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版納古樹熟餅2010年 その19.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶を崩したもの
保存 : クラフト紙封筒+アルミ蒸着フィルム
茶水 : タイのミネラルウォーター 
茶器 : サーモス真空断熱マグ350cc
チェンマイ

お茶の感想:
タイ・チェンマイで一休み。
旅のお茶はこれ。
+【版納古樹熟餅2010年】
携帯マグに10円玉くらいの欠片を入れて、宿にお湯をもらう。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
疲れた身体を内側から癒してくれる。傾きかけたバランスを整えてくれる。
遊牧民はやっぱり黒茶。
このお茶なしでは旅に出るのが心細いから、自分はずいぶん遊牧民度が高くなっていると思う。
おやつは市場で売っている小さいトウモロコシの蒸したやつ。4つで10バーツ。
チェンマイ
チェンマイ
自然栽培で混生品種のせいか、ひとつひとつ色が違う、大きさが違う、味も歯ごたえも違う。だから飽きない。味は、はじめはあっさりしているように感じるが、噛むほどに滲み出てくる。ゆっくり食べるほど美味しい。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
美味しいだけでなく食後感も気持ち良い。身体にすっと入ってじわじわ効いてくる。お腹が喜んでいる。
トウモロコシの他に、サツマイモ、ピーナッツ、枝豆など、大きさや形のそろわない地産地消の蒸しただけのおやつが市場の隅のあたりに売られている。
旅に出て3日目くらい、つまりグルメ情報を探ってレストランで欲望に任せて食べて疲れた内蔵には、これらのおやつが沁みる。
そこに薬効あらたかな熟茶を飲めば完璧。
上等な食べものや飲みものは、身体に入ってからしばらくしてやっとその価値がわかる。急いで舌先を満足させようとするコマーシャルフード(商業的食べもの)とは格が違うのだ。
椰子汁
椰子水
椰子汁。ヤシジュース。
これもおすすめ。35バーツ。
熟れ具合によるが、内側の白いところをスプーンでこそげ取るとテロテロの果実が食べられる。ただ、あまり柔らかく熟れたのはジュースが不味くなる。
椰子は「涼」の食べものなので、暑いときには欠かせない。

ひとりごと:
旅の茶器の入れ物を探し中。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
竹皮編みの入れ物
竹皮編みのはよいが、ひとつひとつ大きさが違うから商品にしにくい。
とりあえず、自分用のを見つけて半年ほど使ってみる。

巴達古樹青餅2010年 その23.

製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 日本紙包み+プラスチップバッグ密封
茶水 : 京都御所周辺の地下水
茶器 : 小さめの蓋碗
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶

お茶の感想:
今日もおなじく、
朝起きてお茶を淹れる。
湯を沸かして、
茶器を整えて、
茶葉を選んで、
適量を分けて、
茶器に移して、
洗茶して温めて、
一煎め。
湯を注いでほどよく抽出して、
茶杯にうつす。
身体の中心線へ杯を引き寄せて一杯め。
香りを聞いて、
口から喉へ食道へお腹の底へ。
余韻と、
吐く息と吸う息に香気を感じて、
血の巡りを意識する。
二煎め。
・・・・
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達
今日のお茶は、
+『巴達古樹青餅2010年』
熟成4年目。
清淡なところを失わず、夏の口に涼しいお茶。
透明感が増して、より繊細な風味が味わえる。
ちょっとぬるめの湯80〜90度で淹れるのがコツ。
早春特有の辛味をおさえて、すっと消える甘味と、じわじわ消える苦味が出せたら上等。

ひとりごと:
卸売部にぼちぼち出品。
白牡丹生態茶2014年
白牡丹生態茶2014年
寿眉老茶2003年
寿眉老茶2003年
那カ古樹月光白2014年と那カ古樹青餅2014年プーアル茶
那カ古樹月光白2014年
白磁つや消し茶海
白磁つや消し茶海

易武古樹青餅2010年 その29.

