プーアール茶.com

版納古樹熟餅2010年 その33.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 軽い密封 紙包
茶水 : タイ・飲料水
茶器 : Klean Kanteenの保温ボトル
雲と鳥
雲と旗
チェンコーンへバスの窓の水滴
バスの窓から入道雲

お茶の感想:
バンコクからチェンマイの飛行機は早朝で、窓から下を見ると朝の白い太陽に水の反射がキラキラしている。蛇行する河とそこから網の目に広がる水路と、地平線まで延々とつづく水田と。それだけじゃない。陸の上であるはずの住宅地やその周りの空き地にもキラキラ反射する水面がある。水溜りや水瓶なのだろう。そういえばタイの人はよく水鉢に蓮などを生けているよな。
水鉢
この印象が今回の滞在中にずっとあって、頭のなかをグルグル巡っていた。
タイ水浸し。
雨季の続く9月後半。雨も毎日のように降る。空気中の水も多くてムッとしている。気温は高くて暑苦しくて、肌にはじっとり汗がにじんで乾かない。
逃げ場のない水。
水に身を浸しているような圧力。
2日間もいると骨にまで水が染みて芯から冷えてくる。
宿の部屋ではエアコンで空気を乾燥させるが、それでも関節が重い。寝汗をかいて深夜に起きる。
熱いシャワーで汗を流すとちょっと落ち着く。
身体の芯が冷えていることに気付いて、靴下を履いて寝るようにしたら寝汗はましになった。
タイの人や旅行者たちは氷の入った冷たい飲みものをガブガブ飲んでいるけれど、身体に水を貯めすぎて、しかも芯から冷やすことになる。唇の色にその兆候の現れている人が多い。
熱いお茶を飲むとたちまち汗が吹き出る。この汗は出したほうがよいのだ。
身体を芯から温めるお茶がよいな。
熟茶
生茶、紅茶、熟茶のどれが温まるかというと熟茶なのだけれど、そういう問題ではなくて、ひとくちかふたくちで背中のあたりに汗が出るようなお茶。
ちょっと濃いめに淹れた熱々の一杯。
はじめは苦くて後からスッキリ爽やか。

ひとりごと:
早朝の月
メコン川の空
メコン川
メコン川と小舟
チェンマイからバスに乗って6時間かけてチェンコーンに行って、パパイヤビレッジのハーブサウナを2回した。ヒリヒリするくらいのハーブの刺激が皮膚に染みて、おもいっきり汗をかいてスッキリした。
タイに住むなら家で毎日サウナできるようにしたい。
花
keep quiet
チェンコーンのタミラ
夜と月

南糯古樹青餅2010年 その6.

製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山老Y口寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー京都
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興紫砂の茶壺
南糯古樹青餅2010年
南糯古樹青餅2010年

お茶の感想:
今日は久しぶりにこのお茶。
+【南糯古樹青餅2010年】
お客様から、
「最近飲まれてない(茶想に登場しない)ということは、ダメなところでもあるのですか?」と聞かれたが、どこもダメではない。
理由のひとつは、個人の嗜好の問題で、苦底の強いのが苦手なこと。苦底の代表格である西双版納孟海県「老曼峨」の古茶樹は、どんなに上質でも嫌いである。
南糯山の古茶樹の苦底は老曼峨よりも穏やかながら、ちょっと長く舌に残る。
紫砂の茶壺
南糯山古樹青餅2010年
苦い・・・・・・・・でも爽やか。
のどの潤いも心地よい。
蒸し暑い今年の夏にはこの苦さが格別に感じられる。
葉底(煎じた後の茶葉)からは晩春の特徴が見られる。
現地でのお茶づくりをはじめたばかりの2010年のときは、まだ早春へのこだわりがなかったが、南糯山の晩春の采茶は苦底の後味を長引かせる結果となることが今はわかる。
晩春の茶葉
もうひとつの理由は、ひとつのお茶に集中することで、ようやく見えてくることがあるということ。いろんなお茶をまんべんなく試飲していてもわかりにくい。ひとつに集中することで細部が見え、気付きがあり、新しい疑問があり、超えたり、堂々巡りしたり、到達したりする。
そこまで行くと別のお茶もわかりやすくなる。
理解の秘密。
理解の仕組みにはいろんなワナがあり、試し試される。
この辺りの苦しみを楽しめると、趣味は実益を兼ねてくると思う。

