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漫撒古樹青餅2013年・黄印 その7.

製造 : 2013年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山丁家老寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
漫撒古樹青餅2013年・黄印プーアル茶

お茶の感想:
漫撒古樹青餅2013年は、
「青印」・「黄印」・「緑印」とある。
そのうち「青印」と「黄印」は、半発酵をすすめた製茶をしている。
【漫撒古樹青餅2013年・黄印】
漫撒古樹青餅2013年・黄印プーアル茶
漫撒古樹青餅2013年・黄印プーアル茶
半発酵をすすめると、お茶を淹れるのがカンタンになる。
基本の技術さえあれば、誰が淹れても易武山の甘いお茶になる。
先日『南糯古樹青餅2010年』で、緑茶に近い(半発酵度の低い)仕上がりのものは、茶葉にしっかり熱を通したほうがバランス良く美味しいので、小さめの蓋碗のような保温力の低い茶器の場合は、連続して3煎ほど淹れるような工夫が要るという話をした。
【南糯古樹青餅2010年 その1.】
その点で、半発酵をすすめると1煎めからバランスが良くなる。2煎め、3煎めと均質に抽出できる。さらに、一煎ごとの抽出にやや時間がかかるので、おのずと湯の熱がとおりやすく、まろやかになりやすい。
漫撒古樹青餅2013年・黄印プーアル茶
また、半発酵をすすめた茶葉は粘着力を弱めるので、圧餅がカチカチの緊密な状態にはなりにくい。過去に扱った中では『同興號後期圓茶70年代』に似ている。その風味の特徴である「お香の香り」もかすかに感じられる。
【同興號後期圓茶70年代プーアル茶】
1950年代にそのほとんどが姿を消した易武山の「號級」のお茶。
それらが、おそらくお茶を淹れる段階での「淹れやすさ」を考慮したであろうと思う。

ひとりごと:
西双版納
西双版納
西双版納旧六大茶山の「革登」・「莽枝」へ行ってきた。
道中のタイ族の村で稲刈りをしていた。

中茶牌臻品黄印熟餅13年 その1.

製造 : 2013年
茶葉 : 雲南省西双版納孟海県古茶樹春茶
茶廠 : 中国土産畜産雲南茶叶進出口公司
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 昆明−上海 紙包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
中茶牌臻品黄印熟餅13年プーアル茶
中茶牌臻品黄印熟餅13年プーアル茶
中茶牌臻品黄印熟餅13年プーアル茶

お茶の感想:
卸売部で出品中(現時点)のこのお茶。
『中茶牌臻品黄印熟餅13年』
雲南省のお茶が専売公社制だった時代(1950年頃〜2000年頃)に、輸出・販売を担っていた国営企業「中国土産畜産雲南茶叶進出口公司」が、当時3大メーカーのひとつ「昆明第一茶廠」の跡を継ぐ形で、民営化後にメーカーとしてお茶を出品している。
昆明第一茶廠といえば、1973年に熟茶の量産品をはじめて世に出したメーカー。
参考ページ
【73白紙特厚磚プーアル茶】
現在は熟茶といえば孟海茶廠がダントツのトップメーカーだが、昆明第一茶廠のあった時代(〜1995)は、「73厚磚」や「7581文革磚」などの名作があり、孟海茶廠の熟茶は目立たない存在だったと思う。
熟茶の老舗メーカーとしての復興を掲げて・・・かどうかはわからないけれど、高級な古茶樹の春茶をつかった熟茶を出品してきた。
昨年あたりから「大益」の孟海茶廠や、「老同志」の安寧海湾業など、大手や中堅メーカーに「古茶樹」を謳った熟茶製品がポツポツ出てきている。
この背景には、まとまった量を集めるのが難しかった古茶樹の晒青毛茶が、農家の製茶機械の導入や、あちこちの茶山にメーカーの製茶場が増えたことなど、いくつかの技術的な進歩がある。
中茶牌臻品黄印熟餅13年プーアル茶
中茶牌臻品黄印熟餅13年プーアル茶
2重の包み紙を開けて餅面を見ると、ただならぬ雰囲気。
それならと思って、当店オリジナルの熟茶と比べることにした。
【版納古樹熟餅2010年プーアル熟茶】
孟海県の茶山の古茶樹という点が、とりあえず同じ。
中茶牌臻品黄印熟餅13年プーアル茶
中茶牌臻品黄印熟餅13年プーアル茶
中茶牌臻品黄印熟餅13年プーアル茶
中茶牌臻品黄印熟餅13年プーアル茶
中茶牌臻品黄印熟餅13年プーアル茶
左: 中茶牌臻品黄印熟餅13年
右; 版納古樹熟餅2010年
晒青毛茶の素質やつくり方に違いがある。
それが微妙に発酵の菌類の活動に影響して、お茶の味を左右して、手前味噌だけれど『版納古樹熟餅2010年』のほうが美味しい。ただ、このふたつのお茶は想像していたよりもずっと接近していた。
『中茶牌臻品黄印熟餅13年』のクオリティーは高いけれど、昆明第一茶廠の味の再現はなかった。景谷の茶葉ではなく孟海県の茶葉。もしかしたら孟海県の中堅の茶廠の倉庫で発酵させたと思う。しかし、このお茶を求めるファンは昆明第一茶廠の味の再現を期待するだろう。包み紙の内側に添えられている「内標」と呼ぶ紙に、「昆明第一茶廠の1973年のどうのこうの・・・」と書いてあったからそう思ったのかもしれない。
「良い素材の良い熟茶です」と言うだけなら、普通に満足すると思う。

