単樹A春の散茶2015年
このお茶『一扇磨単樹A春の散茶2015年』は、一扇磨らしさが色濃く現れていると思う。
一扇磨のお茶の風景。
一扇磨のお茶の韵。

ひとりごと:
上海の事務所の閉鎖に向けて動き出した。
決断したらあとはカンタン。
いろいろ前倒しにしてゆきたい。
「日本向けの通販はどうなるのでしょうか?」
お客様からお問い合わせをいただくけれど、実は自分も分かっていない。具体策がなくて白紙の状態。
ただ、今と同じカタチはもうやらない。それは確かだ。同じことをするのはワクワクしないから、良い仕事にならない。そこは分かっている。

漫撒山風道の散茶2015年 その3.

製造 : 2015年3月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : プーアール茶ドットコム
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 上海 密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : 小さめの蓋碗
漫撒山風道の散茶2015年
漫撒山風道の散茶2015年
漫撒山風道の散茶2015年

お茶の感想:
例えば陶芸作家さんが何種かの土をつかって、土ごとにまったく同じカタチの壺をつくって、同じように焼いたとする。
焼きあがった壺は色や質感だけでなく、カタチまでも異なるだろう。土は焼いた時の収縮率がそれぞれ異なるから、カタチの変形もひとつひとつに異なる。
プーアール茶の原料である晒青緑茶をつくるのもそうだ。
茶葉のコンディションは、茶樹一本一本に異なる。采茶(茶摘み)のタイミングによっても異なる。その日の天気によっても異なる。同じように萎凋・殺青・揉捻・晒干しても、ひとつひとつに異なった結果が得られる。
そこがプーアール茶の魅力だと思う。
今年のお茶づくりはそこを意識している。
例えば、中国人とか日本人とか、ひとくくりに理解したとしよう。
「中国人はこうでね・・・」「日本人はこうでね・・・」といくら上手に話ができても、いざなにかをするとなると、例えば、西双版納でお茶をつくるとなると、そんな知識はぜんぜん役に立たない。お茶をつくる仲間はひとりひとりだから。ひとりひとりを理解するほうが、ひとくくりの誰か知らない人たちを理解するよりも大事。
一本一本の茶樹を理解すること。
今日はこのお茶。
『漫撒山風道の散茶2015年』(未出品)
漫撒山風道の散茶2015年
漫撒山風道の散茶2015年
漫撒山風道の散茶2015年
漫撒山風道の散茶2015年
漫撒山風道の散茶2015年

ひとりごと:
人間の思った通りになるお茶なんて実はひとつもないはずなのに、あたかも思った通りのお茶がつくれたようなフリをするのは、つくる人にも飲む人にもその方面の教養が足りないからだ。
ファーストフードやペットボトルの商売は人々の教養の足りなさをうまく利用している。そこがセコイと思う。


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