製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納―上海 紙包み+紙の封筒
茶水 : 下鴨神社の地下水
茶器 : 小さめの蓋碗
品種改良の世界史

お茶の感想:
世界の多くのお茶どころは、
中国から種や苗を移植するところから始まった。
広く分布するまでには、移植のそのまた移植というパターンもある。
もとはひとつかふたつの茶の品種を改良して種類を増やしたケースがほとんどなので、血統のバラエティーは意外と少ない。台湾・インド・スリランカ・アフリカ・日本など、生産量は多くてもつくられるお茶の種類は限られている。
中国大陸の中国茶の種類がバラエティーに富むのは、在来種の血統に多様性があり、おのおのの地域で大切にされてきたからだという見方がある。
歴史的に初期のお茶づくりにおいては、品種が製茶方法を選ぶ。
製茶方法が品種を選ぶのではないのだ。
品種の個性を光らせるために製茶技術が開発されて、お茶は製品として成熟してゆく。
図書館で見つけた本『品種改良の世界史・作物編』を読みながらそんなことを考えた。
そしていまいちど当店のお茶づくりを振り返ってみる。
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶
このお茶『易武古樹青餅2010年』は、一枚一枚の風味がやや異なる。
その理由がだんだんはっきりしてきた。
易武山は歴史の古い茶山で、品種のバラエティーに富む。
実生(茶樹から種が落ちて育つ)なので、母樹とはちょっと違った性格の茶樹が育ち、世代交代するうちに差が開く。その上、易武山には高級茶づくりの歴史があり、300年以上も前に外地から持ち込まれた品種、つまり血統の違う品種も混生している。
参考ページ
+【易武山 品種のオアシス】
茶摘みは3月1日から4月10日まで40日間かけた。「春の旬」と言えるシーズンのはじめから終わりまでギリギリいっぱいが40日くらい。
新芽の出る時期が品種によって異なる。例えば「早生」・「中生」・「晩生」と3つに分けたとしたら、3つの味のお茶ができることになる。
悪いことではないが、お客様は混乱するかもしれない。同じ春に同じ製法で同じ人がつくった同じ名前のお茶なのに、味はちょっとずつ違う・・・。
よく混ぜて平均化させてから圧餅(圧延加工)する手はある。
しかし、混ぜるときに茶葉が崩れやすく、屑になるのを増やしたくないので、古茶樹のお茶ではあまり厳密に混ぜない。つくった順番に袋詰めしてゆき、その袋を開けた順番に圧餅してゆく。
このつくり方において茶樹の個性を際立たせるためには、茶摘み期間を限定するか、さらに的を絞って1本か2本の茶樹を選ぶことになる。
今年試みた「単樹」のお茶づくりは、より濃い血を求めた究極の製法と言えるだろう。
参考ページ
+【弯弓古樹青餅2014年】
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武山はこの葉脈の中央脈がオレンジ色で、ちょっと藍色や紫色がかった茶葉は早生の品種。香りがとくに甘い。
西双版納は茶の原生地でもあり、お茶どころとしても古いゆえに、品種のバラエティーがある。
血統で言うと、メコン川を境にして東西に性質の大きく異るのがある。特定の地域で在来種と外来種がある。
しかし、プーアール茶の製法はどこの山でも同じ。
本来は東西で異なるお茶がつくられていたはずだが、市場の需要に合わせて製法が均質化されてきた。
山ごとの品種の個性に合わせて、製茶技術が個別に発展してもよいのに、そうはならない。
それでもお茶の味は山ごとに個性がある。
こっちの山から言わせたら、あっちの山のはプーアール茶にあらず。というくらいに多様性がある。
この面白さをもっと楽しめるよう、均質化とは逆の流れでお茶づくりを考えてゆきたいと思う。

ひとりごと:
神社の裏の小さな山の上の喫茶。
吉田神社
吉田神社
吉田神社
吉田神社の喫茶
吉田神社の喫茶

易武古樹青餅2010年 その28.

製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納―上海 紙包み+紙の封筒
茶水 : 日本京都御所周辺の地下水
茶器 : ガラスの茶壺
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶

お茶の感想:
熟成4年めのこのお茶。
【易武古樹青餅2010年】
試作品に1キロサイズの大きな餅茶をつくていた。
赤黒く変色し、表面に光沢が見られる。
「常温の焦げ」(メイラード反応)の良い状態。
保存方法は簡単で、紙包みのまま食品用のプラスチックバックに入れて密封し、押入れに仕舞っていた。
餅茶の標準サイズは357gだから、1キロは茶葉が多い。このことが熟成に有効であると推測している。茶葉が相互に助けあって、より安定した状態を保つ。
近年は古茶樹の価格が高騰したので100gのミニサイズの餅茶が増えつつあるが、それなら数枚をまとめて保存するのが良いかもしれない。
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶
湯の蒸気とともにフワッと立ち上がる甘い香り。
易武山の甘いお茶。
口あたりまろやかで、喉に落ちる水滴はツヤツヤ。
後口にスースーとメントールの爽やかな風。
いつの時代に長期熟成がはじまったのか?
昔の人がこのことにどうやって気付いたのか?
そのあたりがはっきりしないけれど、熟成は味のまろやかさだけでなく、身体へのまろやかさを求めているに違いない。
生茶の辛味は身体にも刺激が強い。
プーアール茶は毎日のお茶。それなのになぜ、辛味が残りやすい火入れの浅い製茶方法に落ち着いたのか?なぜ辛味の多い早春の茶葉を尊ぶのか?なぜ10年も20年も辛味の落ち着くのを待つのか?
この矛盾の背後にはおそらく薬効の存在がある。
時間を掛けることでしか解決できないなにかがあるのだ。
お茶が毎日のクスリであった時代の知恵が、現代的には理解できないからといって利用しないのはもったいない。
易武古樹青餅2010年プーアル茶
最初の一煎めの湯を90度くらい。
(洗茶はしていない)
ポットの湯を再沸騰させないで、冷めてゆくのを足しては飲んで、足しては飲んで、4煎めくらいには51度まで下がっていたが、これでよいのだ。
はじめの一煎めでしっかり熱がっ通っているから、継ぎ足す湯の温度が低くても十分な味わいが出る。
熱い湯を足し続けると茶葉が煮えて味が濁る。

ひとりごと:
詩仙堂。
詩仙堂
詩仙堂
詩仙堂
詩仙堂
詩仙堂
詩仙堂
詩仙堂
詩仙堂
詩仙堂
詩仙堂
庭の白砂がさりげなく宇宙。

巴達古樹青餅2010年 その22.

製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶

お茶の感想:
+【巴達古樹青餅2010年】
1煎め80度。
2煎め80度。
3煎め85度。
4煎め85度。
5煎め95度。
ふと思い立って、ぬるめの湯で淹れてみた。
公杯(茶海)に湯を注いでしっかり冷ましてから蓋碗に注ぐ。
那カの古茶樹が小葉種というなら、巴達山曼邁寨の茶葉も小葉種ではないのか?
孟海県の研究所の人にいちどこのことを質問したことがあって、そのときは、「中葉種」と位置づけているというような回答だった。あれからもう2年経ったのでまたちがう説が出たかもしれないが、たしかに茶葉の大きさだけで比べてみると中葉種という位置付けになる。
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
1煎め・2煎め。
白ぶどうとバニラと干し草の混じったような白茶の香り。
ふんわり紅茶の甘い香りもある。
味は淡麗。渋味・苦味は隠れて舌の上を滑り落ちるが、後口にピリピリと辛味を残して、じっくり余韻が楽しめる。
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
3煎め。
しっかり揉捻したから、ぬるい湯ではなかなか茶葉が開かない。
この煎から滋味があふれ出す。
甘いとか苦いとか渋いとか旨いとか、味ははっきりと姿を表さないが、輪郭と影があるのがわかる。余韻を楽しみたいからじっくり間を取りたくて、一杯一杯を丁寧に飲みたい気がする。
4煎め。
この煎あたりから高山香がじわっと出てくる。
高山香は苦味をともなう。口の中で苦味が香りとなって蒸発してゆくのがわかる。鮮烈な茶気を感じる。
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
5煎め。
ちょっと高めの温度でじっくり抽出したら赤い茶湯の色となった。味は強烈で、いわゆる生茶のプーアール茶の味になった。
曼邁寨も那カ山と同じで、ほんの10年前までは国営の大手メーカーが緑茶や紅茶をつくっていたのだ。ガチガチの雲南大葉種の古茶樹とはちがった性質があり、製茶するにも、泡茶するにも、まだまだ研究の余地があると思う。
熟成4年目。
新しいお茶の溌剌・辛辣とした成分はもう蒸発したのか、結合したり分解したりしたのか、もう体に強く当たったりはしない。風呂あがりの心地良い上気がしばらく続いた。

