プーアール茶.com

香椿林紅餅2016年 その1.

製造 : 2016年3月22日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)香椿林
茶廠 : 農家+店長ふじもと
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興紫砂の茶壺
香椿林の茶樹
香椿林の茶樹

お茶の感想:
2016年春の香椿林の森のお茶は紅茶3種と生茶1種。
紅茶 『漫撒春眠紅餅2016年』 3月21日采茶  茶地A
紅茶 『香椿林紅餅2016年』  3月22日采茶  茶地B
生茶 『香椿林青餅2016年』  4月1日采茶  茶地B
紅茶 『漫撒一水紅餅2016年』 4月3日采茶  茶地A
森は広いので茶地AとBとの生態環境はちょっと異なる。Bのほうがやや乾燥したところにある。
土質が同じなのか、ベースとなる風味は共通している。
香椿林の森のお茶は漫撒山一帯の中でいちばん甘いかもしれない。
辛味や苦味が少ないのが余計に甘く感じさせる。
スッキリした甘さ。
香椿林紅餅2016年
香椿林紅餅2016年
香椿林紅餅2016年
葉底
山つづきで隣の森の「一扇磨」の苦味や、その隣の森の「弯弓」の辛味、そういうスパイスが味の輪郭になるが、苦味や辛味のほとんど無い香椿林はとらえどころなくぼんやりしている。
芯がないわけではない。深いところにちゃんとある。しかしその深みは底が見えない。光の届かない海の深いところのよう。
はじめからそういうものとわかっていたら、自分で淹れるにしても他人が淹れるにしても、こんなにリラックスして飲めるお茶はないだろう。
お茶淹れの技術でなにか表現めいたものを表現できるわけでもないし、なんらかの味わいに集中する必要もない。
昨日の『章朗古樹紅餅2016年』とはまったく対象的な表現。
心地よく眠いお茶。
香椿林の森
香椿林の森

ひとりごと:
先日の勉強会「熟成」では7種のお茶を飲んだ。
しかし、参加者全員が後からそう思っただろうけれど、もっとも古い老茶2種をじっくり味わうのでも十分な価値があった。いや、むしろ2種くらいを3時間かけてじっくり味わったほうが贅沢だった。7種も味わうことで一つ一つの味わいは薄れる。もったいないことをしている。
そう。それが勉強会の目的だから。
逆に言えば、味わうということに目的はない。目的などあってはいけない。
目的なく2種をじっくり味わうという内容なら、お客様は勉強会に集まらなかっただろう。

章朗古樹紅餅2016年 その2.

製造 : 2016年4月6日采茶
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山章朗寨古茶樹
茶廠 : 店長ふじもと
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 密封
茶水 : 京都地下水
茶器 : 宜興紫砂の茶壺
章朗古樹紅餅2016年
章朗古樹紅餅2016年

お茶の感想:
朝の紅茶。
飲んでからジョギングする。
夏の太陽に負けないこのお茶。
+【章朗古樹紅餅2016年】
ガツンと高温淹れしてみる。
紫砂の茶壺をしっかり熱湯で温めておいて、茶葉を投入して蓋をして蒸気で1分ほど蒸らして、熱湯を注いで蓋をする。この手続きを丁寧にするとお茶は清らかになる。
湯の量と熱量は比例するので、湯量多めに8分目まで注いだ。
そろそろかな・・・という頃合いに蓋に指を当てて、熱の伝わり具合から茶壺の中の見えない茶葉の開き具合を想像してみるのだが、むちゃくちゃ熱い。
茶壺のカタチの効果が大きい。タテ長はいいな。
チェコ土の杯
一般的な紅茶はこのように高温淹れすると、カンロ飴っぽい甘味と香りが出やすい。やさしい味ではあるが輪郭や芯がボケるので、パッと気分を変えたい時や目を覚ましたい時には役不足。
カンロ飴味は大きく育った新芽のたくさんある紅茶に多いが、実際にその成分に由来すると思われる。
新芽が大きく育っているということは旬をハズした晩春から夏の雨の季節の茶葉。見た目が美しいから売れやすいし、なにしろ産量が多いから市場占有率が高い。みんなに手に入りやすい。これを美味しく淹れるには、新芽が煮えないようにサッと湯を切って抽出したほうがよいが、そうすると高温でしっかり抽出する深い味わいは得られない。
春の旬の新芽は乾いた状態では爪の先ほどの大きさしかない。
旬の紅茶の餅面
若葉は製茶で赤黒く変色するから、餅面は真っ黒に見えるが、これぞちゃんとした旬の色である。
生茶の原料の晒干緑茶にしたときと同様に、黒ければ黒いほど旬の成分が濃い。
高温でしっかり抽出してもカンロ飴味が少なくて、スッキリ爽やか。スパイシーながら舌に残らず消えが早い。喉ごしは滑らかで潤いがある。
葉底
はそこ
茶気の強いのはアルコール度数の強い酒と同じ。
2016年の春の紅茶は8種あるが、最も茶気度数の高い紅茶はこの『章朗古樹紅餅2016年』と1日前に采茶した『章朗古樹紅餅2016年・青印』。
濃いのを一杯飲んだらバッチリ眼が覚めて、走るぞ!という気分になる。
古茶樹のミネラルで強い日差しにも負けない気分。
章朗古樹紅餅2016年
今日一日の分を保温ボトルに溜めておく。

