プーアール茶.com

喫茶禅 栖賢寺9月8日 ワークショップ

告知:
このイベントは終了しました。

内容:
お茶と坐禅をします。
坐禅の前に、
心が静まり集中力を高める”陰”のお茶を飲みます。
禅堂にて坐禅をします。(40分くらい)
坐禅の後に、
身体をほぐして心も軽やかになる”陽”のお茶を飲みます。

坐禅 栖賢寺住職宗貫
お茶 プーアール茶ドットコム店長ふじもと

栖賢寺禅堂
禅堂
禅堂
正座さぶとん

日時:
9月8日 日曜日 9:00から 11:30頃まで
2時間半くらい。

代金:
ひとり4000円。

場所:
栖賢寺(Seikenji) 書院(大広間)集合
書院は栖賢寺正門入って右手にある建物です。建物の脇をぐるっと回って裏側に入り口があります。
書院
京都市左京区上高野
+【栖賢寺のfacebook】
+【栖賢寺のサイト】
+【栖賢寺のグーグルマップ】



注意:栖賢寺には駐車場がありません。
叡山電鉄の三宅八幡から徒歩5分ほど、八瀬比叡山口から徒歩10分ほど。

予約:
予約なしでも大丈夫ですが、予約できる方や3人以上のグループでお越しになる場合はあらかじめメールで教えていただくと幸いです。
+【店長にメール】
もしくは、
+【栖賢寺予約フォーム】

ひとりごと:
タイのチェンマイのヨガ教室で、お茶とヨガを組み合わせたことがある。
お茶を飲むと心が落ち着いて、呼吸が深く穏やかになり、意識が内側に向いてゆく。
ヨガのポーズをとおして自分の中を見つめるのを、お茶が助けてくれる。
坐禅も同じ。
いや、もっと無心に近づけるかもしれない。
やりたくてずっと温めていた内容のイベント。ひとつ夢が叶う。
ありがとうございます。

章朗古樹春天散茶2012年 その2.

製造 : 2012年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 竹皮包+茶箱
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺+チェコ土の杯、鉄瓶+炭火
棚と熟成茶