ひとりごと:
熟茶を飲んだら、腹が減る。
孟海焼鳥
孟海焼鳥
孟海焼鳥
孟海焼鳥

南糯蜜蘭青餅2013年 その7.

製造 : 2013年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山老Y口寨古茶樹
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
南糯蜜蘭青餅2013年プーアル茶
南糯蜜蘭青餅2013年プーアル茶

お茶の感想:
このお茶が難しい。
【南糯古樹青餅2010年 その1.】
そのつづき。
ちょっと寄り道をして、
今日はまずこのお茶を淹れてみる。
『南糯蜜蘭青餅2013年』
同じ茶山の、同じ農地の、同じ古茶樹の、同じ季節の、同じ農家による製茶。
しかし、この製茶による火入れと発酵度の加減には大きな違いがある。
そしてこのことが、お茶淹れに異なる手法を求める。
  1. 茶葉の素質
  2. 製茶の加減(圧延の技術も含む)
  3. お茶淹れの手法
この3つはピタッと足並みがそろったほうが良い。
茶葉の形状を見て、質感を見て、場合によっては手で触ってみて、その違いを知るところからはじまる。
南糯蜜蘭青餅2013年プーアル茶
左: 南糯古樹青餅2010年
右: 南糯蜜蘭青餅2013年
経年変化による変色を差し引いても、火入れと半発酵度の違いが現れている。
『南糯古樹青餅2010年』は緑色(黒く変色)が濃い。
火入れが強く仕上がっている。
『南糯蜜蘭青餅2013年』は白っぽい。
芽の部分が白くて若葉が黒い色の感じは、雲南大葉種でつくる「白茶」に似ている。
月光白
写真: 白茶・景邁山の月光白
白茶は、高温の鉄鍋で炒る「殺青」の工程がない。涼干とゆるい熱風で仕上げる。その火入れの浅い結果に似ている。
茶葉の形状は、『南糯蜜蘭青餅2013年』はより揉捻が強いので細く捩れているけれど、晒青毛茶のつくり方においては、揉捻もまた半発酵度を少し上げる効果がある。
火入れが浅く発酵度がやや高い白茶の性質があるのなら、白茶のようにぬるめの湯(80度以下)でじわっと抽出してみるとどうか?
南糯蜜蘭青餅2013年プーアル茶
トロッと甘くて、ふんわりレモンの混じる草っぽい香りの、やわらかな白茶の美味しさに近付いた。
『南糯古樹青餅2010年』をこのように淹れると、煙草香が強く、苦味がエグ味のように感じられてダメだったから、これは大きな違いになる。
では次に、熱い湯でどんどん茶葉に熱を通す(火を入れる)煎じ方を試してみる。
このやり方は、地元の茶荘が「南糯山」を含む孟海県の茶山、「白沙」・「布朗山」・「老班章」・「巴達山」・「孟宗」などの生茶を入れる時によく見る手法。
南糯蜜蘭青餅2013年プーアル茶
南糯蜜蘭青餅2013年プーアル茶
熱湯で洗茶をしてから、一煎・二煎・三煎と、どんどん熱い湯を注いでは茶海に移す。杯に注いで飲む間がないくらい。蓋碗と茶葉の熱が下がる暇がないので、火がしっかり入る。
この場合、『南糯蜜蘭青餅2013年』はあまり美味しくない。苦味が立って、煮出したような嫌味も少し感じる。
かまわずに煎をすすめると、6煎めくらいでやっと落ち着いて、バランスが良く、滋味深い味わいが楽しめる。しかし、それまでの煎があまりにももったいない。
やはりこのお茶『南糯蜜蘭青餅2013年』は、低温の湯でふんわり仕上げるのがよいのだ。
さて、それでは『南糯山古樹青餅2010年』に戻って、つづきをする。
【南糯山古樹青餅2010年 その2.】