ひとりごと:
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
いつかこの曼邁寨の茶葉で1枚10万円を超える餅茶をつくりたい。
海抜1900メートルを超える森にある特別大きな5本か6本の茶樹を選ぶ。
曼邁寨の村の歴史約300年よりも古そうな茶樹が少しある。
午前中だけ摘んで、摘んだ茶葉は布を敷いてすぐに萎凋させる。
4人がかりで1日で6キロの鮮葉を摘んで約1.5キロの晒青毛茶となる。2日摘めば3キロ分の晒青毛茶。標準サイズ357gの餅茶なら7枚。180gサイズなら14枚できる。
1年でそれきりのお茶。
ついでに安いお茶をつくろうなんて考えない。これだけのために4人が4日間ほど集中して仕事をする。
茶樹を選び、摘み取りのタイミングを計り、茶摘みからなにからなにまで上には上の仕事があることを証明するのだ。
自分なりに考えて、そういう仕事を残すのがみんなへの最高のプレゼント。
巴達古樹青餅2010年プーアル茶

版納古樹熟餅2010年 その18.

製造 : 2010年7月
茶葉 : 雲南省西双版納州巴達山曼邁寨+章朗寨古茶樹2009年秋茶
茶廠 : 農家+孟海県の茶廠
工程 : 熟茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包み+竹皮
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター 
茶器 : グラスポット350cc
版納古樹熟餅2010年プーアル茶版納古樹熟餅2010年プーアル茶

お茶の感想:
『版納古樹熟餅2010年』を少し値上げさせてもらった。
+【版納古樹熟餅2010年プーアル熟茶】
同じく2010年に出品した紅茶の『巴達古樹紅餅2010年』はまだ値上げしていない。
原料の茶葉は同じ巴達山の古茶樹なのに、熟茶だけ値上げしたのは、紅茶はまたつくれても、熟茶はもうこの製法が再現できないからだ。
海抜1800メートル以上にある巴達山の秋の旬の古茶樹の鮮葉を、十数軒もの農家に声をかけて毎日集めて、深夜まで手炒りして、手揉みして、翌日天日干してという仕事が30日かかって、古くから使われてきた瓦屋根の倉庫で、地下水をつかってじっくり発酵させて・・・という仕事が60日かかるのは、今や誰もやりたがらないし、古い倉庫の地下水は近辺の土地開発で田んぼがマンションになったから水質汚染が心配だし、それに、なにより自分が力尽きた。
すべてにおいて丁寧に衛生的にしてもらうよう農家や職人を怒鳴って声を枯らして現場監督をするのは、もう辛いのだ。過労死する。
次回オリジナルの熟茶をつくるのは数十キロでもつくれる小型発酵装置を開発してからだ。それがあれば楽につくれる。何年もかかりそうだけれど、『版納古樹熟餅2010年』はまだ在庫がたっぷりあるから急がない。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
すでに何度か書いているが、このお茶は大きめのポットにたっぷりの熱湯を注いで抽出すると、バラの香りがする。
発酵の菌類との相性の良い秋の旬の古茶樹の茶葉、手炒り、手揉み、古い倉庫、地下水、いずれの条件がバラの香りに必要だったのかはよくわからない。
しかし、もしもそれが特定できたとしても、他の仕事を省略しただろうか?例えば、手揉みは必要ないとわかっていたら機械揉みにしただろうか?
しないな。
一度すべてをやり尽くしてみたかったのだ。やり残したことがないので燃え尽きたのだ。
版納古樹熟餅2010年プーアル茶
版納古樹熟餅2010年プーアル茶

ひとりごと:
つくる側の理想ばかりで買う側の人のことを考えなかったから、価格が1万円を超えたし、一般的なメーカーならとっくに売り切っているというのに4年経っても売れ残っている。
しかし、結果的にはそれでよかった。
将来、つくる側の人が見つける日が来るだろう。この仕事の真似のできないことや、このお茶に宿る特別な風味。『版納古樹熟餅2010年』は伝説の名作になるかもしれない。
この数年、古茶樹を原料とした高級プーアール茶を手がけるメーカーは、マーケティングとかパブリシティーとか横文字の手法を取り入れて、買う側の人や売る側の人のことをよく考えた製品づくりをしている。例えば、有名茶山でも手頃な価格になる100gミニサイズの餅茶にしてみたり、シリーズ化してみたり、雑誌社に特集本を出版させてみたりして、実際にそれはよく売れている。けれど、そういうメーカーの品から伝説の名作は出ないと断言する。
つくる側の理想のないお茶には、ひとことで言うと夢がないのだ。

易武古樹青餅2010年 その27.

