プーアール茶.com

弯弓古樹青餅2014年 その7.

製造 : 2014年05月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)弯弓
茶廠 : 曼撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶崩し
保存 : 茶缶
茶水 : 京都の地下水 
茶器 : 保温ボトル 鉄瓶・石油ストーブ
空
林

お茶の感想:
今日も山。
天気がよくて風が強い。
風の強い山も気になる。行くだろ。
このお茶。
+【弯弓古樹青餅2014年】
白磁の茶杯は軽いから、手で抑えておかないと飛んでゆきそうになる。
街
街
茶湯
注いだお茶が風で外にこぼれた。
ちょっと濃いめ。
熱い苦い渋い涼しい。
ビュービュー吹く風になびかない香り。
カンカン照りの太陽を跳ね返すピカピカの味。
いいだろこのお茶。
水
土
水。
土。
木。
元素たちがなにか交信している。
陰

ひとりごと:
熱燗
酒
40度くらいのぬる燗でシュワシュワ発泡感が強調される。
熟茶
最後は熟茶。

丁家老寨青餅2019年・秋天 その4.

采茶 : 2019年11月12日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+店長
工程 : 生茶のプーアール茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・杯 鉄瓶・炭火

お茶の感想:
雨の日。
ひとりで山に行ってきた。
雨の山がどんな感じか気になったのだ。
とつぜん思い立って家を出たから、お茶の準備はなし。
帰ってからゆっくり飲むことにする。
はじめはパラパラで、やがてシトシト降り続いた。
防水服や傘はなしで濡れたまま歩いた。
靴は底が薄くてペタンとしたやつを試した。
ベアフット
足の裏に地面がじかに感じられる。
一歩一歩の衝撃が大きい。
衝撃をやわらげるために、足裏・足首・膝・腿・腰・背中をつかってふんわり着地しようとするので、あんがいよいかもしれない。
厚底の靴は安心して着地するので、足首や膝など局所にかかる衝撃が大きくて、かえって危ないときがある。
トレッキング
山道は木々が覆っていて、それほど濡れていなかった。
冷えるから、ペースを保ってハアハア息の荒いまま進んだ。
頬を伝うのが汗なのか雨なのかわからない。
シャツがしっとり重くなってくる。
靴のつま先が濡れて冷たくなってくる。
濡れるのも気持ちいい。
ちょっと不安な感じが背中を押して、いいリズムの足どりになる。
流れる景色の先の一点に視線を寄せる。
頭は冴えて歩くことだけに集中している。
ひとりもいい感じ。
雨の日のサインがそこらじゅうにあった。
匂い。肌触り。鳥たちの声。緑の色。石の色。
春はひと雨ごとに暖かくなるから、風は冷たいながらもぬるい感じ。
前回は2時間半のところ、今回は遠回りのコースで2時間ちょっと。
いいペースだ。
休憩は1回だけ。お茶がなかったから休憩も短かった。
山を降りて平地になってから寒くなってきた。お腹がへった。
自転車で急いで帰って、お風呂に入って、ごはんを食べて、昼寝した。
鉄瓶
炭を熾す。
鉄瓶で湯を沸かす。
そうしているうちに日が暮れた。
このお茶。
+【丁家老寨青餅2019年・秋天 その1.】
雨の日は紅茶か熟茶。
でも今日は生茶にした。
山歩きの余韻を味わいたいから。
雨の日の山の空気。
生茶には空気の味わいがある。姿のない味。息するごとに山が薫る。
茶葉
泡茶
茶湯
誰もが昔から知っているようなお茶らしいお茶。
しかし、4煎めくらいから苦底や渋味が出てキビシくなる。舌や唇にシワシワくる。ヒリヒリが残る。
この刺激。
いつもならマイナス評価をするけれど、どうなのだろ。
雨に濡れるのを嫌がるか、そういうものとして味わうか。
どっちに転んでもよい。
自分次第。

ひとりごと:
他人と共有しなくてもよい味わい。
ひとりでなければ味わえない味。

中茶牌3917沱茶93年 その13.

