プーアール茶.com

版納古樹熟餅2010年 その31.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包+竹皮
茶水 : タイ・チェンマイの飲料水陶器の瓶入
茶器 : マルちゃんの陶器の茶壺と茶杯
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年

お茶の感想:
水音の話を書きながら、ふと思いついてこのお茶を淹れる。
+【版納古樹熟餅2010年】
ごくたまに苺のような香りが立つことがあって、でもそれがどうしたら出るのか解らなくて、なかなか再現できなかったけれど、今日解った。
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
水音だった。
+【茶学・水音を聞く】
高温の湯と水音。
しっかり器を温めて、水滴はドライな高音で杯の底を叩くように。
版納古樹熟餅茶2010年

ひとりごと:
チェンマイに滞在中は毎日SATIでお茶を淹れている。
+【Sati - the Art of Tea and Yoga】
Sati - the Art of Tea and Yoga
Sati - the Art of Tea and Yoga
ひとりで自主練することもあれば、ヨガのお客さんに淹れることもあれば、現地に住む日本人たちに淹れることもある。
いつでもどこでも誰とでも茶学をするから、同席した人はほぼ全員お茶を淹れさせられる。
夜はNOTHのJAZZで身体にリズムを注入。
チェンマイのJAZZ
チェンマイのNOTHのJAZZ
ビールはラオスの黒。

越境野生青餅2010年 その4.

製造 : 2010年4月
茶葉 : ミャンマーJing dong 野生古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 京都プラスチックバッグ密封
茶水 : タイ・チェンコーンの浄水器+大瓶
茶器 : 小さめの茶壺チェコのマルちゃん作
越境野生青餅2010年プーアル茶
越境野生青餅2010年プーアル茶
お茶の感想:
ひと月前の冬の日本でのこと。
チェコのマルちゃんが日本語で「ガツンと青プー」という言葉を覚えてきた。
どうやら滋賀の陶芸作家さんのところへ泊まりこんで作陶したときに、窯の熱に汗をかきながら徹夜の火の番をして、喉の渇きを癒やすために飲んだ生茶のプーアール茶『中茶牌65周年青磚03年』(当店卸売部に出品)が美味しくて、身体がリフレッシュされる感じが気持ちよくて、作家さんたちのあいだで男のお茶・労働のお茶という意味を込めた「ガツンと青プー」という言葉が流行って、それに感化されたらしい。
もっとガツンとしたのはないのか?みたいな話になって、みんなが宴会をするときにこのお茶を持って行った。
+『越境野生青餅2010年』
手元にあるお茶の中ではもっとも野性味がある。
ヘビー級のガツンとしたパンチを喰らわせてやる。
重い重い茶酔い。全身のチカラが抜けて風呂あがりの気分になれるのは、西双版納の西側のミャンマー寄りの古樹のお茶に多い体感だが、『越境野生青餅2010年』はもっと重い。引力が強くなって、座ってもいられなくて、地面に這いつくばりたくなるような感覚。けれど、強いわりには気持ちが高ぶるようなことはなく、低く穏やかなところに融点がある。
越境野生青餅2010年プーアル茶
越境野生青餅2010年
越境野生青餅2010年
越境野生青餅2010年
さっきまでの酒の酔いがリセットされて新鮮な気持ちでまた酒の宴がはじまる。
酒ーお茶ー酒ーお茶ー酒ーお茶、だいたいこのあたりで記憶が無い。
つぎの日の朝にあたたかい布団の中に寝かされていたことに気がついて、ふと隣を見たら、同じように記憶を失ったであろう滋賀の陶芸作家さんの顔が布団から出ていた。
あとで聞いたら、酒を飲まないマルちゃんと、酒に飲まれない若い印鑑彫師さんとが、自分を引きずって布団の中に入れてくれたという。ガツンとパンチを喰らったのは、自分と滋賀の陶芸作家さんの2人だった。
次の日、長浜の季の雲のマルちゃんの展覧会で、若い印鑑彫師さんの書のパフォーマンスがあった。
大きな紙に大きな筆で茶の樹が絵描かれて、その場で刃物で彫られた茶の花とつぼみの印が押されて、「命」という字が真ん中に書かれた。
昨晩の酒ーお茶ー酒ーお茶のリセットするチカラになにかを感じて、世の中で起こっているいろんなことと合わせて、「命」とう字が思い浮かんだと、若い印鑑彫師さんはこの作品をみんなに説明された。
まっすぐはカッコいいなあ。
チェンコーンのメコン川
チェンコーンのメコン川