ひとりごと:
茶学用の茶盤が納品された。
今回は4枚。
京都の若手の木工作家さんにお願いしている。
しばらく使って、使いこなしてから茶学器(茶学専用茶器)として販売したい。このブログで一枚ずつ紹介してゆくが、茶盤単品ではなく他の道具とセットにするつもり。
そのセットは、例えば「当店のある種の生茶を淹れるのに向いていて、一般的な烏龍茶には向いていない。」という具合に尖がらせたい。結果的に一般的な烏龍茶も美味しく淹れられるようになるかもしれないが、はじめからあれもこれもイケる道具はつまらない。
茶学器
茶学器
表と裏で表情が異なる。
茶学器
茶学器
茶学器は作者名を出さない。
当店のお茶と同じ。
つくり手みんなが下請け業者であるから、名前が表に出る必要はないのだ。

易武古樹青餅2010年 その33.

製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 京都陶器の茶壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺
梅干し壺でプーアール茶熟成
易武古樹青餅2010年の京都熟成
お茶の感想:

ひとりごと:
梅干し壺のようなのに餅茶を熟成させている。
このお茶を試飲。
+【易武古樹青餅2010年】
壺に入れてからは2年半ほどになる。
餅面は良い具合に焦げて赤黒くなっている。
易武古樹青餅2010年の京都熟成
ちょっと思いつきで、茶壺に湯を注いだ後から茶葉を投入してみる。
茶壺に湯を注いだ後から茶葉を投入
茶壺に湯を注いだ後から茶葉を投入
浮いた茶葉はそのままにして、自然に湯に馴染んで沈むのを待つ。
2煎め以降の茶葉はしっかり湯に浸かっている。
易武古樹青餅2010年の京都熟成
易武古樹青餅2010年の京都熟成
茶葉の色を見て違いに気付いただろうか。
餅面は赤黒く焦げていたのに、水を含んで開いた茶葉は緑色がよみがえる。もちろんつくりたての時の緑に比べると新鮮ではないが、煎じる前と後との違いは大きい。
ここに壺熟成の効果が現れている。
陶器の壺での熟成は、茶葉の表面のメイラード反応(常温の焦げ)を促進させるようなのだ。土の質や焼き方によるところもあるから、すべての壺が良いとは言えないが、手元で試している2種類の壺は2つともこの効果が現れている。
メイラード反応で焦げた表面の成分が、茶葉の内側の鮮度を守るのではないかと考えられる。
易武古樹青餅2010年の京都熟成
お茶の味の新鮮さにもそこが現れている。
将来的には、当店の餅茶はすべて壺熟成にする。

ひとりごと:
Klean Kanteenの保温ボトル。
蓋をギュッと閉めないと漏れるが、そこに慣れたらとても使いやすい。
Klean Kanteenの保温ボトル
Klean Kanteenの保温ボトル
蓋が大きい割にシリコンゴムが薄い。だから蓋を閉める圧力が要るのだろう。
もしも蓋の閉まりをもっと軽くしようとしたら、デザインが犠牲になるかもしれない。
作り手がそこをすごーく考えたうえで選択した結果だったら、いい仕事だと思う。
両方の良いところを取ろうとしてどっちもたいした魅力のない品は、なぜか日本製に多いよな。
八方美人はアカン。

版納古樹熟餅2010年 その31.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包+竹皮
茶水 : タイ・チェンマイの飲料水陶器の瓶入
茶器 : マルちゃんの陶器の茶壺と茶杯
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年

