阿波晩茶 その1.

製造 : 2012年
茶葉 : 日本徳島県那賀郡那賀町
茶廠 : 農家
工程 : 黒茶
形状 : 散茶
保存 : 紙の封筒
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
大きめの蓋碗できっちり。
お茶の感想:
お客様から頂いた日本の黒茶のうちのひとつ。
乳酸発酵の酸っぱいお茶。
「番茶」じゃなくて「晩茶」なのだな。
開封したとたんに漬物っぽい香りがした。そういえば『朝日黒茶(バタバタ茶)』にもちょっとだけこの香りがあった。ということは、乳酸発酵も混じっているということなのだろうか。
『阿波晩茶』は麹菌類による発酵の赤黒い変色はない。茶葉がそのまま乾燥したような薄い緑色と、良く発酵したためであろう青黒いところがある。


抽出された茶湯は澄んだ緑。茶海や茶杯に映える。
この色にも紅茶や熟茶のような赤い変色はまったくない。緑茶そのもの。茶摘みしてすぐにしっかり釜ゆでするためだろうけれど、乳酸発酵でつくられる成分にも赤っぽく変色するのを打ち消す作用があるらしいのだ。
味は漬物汁を白湯で割ったような感じ。緑茶の香りとほのかな苦味が爽やか。
部屋に出涸らしの茶葉をそのままにしておいたら、一晩じゅう爽やかな香りが絶えなかった。乳酸発酵は香りの魅力を増す働きもあるようだ。
茶摘みは7月の後半まで待って、成熟した茶葉を収穫するらしいが、これは春の新芽や若葉に多い「棘味」を乳酸菌が嫌うためだろうと思う。熟茶づくりにもそれがあるから、春摘みのお茶はしばらく寝かしてから発酵させなければならない。
ひとりごと:

奈良のお茶屋さんにいただいた茶梅。
無農薬栽培の烏龍茶で漬けてある。