ひとりごと:
先日の勉強会のテーマ「熟成」で興奮したお客様が、年代モノのラム酒にも同じ深さがあると紹介してくださった。
1939年の老ラム酒。ラベルはフランス語で「RHUM」と書いてある。
美しい。
香りだけでノックアウトする。
銘酒は美人。
年代モノのラム酒
ラム酒はカリブ海の島や大陸のサトウキビからつくる蒸留酒であるが、その起源は西洋による植民地化時代に遡る。お茶やコーヒーが世界中に売れ出した時代に砂糖の需要が爆発して、ものすごい勢いで南米やアフリカにサトウキビ畑が開拓されて(そのために奴隷も流通して)、砂糖を精製するときの黒糖シロップを二次利用しての酒づくりがはじまる。
ラム酒といえば労働者向けの安い酒のイメージがあるが、これをウィスキーやブランデーのように樽で長年熟成させたのが一部のマニアに支持されていたらしい。つまり、はじめから長期熟成を狙ってつくる高級嗜好品なのだ。知る人だけが嗜んでいた酒。
長期熟成は樽で寝かせたり瓶で寝かせたり、いろんなパターンがあるが、いずれにしてもじっくり時間と手間を掛けたもののほうが良い。その間、お金をふんだんかつ継続的に投下されるほど熟成は上質に仕上がる。当然だ。
当初は東インド会社が手掛けていたと思われるが、スペイン、イギリス、フランスあたりが老ラム酒づくりに熱を上げていて、最後はイギリスかフランスの老ラム酒が高く評価されるようになる。スペインが脱落したのは、先に経済力が落ちたから。熟成に金をかけないセコイ手法になってゆく。
老プーアール茶戦争を征するのも、50年以上継続する経済力になる。
美人はお金が好き。

南糯古樹青餅2010年 その6.

製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山老Y口寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納ー京都
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興紫砂の茶壺
南糯古樹青餅2010年
南糯古樹青餅2010年

お茶の感想:
今日は久しぶりにこのお茶。
+【南糯古樹青餅2010年】
お客様から、
「最近飲まれてない(茶想に登場しない)ということは、ダメなところでもあるのですか?」と聞かれたが、どこもダメではない。
理由のひとつは、個人の嗜好の問題で、苦底の強いのが苦手なこと。苦底の代表格である西双版納孟海県「老曼峨」の古茶樹は、どんなに上質でも嫌いである。
南糯山の古茶樹の苦底は老曼峨よりも穏やかながら、ちょっと長く舌に残る。
紫砂の茶壺
南糯山古樹青餅2010年
苦い・・・・・・・・でも爽やか。
のどの潤いも心地よい。
蒸し暑い今年の夏にはこの苦さが格別に感じられる。
葉底(煎じた後の茶葉)からは晩春の特徴が見られる。
現地でのお茶づくりをはじめたばかりの2010年のときは、まだ早春へのこだわりがなかったが、南糯山の晩春の采茶は苦底の後味を長引かせる結果となることが今はわかる。
晩春の茶葉
もうひとつの理由は、ひとつのお茶に集中することで、ようやく見えてくることがあるということ。いろんなお茶をまんべんなく試飲していてもわかりにくい。ひとつに集中することで細部が見え、気付きがあり、新しい疑問があり、超えたり、堂々巡りしたり、到達したりする。
そこまで行くと別のお茶もわかりやすくなる。
理解の秘密。
理解の仕組みにはいろんなワナがあり、試し試される。
この辺りの苦しみを楽しめると、趣味は実益を兼ねてくると思う。