お茶の感想:
水音の話を書きながら、ふと思いついてこのお茶を淹れる。
+【版納古樹熟餅2010年】
ごくたまに苺のような香りが立つことがあって、でもそれがどうしたら出るのか解らなくて、なかなか再現できなかったけれど、今日解った。
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
水音だった。
+【茶学・水音を聞く】
高温の湯と水音。
しっかり器を温めて、水滴はドライな高音で杯の底を叩くように。
版納古樹熟餅茶2010年

ひとりごと:
チェンマイに滞在中は毎日SATIでお茶を淹れている。
+【Sati - the Art of Tea and Yoga】
Sati - the Art of Tea and Yoga
Sati - the Art of Tea and Yoga
ひとりで自主練することもあれば、ヨガのお客さんに淹れることもあれば、現地に住む日本人たちに淹れることもある。
いつでもどこでも誰とでも茶学をするから、同席した人はほぼ全員お茶を淹れさせられる。
夜はNOTHのJAZZで身体にリズムを注入。
チェンマイのJAZZ
チェンマイのNOTHのJAZZ
ビールはラオスの黒。

越境野生青餅2010年 その4.

製造 : 2010年4月
茶葉 : ミャンマーJing dong 野生古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 京都プラスチックバッグ密封
茶水 : タイ・チェンコーンの浄水器+大瓶
茶器 : 小さめの茶壺チェコのマルちゃん作
越境野生青餅2010年プーアル茶
越境野生青餅2010年プーアル茶
お茶の感想:
ひと月前の冬の日本でのこと。
チェコのマルちゃんが日本語で「ガツンと青プー」という言葉を覚えてきた。
どうやら滋賀の陶芸作家さんのところへ泊まりこんで作陶したときに、窯の熱に汗をかきながら徹夜の火の番をして、喉の渇きを癒やすために飲んだ生茶のプーアール茶『中茶牌65周年青磚03年』(当店卸売部に出品)が美味しくて、身体がリフレッシュされる感じが気持ちよくて、作家さんたちのあいだで男のお茶・労働のお茶という意味を込めた「ガツンと青プー」という言葉が流行って、それに感化されたらしい。
もっとガツンとしたのはないのか?みたいな話になって、みんなが宴会をするときにこのお茶を持って行った。
+『越境野生青餅2010年』
手元にあるお茶の中ではもっとも野性味がある。
ヘビー級のガツンとしたパンチを喰らわせてやる。
重い重い茶酔い。全身のチカラが抜けて風呂あがりの気分になれるのは、西双版納の西側のミャンマー寄りの古樹のお茶に多い体感だが、『越境野生青餅2010年』はもっと重い。引力が強くなって、座ってもいられなくて、地面に這いつくばりたくなるような感覚。けれど、強いわりには気持ちが高ぶるようなことはなく、低く穏やかなところに融点がある。
越境野生青餅2010年プーアル茶
越境野生青餅2010年
越境野生青餅2010年
越境野生青餅2010年
さっきまでの酒の酔いがリセットされて新鮮な気持ちでまた酒の宴がはじまる。
酒ーお茶ー酒ーお茶ー酒ーお茶、だいたいこのあたりで記憶が無い。
つぎの日の朝にあたたかい布団の中に寝かされていたことに気がついて、ふと隣を見たら、同じように記憶を失ったであろう滋賀の陶芸作家さんの顔が布団から出ていた。
あとで聞いたら、酒を飲まないマルちゃんと、酒に飲まれない若い印鑑彫師さんとが、自分を引きずって布団の中に入れてくれたという。ガツンとパンチを喰らったのは、自分と滋賀の陶芸作家さんの2人だった。
次の日、長浜の季の雲のマルちゃんの展覧会で、若い印鑑彫師さんの書のパフォーマンスがあった。
大きな紙に大きな筆で茶の樹が絵描かれて、その場で刃物で彫られた茶の花とつぼみの印が押されて、「命」という字が真ん中に書かれた。
昨晩の酒ーお茶ー酒ーお茶のリセットするチカラになにかを感じて、世の中で起こっているいろんなことと合わせて、「命」とう字が思い浮かんだと、若い印鑑彫師さんはこの作品をみんなに説明された。
まっすぐはカッコいいなあ。
チェンコーンのメコン川
チェンコーンのメコン川