製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶

お茶の感想:
清明節が来て、
春のお茶が終わって、西双版納の長い夏が来た。
この2日間、午後になると空がゴロゴロ鳴って、風が吹いて、雨季の雨がザーッと叩きつける。
「第二波」と呼ぶ二番摘みが5月まであるが、西双版納の気候では一番摘みとの差が大きい。茶葉の質もさることながら、製茶工程における成分変化にも気温の差が現れると思う。
今年のテーマは製茶。
摘んで、炒って、揉んで、乾燥させて・・・という一連の仕事を手で覚えたいので、そこに時間をかけるつもりだったが、思いがけない環境の変化で、手を止めて全体を見るようにした。
中国国内で古茶樹の価格高騰がニュースになっているけれど、価格だけが変わるのではない。お茶づくりが変わり、お茶の売り方が変わり、お茶の役割が変わり・・・と、あらゆる変化があり、お茶の味も変わるだろう。
『易武古樹青餅2010年』の価格を1枚18,800円から16,800円に戻した。
(18,800円でお求めになったお客様へは後日メールにて、返金・交換・割引のご提案をさせていただきます。)
+【易武古樹青餅2010年】
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武古樹青餅2010年プーアル茶
2010年の時にはこれで良いと思っていた技術が、今から振り返るとダメと思えるところが出てきた。
『易武古樹青餅2010年』は、殺青の焦げと圧餅の蒸し過ぎ、この欠点が目立つ。致命的ではないので出品は続けるが、もしも2014年にこのレベルのが出てきたら競争力が無いだろう。
老茶の観点からしたら欠点が魅力になる可能性はあるが、現在のお茶の観点では減点になる。
この4年間で、自分の眼や舌も肥えたが、業界全体のレベルも上がった。現時点の新しいお茶の評価においては、今年の新しいのを買ったほうが良いことになる。来年はもっと良くなるだろう。まるでパソコンの新しいのが桁違いにパフォーマンスが良いみたいに、製茶に急速な進歩がある。あと2年か3年はこの進歩が続くと思う。
農家が技術を上げたのではない。製茶を農家にやらせない。茶摘みだけをやらせる。製茶専門に構えた設備と技術でもって仕事をする。この新しい仕組みに大きな成果が出てきたのだ。製茶の手法自体はあまり変わっていない。
昨年まで当店は農家の技術を上げようとしていた。
しかし、それでは追いつかないところまで来た。さて、どうするか・・・。
那カの山奥にメーカーの製茶場が建設中
山奥の那カでも、メーカーが製茶場を建設中だった。

ひとりごと:
易武山のプーアル茶飲み比べ
『易武大漆樹小青餅2013年』
『漫撒古樹青餅2013年・緑印』
『易武春風青餅2011年』
ふと思いついて、この3つを試飲した。
3つとも農家の製茶。
こうして比べると、やはり『易武春風青餅2011年』が美味しいが、製茶は『漫撒古樹青餅2013年・緑印』が良い。『易武大漆樹小青餅2013年』は美味しいけれど製茶はダメだ。焦げている。単独で飲むとこのお茶の焦げはとても魅力的なのだけれど、比べたらダメなのだ。

南糯古樹青餅2010年 その4.

製造 : 2010年04月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県南糯山老Y口寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 大きめの蓋碗
西双版納の蘭
西双版納の蘭
西双版納の蘭
西双版納の野菜市場に蘭が出てきた。
お茶と同じで今年はちょっと早いみたいだ。