お茶の感想:
茶葉の保存に石油製品を使わない。
木、竹、紙、陶器、金属など、昔ながらの素材にする。
5年前に熟成壺をオーダーしたときから目指して、少しずつすすめてきて、この夏やっと完成した。
手元のすべての茶葉を石油製品に触れないようにした。
試飲用に崩して小分けしてある茶葉は、まだジップロックやアルミ蒸着フィルムのクラフト紙の袋に入っているけれど、これらもクラフト紙だけの封筒に替えて、まとめてトタンの米びつに入れる。
トタンの米びつ
米びつは蓋がゆるくて、少しの通気を許すようにつくられている。
あとは、茶葉の運搬のときにつかう石油製品をどうするか。
石油製品の無い時代から茶葉は海を渡って遠い異国へ運ばれていたのだし、当店の茶葉もその時代のように保存容器ごと出品しようと思う。
チェコ土の熟成壺
チェコ土の熟成壺
最小単位でこんな感じ。
まとまった量の茶葉と容器をあわせて日本円にして6万円くらいから、いや、10万円以上になるかな・・・。
数十グラムとか、餅茶1枚ごととか、小分け売りするから石油製品の包装材が大量に必要になるわけで、昔の人みたいに1年分から10年分ほどのまとめ買いを対象にすれば需要はあるはず。日本人にはなくても中国人にはある。
商売だから、いろいろちょい試しで経験の消費者マーケットが大きいから、業者はそれに応える。中国茶だけでなく世界中のお茶を飲んで知ってつぶやいて仲間になることが大事で、ひとつのお茶が自分の身体にどう作用するのかをじっくり確かめて日々の生活に上手に利用する人たちのマーケットは小さいから、業者はそこをやりたがらない。仕方がない。
石油製品のゴミが自然環境を悪化させている。
海も川も山も、世界中のどこへ行っても目を背けたくなるような光景に出会う。
過去に西双版納の山でプラスチックゴミの散乱を撮った写真はないかな?と、ファイルの中を探してみたけれど、見つからない。あんなにたくさん見てきたのに、自分もまたカメラの視を逸らして見ないようにしている。汚い大人だな。
いろんな意味で気持ち悪い。
その気持ち悪さがいちばんの動機。
保存熟成の通気性がどうだとか、石油製品の健康被害がどうだとか、理屈は後から探したらよいだろ。いくらでもあるから。
茶葉も自然のものなので、石油製品を嫌っているにちがいない。それだけで十分。
さて、
プーアール茶の生茶の散茶(晒青毛茶)の嵩が大きくて、茶葉と茶葉の隙間の空気の部分がありすぎて、これを茶箱に詰めてもちょっとしか入らない。
スペースを節約して、茶箱の数もむやみに増やさないようにするには、圧延したほうがよい。
そこで、蒸してちょっと柔らかくして手で軽く、いや、かなり強く圧してみた。
熟成保存の茶箱
最終的にはこうなった。
蒸した後に、竹皮で包んでタコ糸で縛って固定して、いったん茶箱にぐっと圧し入れて形を整えて、そのまま瓦の上で天日干しを4時間くらい。途中ひっくり返したり角度を変えたりまんべんなく陽を当てた。
瓦の上で晒干
これだけ厚みがあると4時間では乾かない。雲が多かったせいもある。
その晩、室内で陰干ししているときに発熱しているのに気がついた。
天日干しのときに上がった温度がそのまま12時間経っても下がらない。
温度の下がらないのは、竹皮に包んだ底の部分。つまり、いちばん水分が集まるところ。
やはり微生物発酵だろう。
ちょうど日本は梅雨時で、温度・湿度ともに微生物発酵しやすい条件がそろっている。