ひとりごと:
今日、タイのチェンコーンのメコン川沿いのゲストハウスで、ひとりでこのお茶を飲んでいる。
そして思い出したのだった。
やはり重い茶酔いで、低く沈んでゆき、身体のチカラが抜けて眠くなる。キーボードを打つ指さえも重くなる。
そういえば、滋賀の陶芸作家さんとギャラリーのオーナーさんとが、後日このお茶をお求めくださったのだった。飲むたびに酔いが回って、あの日のことを思い出すだろうな・・・。
酒の記憶は忘れても、お茶の記憶は忘れない。

版納古樹熟餅2010年 その30.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包+竹皮
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 白磁の蓋碗小とマルちゃんの湯飲み
西双版納の雨
西双版納の雨

お茶の感想:
2ヶ月前から香港の株価を追いかけている。
タイの株の口座も開設の手続きをすすめている。
ここ数年は茶よりも株が収入になるかもしれない。
自分の理想とする茶商になるには、もっとお金が要る。桁違いに要る。手元にストックしている熟成中の茶葉を全部売り切っても、ぜんぜん足りない。
これからも収益目標を掲げたお茶づくりはしない。
だから稼がなければならない。
茶商にとってのお金は武器弾薬である。ここぞというときにバン!バン!バーン!と集中砲火を浴びせないと、キラっと光る仕事にならない。
農家には山があり茶樹があり生産ができる。
茶商にはなにもない。
だからお金が要る。
農家はお金が欲しくて、茶商は良い茶葉が欲しい。
だから仲良くなれる。
お茶どころとして古いカタチの残る西双版納にも、近年は茶商が山を買ったり借りたりして生産者側になるケースがあり、もちろんそのカタチも検討してはいるが自分の理想ではない。農家と対立するよりも味方になる立場でいたい。個人と個人。老百姓と老百姓。老板と老板。そんな一対一の関係。組織は好きでない。組織的な仕事は自然の生態系との相性が良くないらしいことを、ここに来て学んだのだ。
茶商にとっての山は、むしろ都市にある。
都市生活をするお客様が畑である。現代的な生活をしているという意味なので、この記事を読んでいる人は誰もが畑になる。
通販を休業するということは、畑を耕すのを休むということなので、申し訳ないと思う。
昔の時代なら大富豪がひとりいて、その家のお抱え茶商としてふんだんに資金を得て、世界中を散策して、後世に残る面白い仕事ができただろう。現在は世界的に見ても大衆化の時代で、それなのに多数決を好まない茶商なのだから、独自に金儲けするしかない。そのかわりに自由だ。誰に言われるまでもなく好きにやってゆく。
この立場だからこそできる仕事ってなんだろう。
この時代、この環境、この生まれつき、この来た道、この出会い、与えられたすべてを追い風にするぞ。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
今日も雨だからこのお茶。
【版納古樹熟餅2010年】
雨の日の熟茶は甘い。
同じ雲南省の北のほう(麗江あたりかな)では早くも雪が降ったらしい。一度も雪の降ったことがない南の端の西双版納も、長袖の服を出すほど気温が下がってきた。それなのに長い雨。昨年よりもコンディションは悪いかもしれない。
ま、それでも晴れたら山に行く。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
熟茶は熱い湯で淹れるのが基本だが、抽出時間を長く煮出してしまうと、このお茶ならではの繊細な風味がなくなる。ちょっと茶葉を多めにして、生茶のように蓋碗でサッと湯を切る淹れ方をする。はじめの3煎めくらいまで特別な風味が得られるだろう。
このお茶の原料となった茶葉は巴達山の曼邁寨と章朗寨の古茶樹。2009年の秋は豊作だった。10月1日から11月1日まで雨の日は一日だけ。翌年の春のかんばつの予兆が現れていたのだった。乾季に入った清々しい空気と、山の上の強い紫外線を思い出す。
まだ経験の浅いその頃は、毎年そんなものだろうと考えていたが、それから6年経った今まで、好天に恵まれた秋は来ない。