ひとりごと:
茶学用の茶盤が納品された。
今回は4枚。
京都の若手の木工作家さんにお願いしている。
しばらく使って、使いこなしてから茶学器(茶学専用茶器)として販売したい。このブログで一枚ずつ紹介してゆくが、茶盤単品ではなく他の道具とセットにするつもり。
そのセットは、例えば「当店のある種の生茶を淹れるのに向いていて、一般的な烏龍茶には向いていない。」という具合に尖がらせたい。結果的に一般的な烏龍茶も美味しく淹れられるようになるかもしれないが、はじめからあれもこれもイケる道具はつまらない。
茶学器
茶学器
表と裏で表情が異なる。
茶学器
茶学器
茶学器は作者名を出さない。
当店のお茶と同じ。
つくり手みんなが下請け業者であるから、名前が表に出る必要はないのだ。

巴達古樹紅餅2010年紅茶 その18.

製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 紅茶
形状 : 餅茶
保存 : 密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 宜興紫砂の茶壺
宜興紫砂の茶壺
宜興紫砂の茶壺

お茶の感想:
棚からぼた餅みたいな感じで、宜興紫砂の茶壺が格安で手に入った。
大きめのタテ長。高さ9cm+胴の直径7.8cm。
持ってみた感じちょっと重めなので厚みがあるらしい。重さ225g。250ccの水が入る。
胴体のスタイルは良いが、耳みたいなカタチの取っ手がやや大きくてバランスが悪い。かと思ったが、熱い湯を注いでみたらすぐに理解できた。この大きさでないと熱くて持てなくなる。
熱々の湯でじっくり煎じるタイプのお茶を意識した作りなのだろう。つくり手はお茶好きで、お茶淹れ技術にうるさい人に違いない。
中国ではよくやるテストだが、水をいっぱい入れて蓋をして、注ぎ口を指でピッタリ蓋をしてひっくり返す。それで蓋が落ちなければ、蓋の合わせが良い。試すと、実際に蓋が落ちないので、かなり精巧にできている。
それでも値段が安かったので、品質のほどはよくわからない。
むちゃくちゃ上等でないのはわかるけれど・・・。
水切りテスト
水切りを試してみると、注ぎ口から出る水の線が弱い。職人の仕事にしては詰めが甘い。しかし、グッと傾けても水がほぼまっすぐ下に落ちるので、初心者には向いている。家飲みで気が緩んでいても美味しく淹れられるだろう。
紫砂の茶壺
内側の穴がちょっと小さいか・・・。
紫砂の茶壺
かなり昔に(もしかしたら20年以上も前の話)、お茶関係の研究をしていた人が中国に旅行したときに買ってきて、日本で何人かの手に渡ってきたが、誰も使いこなさずにいたのか、それともどこか悪いところでもあるのか、一生モノにはならなかったらしい。単純に、日本人には中国茶を飲む習慣がなくて、猫に小判だった可能性もある。
この茶壺は、プーアール茶のみならず、紅茶や黒茶みたいな熟れた茶葉を美味しく淹れることにかけて優れた性能を発揮するに違いない。古いタイプの烏龍茶も良いだろう。
コレクション価値はないかもしれないが、実用価値はある。長年中国茶を自分で淹れて飲んできた人ならわかるはず。
紫砂の茶壺
素材の土が古いらしい。
宜興は昔ながらの土が高騰して、「土が古い」というのが近年のウリ文句になっているけれど、他人の言うことは信用しないのが中国モノと付き合うコツ。
自分で確かめる。自分で勉強する。土が良いのかどうかは自分が決める。
今日は紅茶を淹れる。
+【巴達古樹紅餅2010年紅茶】
巴達古樹紅餅2010年紅茶
巴達古樹紅餅2010年紅茶の葉底
茶葉を少なめにして熱々の湯で煎じる。
2煎で出きった。
美味しい。
味は深いが、透明感がある。
熟成6年めの紅茶の鮮味が蘇る。
葉底は開いてフワフワにふやけている。
紫砂の茶壺の保温力は、断熱性があるのではなくて、伝熱性があるための効果なのだと気が付いた。
まずは茶壺を熱湯で温めて、茶葉を投入して湯をいっぱいに注ぐと、取っ手以外は指で触れることもできないほどキンキンに熱くなる。その熱の伝わり様はまるで鉄。
お好み焼きを焼く厚い鉄板が冷めにくいのと同じで、厚みのある茶壺が熱を蓄える。そして放出する。この熱がじわじわ湯を伝わり、茶葉に伝わり、内側の成分が抽出される。

ひとりごと:
こういうことやってみたくなるよな。
養壺

漫撒一水紅餅2016年 その2.