ひとりごと:
白茶づくりの機械。
白茶の火入れ
上に盛った茶葉が徐々に下に降りながら乾燥と火入れができる。
しかし一番良いのは、涼干と晒干だけで仕上げることらしい。
それができるのは、早春のまだ雨の少ない時期だけ。
話を聞いた感じでは、その時期に白茶をつくったことは無いらしい・・・。

漫撒古樹青餅2013年・緑印 その6.

製造 : 2013年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山瑶洞古茶樹春茶
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
月

お茶の感想:
西双版納旧六大茶山の「革登」と「莽枝」のサンプルを入手した。
高級茶の歴史をつくってきたお茶に期待はふくらむ。
生茶の革登と莽枝の飲み比べ
「革登」と「莽枝」の生茶プーアル茶
2つを飲み比べてみると、とっちがどっちというのはけっこう難しいと感じて、このお茶「緑印」を加えてみた。
【漫撒古樹青餅2013年・緑印プーアル茶】
漫撒古樹青餅2013年・緑印プーアル茶
3つの共通するのは、かつて清代までは農地として栄えていたところが廃れて、半野生状態にもどった古茶樹が、今再び脚光を浴びているというところ。
「野放茶」と呼ばれることもあるが、茶摘みをしたり雑木を刈るなどの手入れが何年か続けて行われているので、野性味は薄れているかもしれない。
それでも村から遠くて、雑草の手入れができなかったり、茶樹が大きく育ったまま台刈り(切り戻して短くする)もされていなかったりして、風味にはそれなりの特徴を保っている。
もちろんいずれの山にも台地茶(現代式に品種管理をした茶畑のお茶)もあるので、同じ地名だから同じお茶とは限らない。
漫撒古樹青餅2013年・緑印プーアル茶
結果は、1.「緑印」 2.「革登」 3.「莽枝」。
実は、このサンプルをくれた知人は「莽枝」に自信を持っていた。茶摘みの写真はすごかったし、品種の特殊性が茶葉に現れていたので、自分も期待した。けれど、それほどでもなかった。
今回はっきりとわかった違いは、味のどうこう言う前に、水の質感が変わったこと。
「緑印」はまろやかな舌触りのツヤツヤした液体になった。
その観点で、2.「革登」 3.「莽枝」が自動的に決まった。味の個性はそれぞれだけれど、水の質感は順位を付けやすいと思った。
もしかしたら「緑印」は生まれながらにもっている素質があるのかもしれない。
試飲を続けて探ってみようと思う。

ひとりごと:
老板娘
夜の花
白族の老板娘の誕生日にこの花をプレゼントしたのはベルギー人の旦那さん。
すごい似合ってる。
月
ヤシのむこうから月が出る。

漫撒古樹青餅2013年・緑印 その5.

製造 : 2013年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山瑶洞古茶樹春茶
茶廠 : 農家+漫撒工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
漫撒古樹青餅2013年・緑印プーアル茶