ひとりごと:
お茶づくりのリスクと比べたら、株のリスクは技術的に回避できる分、たいしたことないなと思う。
ハイリスク・ハイリターン。
当店のやり方ではハイリスク・ローリターンではやってゆけないのだな。
良いとか悪いとかじゃない。そういう過程と結果に個性があるというだけだ。

版納古樹熟餅2010年 その29.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 紙包と竹編みの籠
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : マルちゃんの片口と清代末期の景徳鎮
版納古樹熟餅2010年

お茶の感想:
お茶の味、口感(口当たり)、体感、すべてはつながっている。
自分の心と身体の状態に注目する。
気持よく飲めるのは、どんな味のどんな口感のお茶か。それが今自分の身体の求めている成分であり薬効のお茶である。
この数日、気温・湿度ともに夏のピークに達した上海で、マルちゃんの土の茶器を選んだのは偶然ではなく、身体が求めていたからだと思う。
まろやかで涼しい口感。静かに沈んだ味の現れ方。
ちょっと試しに年代モノの景徳鎮で飲んでみた。
【版納古樹熟餅2010年】
版納古樹熟餅2010年
清代末期の景徳鎮
景徳鎮と版納古樹熟餅2010年
景徳鎮と版納古樹熟餅2010年
景徳鎮の茶杯
景徳鎮と版納古樹熟餅2010年
縁のカーブに特徴がある。
上の唇がそこに当たり、茶湯で濡れてツルッと滑る。キラキラ反射しそうな水質。パッと開く香気。辛いと感じるほど輪郭のはっきりした味の現れ方。
景徳鎮はどこか情熱的で、でも、今はちょっと暑苦しい。
お茶の味だけではない。
水だけでもいろんな印象がある。甘い水、辛い水、元気な水、静かな水、浮いた水、沈んだ水、細かい水、粗い水、丸い水、角い水。
日本から持って来た真鍮の薬缶(内側錫引き)は小ぶりなのに690gと重みがある。厚みがある。
真鍮のヤカン
真鍮のヤカン
いつものミネラルウォーターをこれで沸かすと、沸くのにちょっと時間がかかるけれど、水がトロンと粘る。しっとり舌になじんで溶ける。これでお茶を淹れると茶葉の内側の成分がグーッと引き出されるような感じになる。例えば、1煎・2煎・3煎・4煎・5煎と淹れると、1煎めからもう3煎めくらいの味が混じって丸くまとまる。
水が丸いとお茶も丸くなる。
丸い味に淹れたお茶は、身体への当たりも丸くなる。
版納古樹熟餅とマルちゃんの湯飲み
地球の星の水と土と。
いつの日か、そこに還る自分の身体の水と土と。
お茶を飲むときにすべてが交信して調和する。

ひとりごと:
お茶を美味しく淹れようとするとき、お茶を美味しく飲もうとするとき、お茶から栄養をもらおうとするとき、頭で考えるひとつやふたつの目的にとらわれず、物質のすべてと調和することを意識しましょう。
お茶ヨガ。

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その16.