製造 : 1993年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶(西双版納孟海地区)
茶廠 : 昆明茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 沱茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯 鉄瓶・炭火
鉄瓶
3917

お茶の感想:
自分だけがその良さを知っている。
という気分のお茶がある。
どちらかというと男性の趣味だな。
女性はあっちへゆけ!(心の中のつぶやき)
今日は男前のこのお茶。
+【中茶牌3917沱茶93年 その12.】
ほぼ男性しか好まないお茶。
いや、現実はもっとシビアで、ほぼチェコの変態陶芸作家のマルちゃんが独占的に愛飲しているだけのお茶。(この場合の変態には尊敬の意味がある。わかるよな。)
台湾人の茶友が、「自分は90年代初期の下関茶廠の生茶の苦い味がなぜか好きでね・・・」なんて言うから、ほぅ、それなら一発喰らわせてやるか、というこれまた男っぽい感情でこのお茶を淹れた。
3917
昨年の夏のマルちゃんとのイベントのこと。
+【チェコのマルちゃんとお茶談義 7月8日・9日】
女性率8割にお子様連れもいらっしゃる環境で、このお茶をガツンと濃い目に淹れてみんなに飲ませたマルちゃんの度胸というか勇気というか、自分は完敗した気がした。
ひとくち飲んだときのみんなの顔。
目ン玉が泳いでいた人もいたし。
マルちゃんはひとりご満悦で恍惚の顔。
自分は笑いをこらえるのに精一杯だった。
さて、台湾人の茶友にこのお茶を淹れるときに、やはり自分の度胸のなさを痛感した。
ひとくち目から「無い味の味だねこれは・・・」なんて言わせてしまった。
茶友は現代アートの仕事をしているから、ジョン・ケージの”4分33秒”無い音の味わいの話まででてきた。
そう。焦げの苦味のショックをやわらげるよう淡く淹れたのだった。3煎めくらいまで。
4煎めからは甘味が出てくて「やさしい味だな」なんて言わせてしまった。
悔しいー。
これはリベンジするべきだろ。負け犬はアカン。
ただし、自分なりのやり方でリベンジする。
とりあえず、ひとりで練習。
いつもは使わない公道杯(茶海)を使う。
公道杯
公道杯
焦げ味の原因である焦げた黒い粉を落とす。
けれど、ギリギリまで濃くする。
濃い
焦げ
ヤバい!この美しさ。
野生の素のままのパンチ力。
サスペンス映画に出てくる街のように霞み煙る風味。
そういえばマルちゃんにこの茶を紹介したときもこうして淹れたのだった。
「茶葉をどのように愛するのか、その手法を知った・・・」と、マルちゃんはひとりで感動していた。
このくらい濃くすると3煎めくらいから甘くなる。
透き通る。深くなる。清くなる。嬉しくなる。
茶湯
茶酔いが効いてきて脱力する。暖かくなる。眠くなる。
舌に残るピリピリした痺れが、飲んだ後もしばらくこの甘い感覚を思い出させる。
忘れたくなくなる。やがて寂しくなる。
後から思い出す。
あのときすれ違った人はむちゃくちゃ美人だったのだ。
もうちょっと見ておけばよかった。
葉底

ひとりごと:
隠れ家プロジェクト。
田舎に生活したりお茶したり創作活動したりする場所を持つことを模索しはじめた。
台湾人の茶友もこれから日本の滞在期間を増やすと言っているから、何人かで場所をシェアするのもありかもしれない。
古民家を修復するのも楽しめる。時間はたっぷりある。
一箇所でなく、何箇所かそういう場所をつくるのもあり。
どこかおすすめ物件のある方教えて下さい。
できたら、お茶つながりで楽しみをシェアできるのがよいな。

香椿林青餅2016年 その4.

製造 : 2016年4月1日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)香椿林
茶廠 : 農家
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 保温ボトル 鉄瓶・炭火
林
山
トレイル
街