お茶の感想:
ちょっと遠征して、ある茶山を初回訪問していた。
ところが、そこで見たのは、聞いていたようなキレイな話とは違った。
巧妙だったけれど、その偽装は僕には分かった。
脳が騒いで余計なことを書きそうだったから、数日ブログの更新ができなかった。
いずれ書く。
けれど、今はない。
嘘が混じってしまう。
事の真相が説明できるようになるには、時間がかかる。勉強も要る。
現場を見ていない人が、話を聞いて、どのように理解するのか、誤解するのか。
その罠を先読みできないと、嘘の入る隙間をつくる。
誰が悪いとか、どこに問題があるとか、わかりやすく誤魔化すのはアカン。
本当の原因というか、敵は、たぶん人々の自覚のないところの心理に居る。脳や心の仕組みにある。
今日は気を静めてこのお茶。
【漫撒古樹青餅2013年・緑印プーアル茶】
準備のために蓋碗を洗った後に手が滑って落として欠けた。
漫撒古樹青餅2013年・緑印プーアル茶
まだ落ち着いていないのだろうか。
ときどき自分は気持ちの動揺が身体に現れても、それを自覚できない。
そんなヤワなはずがないだろ!と、心が隠そうとするのかもしれないな。
ヤワなのだから、ヤワなりにやってゆけばよいのにと思う。
漫撒古樹青餅2013年・緑印プーアル茶
お茶の味に嘘はない。これに静かに語ってもらおうか。

ひとりごと;
孟海の風景
孟海の風景
孟海の風景
孟海の風景
西双版納はしばしば「桃源郷」に例えられる。
幻を見るような景色に、
緑の香りのサラサラの風が吹いて、
ふんわり身体を包みこむ。
チカラが抜けてゆく。
痛みが消えてゆく。
夢の中にいるみたいになって、生きている実感が薄れてゆく。
自分という個体を留める細胞という細胞の結合が、あまり意味のないものになって、ほどけてしまうのではないかと思える。ほどけてサラサラになって、土にも水にも風にも溶けて、あらゆるものと完全に調和する。
今はひとりで頑張って個体を留めているけれど、いずれそのときがくる。
みんなにくる。
この星にいるということはそういうことだよな。

易武山落水洞の散茶2013春 その2.

製造 : 2013年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山落水洞古茶樹
茶廠 : 農家
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納 袋密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
易武山落水洞の散茶2013春プーアル茶
易武山落水洞の散茶2013春プーアル茶

お茶の感想:
お茶を習って、
淹れる技術が高くなってきて、
自分や身内だけで飲むのではなく、
他人にお茶を出す機会がでてくると、
どうしても高級茶が必要になると思う。
なぜなら、高級茶は美しい音色をもつ楽器みたいなものだから。
それでいうと、
老茶を除いて、当店で出品中の高級茶と言えるのは、
『易武春風青餅2011年プーアル茶』
『易武山落水洞の散茶2013春プーアル茶』
今のところこのふたつだけになる。
音の響きが違う。音色が美しい。
こういうのは説明に困るけれど、耳は知っている。
どんなに高級でもあくまでも楽器だから、演奏者の技術や才能が要る。これについてはノーコメント。当店は楽器屋さんだから、お客様を選ばない。
ふたつとも易武山のお茶であるのは偶然ではない。
これも説明に困るけれど、楽器の素材にこれじゃなきゃダメという動物の皮や木の種類や産地があるのと似ている。
易武山なのに、高級茶と高級茶に選ばなかったお茶がある。
今日はこの二つを比べてみる。
易武山落水洞の散茶2013春プーアル茶
易武山落水洞の散茶2013春プーアル茶
易武山落水洞の散茶2013春プーアル茶
丁家老寨の散茶2013年春
水を飲みながら試飲
左: 易武山落水洞の散茶2013春
右: 丁家老寨の散茶2013年春(未出品の試作)
繊細な味比べだから、ひとくちごとに口を水でゆすぎながら試飲。
味の悪いところが見えやすいように、蓋碗の大きさにしては多めの茶葉3.5gにする。
茶葉の素質でいうと互角。
どちらも、香気はある。茶気はある。耐泡もある。喉越しもある。滋味もある。ぜんぶある。
けれど、二つを比べてみると、『丁家老寨の散茶2013年春』は味の響きにかすかな濁りがある。
製茶の技術の差が現れている。
ほんのちょっとした差なのに雲泥の差に思えるのは、その差のところにだけに宿る美しい響きがあるからだろう。
『易武山落水洞の散茶2013春 その1.』の記事には、「甘味が少ない」とか、「すばらしい蘭香があったが、おそらく易武山の甘いお茶にはならないだろう」と、書いている。
いや、そんなことはない。
甘くても甘くなくても、響きの美しさには関係がない。
高級茶をつくる技術とセンスのある農家は限られていて、しかも、本気でつくるかどうかは注文の量や価格次第だから、わかりきったことになる。けれど、こういうお茶にもっと集中したい。ダメならダメでいいから、早く次へ進みたい。

ひとりごと:
野菜市場のタイ族のおばちゃんのおこわが美味しい。
2人並んでおなじものを売っているのに、こっちのおばちゃんのは蒸し加減が良い。
黒糯米のおこわ
黒糯米のおこわと泡菜
黒糯米のおこわ、2元。
青菜の泡采、1元。
焼栗、2元。
これもひとつの西双版納のお昼ご飯。

丁家老寨山頂の野生茶 その1.