茶葉についていたのか、竹皮についていたのか、それとも空気中を漂っていたのか、菌がどこから来たのか知らないけれど、西双版納で試している熟茶づくり実験のときと同じような温度。香り。
次の日の朝には温度が下がっていたけれど、それは茶葉が乾いたから。水分が少なくて菌類のつくった酵素の作用が弱くなったからだろう。
実験が目的なら、竹皮の上から霧吹きでシュッシュと水を足してみる手もあったが、今回はこのまま乾燥させた。
しっかり乾燥してから、茶箱に詰めて蓋を閉めて、長期保存をスタートさせた。
何年か前に丁家老寨の農家の老人に聞いた話。
「昔は、天日干しの茶葉がまだ乾ききらない柔らかいうちに、竹のかごに足で踏んで圧して詰めて、馬の背に乗せてラオスへ運んだ・・・・。」
このときも微生物発酵したに違いない。
昔の生茶のプーアール茶は微生物発酵している説。やはり正しいと思う。
現代の生茶の製法は、圧延作業を効率よく早く済ませるし、その後の乾燥を急ぐし、微生物発酵する暇がない。
その前の段階の、晒青毛茶をつくるときに微生物がちょっとくらい発生していても、二次加工の圧延や運搬の段階で微生物が増殖する時間は与えられない。
茶葉
ゆるく固まっている。
このお茶、どんな味なのかを試してみた。
卸売部で紹介していたこのお茶。
+【章朗古樹春天散茶2012年 その1.】
茶湯の色
ときどき飲んでいるお茶なので、前後を比べる必要がないと思って加工前のを残していないが、甘味が増して、米っぽい香りが加わって、日本の番茶を連想させる。
上のリンクで紹介しているのは2015年2月の記事だから、それから4年経った現在はさすがに熟成変化していて、現在の味が熟成のためなのか微生物のためなのか特定することはできない。
今回は蒸して微生物発酵したが、その味の変化が蒸したことによるものか、微生物発酵によるものか、あるいは両方か、判別することもできない。
ただ、ひとつの事実。
蒸してゆっくり乾かしたら、夏の気候では微生物発酵は避けられない。
これで満足。
圧餅した後の餅茶を、もう一度蒸して水分を含ませて何枚かいっしょにして竹皮に包んでゆっくり乾かしたら・・・・昔の生茶を再現できるよな。
今すぐにでもやりたくてうずうずするけれど、慎重になれ!自分。
熟茶の実験でたくさん茶葉を失ったのを思い出せ。

ひとりごと:
8月3日・4日の京都好日居でマルちゃんの喫茶、チャイオブナが開催される。
+【チェコ の マルティンさん の 葉月 の チャイオブナ】
2019年8月3日土曜日
13:00〜20:00
2019年8月4日日曜日
11:00〜17:00
このお茶持ってゆこうかな。

勉強会 朝のお茶・晩のお茶 好日居8月10・17日

告知:
このイベントは終了しました。

テーマ:
朝のお茶・晩のお茶
猛暑になることが予想できるので、
朝の部は身体に涼しい朝のお茶。
夜の部は身体をいやす夜のお茶。
それぞれ2種ずつお茶を選びます。
くすりとしてはじまったお茶なので、どんな茶葉のどんな製法から、どんな体感が得られるのかを実体験していただきます。
お茶の薬効を効かせるために、ごはんは腹六分めくらいに、お酒やコーヒーは飲まないで水だけ飲んでお越しください。
ヨガや太極拳など、事前に軽く身体をほぐしてからのほうがより効果的です。
お菓子は出しません。
朝
朝
晩
晩