お茶の感想:
今日も山歩き。
自転車と徒歩で行けるから密集には近付かない。
けれど、山の上から見た街はどこも密集。
家の中も外も大差ないように見える。
みんなと同じ空気を呼吸している。
街
密集
しばらくしたら街そのものが感染源になるのかもしれないな。
そうなったら自分も感染して闘うぞ。
今日はこのお茶。
+【香椿林青餅2016年】
初回の山歩きで3時間半かけた道のりを2時間半でゆく。
息が荒くハアハアしながらも、ペースを落とさないよう歩きつづける。
汗をかいて、足のふくらはぎや太ももに疲労が溜まってきた終盤で一休み。
お茶を飲む。
茶
生茶
生茶は晴れのお茶。
太陽や風に負けないお茶。
一杯ごとにチカラがみなぎってくる。
早春のチカラ。火のチカラ。生のチカラ。太陽のチカラ。
口や喉にお茶の涼しい感覚が残って、一息ごとに山のチカラが入ってくる。風の吹くように気持ちが自由になる。
空
飲み終わって歩き出したときに、茶友が「今日は前回より足が軽い。」と言った。
しばらくして、「いや、さっきお茶の効果だ。」と訂正した。
そう。
生茶は夏に飲むけれど、それは汗をかくからよいのだ。
とくにジョギングした後などが気持ち良い。
もしも運動不足で汗をかかない状態で飲むと、”寒”が入ってきたり、眠れなくなったり、生茶のパワーが逆効果になる。毒になる。
山歩き
お茶は身体に穏やかなのがよいという判断基準を持っていた茶友は、春の生茶の強いチカラもクスリになることに気付いたと思う。
春の新緑が日に日に色づいてきたように、自分たちの身体も日に日に変化している。
健康を維持するのは、安定ではなく、不安定な揺れにバランスを取り続ける状態なのだ。

ひとりごと:
噂で、近所に空き巣が入ったと聞いた。
新型コロナウィルスの騒ぎで生じたスキを狙われたのかもしれないな。
怖い怖いと恐怖を自分で増幅していると心に弱みができる。スキができる。そこを狙ってくる詐欺や洗脳があるかもしれない。
コロナ真理教の洗脳はテレビやネットでとめどなく入ってくるから、離れて忘れる時間をつくったほうがよいな。

革登単樹秋天散茶2014年 その5.

製造 : 2014年11月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明革登山大葉種古樹・単樹 
茶廠 : 革登山農家
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 茶缶密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 保温ボトル・白磁の杯 鉄瓶・石油ストーブ
街
街と山

お茶の感想:
寝ているときに脳は勝手に考えているらしい。
春だから、たぶんこんなこと。
農家に滞在していて、鮮葉がどんどん運び込まれる。
竹編み笊に広げて萎凋するのを手伝っている。
そうだ、もっとやんわり萎凋させるために竹編み笊に布を貼ってみようか。
以前にも考えたが、まだ試していない。
まず布を手配して、服の直しをしている近所のおばさんに編んでもらおう。
このへんで目覚めたのだと思う。
よし、まず布を探そう。
あれ?
ここは日本だった。新型コロナ騒動中だった。
現実がドーン。
一瞬、場所や時間がふたつある。
こんなことあるよな。
今、こっちに意識を戻そう。
今日も山にゆく。
道
木
数日前のトレッキングで、患っていた肩の痛みがましになった。
山歩きは骨盤や背骨の歪みを調整するから、肩甲骨や首もほぐれるのだろう。
肩の痛みのせいでラオスの森の高幹の茶樹は見れないとあきらめていた。1日8時間の森の走行は無理。でも、痛みがましになると、行けそうな気がしてきた。
来年に向けてやってみようか。
今日はこのお茶。
+【革登単樹秋天散茶2014年 その1.】
ただただ山の上でお茶を飲んでぼーっとする。
泡茶
青い空。白い雲。ちょっと冷たい風。暖かい日光。鳥の声。風にそよぐ草木。新緑の匂い。街からかすかに聞こえてくる騒音。すべてを照らす眩しい光。
いつもの空気。いつもの光。
お茶を飲むとその時を思い出す。
2014年11月に革登にいたときの空気、風、光、匂い。
茶葉にかすかな松の葉の香り。革登の茶葉の上等のサイン。
茶酔いは、寝てるときの夢が見ている別の時空に行ったり来たりするようなもので、場所や時間がふたつになる。
意識を開放してぼーっとしたら、脳はあんがいそれが心地よいらしく、”こっち”と”あっち”を行ったり来たりして楽しんでいる様子。しばらく帰ってこないこともある。
今、この文書を書いているときはシラフで、”こっち”にしか居ないから、ヘンなことを書いていると自覚している。
山道
茶友がなにか言い出して意識が”こっち”に戻ってきた。
「秋のお茶の苦底の味と、静かな酔い心地が良いと思えるようになった。春のアピールの強いのは自分はもう卒業した。」
そんなことを言った。
「そうだよな。そこまでゆくには長い道を歩かないとな。」
そんな返事をした。
山を下りて、夢見心地がだんだん醒めてきた。
他人のつくりものの世界、”こっち”の世界に引き込まれる。
”こっち”があるから”あっち”もある。
また山にゆこう。
南禅寺