ひとりごと:
今日、タイのチェンコーンのメコン川沿いのゲストハウスで、ひとりでこのお茶を飲んでいる。
そして思い出したのだった。
やはり重い茶酔いで、低く沈んでゆき、身体のチカラが抜けて眠くなる。キーボードを打つ指さえも重くなる。
そういえば、滋賀の陶芸作家さんとギャラリーのオーナーさんとが、後日このお茶をお求めくださったのだった。飲むたびに酔いが回って、あの日のことを思い出すだろうな・・・。
酒の記憶は忘れても、お茶の記憶は忘れない。

版納古樹熟餅2010年 その30.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包+竹皮
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 白磁の蓋碗小とマルちゃんの湯飲み
西双版納の雨
西双版納の雨

お茶の感想:
2ヶ月前から香港の株価を追いかけている。
タイの株の口座も開設の手続きをすすめている。
ここ数年は茶よりも株が収入になるかもしれない。
自分の理想とする茶商になるには、もっとお金が要る。桁違いに要る。手元にストックしている熟成中の茶葉を全部売り切っても、ぜんぜん足りない。
これからも収益目標を掲げたお茶づくりはしない。
だから稼がなければならない。
茶商にとってのお金は武器弾薬である。ここぞというときにバン!バン!バーン!と集中砲火を浴びせないと、キラっと光る仕事にならない。
農家には山があり茶樹があり生産ができる。
茶商にはなにもない。
だからお金が要る。
農家はお金が欲しくて、茶商は良い茶葉が欲しい。
だから仲良くなれる。
お茶どころとして古いカタチの残る西双版納にも、近年は茶商が山を買ったり借りたりして生産者側になるケースがあり、もちろんそのカタチも検討してはいるが自分の理想ではない。農家と対立するよりも味方になる立場でいたい。個人と個人。老百姓と老百姓。老板と老板。そんな一対一の関係。組織は好きでない。組織的な仕事は自然の生態系との相性が良くないらしいことを、ここに来て学んだのだ。
茶商にとっての山は、むしろ都市にある。
都市生活をするお客様が畑である。現代的な生活をしているという意味なので、この記事を読んでいる人は誰もが畑になる。
通販を休業するということは、畑を耕すのを休むということなので、申し訳ないと思う。
昔の時代なら大富豪がひとりいて、その家のお抱え茶商としてふんだんに資金を得て、世界中を散策して、後世に残る面白い仕事ができただろう。現在は世界的に見ても大衆化の時代で、それなのに多数決を好まない茶商なのだから、独自に金儲けするしかない。そのかわりに自由だ。誰に言われるまでもなく好きにやってゆく。
この立場だからこそできる仕事ってなんだろう。
この時代、この環境、この生まれつき、この来た道、この出会い、与えられたすべてを追い風にするぞ。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
今日も雨だからこのお茶。
【版納古樹熟餅2010年】
雨の日の熟茶は甘い。
同じ雲南省の北のほう(麗江あたりかな)では早くも雪が降ったらしい。一度も雪の降ったことがない南の端の西双版納も、長袖の服を出すほど気温が下がってきた。それなのに長い雨。昨年よりもコンディションは悪いかもしれない。
ま、それでも晴れたら山に行く。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
熟茶は熱い湯で淹れるのが基本だが、抽出時間を長く煮出してしまうと、このお茶ならではの繊細な風味がなくなる。ちょっと茶葉を多めにして、生茶のように蓋碗でサッと湯を切る淹れ方をする。はじめの3煎めくらいまで特別な風味が得られるだろう。
このお茶の原料となった茶葉は巴達山の曼邁寨と章朗寨の古茶樹。2009年の秋は豊作だった。10月1日から11月1日まで雨の日は一日だけ。翌年の春のかんばつの予兆が現れていたのだった。乾季に入った清々しい空気と、山の上の強い紫外線を思い出す。
まだ経験の浅いその頃は、毎年そんなものだろうと考えていたが、それから6年経った今まで、好天に恵まれた秋は来ない。