場所:
京都 岡崎 好日居(地図)

日時:
8月10日 土曜
 朝の部 09:30から12:00まで
 夜の部 18:30から21:00まで
8月17日 土曜
 朝の部 09:30から12:00まで
 夜の部 18:30から21:00まで

氷
注意:
エアコンありません。猛暑のときは氷に扇風機の風をあてます。

ひとりごと:
くすりと言っても、お茶のくすりは快楽のほうのやつ。

茶学 好日居8月18・23日お茶淹れワークショップ

このイベントは終了しました。

茶学は、お茶淹れのワークショップです。
中国茶のお茶淹れの基本である、水の注ぎの技術を紹介します。
お茶淹れは、水あそび。
この楽しさを知ると、自分でお茶を淹れたくなるはずです。
大人も子供(5歳くらいから)も、はじめての方もベテランの方も、楽しめる内容です。

茶学栖賢寺

場所:
京都 岡崎 好日居(地図)

講師:
プーアール茶ドットコム 店長ふじもと

8月18日 日曜日
 10:00から
 13:00から 中止
 15:00から 中止

8月23日 金曜日
 13:00から 中止
 15:00から 中止

1回 1時間50分です。

お代:
1回ひとり3000円。
2回・3回続けての受講も可能です。

予約:
1回の定員5名さままでとします。
前日までにご予約をお願いします。
+【店長にメール】
前日までに予約が2名に満たない回は中止にします。ご予約頂いている方には前日にメールでお知らせします。

氷
注意:
エアコンありません。猛暑のときは氷に扇風機の風をあてます。

ひとりごと:
先日の栖賢寺の茶学は13才の甥っ子が楽しかったらしくて、つぎも参加表明している。
プーアール茶ドットコムも任天堂みたいに子供の心をつかんで世界征服を試みますから・・・。
茶学栖賢寺まお

庭 陶 茶 と マルティン ハヌシュ 7月13日・14日

告知:
このイベントは終了しました。

京都の栖賢寺
+【庭 陶 茶 と マルティン ハヌシュ】

店長ふじもと
栖賢寺
マルティン・ハヌシュ
マルちゃんとお茶
マルティン陶器
栖賢寺
本堂
マルティンと信楽の土

プーアール茶ドットコムは遊びに来ました。

ひとりごと:
雨だし、交通の便がちょっと悪いし、みんな来ないから、良かった。

茶学 栖賢寺7月28日お茶淹れワークショップ

告知:
このイベントは終了しました。

茶学は、お茶淹れのワークショップです。
中国茶のお茶淹れの基本である、水の注ぎの技術を紹介します。
お茶淹れは、水あそび。
この楽しさを知ると、自分でお茶を淹れたくなるはずです。
大人も子供(5歳くらいから)も、はじめての方もベテランの方も、楽しめる内容です。

茶学
上海での茶学
茶学
タイでの茶学

講師:
プーアール茶ドットコム 店長ふじもと

日時:
7月28日 日曜日 
 10:00から
 13:00から
 15:00から
2時間くらいです。

場所:
栖賢寺(Seikenji)
京都市左京区上高野
+【栖賢寺のこのイベントの案内】
+【栖賢寺のfacebook】
+【栖賢寺のサイト】
+【栖賢寺のグーグルマップ】



注意:栖賢寺には駐車場がありません。
叡山電鉄の三宅八幡から徒歩5分ほど、八瀬比叡山口から徒歩10分ほど。

予約:
予約の必要はありませんが、3人以上のグループでお越しの場合はあらかじめメールで教えていただくと幸いです。
+【店長にメール】

ひとりごと:
子供たちの淹れるツヤツヤの水の美味しさに、大人たちの技術が勝てない。
心をひらく。身体をととのえる。水になじむ。
お茶淹れの原点に触れていただきます。
茶学
茶学

チェコのマルちゃんとお茶談義 7月8日・9日

このイベントは終了しました。
後片付け

7月12日からマルちゃんの展覧会があります。
------------------------------------------
京都の栖賢寺
+【庭 陶 茶 と マルティン ハヌシュ】
日程:
7月12日 金曜
7月13日 土曜
7月14日 日曜
------------------------------------------