製造 : 2016年4月3日
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)香椿林
茶廠 : 農家
工程 : 晒干紅茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : 白磁の蓋碗小90ccサイズ
漫撒一水紅餅2016年の餅面
漫撒一水紅餅2016年
漫撒一水紅餅2016年の茶湯

お茶の感想:
今年2016年の春は一天一采(ある一日の茶葉でひとつのお茶をつくる)で、紅茶は8種もできたから、その仕上がりが比べやすくなった。
とくに軽発酵度の違いはわかりやすい。
軽発酵度レベル5(最高)と評価したこのお茶。
+【漫撒一水紅餅2016年】
紅茶の紅茶たる赤黒い茶葉の色。ルビー色の茶湯。芳醇な香り。軽快な苦味。艶やかな甘味。
みんなが紅茶にもっている印象に近いと思う。
晒茶も圧餅も天日干しで仕上げているこの紅茶はとくに、ちょっと油断してぬるい湯で淹れたり、茶器をあらかじめ温めないなどして高温をキープできなかった場合、おっとりし過ぎて眠い味になりやすい。
ちょっとシャープに、カドや輪郭を立てるようにしたいところ。
そこで、今日は白磁の蓋碗にしてみた。
白磁の蓋碗
漫撒一水紅餅2016年
最近のブログの記事では茶壺をよく使っているが、実は試飲には今も蓋碗を使い続けている。
蓋碗は白磁の薄手の素材といい、口の大きく空いた形といい、保温力が弱い性質なので、高温淹れで抽出したいお茶に向かないように思えるが、そうでもない。
淹れ方(というか飲み方)の技術である程度カバーできる。
また、白磁のお茶の味を直線的に表現するところが、このお茶の輪郭や芯を表現するのにピッタリである。
紅茶を蓋碗で
蓋碗の高温抽出技術
蓋碗で高温を維持する技術。
といってもカンタンで、上の写真に答えが写っている。
1杯目を飲んでいるうちに、次の2杯めの抽出が始まっている。
それだけ。
茶を杯に注いでからまたすぐに蓋碗に熱い湯を注げば、蓋碗も茶葉も冷める間がない。高温をキーブしやすい。煎を重ねるほどに茶葉にどんどん熱が入り込んで、内側の成分が抽出される。
抽出時間は30秒から3分といったところか。
茶葉の量や蓋碗のサイズによっても、1煎め、2煎め、3煎め、4煎めによっても、抽出時間はそれぞれ異なるので、こればかりは自分の手元での頃合いを見つけるしかない。
飲むほうは、次の煎の抽出が濃くなり過ぎないうちに手元の杯を飲み干さないといけないから、忙しそうだが、やってみるとあんがいゆっくりなテンポである。
ひとつのお茶を飲むのに時間をかけていられない我々の仕事の試飲だけでなく、家飲みで一日の終りのつかの間を安らぐのに良いくらいの時間の流れ。
蓋碗と紅茶
白磁の蓋碗ならではのお茶の輪郭や芯が表現できるかどうかは、試した人だけがわかるということにしておく。

ひとりごと:
西双版納で乗る自転車、これが欲しいな。
SANTACRUZ
ちょっと流行にノリすぎかな・・・。
自転車は市場が大きくて、用途が多様化していて、メーカーによっては趣味性の強いかなりニッチな市場に向けた自転車を出品している。もっと尖ったのが欲しい人もそこそこ居て、カスタマイズを手伝う仕事も成り立っている。
ニッチ市場でヒットしている自転車は、メーカーが意図した方向での機能性やデザインがそのままユーザーに支持されるのではなくて、それをちょっと違った方向にユーザーが応用したときのカッコよさにツボがあると思う。
茶葉や茶器もそういうのがカッコ良いと思うから、自分はもっと明確な方向性が見える茶葉をつくって、茶器を選ばせるようにしたい。
例えば、『漫撒一水紅餅2016年』だけを最高に美味しく抽出するためにつくられた茶壺とか、あっても良いな。あまり売れないほうがカッコ良いくらいのやつ。

易武古樹青餅2010年 その33.