ひとりごと:
お茶づくりのリスクと比べたら、株のリスクは技術的に回避できる分、たいしたことないなと思う。
ハイリスク・ハイリターン。
当店のやり方ではハイリスク・ローリターンではやってゆけないのだな。
良いとか悪いとかじゃない。そういう過程と結果に個性があるというだけだ。

版納古樹熟餅2010年 その29.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 紙包と竹編みの籠
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : マルちゃんの片口と清代末期の景徳鎮
版納古樹熟餅2010年

お茶の感想:
お茶の味、口感(口当たり)、体感、すべてはつながっている。
自分の心と身体の状態に注目する。
気持よく飲めるのは、どんな味のどんな口感のお茶か。それが今自分の身体の求めている成分であり薬効のお茶である。
この数日、気温・湿度ともに夏のピークに達した上海で、マルちゃんの土の茶器を選んだのは偶然ではなく、身体が求めていたからだと思う。
まろやかで涼しい口感。静かに沈んだ味の現れ方。
ちょっと試しに年代モノの景徳鎮で飲んでみた。
【版納古樹熟餅2010年】
版納古樹熟餅2010年
清代末期の景徳鎮
景徳鎮と版納古樹熟餅2010年
景徳鎮と版納古樹熟餅2010年
景徳鎮の茶杯
景徳鎮と版納古樹熟餅2010年
縁のカーブに特徴がある。
上の唇がそこに当たり、茶湯で濡れてツルッと滑る。キラキラ反射しそうな水質。パッと開く香気。辛いと感じるほど輪郭のはっきりした味の現れ方。
景徳鎮はどこか情熱的で、でも、今はちょっと暑苦しい。
お茶の味だけではない。
水だけでもいろんな印象がある。甘い水、辛い水、元気な水、静かな水、浮いた水、沈んだ水、細かい水、粗い水、丸い水、角い水。
日本から持って来た真鍮の薬缶(内側錫引き)は小ぶりなのに690gと重みがある。厚みがある。
真鍮のヤカン
真鍮のヤカン
いつものミネラルウォーターをこれで沸かすと、沸くのにちょっと時間がかかるけれど、水がトロンと粘る。しっとり舌になじんで溶ける。これでお茶を淹れると茶葉の内側の成分がグーッと引き出されるような感じになる。例えば、1煎・2煎・3煎・4煎・5煎と淹れると、1煎めからもう3煎めくらいの味が混じって丸くまとまる。
水が丸いとお茶も丸くなる。
丸い味に淹れたお茶は、身体への当たりも丸くなる。
版納古樹熟餅とマルちゃんの湯飲み
地球の星の水と土と。
いつの日か、そこに還る自分の身体の水と土と。
お茶を飲むときにすべてが交信して調和する。

ひとりごと:
お茶を美味しく淹れようとするとき、お茶を美味しく飲もうとするとき、お茶から栄養をもらおうとするとき、頭で考えるひとつやふたつの目的にとらわれず、物質のすべてと調和することを意識しましょう。
お茶ヨガ。

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その16.

製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー上海密封
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : マルちゃんの片口と茶碗
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶

お茶の感想:
土と水と茶葉と。
なにかが通じ合っている。
唇や舌や喉を滑るツヤツヤの水は、熱いのに冷たいような不思議な感触。
今日は紅茶で試す。
+【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
土そのものという感じのマルちゃんの茶器が手放せなくなった。
割ってしまうリスクが高くても、西双版納に連れてゆこうと思う。たとえ割れても、その欠片を捨てずに寝室や書斎に置いておくだろう。
あるだけで安心できる気がする。
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶
お茶を飲むことで、毎日、土となにかを交信している。
お茶を淹れて飲むだけで、身体が勝手に交信する。
土と水と茶葉と人と。
これからもっと土の茶器を使ってゆこうと決めた。そしたらホッとしたような気持ちになれた。
たぶん、土も水も茶葉も同じような気持ちになっている。
ホッとしたようなお茶の味になるのはそのためだと思う。
自然の法則は素直なのだ。

ひとりごと:
上海の事務所の後片付け中。
老茶の資料はもう自分には要らない。
知っていても知らないフリをする余裕ができた。
老茶の本
上海の茶室に寄贈するつもり。
トントンと事は運んでゆく。
8月4日に上海から西双版納に移動。
8月10日くらいに一部のお茶を上海に移して、あと1回だけ通販の受注・発注ができそう。
スタッフが上海の後片付けをして、8月末に事務所を閉める。
自分はもう戻らないで西双版納で秋の準備をする。
サヨナラ上海。