製造 : 2013年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県漫撒山(旧易武山)丁家老寨野生茶
茶廠 : 農家
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 袋密封
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
丁家老寨山頂
野生茶

お茶の感想:
丁家老寨の裏山からラオスにかけての未開発の土地に、大きな会社が牧場をつくる計画がある。噂では、乳製品をつくる酪農のためらしい。人々の生活のスタイルが変わって、牛乳なんて飲まなかった人々が飲むようになって、その需要ができたのだ。
国有林のはずの土地がなぜ民間の企業の営利目的に使われるのか?地方官僚の汚職の臭いがプンプンするけれど、誰にもどうにも止められない。
山道が整備され、かつては徒歩で5時間かかったところへ、車で50分で行けるようになった。
この山頂付近に野生茶が群生しているのを、丁家老寨の人が見つけていた。
特別な香りがあるというので、春のお茶づくりのときに行って、ちょっとだけ採集して、お茶にしてみた。
そのエピソードをこのページにも書いている。
【漫撒古樹青餅2013年プーアル茶 その5】
丁家老寨山頂の野生茶
丁家老寨山頂の野生茶
丁家老寨山頂の野生茶
野生茶
山頂の森は霧に包まれていた。
乾季の終わりに近付く4月の中頃で、まだ雨の降らない日が続いていたにもかかわらず、ラオスからの風は白く煙っていた。ずっと向こうの山の下のほうに未開発の熱帯雨林が広がっているにちがいない。その蒸気が山の上まで風にはこばれてくる。おそらくここは太陽がカンカンに照る時間が他の場所に比べて少ないはずだ。山頂付近の植物は、この辺りの山々で見かけるものとはちょっと違う感じがした。
「この茶葉には油がある」
と農家の言うとおり、持ち帰った茶葉を炒って揉んで乾かして、湯を注いだお茶には油が浮いた。
丁家老寨山頂の野生茶
香りはお茶らしくない。西洋の香水のように洗練されていた。
味は、お茶のお茶たる苦味が少なくて、酸味がつよく、美味しいというほどのものではなかった。しかし、巴達山の茶王樹のような原種(カメリア・タリエンシス)ではないと思った。もっと栽培種に近い飲みやすさがある。
山頂の特殊な気候にしか生きられない品種。
牧場が開発されて気候が変わると、絶えてしまうだろうか。
車の通れる山道ができただけで、すでにある種の棘を持った竹が絶えたらしい。
丁家老寨山頂の野生茶
出来たてのお茶は本来の風味がないから、
だからしばらく待って、5ヶ月経った今日、ちゃんと淹れてみた。
丁家老寨山頂の野生茶
丁家老寨山頂の野生茶
丁家老寨山頂の野生茶
油は浮かなかった。酵素で分解されたのだろう。
しかしなぜか茶の色が出ない。じっくり抽出しても透明なままの液体。
香りはやや薄れていた。
味は出来たてのときよりも甘味が増していたけれど、基本的には同じ。お茶のお茶たる味のなにかが欠けている。
あるのかないのかわからないような、この香り、味、のど越し、余韻。
やっぱりそうだ。
この品種の血は、易武山や漫撒山(旧易武山)一帯の、ある種の古茶樹に受け継がれている。
ということは、
ラオスの熱帯雨林の霧が上がって来なくなって、そのために山頂の野生茶が絶えるようなことになったら、同じように、易武山や漫撒山の古茶樹からもある種の血が絶えて、ある種の風味が失われるのだろうか。
道が開通したら、ラオスの熱帯雨林を伐採して、天然ゴムの樹の畑が開拓されるだろう。
牧場と天然ゴム園のためにお茶の味がダメになるかもしれない。
この地域の経済の価値は、牛乳よりも車のタイヤよりも、お茶のほうが断然高い。
しかも歴史は唐代からとなると、1300年の経済がこの辺りの山々にあったことになる。
短期的な経済のためにそれをダメにするのなら、いよいよお金にも嫌われるかもしれないな。

ひとりごと:
酒だ。
Bourbon
でも、ひとくち飲んで、頭が痛くなりそうな予感がしたのでやめた。
ラオスで買って来たのだけれど、アメリカのバーボンだった。
散歩だ。
西双版納
久しぶりに夜市を覗いてみた。
あいかわらずたいしたものがない。

南糯山古茶樹の散茶2013年 その4.