お茶の感想:
ワインのテイスティングみたいにペッと捨てられたらよいけれど、古茶樹モノのプーアール茶は酔い心地も大事な観点だから、しっかり飲んで酔うのだ。
春の旬のこの季節、新しいお茶をいくつもテイスティングするのは辛い。二日酔いはないけれど不眠症がある。
古茶樹の酔いは眠くなるので、いったん寝床についてうつらうつらするけれど、深夜にパッチリ眼が開く。体は休んで頭だけが冴えて妙な不快感がある。
そんなお茶も10年寝かせたら変わる。
酔っても眠れる。ぐっすり眠れる。酒を飲んで二日酔いしないのと同じだから、お茶好きには嬉しい。
これが長期熟成の理由のひとつだと思う。味の魅力だけではないのだ。
日本のお茶で気持よく酔った記憶が自分にはないが、中国には上質な茶酔いをもたらすお茶がある。だから、農薬や肥料を使わない栽培の価値が正当に評価される。薫り高い新しい品種よりもおっとりした原生の品種が選ばれる。際立った美味しさがなくても南糯山の古茶樹の人気は安定している。
【南糯古樹青餅2010年】
南糯古樹青餅2010年プーアル茶
南糯古樹青餅2010年プーアル茶
南糯古樹青餅2010年プーアル茶
今日はちょっとぬるめの湯でじわっと抽出した。
この場合、温度を保ちやすい大きめの蓋碗がよい。
ぬるめの湯(たぶん90度くらい)のほうが雑味が出ない。沸き立ての湯で淹れると思いがけない香りが出たりするが、安定しないのだ。
熟成4年目になると白ぶどうのような風味が出てきて、それがさらに熟れてきたらまさにブランデーと言いたいが、まだ苦味・渋味が強い。もっと熟成がすすんで甘くなってほしい。
南糯山の古茶樹のお茶ばかりリピートされるお客様がいらっしゃるのだ。他の茶山のお茶には見向きもされない。おそらく酒も、焼酎やウィスキーの決まった銘柄があるのだろう。あるいはウォッカの珍しいのを取り寄せてずっとそれ一本なのかもしれない。こなれているな・・・。一緒に飲みたいな・・・。
今年の春は南糯山には行かない。
いつもの農家はお茶をつくらず、鮮葉(摘んだすぐの茶葉)を売ることにした。メーカーが山に製茶場をつくって、農家が毎日摘んだ鮮葉を集めるというスタイルのお茶づくりが始まっている。
西双版納の茶山全体にこの傾向がひろがりつつある。
清代の易武山のお茶づくりにはこのスタイルがあった。製茶の職人に達人が現れて、すごい技で隠れた風味が引き出されるかもしれないし、どこもみんな同じような味になって、つまらないものになるかもしれない。

ひとりごと:
南糯山の農家が電話をしてきて、
「春のをつくらなくていいのですか?」
と念を押すので、
「つくらなくていいのです。鮮葉を売るほうがあなたたちも儲かるじゃないですか。」
と答えた。
しかし、ほんとうの意味はこうだ。
「お茶づくりは楽しいからまたやりましょう。」
そう。またやりましょう。こんどはキッチリ火入れして、アルコール度数を高めたウォッカのようなお茶をつくってみたい。「このお茶は二十歳になってから」と書いてみたい。

西双版納の鯉と鯰
西双版納の鯉も鯰もギギも、日本で食べたのよりもずっと美味しい。
のびのびとした鯉の体やヒレのラインを見よ!
わかる人はわかるはずだ。養殖で汚れていない野鯉だ。
お茶もそうだ。

巴達古樹青餅2010年 その21.

製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟海県巴達山曼邁寨古茶樹
茶廠 : 農家+孟海の茶廠
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納紙包み+竹皮包み
茶水 : 京都御所周辺地下水
茶器 : 小さめの蓋碗
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶

お茶の感想:
「梅の香りがする」と、
カルフォルニアのお客様が言いだして、
つづいて京都お茶会の先生も言うので、
たしかめたくてこのお茶。
【巴達古樹青餅2010年】
西双版納の手元のサンプルに「梅」と言えるような印象はなかったので、今回上海にある一枚を持って来た。
上海は7枚一組竹皮包で保存している。開封した後はすべて熟成壺に保存している。お客へ郵送する前に壷から出してパックする。昨年末にやっと壷がそろったのだ。
そう簡単には売れないから、場合によっては半年から1年間も壷で寝かしたものがお客様の手元にとどくことになるだろう。
竹皮のままや、壷入りで上海に保存するのを「上海倉」と呼ぶことにする。
上海倉
上海倉の特徴は年中しっとりしていること。
上海に住んだことのある人はわかるだろうが、夏も冬もしっとりしている。風の吹く春と秋だけはカラッとする。寒い季節に湿度が高いと悪いカビが発生しやすいが、竹皮や素焼きの陶器の透水性や保温性がそこを調整してうまい具合に内部の茶葉の熟成をすすめてくれるだろう。
ちなみに西双版納は地元のダイ族の窯元に壷をたくさん発注しているが、まだまだ時間がかかりそうだ。
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
やはり「梅」の香りがある。
本当だった。
これが上海倉の効果かどうかを確かめるために、1年前から京都で袋に密封していた一枚を出して飲み比べた。
巴達古樹青餅2010年プーアル茶
これにはぜんぜん「梅」の香りはない。
「草」っぽい香りで、どちらかというと自分の知っている西双版納のサンプルに近い。
やはり上海倉の個性が出てきているようなのだ。
ゆくゆくはそれぞれの倉の個性を打ちだして、「貸し壺」業をはじめるだろう。
「版納倉」・「上海倉」・「京都倉」。
それぞれの味わいがあって面白い。
「買ったお茶をそのまま置いて欲しい」
と、以前から香港のお客様にリクエストをいただいているのだけれど、どんなふうに変化するのかがぜんぜん予測もできないのに、お客様のお茶を預かるのは怖い。だから、それぞれの変化の個性がある程度わかるようになってからはじめたいわけだ。
さ、飲みに行こ。

ひとりごと:
ししとう
カキフライ
この居酒屋は料理は安くてうまいが、中堅酒造会社の酒しかないのだな。
純米は冷酒しかない。
ま、それでもよいのだ。近所の人たちに愛される名店。アルバイトの女の子たちがかわいらしいのもポイントが高い。
ししとう。カキフライ。

易武古樹青餅2010年 その26.

製造 : 2010年4月
茶葉 : 雲南省西双版納州孟臘県易武山麻黒村大漆樹古茶樹
茶廠 : 農家+易武山の工房
工程 : 生茶のプーアル茶
形状 : 餅茶
保存 : 西双版納 紙包み
茶水 : 西双版納のミネラルウォーター
茶器 : 小さめの蓋碗
易武古樹青餅2010年プーアル茶

お茶の感想:
高級茶は美味しいか?
高いお茶ほど美味しいのか?
もちろん美味しいのだけれど、多数決で決められる美味しさではないのだ。
美味しさにもいろいろある。
「甘い」、「旨い」、「香りがなにかに似ている」、このように表現される味のお茶は高級茶のなかでも比較的安価なところにあるだろう。
どう表現してよいのか分からないけれど、美味しいのは分かる。このように表現される味のお茶は、高級茶のなかでも比較的高価なところにあるだろう。
たくさん売れるのは言葉にできるほうのお茶。
売れないけれど銘茶になるのは言葉にできないほうのお茶。
当店は両方あるから、みなさまにお楽しみいただけるお店なのだ。これでもそのつもりなのだ。
今日の試飲はこのお茶。熟成のリポート。
【易武古樹青餅2010年プーアル茶 その5】
易武古樹青餅2010年プーアル茶
易武山のお茶は甘いと表現されるがそうじゃない。甘いと錯覚しているだけで、ほんとうは渋味・苦味の美しさに他のお茶の追随を許さない凄味がある。
と、思うのだけれど。
易武古樹青餅2010年プーアル茶

ひとりごと:
お客様とのメールのやりとりで、
「美味しく淹れられているかどうかがよくわからない。」
という声をいただいた。
「美味しく淹れられるわけがないだろ!」
と心の中で思った。
このクラスのプーアール茶の味にあらかじめ準備した正解はない。
自然に育った古茶樹のお茶は、人為的な味の調整をほとんどさせてくれない。
水と茶器と茶葉との調和によるお茶の味の響きは、どんなにがんばっても毎回異なるだろう。だから毎回、このお茶の味にどんな印象の美しさが生まれたのか、ありままを鑑賞するのだ。
なにしろこの茶葉についていちばん長く付き合っているはずの自分だって、毎回手探りで淹れて飲んで、毎回新しい発見をするのだから。このお茶が手元にひとかけらもなくなるまで、こうして試飲を記録しつづけることになる。


茶想

試飲の記録です。

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