製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 京都陶器の茶壺
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコ土の茶壺
梅干し壺でプーアール茶熟成
易武古樹青餅2010年の京都熟成
お茶の感想:

ひとりごと:
梅干し壺のようなのに餅茶を熟成させている。
このお茶を試飲。
+【易武古樹青餅2010年】
壺に入れてからは2年半ほどになる。
餅面は良い具合に焦げて赤黒くなっている。
易武古樹青餅2010年の京都熟成
ちょっと思いつきで、茶壺に湯を注いだ後から茶葉を投入してみる。
茶壺に湯を注いだ後から茶葉を投入
茶壺に湯を注いだ後から茶葉を投入
浮いた茶葉はそのままにして、自然に湯に馴染んで沈むのを待つ。
2煎め以降の茶葉はしっかり湯に浸かっている。
易武古樹青餅2010年の京都熟成
易武古樹青餅2010年の京都熟成
茶葉の色を見て違いに気付いただろうか。
餅面は赤黒く焦げていたのに、水を含んで開いた茶葉は緑色がよみがえる。もちろんつくりたての時の緑に比べると新鮮ではないが、煎じる前と後との違いは大きい。
ここに壺熟成の効果が現れている。
陶器の壺での熟成は、茶葉の表面のメイラード反応(常温の焦げ)を促進させるようなのだ。土の質や焼き方によるところもあるから、すべての壺が良いとは言えないが、手元で試している2種類の壺は2つともこの効果が現れている。
メイラード反応で焦げた表面の成分が、茶葉の内側の鮮度を守るのではないかと考えられる。
易武古樹青餅2010年の京都熟成
お茶の味の新鮮さにもそこが現れている。
将来的には、当店の餅茶はすべて壺熟成にする。

ひとりごと:
Klean Kanteenの保温ボトル。
蓋をギュッと閉めないと漏れるが、そこに慣れたらとても使いやすい。
Klean Kanteenの保温ボトル
Klean Kanteenの保温ボトル
蓋が大きい割にシリコンゴムが薄い。だから蓋を閉める圧力が要るのだろう。
もしも蓋の閉まりをもっと軽くしようとしたら、デザインが犠牲になるかもしれない。
作り手がそこをすごーく考えたうえで選択した結果だったら、いい仕事だと思う。
両方の良いところを取ろうとしてどっちもたいした魅力のない品は、なぜか日本製に多いよな。
八方美人はアカン。

多依樹青餅2016年 その1.

製造 : 2016年04月7日(采茶)
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)多依樹
茶廠 : 農家(河南省の茶商)
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 紙包み密封
茶水 : 京都の地下水
茶器 : チェコの土の茶壺
多依樹青餅2016年

お茶の感想:
ちょっと前に、
『多依樹春の散茶2016年 その1.』
として紹介していた茶葉を5月14日に圧餅している。
これを出品することにした。
180gサイズの餅茶1枚83,000円。
1枚のみの出品。
申し込みフォームにはアップしないので、メールにてお申込みください。
+【店長にメール】
入手した散茶は360gで、180gサイズの餅茶がぎりぎり2枚分取れたが、1枚はすでに茶学や勉強会で使って残り半分もない。
多依樹青餅2016年
この1枚は粉々に崩れた茶葉を多く含むが、出品するもう1枚は姿をキレイにとどめた茶葉だけで圧餅している。まさに精品。
多依樹青餅2016年
国有林の森のお茶なので静かな語り口。
わいわいガヤガヤしたところでは心を開かない。
静かに味わえる少人数か、それともひとりになる時間か。
どんなにゆるい淹れ方をしても、どんな茶器で淹れても、極上のこのクラスの茶葉は美味しく淹れられるが、やはり丁寧にするとそれなりの効果を得る。
蓋碗でも茶壺でもよいが、煎の続くのは茶壺。
熱々の湯で注ぐが、一煎めはほんの数滴を垂らして、その湯をすぐに切って、蓋をして蒸らす。
こうすると、熱湯をいきなりジャバジャバ注いで茶葉を火傷させることはないので、味がより清らかになる。
多依樹青餅2016年
当店で入手できた2016年の春の頂点クラスのお茶は、このお茶ともうひとつ、刮風寨の単樹のお茶(友人に100gだけ分けてもらった非売品)と、2種のみだった。
ま、現地の業者仲間たちも、今年はこのクラスは1種か2種しか手に入っていないはずだ。
毎年の春に同じ茶樹から同じように採取しても、新芽・若葉の出るタイミングと天候とがバッチリ合わなければ極上にはならない。天体の巡りが太陽や地球や月や水や風に影響して、いろんなことが起こって、お茶ができている。
今年のテーマは一天一采。
多依樹青餅2016年
多依樹青餅2016年
葉底