ひとりごと:
”あっち”の世界にある意識は、死んでからも宇宙のどこかを漂いつづけるような気がする。
若い茶友がある日夢を見て、布を貼った竹編み笊で萎凋をはじめる。
ほんの1年か2年前までは、自分が学んできたことを残して、次の世代にバトンタッチしたいと考えていた。
今はもうそんなこと思わなくなった。
仕事も名前も残さなくてよい。
勝手にしやがれ。
水路

白牡丹生態茶2014年 その6.

製造 : 2014年4月
茶葉 : 福建省福鼎市磻溪大白茶種
茶廠 : 福鼎の農家
工程 : 白茶
形状 : 散茶
保存 : 茶缶
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の宝瓶・杯 鉄瓶・炭火
白茶

お茶の感想:
白牡丹を飲む。
+【白牡丹生態茶2014年】
白茶づくりの技術は福建省のが圧倒的に上。
雲南省の月光白はそれに比べたら別モノだろう。同じカテゴリーにはできない。
軽発酵をすすめない技術に差が見える。
泡茶
浮く
月光白にありがちな黒く変色した茶葉が白牡丹にはひとつも無い。
白茶づくりは鮮葉の水分を一定の速度でゆっくりと均一に抜くところに技術の要があるらしい。
この工程で軽発酵をなるべくすすまないようにさせる。水分の抜き方ひとつで軽発酵の酵素反応を調整できるというのが、自分にとっては謎すぎる。
遊びでいいから、白茶づくりはときどき試して、この謎を解いてゆこうと思う。
泡茶
プーアール茶の生茶の茶葉はギュッと縮まっているから、お湯を吸うと大きく広がるが、白茶はあまり変わらない。茶葉の繊維が縮まらないように製茶しているわけだ。
揉捻をしない。
乾燥させる時には、なるべく茶葉がザルの表面に擦れないよう注意を払う。
繊維にショックを与えないこと。
手作業で茶葉を揉んで揉んでヘトヘトになる紅茶づくりとは真逆である。
湯
湯
2煎3煎とすすめても風味がブレない。白茶は白茶のまま。
自分のつくったのは煎がすすむと黄茶や紅茶の風味が混じってくる。
+【怖司小樹月光白2019年・秋天 その1.】
白牡丹は製茶の最後に”乾燥”と称した軽い火入れ工程があって、そこで軽発酵の原因である酸化酵素の活性を死活させるのだろうと推測しているが、こういう微妙な火入れが自分にはできない。
圧餅後の乾燥にこの技術を取り入れたい。
生茶でも紅茶でも、圧餅後に軽い火入れができたら長期熟成は違う道をゆくと思う。
白茶にも20年30年と長期熟成させる陳年モノがあるが、その方向へ熟成する生茶や紅茶。
マニア心をくすぐるよな。
葉底

ひとりごと:
4月4日から清明節で森のお茶の采茶がはじまった。
ラオスの森の高幹もこれからはじまる。
この日に現場にいないなんてヘンな感じだ。
気持ちここにあらず。
すでに西双版納に入った茶友たちは、新型コロナから遠いオアシスにいることをそれとなくアピールしてくる。うまい飯や酒。新芽がたくさん出てきた山の喜び。
悔しいー。
自分もオアシスで楽しくやりたい。

怖司小樹月光白2019年・秋天 その1.