版納古樹熟餅2010年 その28.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 紙包と竹編みの籠
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : マルちゃんの片口と湯のみ
版納古樹熟餅2010年
マルちゃんの片口
版納古樹熟餅2010年

お茶の感想:
上海の夏。
蒸し暑すぎて、エアコンして眠るしかなくて、手足が冷える。
朝一番に暖かいお茶で汗をかく。
マルちゃんの器の土は、土のようなこのお茶と相性バッチリ。
【版納古樹熟餅2010年】
片口は湯の高温が保てないが、そのかわりに煮えた味にはなりにくい。
微生物発酵の黒茶は一般的には高温で淹れることになっていて、しっかり抽出された旨味や甘味がなんとも美味しいのだが、ちょっと煮えたような感じになると爽やかさに欠ける。その点、片口の湯はすぐに冷めるから味も涼しい。
注ぐ湯さえしっかり熱くしたら、味のゆるくなるのを防げる。
お茶は、茶葉により、器により、水により、淹れる技術により、飲むときの天気や体調により、ひとつひとつ異なった性質を見せてくれる。
そこに注目する。
自然のすべてに身を寄せる。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
マルちゃんの器で飲むお茶
版納古樹熟餅2010年
マルちゃんの器で飲むお茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
ごちそうさまでした。
この何日かマルちゃんの片口で飲んだお茶は、水の粒粒が唇や舌の上で転がって、口当たりも味もちょっと涼しい感じがした。

ひとりごと:
8月末の上海事務所の閉鎖に向けて、これから後片付け。
茶葉も器もまだまだ在庫がある。
8月の前半くらいに1週間ほど受注・発送業務が再開できそうなので、またサイトで案内したいと思う。

版納古樹熟餅2010年 その27.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : アルミ茶缶
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水 
茶器 : マルちゃんの茶碗
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年

お茶の感想:
熟茶のプーアール茶の発酵タイプには2通りある。
【版納古樹熟餅2010年】
このお茶は、水をかけて微生物発酵させるときにしっかり空気を取り込ませた「陽」の性質を持つ。発酵初期の段階で空気をあまり与えないようにする期間をつくると「陰」の性質を持つようになる。そういう技術がある。
次回はそれを試したい。
暑い夏の口にも、ちょっと爽やかな熟茶になると思う。
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
マルちゃんの器でこのお茶を飲むと水がツヤツヤする。

ひとりごと:
日本の窯元でつくる熟成壺はもうあと少し。
熟成壺
熟成壺
冬に完成予定。
3年かかっている。

易武古樹青餅2010年 その32.

製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 上海 紫砂陶器の茶缶
茶水 : ミネラルウォーター農夫山泉
茶器 : 大きめの蓋碗
易武古樹青餅2010年
易武古樹青餅2010年

お茶の感想:
上海の茶芸教室に呼ばれて行ってきた。
生徒さんは30代から40代の上海人の奥様たち。
日本ではありえない行儀の悪さで、雑談、スマートフォン、お構いなし。
先生は黙って知らぬふりをしている。
そう。知っているのだ。
人の態度がお茶に現れることを知っている。けれど言わない。授業を妨害するレベルに達したらひとこと注意するくらい。
先生と生徒のこの距離感は、幼稚園から大学まで同じような感じだと思う。
先生はそれで良いと悟っているのかもしれない。
奥様たちがストレス発散したり、お茶を習っているという文化的な衣をまとうために、お茶の教室はある。
お茶の教室がなければ、生徒さんたちは自分の姿を鏡に見る機会はないだろう。新しい生徒さんたちがグループに入ってきて、その態度を見て、古い生徒さんたちがはじめて自分の姿に気がつく。もちろん、それでも気がつかない生徒さんたちもいる。気付かないフリをする人もいるだろう。
他人がどうあって欲しいと願うよりも、自分がどうあるべきかを強く持って生きる社会。
他人に左右されずに、なりたい自分になろう。
昨日の教室で出したお茶。
【易武古樹青餅2010年】
易武古樹青餅2010年
易武古樹青餅2010年
左: 易武古樹青餅2010年 本作品
右: 易武古樹青餅2010年 試作品
「同じ年の春の、同じ農地の、ほぼ同じつくり方のお茶です。どこが違うか当ててみてください。」
ワイワイガヤガヤの喧騒の中で、静かにお茶を飲んだ先生はすぐに当てた。
「茶摘みのタイミングが違う。」
すごいレベル高さに、ちょっと鳥肌が立った。