ひとりごと:
子供の頃の夏休みみたいに遊びのプランがたくさんありすぎて寝る間がない。
眠い。眠いのにイベントが終わって後片付けをしながらも深夜までマルちゃんとお茶談義が続いた。
ほんとうは、イベントが終わってからのお茶談義のほうが面白いので、そこをみなさんに公開したいけれど、イベント中にその面白さをシェアしようとしたら、テレビのバラエティー番組の司会者みたいなスキルが要るよな。
今回のイベント中にちょっとそのチャンスがあったのは、2日目に好日居の喫茶と勘違いして来られたお客様3人を迎えたとき。
ひとりは妊婦さん。あとふたりはお母さんと赤ちゃん。
好日居の喫茶ならきっと親切な態度で断っていると思う。静かにしなければならないから。でも我々はWelcome!
「妊婦でもお茶飲んで大丈夫ですか?」
それが最初の会話だった・・・。
どうなるのかわからないコントロール不能な展開を、マルちゃんと自分なら面白くできるはず。
他のお客様が内心ドキドキしている雰囲気もどこか可笑しくて、もしもここでマルちゃんと目が合うとワハハと笑ってしまうと思って、そうならないように自分は茶席から離れてマルちゃんひとりに任せたけれど、あのときがチャンスだった。もっと思わぬ方向へ展開させて盛り上がったかもしれない・・・と、ちょっと後悔。
マルティン・アキ
茶杯
マルティン・アキさん(マルちゃんの奥さん)とマルちゃんの茶杯

刮風生態青餅2018年 その5.

製造 : 2018年4月11日・13日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)刮風寨小茶樹
茶廠 : 店長と茶友たち
工程 : 生茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 熟成壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興の茶壺・景徳鎮白磁の茶杯・鉄瓶+炭火
国有林の立入禁止

お茶の感想:
今年から、漫撒山の国有林の入り口で北京から来ている森林公安が検問することになった。
一扇磨・弯弓・刮風寨の森の入口3箇所に朝の8時から15時頃まで見張りを立てている。
農家以外の外地人は森への立入禁止。
地元の茶商でさえ許されない。
農家の話では、まだ見張りの立っていない朝の8時前に入ればよいらしくて、茶友らの一部は今年もそうして森に入って采茶現場を見ているが、違法になる。外国人の自分はこんなところで引っかかりたくない。麻薬地帯に近いから意地悪されると命にかかわる。
ちょっと様子見したい。
森に入らなくても村へは行ける。
村で農家の摘んできた鮮葉を待って自分で製茶するのもよいし、農家が晒青毛茶に仕上げたのを仕入れることもできる。
何度も通った漫撒山だから、鮮葉の質はわかる。
けれど、昨年のように采茶から圧餅までのすべての工程を見るお茶づくりはもうできないかもしれない。
残念ながら、ホンモノの森は国有林の中にしか残っていない。
その森のお茶の魅力にイカれちゃったので、もうそれ以外は考えたくないのだ。
鮮葉
今年の春、北京の茶友が刮風寨で茶葉の等級を分ける手法を試みた。
一日かけて采茶した鮮葉を、その日の夜にアルバイト3人が大きく育った葉や茎の部分を取り除いて、柔らかい小さな新芽・若葉だけにする。次の日の早朝に萎凋を終えて殺生する。
鮮葉のうちに小さな新芽・若葉だけを揃えてから萎凋・殺青するのがミソで、なぜかというとカタチや大きさが揃うほど茶葉の含水量が均一にできて、殺青の火の通り具合も、揉捻のよじれ具合も、均一にできるから。均一といっても大きく育った葉や長い茎が多いものと比べたらまだましという程度で、茶畑の茶葉のようには揃わない。
それでも、殺青のムラとなる焦げや生焼けを減らしたり、揉捻で葉に傷をつける原因になる硬くて捩れにくい葉や茎を減らしたり、製茶がキレイに仕上がる効果は容易に想像できる。
一度は試してみたかった手法で、自分はまだできていない。その効果に興味がある。
この実験の費用的な負担を少なくするために、樹齢の若い生態茶を使用している。よいアイデアだと思う。
昨年の秋に見学したところで、刮風寨の村から近いこの森のお茶。
生態茶と森
ほんとうは古茶樹でそれをしたいところだが、高価になるし、もし上手にできてもさらに高価になるのを追いかける消費者はほとんどいないし、需要はないだろう。つくり手のエゴや夢の空回りでできるお茶かもしれない。
刮風寨の生態茶の多くは、茶王樹や茶坪の古茶樹の種を採取しているので、漫撒山の大葉種の古い品種が維持できている。なので茶葉の大きさやカタチは似ているし、効果を確かめるには十分。
試飲したところ、味も口感も充実していた。透明感があって、生態環境の良さが素直に現れている。写真を撮り忘れた。
やや香りが弱い気がした。しかし、これは今年の春のお茶の特徴なので仕方がない。
昨年の刮風寨の生態茶を飲んでみた。
+【刮風生態青餅2018年】
餅面
今年の春の味を覚えているうちにすぐに飲み比べたかったけれど、西双版納にサンプルを残していなかった。
移動に日数がかかって10日間くらい空いてしまった。
けれど、飲んですぐにわかった。
昨年のほうがお茶の味は薄く口感は軽い。
今年のほうがお茶の味が濃く口感が重い。
もしも西双版納で飲み比べたら、今年の春のほうに軍配を上げたかもしれない。
茶壺
しかし、ここでちょっと考えた。
どこか心にひっかかるものがあった。
もしかしたら、この見方はあくまでも産地の価値観であって、遠く離れた消費地の価値観ではないような気がしたから。
お茶づくりは、産地が半分、消費地が半分。
自分自身が身を置く場所によって別人になっている。
味が薄くて口感が軽いことがマイナスポイントにはならない。独特の味わいが生じている。舌や鼻の味わいではなくて、心を動かす印象の味わい。春の陽気とちょっと冷たいような風を表現するなら昨年のお茶だろう。
味が濃くて口感が重いと、味そのものに気を取られて印象は薄れる。
こういう見方が現地ではできない。その審美眼はない。
都市生活に身を置いていろんな文化に触れているうちに、ちょっとずつ勘が戻ってきて、見え方が変わってきて、やっと気付く味わい。
茶湯
産地の農家や地元の茶商にわかるわけがない。お茶は飯のタネでしかない彼らが評価するのは味も口感も香気もすべてにおいてボリュームのある実質的に分かりやすい品質であり、印象の味わいについて語ることなどない。
おかしなことに、情報技術が進化した現在は都市も産地も同じ価値観が普及している。SNSなどで情報がリアルタイムで拾えて、現場のナマな情報がチカラを持って、みんなが田舎者の立場になってお茶を評価する。
ものごとを見たり考えたりするのに影響を与える社会環境は、産地と都市とでは大きく異なる。心理的な立ち位置は違うはずなのに、見る角度がそれぞれ違うはずなのに、同じものを見て同じ評価をしているかのように錯覚する。
産地と消費地が距離的にも心理的にも離れたギャップから生じたファンタジーは、もう過去の遺産。