製造 : 2019年10月26日采茶
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山怖司寨小茶樹
茶廠 : 農家・店長
工程 : 白茶
形状 : 餅茶
保存 : 茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の宝瓶・茶杯 鉄瓶・炭
月光白
白茶
白茶
泡茶

お茶の感想:
ひとり茶にする。
外に出るのも怖くなってきた。
インフルエンザの流行のときは身内にひとりふたり発症者がいるものだが、新型コロナウィルスはまだそこまで来ていない。けれど、地元からちらほら出てきて、確実に近づいている。
自分は休める。
ひとりでも動きを止めたほうが、止められない仕事に就いている人たちの負担を軽減できる。
サイクリングしてコンビニで水を買った時に、レジのアルバイトの人にすごく申し訳ない気がした。
もう行かない。
桜
さて、昨年の秋のお茶。
はじめてつくった白茶。
雲南省の茶葉でつくる月光白という白茶。
このお茶をつくった日にいっしょにつくった。
+【巴達一芽紅茶2019年・秋天 その1.】
茶湯
もちろん失敗作だけれど、原因がまだわからない。
お茶はクスリ。
白茶には白茶の体感があり薬効がある。はず。
1月の”ゆるいめの試飲会”で参加者といっしょに飲んだことがある。
「身体がポカポカ暖まって良いお茶です。」と言われたが、それは白茶に求めている効果からちょっとズレている。もっと涼しい感じ。涼しくても生茶のような”寒”ではない感じ。
まず、茶葉の成長度がズレていると思う。
あと1日か2日待ってから摘んだほうがよかったかもしれない。
白茶
萎凋
萎凋のときにもっとゆっくり乾燥させるべきだったと思う。
2日かけたけれど、それでも早すぎ。水の抜けるショックで新芽が少し湾曲している。技術の高い福建省の白毫銀針ならもっとピンとまっすぐである。
そして最大の欠点は熱に弱いこと。
3煎もしたら茶葉が紅茶っぽい色になってゆく。
茶葉
葉底
餅茶にしてから炭火の遠火で1時間ほどかけて炙った。
包み紙ごと炙ったので紙がちょっと焦げたり、餅面がほんのり黄色く色がついた。火を入れて成分の変化を止めようとしたが、その効果は感じられない。
もっとぬるい火で時間をかけるべきだったか・・・。
炙り
それでも、味は良いし飲んだ後の体感も良い。
おなじ原料でつくった紅茶よりもずっとやさしい感じ。
白茶らしくなくても十分に魅力がある。
もしかしたらこの完成度で良いのかもしれないから、ときどき飲んで確かめようと思う。

ひとりごと:
白茶の資格がなければ白茶と言わなければよいし。

巴達古樹紅餅2010年 その28.

製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶380gサイズ
保存 : お菓子の缶 密封 
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 保温ボトル 鉄瓶・炭火
日向
大文字

お茶の感想:
台湾人の茶友は赤いものと相性がよいらしい。
赤い肉、赤いワイン、野菜も果物も赤いもの。
中医からそうアドバイスされてから、なるべく赤いのを身体に取り入れるように心がけて、睡眠が良くなったり、その効果も実感しているとのこと。
なのでお茶は紅茶。
たしかに、体質と色の相性はあるような気がする。
今日はこのお茶。
+【巴達古樹紅餅2010年】
新型コロナウィルスで空気のこもったところでは集まれないから外に出た。
大文字山に登った。
春茶の季節なのに山に行けていない。
トレーニングになると考えて、半日くらいのちょっと長いコースを選んでみたが、ちょうどよい感じだった。
最年少の12歳の男の子がいちばん元気に歩いた。
大文字
保温ボトルでお茶をつくるコツ。
茶葉を少し入れて、熱湯を注いで、蓋を開けたまま10分くらい置く。
70度から80度の間くらいに冷めてから蓋をする。
こうすると保温ボトルにありがちな煮え味を防いで、爽やかさが保てる。
『巴達古樹紅餅2010年』は太陽に負けない。
明るいところで飲んでもじゅうぶんに開く。
茶
10年熟成の酸味とまろやかさと滋味深さと、ポッと火のつくような茶気と、チカラがみなぎる”陽”の茶酔いと、山歩きの疲れを癒やすのにピッタリのお茶。
このお茶以外に考えられない。
哲学の道
花びら

ひとりごと:
自分の食べものの色はたぶん白。
あまり意識していないが、例えばケーキビュッフェなんかで選ぶと、なぜか白いのに手が伸びる。
そういえば、かなり昔に色と身体の相性がわかる日本人にみてもらったことがあった。オーリングテストで白だった。
白は肺が弱い体質と言われた・・・。
危ない。

漫撒春眠紅餅2016年 その2.