製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー上海密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : マルちゃんの片口と茶碗
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶

お茶の感想:
土と水と茶葉と。
なにかが通じ合っている。
唇や舌や喉を滑るツヤツヤの水は、熱いのに冷たいような不思議な感触。
今日は紅茶で試す。
+【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
土そのものという感じのマルちゃんの茶器が手放せなくなった。
割ってしまうリスクが高くても、西双版納に連れてゆこうと思う。たとえ割れても、その欠片を捨てずに寝室や書斎に置いておくだろう。
あるだけで安心できる気がする。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
お茶を飲むことで、毎日、土となにかを交信している。
お茶を淹れて飲むだけで、身体が勝手に交信する。
土と水と茶葉と人と。
これからもっと土の茶器を使ってゆこうと決めた。そしたらホッとしたような気持ちになれた。
たぶん、土も水も茶葉も同じような気持ちになっている。
ホッとしたようなお茶の味になるのはそのためだと思う。
自然の法則は素直なのだ。

ひとりごと:
上海の事務所の後片付け中。
老茶の資料はもう自分には要らない。
知っていても知らないフリをする余裕ができた。
老茶の本
上海の茶室に寄贈するつもり。
トントンと事は運んでゆく。
8月4日に上海から西双版納に移動。
8月10日くらいに一部のお茶を上海に移して、あと1回だけ通販の受注・発注ができそう。
スタッフが上海の後片付けをして、8月末に事務所を閉める。
自分はもう戻らないで西双版納で秋の準備をする。
サヨナラ上海。

版納古樹熟餅2010年 その28.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 紙包と竹編みの籠
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : マルちゃんの片口と湯のみ
版納古樹熟餅2010年
マルちゃんの片口
版納古樹熟餅2010年

お茶の感想:
上海の夏。
蒸し暑すぎて、エアコンして眠るしかなくて、手足が冷える。
朝一番に暖かいお茶で汗をかく。
マルちゃんの器の土は、土のようなこのお茶と相性バッチリ。
【版納古樹熟餅2010年】
片口は湯の高温が保てないが、そのかわりに煮えた味にはなりにくい。
微生物発酵の黒茶は一般的には高温で淹れることになっていて、しっかり抽出された旨味や甘味がなんとも美味しいのだが、ちょっと煮えたような感じになると爽やかさに欠ける。その点、片口の湯はすぐに冷めるから味も涼しい。
注ぐ湯さえしっかり熱くしたら、味のゆるくなるのを防げる。
お茶は、茶葉により、器により、水により、淹れる技術により、飲むときの天気や体調により、ひとつひとつ異なった性質を見せてくれる。
そこに注目する。
自然のすべてに身を寄せる。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
マルちゃんの器で飲むお茶
版納古樹熟餅2010年
マルちゃんの器で飲むお茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
ごちそうさまでした。
この何日かマルちゃんの片口で飲んだお茶は、水の粒粒が唇や舌の上で転がって、口当たりも味もちょっと涼しい感じがした。

ひとりごと:
8月末の上海事務所の閉鎖に向けて、これから後片付け。
茶葉も器もまだまだ在庫がある。
8月の前半くらいに1週間ほど受注・発送業務が再開できそうなので、またサイトで案内したいと思う。

版納古樹熟餅2010年 その27.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : アルミ茶缶
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水 
茶器 : マルちゃんの茶碗
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年

お茶の感想:
熟茶のプーアール茶の発酵タイプには2通りある。
【版納古樹熟餅2010年】
このお茶は、水をかけて微生物発酵させるときにしっかり空気を取り込ませた「陽」の性質を持つ。発酵初期の段階で空気をあまり与えないようにする期間をつくると「陰」の性質を持つようになる。そういう技術がある。
次回はそれを試したい。
暑い夏の口にも、ちょっと爽やかな熟茶になると思う。
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
マルちゃんの器でこのお茶を飲むと水がツヤツヤする。

ひとりごと:
日本の窯元でつくる熟成壺はもうあと少し。
熟成壺
熟成壺
冬に完成予定。
3年かかっている。


茶想

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