製造 : 2013年5月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山老Y口寨古茶樹
茶廠 : 農家
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納 袋+段ボール箱
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : グラスポット
南糯山古茶樹の散茶2013年プーアル茶

お茶の感想:
さあ、もう一度試飲。
今回はお茶の間のお茶として。
熱中症や夏バテ防止のミネラル補給に、普段飲みのお茶はじっくり味わうよりも、毎日いつでもゴクゴク飲めるのが一番。
ヤカンいっぱいに湯を沸かす。
茶器を温める手間なんぞいらない。
ザクッとひとつまみの茶葉に、いきなり熱湯を少し注いで洗茶。
洗茶
洗茶の湯はすぐに捨てて、ポットいっぱいに湯を注ぐ。
まだ色が出ないくらいでちょうどよい。そのくらいでコップに注ぐ。
南糯山古茶樹の散茶2013年プーアル茶
コップに注ぐうちにノロノロしていると濃くなってしまう。
濃くなると苦いので、また湯を足して薄める。
南糯山の苦いお茶。
いつまでも後を引く苦味。
南糯山古茶樹の散茶2013年プーアル茶
南糯山古茶樹の散茶2013年プーアル茶
その苦味の中にかすかな甘味を感じたら、身体の中に爽やかな風が吹く。
うとうと眠気を誘うような、サラサラの山の風。

ひとりごと:
過去の記事を再投稿している。
とくに好きな「上海の坊」の記事。
上海の坊
上海の坊
【砂遊び】
【静かな脳】
またどこか冒険に誘ってシリーズ化したい。
少々危なくても、親をなんとか適当に説得して、大自然の中へ連れ出してやる。

易武古樹青餅2010年 その23.

製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
易武古樹青餅2010年プーアル茶

お茶の感想:
南糯山のお茶の試飲がつづくと、
ふと、「これってそもそも美味しいのかな?」と心配になってくる。
食べ過ぎ飲み過ぎはなんでも不味くするにちがいないけれど、とにかく比較対象を見つけて安心したくなる。それでこのお茶。
【易武古樹青餅2010年プーアル茶】
だんぜん美味しい。
易武山の甘いお茶。
甘いほうが美味しいに決まっている。
二つを交互に飲み比べるとどうしてもそうなる。
甘いといっても糖分が多い甘さではなく、味覚の錯覚によるものだと思う。甘い印象を持っている。
さあ、そうすると、南糯山のお茶をどうするか?
「これ、どう考えたらいいですか先生?」
と聞きたいけれど、先生はいないのだなあ。
はじめから。
易武古樹青餅2010年プーアル茶
ちょっと深く考えてみよう。
まず、「南糯山」と「易武山」のお茶を同時に飲み比べることなんてあるだろうか?
ないのだそんなこと。
たまたま当店の古茶樹の生茶のラインナップにこの二つがあるのであって、たとえこの二つをお求めになったお客様がいらっしゃっても、お客様のほうで同時に飲み比べることはない。ひとつひとつ淹れて、それぞれの味わいを味わう。それぞれの個性を知ってからは、そのときどきの気分に合わせてどちらかを選ぶ。
優劣を比べる必要なんてまったくないのだ。
そもそもの話、優劣なんてことを言いだしたら、易武山のお茶ですら、易武山のあらゆる地域の、すべての農家の技術の違いを比べるサンプルを集めて、その中から最高のものを選びだすなんてことはしていない。
どうしているかというと、少ない縁でつながった少しの農家の、少しのサンプルから判断しているにすぎない。
その結果、もしも当店の易武山のお茶がやっぱり美味しいと思っていただけたお客様がいるとしたら、思い当る理由がひとつある。
それは、少ない縁を大事にした忍耐の賜物だということ。
山との出会い。農地との出会い。農家との出会い。茶樹との出会い。そのお茶の味との出会い。そこから始まって、お茶が出品に至るまでに、我慢ならないことが何度もある。止めようかどうしようかと何度も考えて、実際に止めたことも何度かある。それでも出品までなんとかこぎつけたお茶は、もはや比べてどうこうしようというものではなくなっているのだ。これはこのお茶の味わい。世界で唯一のものであって、それ以上も以下もない。
お客様は限られた予算でお茶を選んで買う。
買ったお茶はもうそれしかない。味わえるか味わえないかであって、なにかと比べる必要などない。
はじめからなかったのだ。
お茶の味わいに優劣のあることを教えられる先生は、お客様にとってもいなかったことになる。