製造 : 2016年03月21日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)香椿林
茶廠 : 店長ふじもと
工程 : 紅茶
形状 : 散茶
保存 : お菓子の缶
茶水 : 井戸水
茶器 : チェコ土の茶壺・茶杯 鉄瓶・炭火
庭
茶器

お茶の感想:
花粉症なのでこの季節は辛い。
目や鼻や喉がムズ痒くて、痒いと思えば思うほど痒くなるから、炎症にまで発展しないよう熱を冷ますお茶で忘れたい。
涼のお茶。
+【漫撒春眠紅餅2016年 その1.】
”陰”でもあり、”あっち”でもある。
前回の試飲の記事は2016年9月。鮮味が強く残っていることや、白茶の性質があることを書いていた。
それから3年半。今そこに注目してみたら、鮮味は消えて、白茶の熟成に似た薬味が出てきている。
茶湯
いいお茶だな。
内輪だけで集まって静かに飲みたかったけれど、あまり静かになれない。
そうか。
はじめて会う人同士がいると、お茶よりも人に気を取られるのだな。
ま、仕方がない。
お茶に気を取られないということは、それこそ”陰”の作用かもしれない。
葉底
花粉症の痒みも忘れていた。
忘れていることさえ忘れていた。
今になって振り返ってみて、そういう状態だったなーとわかる。
当初の涼をとる目的はどうでもよくなっている。
飲んだ瞬間の反応に意識を向けるだけでは、こういうお茶の評価はできないよな。

ひとりごと:
人の出会いにもそういうことがあるかもしれない。

92紅帯青餅プーアル茶 その7.

製造 : 1992年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村古茶樹
茶廠 : 西双版納孟海茶廠(国営時代)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 香港ー広州ー上海 その後密封
茶水 : アサヒおいしい水富士山
茶器 : 宜興の茶壺(白泥)・鉄瓶・炭火