ひとりごと:
中二(中学二年生)の甥っ子に、中二病だと診断された。
難しい理屈をこねたり、違いがわかると背伸びした自己主張をしてみたり、無駄なエネルギーを消費している。
たしかに症状が一致している。
みんなが中二病になったら面白いのにな。

天門山古樹青餅2019年 その1.

製造 : 2019年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山天門山
茶廠 : 易武山の茶商
工程 : 生茶のプーアール茶
形状 : 餅茶200gサイズ
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 白磁の蓋碗・白磁の杯・ステンレス電熱ポット
西双版納の茶店

お茶の感想:
今年の春のお茶はつくらなかったし、晒青毛茶を仕入れることもなかったし、浅い評価しかできないけれど、メモを残しておこうと思う。
50日間ほどかかりきりになった熟茶づくりの実験を終えてから、ほんの3日間だけ地元のお茶屋さんを巡ったり茶友を訪ねたりして、今年の春のお茶をいくつか飲んでみた。
あまり期待していなかった。
昨年の春が数年ぶりに良かったので、星の巡りからしてハズレるような気がしていたのと、3月のはじめに西双版納に到着して飛行場に迎えに来た茶友がひと言めに「冬に雨降りが続いた」と異常気象を嘆いていたから。
本来は、この地域の冬は乾季なので、雨は1ヶ月に1度か2度かほんのちょっと降るくらいが正常。毎日降るのはおかしい。
植物は地面を境に上と下とで交互に成長する。
地面の上の葉の成長が止まる期間に根が育つ。冬に雨が降って葉が育って、根が水を上げるのに忙しく働いたら根の育つ期間がない。
はたして、このことが影響したのかどうか、関連性があるのかないのか証明はできないが、結果から見たら今年の春のお茶は香りが弱い。
味は充実している。水質はきめ細かくて飲みごたえがある。
なのに香りが弱い。
このパターンははじめて出会う。
春の茶摘みがはじまってからの天気のコンディションは良かった。
毎日晴れて空気が乾燥していて製茶の天日干しがうまくいった。この数年はむしろ雨の日が多くて製茶に苦労したから、カラッと晴れた日がつづいたのはうらやましい。
製茶はスッキリ仕上がっているはずなのに香りは弱い。
旬に入った3月中頃から4月末頃まで、一滴も雨の降らない日が続いた。自分が数えただけでも33日間雨が降らなかった。空気は異常なほど乾燥した。34日目にほんのちょっと雨が降ったけれど地面はすぐにもとのカラカラに戻った。まとまった雨が降るようになったのは5月末から。春はもう終わっていた。
気温は異常に上がって連日40度を超えた。こんなこともはじめて。昨年まで35度を超えた日などなかったと思う。
農家が言うには、今年の春の茶葉の生産量は例年の半分だった。
雨が降らないので、そもそも新芽の数が少ないのと、若葉に育つまでに乾いて硬くなってお茶に加工できないのと。
乾いて硬くなる前に茶摘みをするから、新芽・若葉は小さく柔らかいうちに采茶される。茶商の立場からすると上質な茶葉が同じ価格で入手できて有利になった。農家の立場からすると小さい茶葉では重量が稼げないので不利になった。
茶摘みのタイミングも良いはずなのに香りが弱い。
お茶を売る人の立場からすると毎年「今年の春は良い」と言いたい。香りが弱いのはたいした問題ではないと言いたい。
けれど、何年か経ってから「あの年のお茶は良かった」という声が聞こえてくる。新茶の評価は甘くて、年月の経ったお茶の評価は辛い。当たり年は数年に一度しかないことが後になってからわかる。
長年熟成させた味をウリにしたい立場からは、数年に一度のお茶だけ扱うのも良いかと思っている。
さて、その観点からすると、香りの弱いのはお茶の個性の表現も弱い。
天門山古樹青餅2019年
このお茶『天門山古樹青餅2019年』は西双版納の易武山地区を専門にする茶商にサンプルとして分けてもらった。
自分は”天門山”という茶地の名前を知らなかった。
よく通っていた漫撒山の丁家老寨から山続きにある茶地なのに、無名だったから名前が聞こえてこなかった。
しかし、価格は3年ほど前から天門山のほうがずっと高いらしい。
それもそのはずで、古茶樹のお茶の生産量は20世帯くらいの村全部を合わせても200キロくらい。一本の茶樹から2キロできると計算して100本しかないわけで、それを茶商がひとりで買い占めるのだから、需要と供給のバランスで価格が上がる。商売商売。
近年の丁家老寨の古茶樹は収穫しすぎで、味が薄くなっているのに比べると天門山のほうはまだ味が濃い。2014年から摘み始めたそうなので、まだ摘み過ぎの悪影響が少ないのかもしれない。
飲んで気がついたのだが個性がない。
漫撒山は南北に18キロほどの峰の周辺に、張家湾・丁家老寨・一扇磨・香椿林・多依樹・薄荷塘・弯弓・・・・・白茶園・冷水河・白沙河・茶王樹・茶坪。と、大小さまざまな茶地があって、それぞれの味があって、だいたい飲んだら当てられる。漫撒山のお茶の味の中にそれぞれに個性がある。
その個性は香りがキーになっているらしい。
香りが弱いので、天門山のお茶の個性が現れていないのか、もともとこんなものなのか?
と疑問に思ったまま他の茶店で刮風寨の茶王樹と茶坪の今年の春のお茶を飲んだ。
茶王樹
茶王樹
瑶族の農家の知り合いのものなのでモノに間違いはない。刮風寨の中でも上質を競うお茶。価格もトップクラス。
ところが、これも昨年のに比べて香りが弱い。
味も口感も充実しているのに、香りだけが欠けている。
天門山のお茶の個性は来年以降に見つけることにする。

ひとりごと:
北京から西双版納に遊びに来ている中医学の先生と交流した。
内モンゴルに牧場を持って牛をある試みで育ててみたり、趣味の範囲が広すぎて、ふだんはどこで何をしているのかよくわからない人だった。
久しぶりにブッ飛んでいる中医学の不思議な話を聞いた。
山東省のある種の天然の樹木から切り出した棍棒で、関節痛の人の骨をゴリゴリして治す。その棍棒は一回きりで焼いて捨てなければならない。つまり、棍棒のほうに悪い”気”が乗り移るという仕組みらしい。そのある種の天然の樹木でないとダメとか、樹齢とか伐採のタイミングとか、細かなルールがあるらしい。
長年苦しんできた関節痛が一発で治る。
西双版納の茶友が半信半疑で北京に行って足を診てもらったら、ほんとうに一発で治って帰ってきた。
中医学の先生は高学歴の人で、スタンフォード大学で科学的なアプローチから解明を試みたらしいが、無理だったらしい。
積み重ねでたどり着けるところじゃない。雲の上を飛ぶような解決策で結果が出ている事実。こういうことに中国ではたまに出会うから面白い。
古代文明の優れた欠片が残っている。
人の文明は、すでに何度も滅びているのだろうな。
お茶づくりの文明も、実はもう滅びている。

熟茶づくり実験2019年 その8.