ひとりごと:
お茶の教室では『版納古樹熟餅2010年』が人気。
版納古樹熟餅2010年
版納古樹熟餅2010年
+【版納古樹熟餅2010年】
キレのよい甘味が茶樹の育ちの健康を表わす。

版納古樹熟餅2010年 その26.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包み+竹皮
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター 
茶器 : グラスポット350cc
版納古樹熟餅2010年プーアル茶

お茶の感想:
前回上海を訪ねたときに、
このお茶を友人の小売店で紹介させてもらった。
+【版納古樹熟餅2010年】
何人かのお客様にお求めいただいて、後日友人に問い合わせがあった。
「店で飲んだのと味が違う」
こういう話だった。
「お茶好きの集まる茶会で高級な熟茶を出したくて、店で飲んだ時に梅子香があったこのお茶が珍しいので求めたが、茶会で淹れたら味がゆるくて不評だった。」
詳細を友人に聞いてもらうと、紫砂の大きめの茶壺を使ったらしい。もちろん水も異なる。
ちなみに店で淹れたときは白磁の蓋碗だった。
茶器も水も異なればもちろん茶の味は異なる。
しかし、今回の場合は茶葉の性質を理解できていなかったところに原因があるとみた。小売店の友人もそこに気付いていなかった。長年茶を売る仕事をしていながら気付かないワケがないと考えた自分のほうが間違いだった。
熟茶はじっくり抽出したほうが美味しくなる。
それは一般的な熟茶の製法によるもので、常識となっていて、経験を重ねるほどますます自身のやり方として定着する。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
このブログでもグラスポットで煮出すような淹れ方をよくしているが、実はこのお茶『版納古樹熟餅2010年』について言えば、このお茶ならではの個性を引き出しにくい淹れ方である。それでもグラスポットを使うなら、湯を減らして、一煎一煎を茶杯に注ぎ切るようにすると良い。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
高級になる生茶をつくるに値する新芽・若葉。産地違いや季節違いのブレンドもしていない純料の茶葉。この場合、まずは茶気・香気・水質に注目してその質を味わったほうが価値があるだろう。それを知ってから、煮出すなりなんなり自分の好きなやり方で楽しめばよいのだ。
そう思って、店で紹介した時は蓋碗でサッと湯を切る淹れ方をしていた。
蓋碗にしても茶壺にしても、茶気・香気・水質に注目するなら、高温の湯はもちろんだが、抽出時間を短めにするのがコツ。煮出さないこと。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
新芽・若葉の熟茶は色の出るのが早く、とくに2煎め3煎めに気をつけないとブワッ―といっぺんに濃く出てしまう。それでも美味しく飲めるが、もったいないことになる。
例えば、1煎め20秒・2煎め3秒・3煎め5秒・4煎10秒・5煎め15秒・・・という感じだろうか。
湯の色は透明感を保ち、ちょっと薄いかなというくらいで十分、その中に茶気・香気・水質を感じ取れるだろう。味が薄くても存在感たっぷり。つまりそれが味の透明感になる。
渥堆発酵がしっかりしていながらスッキリした味で、こんなふうに飲める熟茶は実は少ない。
一般的にはこの熟茶『7581荷香茶磚97年』のように、老叶子と呼ぶ大きく育った葉や茎、ブレンドによって新芽・若葉が見えていても、実はかなりの歩合で老叶子を含む。(近年はこれも一般的ではなくなりつつあり、熟茶づくりも漂流し始めているが、それはさておく。)
7581荷香茶磚97年プーアル茶
7581荷香茶磚97年プーアル茶
老叶子のタイプは質が良ければ淡く淹れても香気が楽しめるが、茶気は弱く、水質の粒子は荒い。写真のは極端に濃いかもしれないが、じわっと濃いめに抽出したほうがバランスが良く、独特な風味も楽しめるだろう。また老叶子は色の出るのが遅い。おのずと抽出時間はちょっと長めになるので、蓋碗や小さめの茶壺よりも、湯量があって熱量をじっくり茶葉と交換できる大きめのポットに分がある。
しかし、ここで紹介した淹れ方がすべてではない。探究心があれば、ひとつお茶にいくつかの美味しいパターンを見つけられるだろう。
いろいろ試されたし。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
7581荷香茶磚97年プーアル茶
上: 版納古樹熟餅2010年
下: 7581荷香茶磚97年
『7581荷香茶磚97年』は渥堆発酵の浅い仕上がり。
発酵期間は長くかかっているが、使われた水の量が少ない。1980年代の技術であり、ちょっと特別。一般的な熟茶として紹介するには向いていなかったかもしれない・・・。