お茶の感想:
せっかく暇なので試飲会をしたいが、新型コロナウィルスに感染しても感染させても嫌だし、人が集まるのは難しい。
ひとりでヒソヒソ飲むのが当店のお茶だとしても、その対極があるからこそひとりの時間に深みがでてくるわけだし。
喫茶文化は都市の文化。
人の集まる都市に、お茶を飲む意味。
都市はいろんな人との出会いが多い。人と人が出会って化学反応みたいなのが起こって、新しい創造が生まれる。その興奮の酔いを醒ますお茶。
昔の中国の文人たちも、隠居と言いつつ都市の郊外くらいに距離を保って、友人たちが訪ねてくるのを待っていたような感じがある。例えば、西双版納ほど距離が遠いと誰も訪ねて来ないから、隠居プレイは成立しないのだ。
喧騒の中の孤独を味わう。
「東京の居酒屋は喧騒の中の孤独を楽しめ」と居酒屋の先生が教えてくれたが、お茶もまた孤独の味わいがなければ成立しないだろう。
ウィルス対策は、都市にいながら人に会わないようにしましょう・・・というのだから、あまりのあべこべに理解が追いつかない。
孤独の味が薄くならないかと心配。
BAR
さて、上海から茶友が来ていて、この状況で帰国することもできずに1ヶ月間ほど小さな宿に逗留している。
その宿のオーナーも上海人で、宿は茶友家族に貸切りだから、宿のBARカウンターを借りて内輪だけの試飲会をした。
炭炉も炭も鉄瓶も持ち込んで、環境は整った。
茶友は仕事でふだんからニューヨーク・パリを行き来しているから、新型コロナウィルスに対する覚悟というか、心構えというか、たぶん自分と温度差がなくて交流しやすい。
一日目は、紅茶・生茶・熟茶と、オリジナルのお茶を飲んで終わろうとしたら、最後に茶友が1995年の手持ちの生茶を試してほしいと言い出した。
困ったな・・・。
「ダメなやつだったらどうする?」
「正直に言えばいいさ。こっちは素人で間違って当たり前だし。」
人を見て大丈夫だと判断した。
大丈夫じゃないこともある。本当のことを言うと恨まれるから気をつけないと・・・。
で、その1995年のお茶はまあまあだった。つまりダメということだけれど、偽物や粗悪品というわけではなく、1995年くらいのはそんなものが多いということ。
鉄瓶
ちょっと勉強の機会になると思って、自分の手持ちの1990年代の2つで二日目の試飲会をした。試飲会というより勉強会。
この2つのお茶。
+【92紅帯青餅】
+【紅絲帯プーアル青餅96年】
餅茶に埋め込まれた赤いリボン"紅帯"が共通している。
茶友の1995年も”紅帯”のやつらしい。崩した茶葉だけを持ってきていたので紅帯の実物は見ていない。
『92紅帯青餅』は、”7532”の等級ブレンドがベース。
『紅絲帯プーアル青餅96年』は、”7542”の等級ブレンドがベース。
”小葉青餅”に分類される。
紅帯は”小葉青餅”のなかでも特別に小さな新芽・若葉の配合の多いもののはずだが、茶友の1995年のはもっと大きい等級のブレンドで、”7582”くらいの”大葉青餅”に相当した。
もしも転売価値を求めるならこの点でアウト。
自分で飲んで満足するならセーフ。
ただ、ビンテージモノは鑑定に面白さがあるから、「美味しけりゃいい」と言ってしまうとつまらない。
茶友の1995年のお茶の味は易武山地域の原料には違いないが、高級感がない。量産品の『老字号可以興茶磚80年代』にそっくり。
+【老字号可以興茶磚80年代 その4.】
勉強会
上等の味には旬の濃度が大事。
この数年の当店のオリジナルのお茶が、旬のほんの数日のタイミングで采茶していることからわかるように、春が春らしさを、秋が秋らしさを表現できるのは、炎の炎上する瞬間にシャッターを切るみたいなもの。毎日采茶して大量に茶葉を集める量産品では旬の濃度が上がらない。
旬の濃度は、茶葉の大きさでは見分けられない。旬のハズレの時期のほうが新芽の産量は多いのだから。外観で判断しにくいのだ。
どこで旬を見るかと言うと、口感と体感と触感。
まず口感。
上質なお茶は水質を変えると言うが、旬の濃いお茶は水に粘りを与える。
水質は、自分でお茶淹れをするとわかる。飲まずともわかる。
茶杯に注ぐとき、最後の一滴一滴のポトポトの粒に弾力がある。水面を弾んだり滑って転がったりする。
サッと一瞬だけ茶葉に湯を通すだけでも水は十分に粘りを持つ。
粘った水は舌や喉に甘く、お腹にやさしい。
『92紅帯青餅』が上だった。
つぎに体感。
小葉青餅は旬の新芽・若葉がウリなのだから茶気は強い。強いアルコールの酒みたいなもの。
飲み込んだお茶がいったん腹の底で暖かくなったら、あれよあれよという間に上がってきて頭を揺らす。蒸気機関車のようにポーッと気を吐きたくなる。
その酔い心地は強烈なのに柔らかい。という矛盾を解決した酔いであるべき。
『92紅帯青餅』が上だった。
最後に触感。
言うまでもなく、葉底を指で触ってみる。
フワフワ羽毛のように柔らかいながら弾力が生きているのが上等。
『92紅帯青餅』が上だった。
茶気
たぶん、『92紅帯青餅』と『紅絲帯プーアル青餅96年』と同時に飲み比べたのは初めて。
はじめから結果はわかっていながらも、実際に体験すると”分かる”ことに大きな感動があって、なかなかよい勉強会になったと思う。
今回は旬の濃度という観点で評価したが、熟成の観点では『紅絲帯プーアル青餅96年』のほうが上等。
旬を選ぶか熟成を選ぶか。
そこはビンテージを趣味にする個人の好みかな。

ひとりごと:
試飲会の会場はどこなと借りれるとして、集まる人をどう選ぶかが問題。
もしも感染したり感染させたりしたときに、本人はよくても、例えばその人の家族や職場に伝染したとなると、試飲会が原因となってしまう。なので本人の意志だけで来られては困る。
ただ、これからはそうなる。
コロナの問題が終わってから・・・なんていう時期はいつまで待っても来ないと見ている。また新しいウィルスが流行ることもあるだろうし。
どこでもいつでも感染したり感染させたりする。まれに死ぬ人がいる。
みんなの認識が変わるしかない。
そう。脳の中のスイッチが切り替わるだけ。世界を変えるのはそこだけ。
ただ、ひとりだけスイッチを変えてもダメなのだ。
みんなのスイッチが変わるまで待つしかない。
あと何年かかるのかな・・・。


茶想

試飲の記録です。

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