ひとりごと:
ベトナム人の旅する女性シェフが、
「明日ちょっとしたものつくるからカフェに来て」
と言ってたのを思い出して、行って来た。
越南炒米干
サトイモともち米のココナッツミルク
ふつうだった。
山と川と水田のすばらしい食材のある西双版納で、専属のコックさんがいたら・・・・・。そのことについては何度も考えたけれど、お茶に集中できなくなる。
ま、料理のことはいつでもできるさ。
ゴールデントライアングル最強のグルメ生活者になることなんて、お茶に比べたらカンタンなことだ。と、負け惜しみを言っとこ。

南糯山古茶樹の散茶2013年 その3.

製造 : 2013年5月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山老Y口寨古茶樹
茶廠 : 農家
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 散茶
保存 : 西双版納 袋+段ボール箱
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
焼鴨
焼鴨
焼鴨

お茶の感想:
「肉を喰わなアカン」
体がそう言って焼鴨の店へ。
西双版納孟海県の合鴨は地元ではちょっと知られた食材。
田んぼの副産物。
田螺や泥鰌をたっぷり食べているから肉が締まって脂肪が少ない。脂はサラサラで北京ダッグのようにベタつかない。飼料で肥らされて育った変な臭いもしない。人の作意のないものほどすばらしいのはこれも同じ。
一羽500円をガッツリ頂く。
さて、念のためもう一度このお茶の試飲をしておく。
5月の二番摘みの茶葉にほぼ内定している。
毎日ガブ飲みできる古茶樹のプーアール茶になると思う。
生茶は夏に美味しいけれど、来年の夏までこのまま保存しておけば、ちょうどよい落ち着き具合になるだろう。
今回は『南糯古樹青餅2010年プーアル茶』と比べる。
【南糯古樹青餅2010年プーアル茶】
南糯山古茶樹の散茶2013年プーアル茶
南糯山古茶樹の散茶2013年プーアル茶
南糯山古茶樹の散茶2013年プーアル茶
左: 南糯古樹青餅2010年
右: 南糯山古茶樹の散茶2013年
今年で3年モノとなる『南糯古樹青餅2010年』は、漢方っぽい薬味が醸しだされて、味に奥行きがある。しかし、渋味が強い。この渋味は、固形茶にする圧延工程の高温の蒸気や、乾燥室の熱が関係している。これはこれで個性なのだけれど、お茶淹れの技術のない初心者には難しくなる。
その点、このお茶『南糯山古茶樹の散茶2013年』は散茶で、難しいところもないから、茶器を選ばずに自由に楽しみやすい。逆に、お茶淹れの技術で変化させるにも、そう大きな変化は期待できない。

ひとりごと:
いつものカフェの、いつもの席で、いつもの人たちと、いつもありそうな会話。
カフェ
カフェ
近年の異常気象のせいか、それまでは西双版納に居なかったはずのデング熱を媒介する蚊がタイやラオスから入って来て、繁殖して、死人が出ている。
カフェの老板娘もデング熱にかかって病院で注射して何万円も請求されたというが、デング熱には特効薬が無い。抗生物質はまだ見つかっていない。だからブドウ糖の点滴で体力を維持するくらいしか手がないはず。医者が売り上げのマージンを稼いでいるに違いない。制度の問題。人の問題。ここはありとあらゆる問題のデパートなのだ。
いつのまにかお姉さんらのガールズトークに巻き込まれて、聞かれるままに理想を答えたら非難ごうごう。
いかにもそのとおり。
僕はみなさんに好かれなくなった昔ながらのアジアの男で、絶滅危機種の道を歩んでいるのです。


茶想

試飲の記録です。

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