製造 : 2019年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県象明蛮磚古山生態茶
茶廠 : 農家+店長
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 微生物発酵途中
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 白磁の蓋碗・グラスの杯・ステンレス電熱ポット

お茶の感想:
発酵スタートから18日目。
6回目の散水を終えてから2日目。
ここでダメになった。
残念だが、捨てるしかない。
今回の実験はこれですべての茶葉を使い果たして、滞在期間があるのでいったん終わりにする。
失敗に終わるが、ヒントを残した。
6回目の散水
5回目の散水の後まではうまくいっていた。
美味しい熟茶になりかけていた。
6回目の散水の後にトラブルが起こった。
トラブルの原因は4月中頃からはじまっていた異常気象。ある程度は予測できたが、天気予報すらだんだんひどくなるとは予測していなかった。気温は連日40度に達して、室内の気温も35度になって、湿度は30度のカラカラで、熱帯雨林の気候じゃない。砂漠のような感じ。
一袋3.5キロの少量ゆえに影響をうけやすい。
茶葉の発熱した温度を下げられなくなった。
4回目・5回目の散水まではなんとかいけた。撹拌するなどして数時間内に32度くらいまで下げられた。黒麹の活動のサインが消えなかった。
ところが、6回目の散水後から特別に暑い日がつづいて、3日間ほど茶葉の温度が40度以上になった。空気がカラカラに乾燥しているので撹拌は何度もできない。茶葉が潤いのあるうちは微生物のつくった酵素の作用があるが、乾燥すると効き目がなくなるので、抗菌効果のガードが下がる。
40度以上が24時間つづいた頃から変な匂いがしてきた。麦わらのような畳のような草っぽい匂い。
そして、黒麹の活動のサインが消えていった。
発酵失敗
メーカーの数百キロ以上の単位で行う渥堆発酵では、内側の茶葉の温度は50度以上になる。しかもその期間は長くて2日間以上続くこともある。
なぜこれほどの高温が長時間続いて大丈夫なのか?
どこが違うのかを考えてみた。
メーカーの発酵
おそらく、通気の状態が違う。
メーカーの渥堆発酵の内側の茶葉は、かなり酸素の少ない状態で発熱して50度に達する。
外側を覆っている茶葉の層は数十センチあって、そこは黒麹優勢になる条件がそろっている。通気が良くて温度は低め。例えば、室温が28度であれば表面の茶葉は28度から30度くらい。10センチほど掘っても35度以下だろう。
この数十センチの外側の層に活動する微生物が酸素を消費して二酸化炭素を吐き出して、内側を酸欠状態にしている。
実験の一袋3.5キロでは茶葉の層は上下6.5センチしかない。外側も内側も差がなくて、一袋すべてがひとつの環境になる。
発酵初期の黒麹菌を培養する目的のときはこれで都合がよかった。
一袋3.5キロの外側・内側のすべての茶葉に通気が良くて、32度くらいの低めに温度が保てて(そのときは室温も30度くらいだったので)、他の微生物の繁殖を抑えてキレイに黒麹の発酵がすすんだ。
しかし、発酵中盤からの”浄化”の目的になるとこれでは都合が悪い。
浄化に働くいくつかの優良菌には、通気の少ない環境で40度以上の高温を好むのもいるから。
こんなことも検討してみた。
例えば、浄化の発酵のために、布袋ごとプラスチックバッグで包んで通気を遮断して、酸素の少ない状態にする。
いいアイデアのように思えたが、これもよく考えるとダメ。
黒麹のサインが消えると必ず調子が悪くなる。
この法則にしたがうと、一袋まるごと酸素が少なくなったり高温になったりしてはいけない。黒麹が弱るから。
これは散水のときの技術にもあてはまる。
2回目以降の散水から茶葉に均一に水がかかってはいけない。黒麹の菌糸が窒息するから。不均一に散水することで、黒麹の活動が止まらないようにする。
手はなくはない。
一袋ごとの発酵を分ける。
一袋を浄化のための発酵。別の一袋を黒麹のための発酵。発酵を分けて行って、後にこの2つを混ぜ合わせる。
混ぜ合わせてからまた一袋ごとに分けて、浄化のための発酵と黒麹のための発酵とを分けて行う。
・・・・かなりややこしい。
言うは易しだが、布袋も蒸籠も毎日洗って天日干しして・・という作業もたいへんで、現実的ではない。