ひとりごと:
とびきり美味しいお茶ができるということは、ちょっとした奇跡に出会うこと。

瑶郷古樹青餅2014年 その5.

製造 : 2014年5月
茶葉 : ラオス古茶樹
茶廠 : ラオスの瑶族+漫撒山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 西双版納 竹皮+紙包み袋密封
茶水 : 京都御所周辺の地下水
瑶郷古樹青餅2014年の竹皮一筒6枚組
竹皮一筒6枚組

お茶の感想:
しばらく品切れ中だったお茶。
+ 【瑶郷古樹青餅2014年】
西双版納からの荷物がようやく届いて本日再出品した。
竹皮一筒6枚組が2筒分ある。
この竹皮包みは、当店の他のお茶の竹皮包みと比べてもギュッと引き締まっていて、職人の技が冴えている。
これ、開封するのはもったいないな・・・。
というわけで、バラ売りできる3枚以外は、6枚組の竹皮包みのまま売ることにする。
1年や2年売れなくても、いや、10年売れなくてもぜんぜん平気。
今年から熟成風味がグッと良くなっていて、これからもっと良くなる。自信がある。
熟成の予測は難しいが、このお茶は易武山の系統のお茶。刮風寨からそう遠くないラオスの山のものなので、長期熟成の味に実績がある。
今のところ、『易武古樹青餅2010年』と似たような変化の道をたどっている。
瑶郷古樹青餅2014年餅面
泡茶
茶湯
今年の春は刮風寨のお茶をつくらなかったが、昨年の秋から訪問しはじめていて、春には茶友が刮風寨のお茶づくりにトライしたこともあって、ちょっとずつ理解が深まっている。
この一帯は瑶族の土地なので、瑶族の農家と交流するうちに、刮風寨から近いラオスのこのお茶についてもだんだんとわかってきたことがある。
価格差があるので、易武山の名のある地域のお茶として産地偽装して流通するのは言うまでもないが、われわれ仲間内では試飲するとその違いがわかる。
ラオスのお茶は水がやや硬いのだ。
淡い感じ、甘い感じ、消えの早い感じ、滋味ある感じは、易武山のお茶の表現に似ているが、水がやや硬い。
同時に飲み比べないとわからない程度である。

ひとりごと:
次回の勉強会のテーマは「熟成」。
としたいが、これがけっこう難しい。
話すことよりも現物で、お茶の味で、それを説明したい。
2000年以降は広東省の東莞市に大きな倉庫が集まっていて、いろんな試みがある。
数千トンというとんでもない量のお茶を倉庫に入れている業者もいる。
その倉庫のサンプルも入手している。
ただ、現段階で話したくないところもある。
当店はあくまでも熟成味のお茶を完成させて売ることで伝えたいことを伝えるべきであり、お茶の味でなにかを表現するべきであり、知識とかしゃべりとかで表現するのはチープなのだな。
我慢したほうがよいかもしれない。
でも、あと何年我慢する?というか何年我慢できる?
73青餅
写真は『73青餅』1984年。

7581荷香茶磚97年 その7.