ひとりごと:
お茶の良し悪しを知るのも大事だけれど、人がそれがどう理解するのかを知るのはもっと大事だ。
今年は上海を中心にこのあたりを研究してみようと思う。

巴達古樹青餅2010年 その26.

製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 生茶・紫砂陶器の茶壺 紅茶・プラスチック袋密封 
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
新版 漢方の歴史

お茶の感想:
漢方の本にこんなことが書いてあった。
七情はニ味の薬物を組み合わせるといかなる複合作用が発現するかを分類規定した配合原則である。単行(たんこう)・相須(そうしゅ)・相使(そうし)・相反(そうはん)・相悪(そうお)・相殺(そうさつ)・相畏(そうい)の七つのパターンが設定され、増強・相乗作用、反発作用、毒性相殺作用、一方が他方に不可逆的に働く作用など、種々の薬効変化が示されている。そして相須(互いに協力)・相使(一方的に協力)・相殺(互いに毒性を消す)・相畏(一方的に毒性を消す)の組み合わせがよく、相反(互いに有効性を消す)・相悪(一方的に有効性を消す)の組み合わせは禁忌だというのである。
「新版 漢方の歴史」小曽戸洋著 
第三章 神農伝説と『神農本草経』より
これだ。
一枚の茶葉の中にもいろんな成分があり、単行・相須・相使・相反・相悪・相殺・相畏は、製茶方法を変えることによって導き出せる。
巴達山の春の古茶樹の茶葉
だから、生茶と紅茶は体感が異なる。
先日から話題にしている「茶気」のアタリは、紅茶のほうが穏やかなのだ。
もしかしたら、中国茶の製茶分類はこの薬効変化がベースとなっているのではないか?
ひょっとして、これはあたり前の知識で、自分が中国茶のいろはを一から学ばなかったから、今になってやっと分かったのだろうか?
それとも、基本的な知識ではあるが、現在に生きるみんなは事の重大さに気付かずに、軽く聞き流しているだけなのだろうか?
あるいは、歴史の断絶を何度か経験した中国茶なので、こんなにバラエティーのある製茶方法が生まれた起源を忘れてしまったのか?
誰か知っている人がいたら「この本に専門的に書いてある」と教えて欲しい。さもなければ、経験を頼りにやってゆく自分は、これから膨大な時間を費やすことになる・・・。
今日はこのお茶。
巴達山の同じ季節の茶葉でつくった2つのお茶。
+【巴達古樹青餅2010年】
+【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
巴達古樹青餅2010年と巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹青餅2010年と巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹青餅2010年と巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹青餅2010年と巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹青餅2010年と巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹青餅2010年と巴達古樹紅餅2010年紅茶
左: 巴達古樹青餅2010年
右: 巴達古樹紅餅2010年紅茶
生茶と紅茶を同時に飲むと、生茶の茶気のアタリがやや穏やかになる。
熟茶を同時に飲むと、もっとはっきりと茶気のアタリがやわらぐのがわかる。

ひとりごと:
「自分の身体で確かめるべし」
そう言ったのは自分だけれどな。


茶想

試飲の記録です。

・キーワード検索

・カレンダー

S M T W T F S
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30      
<< September 2018 >>

・表示されている記事

・お茶と年代のカテゴリー

・記録

お茶の歴史
お茶の歴史 (JUGEMレビュー »)
ヴィクター・H・メア,アーリン・ホー

・サイトリンク

・プロフィール

 

mobile

qrcode

powered

みんなのブログポータル JUGEM