少量の渥堆発酵の難しい理由はここにある。
茶葉の量が少ないため相反するような2つの環境を一つの山(茶葉の集まり)でつくれないこと。
忘れないように、ダメになった茶葉の様子を記録しておく。
まず、茶葉の茎の部分が焦げる。
茎の焦げ
西双版納のお土産屋さんで売っているニセ年代モノの生茶にもよくある茎の部分の焦げ。湿気た跡であるが、焦げているだけではなくてカビている。
葉底
匂いが悪い。
それまで黒麹優勢のときは、栗や焼き芋のような甘い匂いがしていた。その甘い匂いだけしかなかった。
発酵がダメになると、麦わらや畳のような草っぽい匂いが混じるようになる。
茶湯
茶湯の色は6回目の散水でさらに赤く変色している。この色は正常。
しかし、味が悪い。
黒麹優勢のときの白ビールのような甘さはない。
クエン酸の酸味はかなり落ちているが、別の酸味、漬物っぽい酸味が出てきている。
なんとなく身体が受け付けない苦味があり、舌に残る。ほんのひとくちがすっと飲み込めない。
納豆菌が繁殖すると、ぬるんとした粘り気が茶湯にも出てきて、苦味が後味にあるが、この場合の苦味は健康的に感じる苦味。苦いのが悪いわけではない。
どこがどう悪いかと味の説明をするのは難しいが、誰にでも子供の頃からの経験の蓄積があって、これは飲むな!と身体が教えてくれるから、うまく文章にしておく必要はないだろ。
葉底
葉底に、死んだ魚っぽい匂いがかすかにある。茶葉に魚の匂いは危ない気がする。
葉底の色は、5回目の散水までは緑色や黄色がもっと鮮やかだったはずだが、6回目の散水後のはどこか全体に黒ずんで灰色っぽい。茶湯の色の暖色とは反対に、葉底の色が寒色になっている。この現象は茶友の熟茶にも見つけているが、どこかおかしい。
追記:5回目の散水後 軽く焙煎
まだダメになっていない5回目の散水後、そのときの試飲を記録しておく。
甘い香りがピークに達して、お茶を淹れると旨味が強く出て、クエン酸の酸味がちょっと落ちていて、もっとも熟茶らしい味。納豆菌の茶湯の粘りはほとんどなくキレイな口感。
これを軽く焙煎してみた。ステンレスの鍋を熱して、火から下ろして予熱だけで散茶に火入れした。
焙煎したときに焼いたパンの匂い。酵母発酵の匂い。味は火入れ前のよりもクエン酸の酸味が落ちて、透明感が増して、さっぱりとしていた。熟茶の年代モノにときどきあるちょっと埃っぽい感じの香り。アミノ酸の焦げからくる炭っぽい感じ。ここで発酵を止めて長期熟成させる手はあるかもしれない。と思った。
今回の実験の目的は、味も体感も涼しい昔の熟茶がどのような発酵によってつくられたかを探ること。
現物のお茶の味で証明することが叶わなかったが、現代の熟茶がなぜ味も体感も暑苦しいのか?、ひとつ思いつく理由がある。
おそらく浄化を意識しすぎているからだろう。
じゃんじゃん水をかけて、渥堆発酵の内側の発熱して高温になるところの時間を長めにして、つまり黒麹菌以外の良性の菌類による発酵をすすめて、”揺れ”の要素をなくしてゆくと、食品衛生的にはより安全になる。理論上はそうだ。このまま発酵をずーっとすすめて行きつくところは灰とか炭とか、枯れて毒にならない物質になる。
出荷してからすぐに飲めなければいけない現在の市場において、「発酵茶だから10年寝かせなければ毒が抜けない」なんて言い訳はできない。
しかし、それならなぜ昔の人も同じように考えなかったのか?
謎を残して、振り出しに戻ってしまった。

ひとりごと:
開発区
開発区
森を切って山を崩して川をせき止めて、人の住まない投資物件を増やしてゆく経済。
そんなんで儲けたヤツらが山ごと買い取って森を切って天然ゴムやバナナを植えて山が枯れてゆく。
罰当たるわな。
ビジネスは頭悪い。


茶想

試飲の記録です。

・キーワード検索

お取り寄せについて

開店中
+【お取り寄せについて】
※開催時期をメールにてお知らせするサービスは終了しました。
(2019年2月)

お問い合わせ

【当店にメール】

・カレンダー

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< January 2020 >>

・表示されている記事

・お茶と年代のカテゴリー

・記録

お茶の歴史
お茶の歴史 (JUGEMレビュー »)
ヴィクター・H・メア,アーリン・ホー

・サイトリンク

・プロフィール

 

mobile

qrcode

powered

みんなのブログポータル JUGEM