製造 : 1997年
茶葉 : 雲南大葉種晒青茶景谷茶区
茶廠 : 中国土産畜産雲南茶叶進出口公司 昆明茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 磚茶
保存 : 西双版納 乾倉
茶水 : 京都の地下水
茶器 : マルちゃんの茶壺・湯飲み
7581荷香茶磚97年

お茶の感想:
夏でも涼しく飲める熟茶。
7581荷香茶磚97年
茶則代わりのマルちゃんの器
注ぎ
茶湯
葉底
濃い目に淹れると、石を噛んだみたいな味。
味の輪郭を出すというか、エッヂを利かすというか、切れ味を良くした爽やかさを求めるなら、抽出時間をゆっくりして煮出してはダメ。ちょっと茶葉を多めにしてサラッと淹れる。

ひとりごと:
茶学は、家飲み茶を追求する学問。
他人に見せるための技術ではなく、自分が最高に美味しいお茶を飲むために学ぶもの。
そっちに向かって、他人に飲ませるにはもったいないほどの良い茶葉を選んで、茶器との組み合わせにおける可能性を探って、人を魅了する(自分を酔わせる)術を習得する。
このあたりもっと力説したいので、また近々茶学をやるかな。
紫砂壺とプーアール茶
紫砂壺とプーアール茶
写真は6月の上海での茶学。
大きな紫砂壺で淹れる生茶は『丁家老寨青餅2012年』。
一煎で出し切る。
こんなの美味しいに決まっている。

漫撒風道青餅2015年 その5.

製造 : 2015年3月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨古茶樹
茶廠 : 漫撒山工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶180gサイズ
保存 : 西双版納
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗+マルちゃんの茶壺
漫撒風道青餅2015年

お茶の感想:
180gサイズの餅茶。
なぜか1枚だけ残してあったので再出品。
+【漫撒風道青餅2015年】売り切れ
山の谷風の吹く道の涼しさが、お茶の苦味になって現れている。
ピリッとした辛味が舌に残る。
漫撒風道青餅2015年
漫撒風道青餅2015年
漫撒風道青餅2015年
漫撒風道青餅2015年
このお茶も「黄印」の製法で、布の袋に入れて一晩渥堆している。
じっくり抽出するのが美味しいので、途中から茶壺にバトンタッチ。
茶壺は熱湯でしっかり温めておくこと。
蓋碗から茶壺にバトンタッチ
茶壺でじっくり抽出
抽出時間は茶壺の容量や保温力により異なる。この場合はじっくり4分ほど待った。茶壺の蓋のところに指をおいて温度の変化を探り、ピークが過ぎて落ちてきたところで杯に移す。
杯も直前に熱湯で温めておいたほうがよい。
葉底
風に吹かれた茶葉の育ちの違いが葉底の形に現れている。

ひとりごと:
自転車買った。
BOMBTRACKのARISE。
BOMBTRACKのARISE
BOMBTRACKのARISE
漕ぎ味抜群のシングルスピード・フリーギア。
フィックスギアのピストバイクではないので、走りだしてから漕ぐ足を止めても勝手に車輪が回ってくれる。チリチリ鳴るラチェット音が美しい。
BOMBTRACKのARISE
シングルスピードは地面とタイヤの接触するところの反応が足元に敏感に伝わる。この漕ぎ味を一度知ったら変速には戻りたくなくなる。いや、しばらくは戻らない。上り坂は立ち漕ぎ。それでダメなら降りて押すから、もう一台シングルスピードの自転車がほしい。
ARISEのリッジドフォーク
自転車屋さんの言うには、リジッドフォーク(前輪を支えるサスペンションのないフォーク)の作り込みにメーカーの意気込みを感じるらしいが、自分はまだよくわからない。
SRULYのタイヤ
もともとはSURLYのKARATE MONKEYという自転車を探していたのが、どういうわけかBOMBTRACKになったので、タイヤを太い41Cに替えてある。ただ、そうするとタイヤの直径が大きくなって、曲がるときのハンドルの角度が深いと、前足のペダルがいちばん前に来た時につま先を擦る。太いタイヤのカッコよさとクッションの良い乗り心地をとって我慢するか、それとも純正の35Cくらいのに戻すか、ちょっと細い32Cにしてもっと加速力を上げてみるという選択もある。
迷うのがまた楽しい。
BOMBTRACKのARISE
タイヤが大きくなったせいもあって、漕ぎ出しが重いと感じたので、ギアをちょっとだけ低いのに交換してもらったら、スタートダッシュが良くてビュンビュン走れるようになった。その分、高速の伸びはなくなったが、そんなに急いで走ることはない。
ステム交換
BOMBTRACKはドイツのせいかSサイズでもデカイ。ステム(ハンドルを支えるところの接続部品)を純正の10センチから7センチに短くしたが、それでも身長168.5cmの自分にはハンドルが遠く感じる。もっとコンパクトなハンドルに交換してみようかと検討中。
自転車屋さん。
+【空井戸サイクル】


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